光輝巨人リリカルなのはX   作:焼き鮭

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いざカルナージ!(A)

 

「みなさんのおかげで、ヴィヴィオは今日も元気ですよ……って」

「貴方にいくつか伺いたい事と、確かめさせていただきたいことが」

「お話聞かせてくれたら嬉しいな」

「――強いことだけが、全てじゃない」

「お前の拳を受け止めてくれる奴ならちゃんといるぜ」

「私が戦うべき『王』ではないし――私とは違う」

「強くなるんだ。どこまでだって!!」

「はじめまして……ヴィヴィオさん。アインハルト・ストラトスです」

 

 

 

『いざカルナージ!』

 

 

 

「みんなで旅行、あたしも行きたかったっス~!」

 

 オペレーションベースXのオペレーション本部で、ウェンディが大声を出した。

 

「ノーヴェとスバルだけってズルいっス~!」

「あーうるせーな。お前まだごねてるのか」

 

 ジタジタと暴れて不平を表現するウェンディに、ノーヴェがうんざり顔を作った。

 

「あたしらは遊びに行くんじゃねーんだぞ。オフトレだ。あたしはチビたちの引率もあるしな」

「とかいって、通販で水着とか川遊びセットを買ってるのをおねーちゃんが知らないとでも?」

 

 ディエチの一言に、ノーヴェは一気に顔を赤くした。

 

「な、何で知ってるんだよ!」

「段ボールの発送データに中身書いてあったから」

 

 ノーヴェが恥ずかしがっていると、ダイチがノーヴェとスバルへ告げた。

 

「何はともあれ、二人とも、四日間のオフトレ頑張ってね。エリオくんやキャロちゃんたちによろしく言っておいてね」

「うん。ダイくんも四日の間、ケガしないようにね」

 

 今日から四日間、スバルとノーヴェはヴィヴィオとその家族、アインハルトら友人等とともに無人世界カルナージへオフトレーニング旅行をしに、訓練休暇に入るのであった。これから次元港へと向かう二人を、ダイチたちは見送りしているのだ。

 彼らが話していると、本部にカミキとクロノがやってくる。

 

「あっ、隊長。スバル・ナカジマ隊員並びにノーヴェ・ナカジマ隊員、本日只今より四日間の訓練休暇に入ります!」

 

 スバルとノーヴェが早速敬礼をしながら告げると、カミキはおもむろにうなずいて口を開いた。

 

「うむ、励んでくれたまえ。――だが、そのことなのだが、ダイチ、チンク」

「はい?」

 

 唐突に名前を呼ばれたダイチとチンクは、一瞬虚を突かれた顔になった。

 

「突然だが、お前たちにもカルナージへ向かってもらう」

「えっ、ええええ!? どういうことっスかぁ!?」

 

 一番に反応したのは、羨んでいたウェンディだ。クロノが事情を説明する。

 

「先日、とある玩具工場を摘発したことは覚えているだろう。異星人犯罪者がそこを隠れ家とし、違法なロボット兵器建造を行っていた事件だ」

「ああ、あの件ですね。確か、ジミー星人っていう」

「ミジー星人ね」

 

 名前を間違えたスバルに、ダイチが突っ込んだ。

 

「幸い完成前に摘発できたけれど、駆けつけるのがひと足遅くてミジー星人自体には逃げられたんですよね。それがどうしたんでしょうか?」

「まだ未確定だが、逃亡中のミジー星人がカルナージに逃げ込んだという情報を掴んだんだ。そこで二人にカルナージに赴いて、調査をしてもらいたい。君たちもよく知ってる通り、無人世界にはXio支部がないからな」

 

 Xioは各次元世界に一つずつ支部を置いているが、無人世界には存在しない。そのため、無人世界での活動は今回のように、有人の世界の支部のどこかから派遣された人員が行うのだ。

 その任務にダイチとチンクが選ばれたことに対して、ウェンディが抗議する。

 

「何でその役、あたしじゃないっスかー!? どっちかあたしに代わってよー! あたしが行きたいっスー!」

「諦めろ、隊長命令だぞ」

 

 ダダ……もとい、駄々をこねるウェンディの両脇を、ハヤトとワタルががっちりと捕らえた。

 

