「ソコをなんとかおネがいしますデス」
「オネガイ、」
「...オエ!...ギチギチ!」
その和室の中には異様な雰囲気が漂っていた
人ならざる白い肌と髪、恐怖を煽る黒い衣
いわゆる深海棲艦である
座布団に座る三人はそれぞれ
黄色の火をチラつかせる集積地棲姫の フィ=ゾア
緑の灯を点ける軽巡棲姫 ノィ=フゥ
黄色の炎が燻る戦艦レ級 フ=レア
三人の装備は妙に使い込まれ傷だらけだ
「はぁ~、だから俺に言われても困るんだって」
「そういう話はココの司令官にしてくれないとだな」
「キソー、ここのイチバン、だから...テ」
「だから違うって...」
「イツモ、シレイカンノヘヤ、ニ、イル」
「それは、そうなんだが」
「ヴ~...」
「そんな顔しても駄目だってば」
彼女達の話は深海棲艦の中枢破壊作戦前まで遡る
彼女達の話では深海棲艦も一枚岩ではないらしい
まず組織のようになっているのが驚きだが
深海棲艦は中枢破壊作戦で破壊された中枢を中心に幾つかの派閥に別れていた
彼女達はその派閥の中で特に大きな派閥にいたらしい
その派閥は味方の深海棲艦を改造し鮫型を造り、バタリオンと繋がりを持ち始め
中枢破壊作戦前後、彼女達の派閥が頂点に立つ為に獣竜深海棲艦を造り始めたという話だ
彼女達はその大将の圧政と論理やら人道に反する獣竜深海棲艦生産に嫌気が差し
反乱を起こして大将の軍勢と戦いながら逃げてきたらしい
道徳やら論理が深海棲艦にあるのには驚いた、こいつらだけかしれないが
三人は余り言葉が得意でなくここまでの事を聞くのにお互いかなり苦労した
彼女達の要求は彼女達とその派閥の深海棲艦達を置いておく場所の用意だ
彼女達が自分を訪ねるのは自分が●●の指揮管だと勘違いしたからだ
彼女達の派閥は数が多いせいか場所の確保が難航している
自分は彼女達が精鋭揃いでどいつもこいつも人型系であることを利用し、
なんとか背格好を整えて鎮守府や黒島の艦娘に紛れ混ませる案を考えている
●●の艦娘は結構制服の改造や妙な艦装を付けたり仮面を着けたりしているから大丈夫だと思うが
アイツあまり賛成していない、最近外部からの客が増えているせいだろう
彼女達は自分の案が頼りと言った雰囲気でなんども訪ねてきている
自分よりアイツかアイツを動かせる誰かを説得した方が良いだろう
「んん、あまりしたくは無かったが...しょうがない」
あまり卑怯な事はしたくないが、仕方ない。
いつまでも彼女達を隠してはおけないだろう
「おお、ナニかテがあるデス...カ?」
「ヤッタ!」
「ゥア゙~♪」
「あぁ、ある。正直これが駄目だったらもうお手上げだ」
自分が手の平を彼女達に見せると彼女達が思いっ切りバンザイをする
顔を見るにジェスチャーの意味合いが伝わっていなかったかもしれない
-次の日-
昨日と同じ三人の深海棲艦が昨日と同じように座っている
「おう、お前ら連れてきたぞ。切り札だ」
「本当に深海棲艦だ...」
若葉だ。
若葉がレ級ことレアの頬を摘まむ、いったいこの行動はどこから来たのか
自信か無知か、あらかじめ説明したとはいえもうちょっと警戒したらどうだ
ゾアとフゥがお辞儀をすると若葉もそれを返す
異様な空気の中で若葉を座布団に座らせ、自分も座布団に座る
自分が深海棲艦の三人に事情を話すことを促す
______
____
__
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「そうか、大変だったのだな...」
首尾は上々のようだ
「なにか出来ることはないか...何かあったら是非言ってくれ」
「若葉がそういってくれれば百人力だぜ」
「そ、そうか?」
「さっそくお願いしていいか?」
「ああ!何でも言ってくれ」
「それじゃあ、アイツに掛け合ってくれないか」
「提督か?わかった、任してくれ。大丈夫だ。」
若葉が立ち上がって歩き出した
「機嫌の良い時を狙えよ~、って若葉なら大丈夫か...」
「これでダイジョウブ デス...かネ?」
「まぁ、大概大丈夫だろ」
「オオ!ヤッタ!」
「ン゙~♪~♪」
「深海棲艦ってどいつもこんな感じなのか?」
「ナニがデスか?」
「ンア?」
「?」
「かもなぁ...」
空気が吹き出す様な妙な音の後、和室の襖が開く
「タイヘン!シレイハヤくキて!」
下半身が途中で途切れ、黒殼と深海棲艦らしい顔の着いた機械になった
いわゆる駆逐棲姫と分類される深海棲艦がいる、妙に桃色だが...
