光輝巨人リリカルなのはX   作:焼き鮭

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星を越えた誓い(A)

 

『あれは宇宙船だ!』

『「公園の立体アートに偽装した宇宙船?」』

「やるべきことがある……。僕がやらなければ!」

「うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「よせっ!」

「ゴールド星人は他の星を侵略しようなんて考えないはずだ」

「宇宙難民、あるいは、亡命者だということです」

「ガーゴルゴンは、惑星ゴールドのエネルギーを狙っている」

「シャマル!?」

「来た……!」

『君があの巨人なのか? なら……力を貸してくれ!』

「シュワッ!」

 

 

 

『星を越えた誓い』

 

 

 

「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」

 

 エックスとルディアンと対峙したガーゴルゴンは、両肩から生える蛇の口から怪光線を発射! 辺りのビルを巻き込んで次々倒壊させながら、エックスたちに先制攻撃を加える。

 エックスたちとガーゴルゴンの交戦が始まった時に、スカイマスケッティも戦場に駆けつけた。

 

「ガーゴルゴン、捕捉したっス!」

「攻撃、開始します!」

 

 ウェンディがマスケッティを駆り、ディエチの操作でファントン光子砲がガーゴルゴンに浴びせられる。更には、戦場の側の地上部隊支部の建物から三連装式大型魔導砲『アインヘリヤル』がせり上がる。

 アインヘリヤルは前首都防衛長官、故レジアス・ゲイズが運用に向けて推し進めていた地上防衛用兵器だ。レジアス自身は管理局評議会の思惑に翻弄され、道を踏み外した挙句に非業の死を遂げたが、次元世界の平和と正義を願う意志は本物であったと評価されたことと、対怪獣用兵器として有用であるとの判断が下されたことで、彼の死後に実用化に至ったのだ。

 アインヘリヤルの砲撃も加わって、ガーゴルゴンの足止めとなる。

 

「キュウゥ――――――!」

 

 更にルディアンのガトリング砲がうなる。ガーゴルゴンを総攻撃の炸裂が襲い、左の首に火が点いて動きが完全に止まった。

 

「ダイチ今だ!」

『「任せろ! エックス、一気に決めるぞ!」』

 

 tE-rUに呼びかけられたダイチが、デバイザーにデバイスエレキングのカードをセットした。

 

[デバイスエレキング、スタンバイ]

 

 エックスの身体がエレキング+クロスミラージュのモンスジャケットに覆われる。

 

『キイイイイイイイイ!』

[エレキングミラージュ、セットアップ]

 

 二丁拳銃をガーゴルゴンに向けたエックスが、電撃を発射した。

 

『「ヴァリアブル電撃波!」』

「イィィィーッ! シェアァァッ!」

 

 電撃波は見事ガーゴルゴンの正中に直撃!

 

「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」

 

 ガーゴルゴンはダメージを耐え切れなくなってばったりと横転する。

 

『「よしっ!」』

 

 ぐっと手を握るエックスだが、その時にガーゴルゴンの肩の蛇が伸びて、エックスの足首に噛みついて彼をひっくり返した。

 

「グワァッ!」

「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」

 

 エックスが倒れている隙に起き上がるガーゴルゴン。あれだけの攻撃を受けながら、まだ力が有り余っているようだ。エックスとルディアンを狙っている。

 

『「やられるものか! 幻影で目くらましだ!」』

 

 エックスはエレキングミラージュの能力で自分とルディアンの幻影を多重に作り出した。二人は幻影と入れ替わることで、その中に姿をくらます。

 

「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」

 

 だがガーゴルゴンは全く迷わずに二人を怪光線で正確に撃ち抜いた!

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

『「うあぁぁぁっ! 一瞬で見破ったっ!?」』

 

 背面から倒れるエックスとルディアン。今のはダイチの失策であった。体表面に眼球がないガーゴルゴンは、視覚がない。レーダーの原理で周囲を視ている。幻影には騙されないのだ!

 今のダメージでエレキングミラージュが解除されてしまう。更にエックスたちは振るわれたガーゴルゴンの二又の尻尾で弾き飛ばされる。

 

「グゥゥッ!」

「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」

 

 まだ終わらない。肩の蛇がエックスの首筋に噛みつき、持ち上げて宙吊りにする。

 

「グゥッ、オオ……!」

 

 吊り上げられたまま殴られ続けるエックス。一方的に追い詰められ、カラータイマーが鳴り出す。

 

『ダイチ! こいつは今までの怪獣とは格が違うっ!』

『「ああ……!」』

 

 ダイチとエックスの危機を救うべく、tE-rUが動いた。苦痛を抑えながら、ルディアンを操作してガトリングガンの金色の砲口からミサイルを発射!