「四人が不在になる分、お前にもバリバリ働いてもらうからな」

「まずは俺たちと格闘訓練だ! よかったな、こっちもトレーニング出来るぞ」

「えー!? 嫌っスー! 豊かな自然に囲まれてキャッキャしながら楽しくやりたいんっスー! 男二人に挟まれた汗臭い空間なんて嫌だー!」

「だぁれが汗臭いだ、誰がっ!」

 

 うるさいウェンディをワタルたちが本部から連行していく。それをダイチは冷や汗を垂らして見送った。

 

「……ともかく、言った通りだ。ダイチ、チンク、調査を頼んだぞ」

「り、了解です」

 

 ダイチらが敬礼すると、グルマンが本部にひょっこり顔を出して、ミジー星人について語った。

 

「ミジー星人は戦闘能力の高いタイプではなく、知略派を気取ってる割には抜けているところの多い種族だ。しかし、油断はならんぞ。そういう奴こそ、追い詰められたら何をしでかすかわからんからな。発見しても、くれぐれも警戒を怠るなよ」

「わかりました。ご助言ありがとうございます、博士」

 

 チンクが礼を言うと、ダイチはスバルとノーヴェの方に向き直った。

 

「そういうことで、俺たちもカルナージに行くことになったよ。オフトレに参加する訳じゃないけど……道中よろしくね」

「あっ、うん! こっちこそよろしく、ダイくん」

 

 スバルがどことなく嬉しそうにうなずき返した。

 

 

 

 ダイチは出立前に、カルナージまで同行する高町一家のところへ連絡を入れた。

 

「……そういうことですので、なのはさん、フェイトさん、道中よろしくお願いします」

『わかった、ダイチくん。お仕事頑張ってね。もし何かあったら私たちも協力するから、遠慮なく言ってね』

『何だったら、ダイチくんたちもお仕事後にトレーニングに参加してもいいんだよ?』

 

 ヴィヴィオの二人の母の内、フェイトが申し出、なのははトレーニングに誘ってきた。ダイチは思わず乾いた笑いを浮かべた。

 

「い、いえ、俺じゃあなのはさんたちにはついていけませんから……」

『もう、Xio隊員がそんな消極的じゃあダメだよ? あっ、ちょっと待って。ダイチくんのこと、ヴィヴィオたちにも話すから』

 

 通信が一旦保留になると、エックスがダイチに尋ねかけた。

 

『ヴィヴィオという少女には、母親が二人もいるのか。変わってるな』

「まぁ、二人とも血のつながった親ではないけどね。ヴィヴィオちゃんは出生が特殊で……」

 

 ダイチがヴィヴィオについて軽く説明すると、保留が解かれて空中に再度なのはたちの顔の画が現れた。

 

『お待たせ。今ヴィヴィオのお友達がウチに来てるんだけど、ダイチくんのことお話ししたら、ちょっと代わってほしいって。構わないかな?』

「あっ、はい、大丈夫です」

『ありがと。それじゃあ代わるね。ヴィヴィオー』

 

 なのはたちが画面の外へと引いていき、なのはとフェイトの娘・ヴィヴィオとアインハルト、後二人の女の子が交代で画面に入ってきた。

 

『ダイチさん、お久しぶりですっ! ヴィヴィオです!』

『お久しぶりでーす、ダイチさん!』

「うん、お久しぶり、ヴィヴィオちゃん。リオちゃんとコロナちゃんも」

 

 頭にリボンを一つ結んだ短髪の子がリオ・ウェズリー、ツーテールの子がコロナ・ティミルという名だ。二人はヴィヴィオのクラスメイトで、仲良し三人組として学院内外でよく一緒に行動している。

 

「それから、アインハルトちゃんも」

『こ、こんにちは、ダイチさん』

「はい、こんにちは」

 

 アインハルトはやや照れた様子で挨拶した。それからヴィヴィオが尋ねてくる。

 

『ダイチさんとチンクも一緒にカルナージに来るんですよね。わたしたちのこともよろしくお願いしますっ!』

「こちらこそ。また後で会おうね」

 

 ペコリと頭を下げたヴィヴィオたち。その後で、なのはたちと細々としたことを話してから通信を終えた。

 