まさか鎮守府内をあの格好で走り回ったのか
「緊急事態かッ」
軍刀に手を掛ける
「オちツくデスよ、ピィ=ノラ、ホウコクはクわしくデスよ」
「エネミー!エネミー!カズは...32!」
「クチク12!ジュジュン4!ケイジュン6!センカン2!ケイボ4!ヘンなの4!」
「レアとフゥはノラのナカマについていくデス!」
「解った!」
「ゲロッ!」
二人が走っていく、だめだ!バレる!
「ピィ=ノラ、ヘンなのてなにデス?」
「ソラ、トぶの!」
恐らく最近新しく見つかった獣竜深海棲艦だろう
「イきましょう!」
「言われなくても行くさ!」
海のそばまで走っていく
その途中で若葉と並ぶピィ=ノラが前を走るのが見えた
海の上では、赤いオーラを纏った深海棲艦とフィ=ゾアの部下達が撃ち合いをしている
フィ=ゾアの部下達を指揮するのはヒメだった、確かフィ=ゾア達の事も知っていた
他の艦娘達は艦装を装備しその撃ち合いを遠くから睨んでいる
「...っ!木曾さん、これはいったい...」
不知火だ
ヒメに言われて訳も解らず待機しているらしい
とりあえず自分からも待機を命じ、敵ではない事を説明した
フィ=ゾアが海に入り、ヒメの肩を叩くと部下達に号令を飛ばす始める
フィ=ゾアが人語ならざる言語の混ざった指示を出し、
赤い深海棲艦達が次々と倒れて、海に沈んでいく
「ほげ~...」
「天龍、死体を引き揚げる用意しとけよ」
「ああ?木曾か、何なんだよこの状況は、洗脳でもしたか?」
「奴ら脱走兵だそうだ、匿って欲しいんだと」
「深海にもそういうのがあるのか、なんか意外だな」
「ほら、さっさと準備しろ」
「あー、解ったよ。不知火!潜水艦どもを準備させとけー!」
砲撃の中、最後の一隻が海に沈む
若葉とフィ=ゾアが深海棲艦達を素早く撤収させる
「艦隊、準備整いました」
「おいおい、指揮艦はオレだぜ。若葉は忙しそうだしな」
「どっちでもいいから早く片付けとけよ」
若葉とフィ=ゾアの向かった方に向かう
二人に付いていくと先ほどまで戦っていた深海棲艦達がいる
被害の確認をしているようだ
「おーい!大丈夫かー?」
「キソさん、ミナさんダイジョウブデスよ、ヘイキデス」
「こんな騒ぎになって大丈夫なのか?」
若葉が訊いてきた
「まぁ、アイツなら気にしないさ」
「でもだ、コイツらの全ては若葉の交渉にかかってるからな、頑張れよ」
「そ、それは...責任重大だな、緊張してきたぞ」
「ガンバッテ!ワカバ!」
「ギ!グチャギュチャ!」
「ガンバってクダさい、ワカバさん」
「お、お、おお!任せてくれ!大丈夫だ!」
フィ=ゾア達がわいわいと騒ぎ始めた
なかなかに暢気で陽気な奴らだが、頼むから時間と場所をわきまえてくれよ
いま頭を抱えてもそれを視るものはいないだろうと思うほど騒がしい
誰かに裾を引かれる
さきほど伝令をしていた薄桃色の駆逐棲姫だった
「ゴメンネ?ウルサくて、みんなココにこれてウレシイから...」
「ハァ...まぁいいぜ、騒がしいのは慣れてるさ」
「アリガト、キソ」
「礼は早いぜ、まだ決まってないんだしな」
「ソウナノ?」
「そうなの。」