 

「エックスを放せーっ!」

 

 そしてスカイマスケッティからも光子砲の援護射撃が放たれた。二方向からのショックで、ガーゴルゴンはエックスを手放す。

 

「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」

「ディエチ! もう一回行くっスよ!」

「オーケー!」

 

 反転したマスケッティから、光子砲の雨がガーゴルゴンへ撃ち込まれる。同時にアインヘリヤルからの砲撃を決まった! ガーゴルゴンの巨体が爆発の硝煙に呑まれる!

 ……が、ガーゴルゴンは何も起きなかったかのように微動だにしなかった。

 

「えっ!? 攻撃が効かなくなった!?」

 

 戸惑うウェンディ。その横のディエチは違和感を覚える。

 

「違う……。ただ効かなくなったんじゃなくて、何かが……」

 

 この時に、それまでずっと閉ざされていたガーゴルゴンの中央の首の口が大きく裂けて開かれた。

 その中には、何ということか! ギョロリと剥かれた眼球が収まっているではないか!

 

「アァオ――――――――ッ!」

 

 ガーゴルゴンの尻尾の先端がガラガラヘビのように振動し始め、それに合わせて不気味な単眼にエネルギーが集約されていく。狙う先は、ルディアン!

 

「キュウゥ――――――!」

『「tE-rU!」』

 

 咄嗟にエックスが走った。ルディアンの前方に回り、身を挺してその盾に。

 それと前後して、ガーゴルゴンの眼球から極太の光線が放たれた! 地面をなぞりながら、エックスに命中する!

 

「『ぐわあああぁぁぁぁぁぁ―――――――――っ!!」』

「ダイチぃぃ――――――――!!」

 

 光線を食らったエックスに特に負傷は見受けられないが……代わりに、彼の肉体が足から少しずつ石化していく!

 ガーゴルゴンの最大の武器、それはゴルゴン伝説の基となった、石化光線!

 

「……シェアッ!」

 

 しかしエックスは石化していきながらも、Xスラッシュを飛ばしてガーゴルゴンにせめてもの反撃を加えた。光弾は攻撃後の硬直で身動きが取れないガーゴルゴンの眼球に当たる。

 

「キュウッ! アァオ――――――――ッ! キュウッ! アァオ――――――――ッ!」

 

 ガーゴルゴンはこの攻撃に最も苦しんだ。

 

『ダイチ! ユナイトを解除しろ! 何してる!?』

 

 エックスの警告を聞き入れず、ダイチは彼も石化しながらもガーゴルゴンの状態をデバイザーで解析した。

 

[ガーゴルゴン、解析完了しました。恐怖]

『「tE-rU……あそこが……奴の……急所だっ!」』

 

 最後の力を使って解析の結果を送信。それを最後に、ダイチの全身が完全に石化する。

 そしてエックスもまた、石化してしまった……!

 

「ダイチ……」

 

 エックスを倒した絶好のチャンスにも関わらず、ガーゴルゴンはそれ以上戦闘の意欲を見せず、空間歪曲によって地上から消え失せた。

 

 

 

 オペレーション本部で、アルトとルキノが報告する。

 

「タイプG、ガーゴルゴン消失!」

「タイプM、ルディアンも消失します!」

「スバル、テルさんのところへ急いで!」

『り、了解!』

 

 映像の中で、tE-rUが力を使い果たして倒れ伏したことで、はやてが思わず叫んだ。

 カミキもクロノも、ミゼットも、防衛長官も、皆が石像となったエックスの姿に言葉を失っていた。

 

 

 

 戦闘終了後、Xioは総力を挙げて逃げ失せたガーゴルゴンの行方を捜索。その結果を待つ間、カミキとクロノにノーヴェとチンク、ハヤトからの通信が入る。

 

『隊長、副隊長、ダイチはどうなったんでしょうか!? あいつだけ音信がありませんが……!』

 

 ノーヴェはダイチの身を案じていた。クロノは重い面持ちで答える。

 

「消息不明だ。彼の解析したガーゴルゴンのデータだけはこっちに届いたが……その際に石化光線に巻き込まれたものと思われる」

『そんな……!』

 