『ヴィヴィオとその友人たちも、なかなかに元気のいい子みたいだな』

 

 とエックスが語る。

 

「うん。それから、カルナージに着いたらエリオくんやキャロちゃん、ルーテシアちゃんとも久々に会うな……。みんな元気かな……」

 

 ダイチはまた新たな人の名前を唱え、やや遠くを見ながら思いを馳せた。

 

 

 

 カルナージはミッドチルダの首都クラナガンから臨行次元船で約四時間の航行を必要とした先にある無人世界だ。標準時差は七時間で、気候は年中通して温暖であり、人の手がつけられていない豊かな大自然がどこまでも広がる、穏やかな土地である。

 

「みんな、いらっしゃ~い♪」

「こんにちはー」

「お世話になりまーすっ」

 

 カルナージに到着したダイチらと高町家ご一行を歓迎したのは、ここでホテルを経営するメガーヌ・アルピーノとルーテシア・アルピーノの母娘。一行はカルナージ滞在中、彼女らの家にご厄介になるのだった。

 なのはやヴィヴィオたちがアルピーノ母娘と挨拶を交わしてから、ダイチもルーテシアと面と向かう。

 

「ルーテシアちゃん、久しぶり。こうして直接会うのは四年ぶりだね」

「はいっ。その節は、どうもご迷惑をお掛けしました」

「構わないよ。……でも、いつも思うけれど……あの頃と大分印象変わったよね、色々と……」

「も、もうダイチさん、それは言わないでって言ってるじゃないですか。当時の自分は軽く黒歴史なんですよー」

 

 若干呆気にとられたダイチの一言に、ルーテシアは少々顔を赤らめた。

 一方で、スバルはメガーヌに尋ねかける。

 

「あれ? エリオとキャロはまだでしたか?」

「ああ、ふたりは今ねぇ」

「おつかれさまでーすっ!」

 

 噂をすれば何とやらか、一同の元に赤毛の少年と小さな飛竜を連れた少女が薪を抱えながらやってきた。

 

「エリオ、キャロ♪」

 

 声を弾ませるフェイト。二人はそれぞれエリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエと言い、かつてフェイトが面倒を見た子たちなのだ。ルーテシアとともに十四歳。

 エリオたちのことをフェイトがアインハルトに紹介してから、エリオとキャロがダイチに挨拶する。

 

「ダイチさん、お久しぶりです」

「お久しぶりでーすっ」

「うん、二人とも久しぶりだね」

「ふふっ。こうしてると、機動六課時代のことを思い出すわね」

「うんうん。こうしてダイくんとあたしたちが揃うのは、あの時以来だからね」

 

 エリオたちと並んだティアナとスバルがそうつぶやいた。

 ルーテシアの召喚獣ガリューも現れ、その紹介がされている傍らに、エックスがダイチに問う。

 

『ダイチ、君の知人は結構年齢層がバラバラだな。どういうつながりなんだ?』

「ああ。エリオくんとキャロちゃんは、前にも話したけど、四年前に設置されてあった機動六課っていう部署にスゥちゃんたちともども在籍してたんだ。ルーテシアちゃんはその六課が対応した事件の関係者で、みんなその縁で知り合ってね」

『つまり、あの二人はスバルたちの同僚だった訳か。しかし、四年前ならば彼らはヴィヴィオたち並みの小さな子供だったのだろう。よく管理局の職員になれたものだな』

「能力が高ければ、年齢は関係ないのが管理局、特に航空部隊では当然なんだ。クロノ副隊長やなのはさん、フェイトさんだって、それくらいの年齢からもう活躍してたって話だし」

 

 それぞれ初対面の挨拶が一通り済むと、メガーヌが質問する。

 

「され、お昼前に大人のみんなはトレーニングでしょ。子供たちはどこに遊びに行く?」

 

 それに答えたのはノーヴェだった。

 

「やっぱりまずは川遊びかなと。お嬢も来るだろ?」

「うん!」

「アインハルトもこっち来いな」

「はい」

「わかったわ。それじゃあ、ダイチくんとチンクちゃんはどうするのかしら」

 

 メガーヌは次にダイチらに質問を振った。

 