 顔面蒼白になる三人をなだめるようにカミキが言い聞かせる。

 

「落ち着け。ダイチが採取してくれたデータによれば、ガーゴルゴンさえ倒せば石化は解ける。死んだ訳ではない」

『隊長、俺たちに出来ることはないでしょうか!? ひと言命令してくれれば、すぐにでもそっちに駆けつけます!』

 

 珍しく感情を露わにするハヤト。

 

「焦るな。お前たちの力が必要な時は、すぐに召集を入れる。それまでは待機!」

『……了解!』

 

 ノーヴェたちから不安は消えなかったが、カミキの指示に応じて通信を終える。その後に、アルトとルキノが報告する。

 

「ガーゴルゴン、捕捉しました!」

「高度約400キロ、ミッドチルダ衛星軌道上に静止しています!」

 

 宇宙空間でじっと動きを見せないガーゴルゴンの姿が映像に現れる。

 

『そうか! 奴は宇宙生物だ。エックスにやられた傷を癒すためにエネルギー消費の少ない大気圏外に逃げたな!』

 

 tE-rUの宇宙船の側、シャーリーとマリエルの元にいるグルマンが推理した。

 

「高周波を発しています!」

 

 ガーゴルゴンの放っている高周波が解析され、ミッドチルダの言語に訳される。

 

[ミッドチルダ人類に告ぐ。直ちに降伏し、惑星ゴールドの王子を差し出せ。猶予はミッドチルダ時間で44分。応じなければ、次元世界の全ての人類を石に変える]

「たった44分!? そんな時間じゃ、民間人の避難もさせられへん……!」

「元から逃げ場所なんてない。奴は次元世界を移動できるんだ……」

 

 戦慄したはやてに、冷や汗を垂らしたクロノが告げた。伝説の提督と謳われたミゼットも流石に固い面持ちである。

 

「舐められたものね……。防衛長官」

 

 ミゼットの呼びかけに応じるように、防衛長官は叫んだ。

 

「フェイズ5! ウルトラマンエックスが敗れた今、次元航行部隊に次元艦隊の出撃を要請する! 奴を宇宙の藻屑にしてくれる……!」

 

 すぐに次元航行部隊の本局と連絡を取る防衛長官と、カミキの視線が合う。

 二人はひと言も発さず、ただじっと目を合わせるのみだった。

 

 

 

「テルさん、大丈夫ですか……!?」

 

 tE-rUはスバルによって救出され、彼女に肩を貸されながらXioベースを目指していた。ガーゴルゴン襲撃の大混乱の中、救護班も呼べない状況なのだ。

 すると、その方角からミウラが走ってきた。

 

「テルさーん! スバルさーん!」

「ミウラ!? ベースで待ってたんじゃ……」

「どうしても、テルさんの無事を直接確かめたくって……。すみません」

 

 バッと頭を下げたミウラは、tE-rUに尋ねかけた。

 

「テルさん、無事だったんですね……。よかった……」

「ああ……。だが、また行かなければいけない。僕の身代わりに石になった、彼を救うためにも……」

 

 tE-rUの見上げた先には、石像と変わり果てたエックス。その姿を視界に入れると、スバルは悲痛な表情になる。

 

「また、戦うんですか……?」

 

 ミウラも悲痛な顔でtE-rUに尋ねた。だがそこにあるのは、主にtE-rUの身の心配。

 今度は、tE-rUが死んでしまうかもしれない。行かせたくない。しかし自分には、彼の戦いに立ち入る権利はない。その葛藤も見受けられた。

 胸が苦しそうなミウラに、tE-rUは努めて微笑みかけた。

 

「大丈夫。必ず戻る」

「……約束ですよ」

 

 念を押すミウラに、tE-rUはコクリとうなずき、スバルとともにXioベースへと向かっていった。

 その背中を、ミウラはじっと立ち尽くして見送った。

 

 

 

 オペレーション本部では、ミゼットが居並ぶ面々に次のことを告げた。

 

「次元航行部隊本局の決定を伝えます。次元艦七隻に搭載したアルカンシェルの同時攻撃により、タイプGを撃滅します」

「全次元艦、ガーゴルゴン包囲完了しました。アルカンシェル発射まで30秒!」

 

 ミッドチルダの衛星軌道上では、七隻の次元艦がガーゴルゴンを等間隔で取り囲み、高威力魔導砲アルカンシェルの砲撃用意を取り進めていた。その威力は、地上兵器のアインヘリヤルの比ではない。

 しかしその時、本部にtE-rUの叫び声が響く。

 

『やめろー! 奴に餌を与えるだけだ!』

 

 tE-rUはグルマンたちの元へ駆け寄り、通信越しに警告を発した。

 

 

 

 tE-rUはグルマンたちを相手に告げる。

 

「奴は相手を石に変えるだけじゃない。そのエネルギーを吸収する力があるんだ!」

「えっ!?」

 

 それを聞き、ディエチがはっと顔を上げた。

 

「そうか! あの時違和感があると思ったら……ガーゴルゴンはマスケッティとアインヘリヤルの砲撃のエネルギーを吸収してたんだ!」

「じゃあまさか、アルカンシェルまで……!?」

 

 だが発射はもう止められない。七隻の次元艦から、アルカンシェルが放たれる!

 

 

 

 宇宙空間では、それぞれ5キロ以上離れた位置からの次元艦から魔力砲が発射された。それを感じ取り、ガーゴルゴンが口を開いて眼球を見せる。

 ガーゴルゴンはそのまま一回転しながら、光線を振りまいてアルカンシェルを相殺する! その上飛び散った魔力が全て、ガーゴルゴンへと吸引されていった。

 

「アルカンシェル、効果なし! ガーゴルゴンに吸収された模様!」

 

 アルトからの報告に、防衛長官は絶句した。

 

「化け物だ……!」

「全艦退避! 戦闘区域から離脱しなさい!」

 

 ガーゴルゴンが反撃の前兆を見せたので、ミゼットが叫んで次元艦を退かせた。

 

 

 

 宇宙船の元にいるスバルたちも、この結果にはショックを隠せなかった。

 

「アルカンシェルまでが通用しないなんて……!」

「アルカンシェルで駄目なら、ミッド式魔法やエネルギー砲撃の一切が効かない、いえ、逆効果ということになるわね……。もう波長と吸収方法を覚えられてしまったはずだわ……」

「でも、ガーゴルゴンを打倒できるような質量兵器なんて用意できませんよ……!」

 

 マリエルとシャーリーの言葉に、ウェンディが頭を抱える。

 

「じゃあどうすればいいっスか!? 残り時間はもう20分を切ってるっスよ!?」

 

 すると、tE-rUが口を開いた。

 

「奴の狙いはルディアンに秘められた、惑星ゴールドのエネルギーだ……。僕が囮になる。その隙に君たちは奴の急所を狙ってくれ。ガーゴルゴンは目玉だけが唯一無防備なんだ!」

 

 ダイチが決死の覚悟で得た情報を語るtE-rU。

 

「あの目玉さえ破壊すれば、エックスもよみがえるはずだ。……彼は僕を信じて共に戦ってくれた。その恩に報いたい」

「でも……囮になるなんて危険すぎますよ! 一歩間違えでもすれば、あなたまでが石に……!」

 

 反対するスバルに、tE-rUは言い返す。

 

「僕一人の犠牲で、この星が救われるなら……僕の命が、ミッドチルダと惑星ゴールドをつなぐ希望になるなら……死など怖くない!」

「――それだと、ミウラとの約束に反しますよ?」

 

 突然、そんな声が響いた。

 tE-rUたちが振り返った方向からは、七人の男女が歩いてきていた。スバルが声を上げる。

 

「はやてさん! リインにアギトも……そしてヴォルケンリッターの皆さん!」

 

 やってきたのははやて、リインフォース、アギト、更にシグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラの計七名。その内、後者の四人は管理局の制服ではなく、個性豊かな戦闘服を纏っている。

 全員、八神家で暮らす面々だ。彼らにワタルが尋ねる。

 

「どうして八神司令たちがここに……?」

 

 それにはやては、こう答える。

 

「先にミゼット議長からの許可を得てきました。怪獣ガーゴルゴンの撃滅作戦……私たち七人が助力します」

 

 その告白にXio特捜班は驚きを禁じ得ない。

 

「あの英雄、八神司令とあのヴォルケンリッターの皆さんのお力添えをいただけるなんて……!」

「けど、あのアルカンシェルまで食べちゃう化け物に対抗できるっスかね?」

 

 ウェンディの口から出た疑問に、シグナムが不敵に微笑みながら突っ込んだ。

 

「私たち守護騎士を軽んじるなよ、ウェンディ。忘れたのか、私たちの使う術式はミッド式ではない、古代ベルカだ」

 