「俺たちはこの近隣の調査を行います。今追ってる異星人犯罪者は宇宙船とかはないはずですから、全然人の手が入ってない場所には潜伏しないでしょうから」

「調査が一段落して……そうですね、日没までには何かしらの発見の有無に関わらず、一旦Xio本部に帰投しようかと思ってます」

「えー? お二人とも、日帰りしちゃうんですかぁ?」

 

 リオが不満そうな声を上げた。

 

「せっかく来たんだし、ゆっくりしてけばいいのに」

「駄目だよリオ、ダイチさんたちはお仕事で来てるんだから」

 

 口を尖らせるリオを、ヴィヴィオがたしなめた。

 

「あらあら、残念ね。でも、お昼はウチでバーベキューを食べていってちょうだい。二人の分も用意しておくから」

「ありがとうございます、メガーヌさん」

「それじゃあ、長々と引き留めてるのも申し訳ないわね。お仕事、頑張ってちょうだいね」

「ダイチさん、チンク、行ってらっしゃーい!」

 

 手を振るヴィヴィオたち一同に見送られながら、ダイチとチンクは調査のためにすぐ側の森林に入っていった。

 

 

 

 それからカルナージの目ぼしい森林地帯を探索し、お昼時にはメガーヌに誘われた通りにバーベキューのご相伴に預かったりしながら、ダイチたちは調査を続行した。

 そんな中で、チンクがふと発言する。

 

「それにしても、ルーテシアお嬢様は四年前と比べて、すっかり元気になられた。本当に良かった……。ああして皆といるところを見ると、つくづくそう思う」

「そうだね。当たり前だけど、お母さんのことが大きな心労になってたんだろうね。やっぱり元気が一番だ」

 

 相槌を打つダイチ。

 

「それと、ノーヴェも大分気性が柔らかくなった。姉として、ある意味で一番心配だった奴だが、ああして更生できたのは偏にナカジマ家のお陰だ。ダイチ、君にも改めてお礼を言わなくてはいけないな」

「そんな……俺は特に何もしてないよ」

「いや、短い間だったが、ダイチとの接触もノーヴェが変わった要因の一つだと私は思う。……そういえば、あの時はとても迷惑をかけてしまった。ダイチ、すまない」

「改めて謝らなくていいよ。俺はもう、全然怒ってなんていないんだから。君たち姉妹がこうして真っ当な道を歩いてる、それだけで十分だよ」

「そうか……相変わらず、ダイチは優しいな」

 

 ふっ……とチンクは和やかな微笑を浮かべた。

 チンクとの会話が済むと、代わりのようにエックスが問いかけてきた。

 

『ダイチ、何だか大分神妙な話をしていたが、チンクやノーヴェたちと何があったんだ? 皆良い人間じゃないか』

「ああ、それは話せば少し長くなるんだけど……機動六課とそれが対応した事件のことはさっき軽く触れただろう?」

 

 と前置きして、ダイチが説明する。

 

「その事件の首謀者は、ジェイル・スカリエッティっていう違法な科学者だったんだけど……チンクたちは、そのスカリエッティの生み出した『戦闘機人』という人造人間なんだ」

『何と。スバルと同様、普通の肉体じゃないとは思っていたが……そんな経緯だったのか』

「当然チンクたち姉妹はスカリエッティの配下として犯罪行為を重ねてたんだけど、事件解決とともに全員確保。でも特異な出生故に犯罪に手を染めていたのはやむを得ないことだったという弁護で、事件への関与性の薄い者は更生プログラムを受けて社会復帰……いや、初めて社会の中へ足を踏み入れたんだ」

『そうか……。人に歴史あり、だな』

 

 しみじみと納得するエックス。

 

『しかし、チンクたちが君に迷惑をかけたというのは?』

「ああ……実は俺、四年前にチンクたちに誘拐されたんだ。だからみんなのことについて詳しいわけだけど」

『何! そうだったのか!』

 

 その告白には、流石のエックスも驚きを隠せなかった。

 

「スカリエッティは生体というものに普通じゃない執着を抱いてて、人造人間開発の他にも強靭な生命力を持つ怪獣、つまりスパークドールズにも関心を持ってたんだ。エレキングも、元々はスカリエッティが所有してたんだよ。それで研究のために、当時ガオディクションとデバイス怪獣の構想を発表したばかりだった俺に目をつけて、自分の下に連れてくるよう命じたみたいで……。もちろん俺は、自分に手を貸せという奴の要求は突っぱねたんだけど、そのせいで監禁されて。あの時はフェイトさんたちに助け出してもらったんだったなぁ」