 それを聞いて、シャーリーがぽんと手を叩く。

 

「そうか! 古代ベルカ式は魔力主体のミッド式と違って、武器や打撃を用いた戦闘術が基本! しかもはやてさんたちだったら、怪獣相手でも互角に戦える! 実績もありますしね!」

 

 古代ベルカ式魔術の攻撃術は、エネルギー攻撃を主としたミッドチルダ式とは異なり、武器や肉体に魔力を宿す、物理攻撃に近いスタイル。これならば、ガーゴルゴンにエネルギーを吸収される恐れはない。

 また、怪獣は基本的に物理衝撃の耐性が、エネルギー攻撃のそれよりも低い。爆撃等はどれだけ食らってもへっちゃらな顔をしているのに、怪獣同士の殴り合いは決着がつくのが早いのはそういう理由のため。だからこそデバイス怪獣の開発が進められているのである訳だ。故に、古代ベルカ式の術者はSランクの一つ下のAAAランクから怪獣相手の戦力に数えられる。

 そしてこの七人の内の主戦力、はやて、シグナム、ヴィータはこの条件を満たしており、実際怪獣戦の経験あり。シャマル、ザフィーラはサポート能力において優れており、連携も抜群。そこに融合型デバイスのリインフォース、アギトまで加われば、ガーゴルゴン相手でも互角に戦える可能性は十分にある!

 

「おぉー! 俄然希望が見えてきたっスよー!」

「ウェンディったら、興奮し過ぎ」

 

 ヒャッホー! とはしゃぐウェンディの姿に、スバルとディエチが苦笑した。

 シグナム、ヴィータがtE-rUに語りかける。

 

「テルよ、私たちヴォルケンリッターは守護を司る騎士。その誇りに懸けて、絶対にお前を犠牲にはしない」

「あたしたちに任せときな。何たって怪物退治は騎士の得意分野だからな!」

 

 tE-rUは若干驚いた表情で尋ね返した。

 

「みんな……どうして僕のために、そこまで……」

 

 彼の疑問に、シャマルが苦笑しながら答えた。

 

「水臭いことは言わないで下さい。私たちは短い期間ながらも、同じ屋根の下で暮らした仲間です」

「我らヴォルケンリッターは、仲間を決して見捨てない」

 

 ザフィーラの言葉の後に、リインフォース、アギトが真剣な顔つきでtE-rUに呼びかけた。

 

「死ぬつもりで戦うのは駄目です。死んだら、あなたのことで悲しい思いをする人が必ずいるです」

「自分を犠牲に勝とうなんて、無責任な奴のすることだよ。目指す場所はいつだって、全員そろっての帰還じゃなきゃいけないんだ!」

 

 二人はデバイスながら、命を尊ぶ心、死を悲しむ感情を知っている。リインフォースは自身の生まれる前に、姉とも言える先代のリインフォースを亡くしたはやての悲しみをよく知っており、アギトはかつての自身の使用者を失っている。そんな悲劇を繰り返させないために、tE-rUを守り抜く決意だ。

 最後に、はやてが言った。

 

「そう、このミッドにテルさんのことで悲しむ人がもういます。私たちと、そして……」

「ミウラ……」

 

 tE-rUのひと言にうなずくはやて。

 

「私たちが全力でお力添えします。だから、ミウラのためにも……死が怖くないなんて言わないであげて下さい」

 

 それにtE-rUは、

 

「……ありがとう。本当に、ありがとう……」

 

 感謝の言葉で応じた。

 

「お礼を言うのは、戦いに勝ってからです」

 

 ニコッと笑うはやてであった。

 ガーゴルゴン討伐に燃えるのははやてたちだけではない。スバルたち特捜班も同じであった。

 

「あたしたちはこれまで何度もエックスに助けてもらった。今度はあたしたちがエックスを助ける番だ!」

「そうっスよ! このまんまじゃ終われないっス!」

「グルマン博士、あたしたちに作戦を授けて下さい。ガーゴルゴンを倒す術を!」

「よぉし、任せておけ! シャーリー、マリー、急ぐぞ。もう時間はあまり残されてない!」

「了解です!」

 

 ディエチの頼みに応じたグルマンが、シャーリーたちとともに作戦を練っていく。

 

「いよっしゃあっ! 人間の底力、怪獣に見せてやろうぜぇっ!」

 

 はりきるワタルの声を合図にするように、ガーゴルゴンに燃える面々は一斉に行動を開始した!

 

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