 

 四年前を振り返って懐かしむダイチに対して、エックスは呆けた声を出す。

 

『すごい経歴をさらりと語るものだな……。自分をさらった相手に対して好意的に接することといい、ダイチ、お前実はかなりの大物なんじゃないか』

「い、嫌だなぁ。俺なんか、隊長や副隊長みたいな人たちと比べたら全然大したことは……」

 

 エックスと会話していたダイチを、不意に険しい面持ちとなったチンクが呼び止める。

 

「ダイチ、あそこを見ろ」

「えっ……」

 

 チンクが目を向けている先には、三人の男たちがたたずんでいた。小太りの中年と、頭髪を青く染めた若い男、そして大柄なオネェという構成だった。

 その三人組は、ダイチたちに気づくとビクリと身体が跳ね上がり、すぐにビクビクしながらそっぽを向いた。

 

「あの三人、怪しくないか」

「うん……如何にも怪しすぎるね」

 

 わかりやすいくらいに挙動不審な三人組へ近寄った二人は職務質問を開始した。

 

「ちょっといいでしょうか、Xioの者ですが」

「う、うむ!? わ、私たちに一体、何の用かね?」

「あ、アタシたちはここには、観光旅行に来ただけですぅ」

「そうそう!」

 

 聞かれてもいないのにそう語る三人。ますます怪しい。チンクがどんどん質問を投げかける。

 

「どこから来たんだ?」

「み、ミッドチルダだよ、うん!」

「ミッドの、どの地区に住んでいるんだ? 住所は?」

「じ、住所はですねぇ~……何だったかしら~?」

「住所がわからないのか?」

「最近! 最近引っ越したばかりでして……」

「引っ越したばかりでも、住所くらいは覚えてるものだろう」

 

 何ともしどろもどろな返答ばかりする三人。

 と、その時、一陣の風が吹いて周りの木々から花粉が舞った。

 

「は、は……」

 

 それを吸った中年は鼻をむずむずさせ……。

 

「ハクションッ!」

 

 くしゃみと同時に、顔が怪人のものへと変貌した!

 青髪とオネェはあぁっ! と口を押さえ、ダイチとチンクは目を見開いた。

 

「ミジー星人!」

「ダイチ、捕まえるぞ!」

 

 即座に武器を手に取るダイチとチンク。一方、正体を見られたミジー星人たちは慌てて森の奥へと逃亡を図る。

 

「逃がすものか! ランブルデトネイター!」

 

 だがチンクがナイフを投げ飛ばす。ナイフはミジー星人の頭上を越えて、彼らの進行先の地面に突き刺さって炸裂した。

 

「ひぃっ!」

「大人しくしろ! お前たちを質量兵器の密輸入及び不法所持の容疑で逮捕する!」

 

 チンクが投げナイフを、ダイチがジオブラスターを突きつける。対するミジー星人は丸腰だ。青髪とオネェは震え上がった。

 しかし、人間の顔に戻った中年は不敵に笑った。

 

「ふっふっふっ……我々の正体をこうも容易く暴き、追い詰めるとは敵ながら天晴!」

「いや、そっちが勝手に顔を晒したんだろう」

「だが! 我々にはこんな時のための切り札があるのだ! 見ろっ!」

 

 中年が素早く取り出したのは――四本のコイルを背中から生やした怪獣の人形。

 

「スパークドールズ!?」

「如何にも! こんなこともあろうかと、裏ルートで購入しておいたのだ! ダランビアよ、邪魔者を蹴散らすがいいッ!」

 

 ダイチたちが対応するよりも早くミジー星人が指先から発せられた電撃が、スパークドールズに浴びせられる。

 そのショックによりスパークドールズの封印が解かれて巨大化! ミジー星人の背後にそびえ立った!

 

「グワアァァァ! ピィ――――!」

 

 超合成獣サンダーダランビアが、緑豊かなカルナージの地に咆哮を轟かせた。

 

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