光輝巨人リリカルなのはX   作:焼き鮭

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勝利への剣(A)

 

「グバアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」

「宇宙から未知のエネルギー反応を確認!」

「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」

『未知のエネルギーに侵され……身体が、分解されているっ!』

「実験結果は良好」

「消えたエックスのデータを回収しないと……」

「電脳空間に入ろうってことか!」

『虹の根っこには――幸せや大切なものが埋まってると言われてるの!』

「虹の光が、俺たちを守ってくれた」

「苦難を超えて進化した……!」

「エクシードX!」

 

 

 

 ――第97管理外世界『ではない』地球。日本の雫が丘。

 

『ぬぅぅぅあッ!』

「トリャアッ! オリャアッ!」

 

 この町の中央で今、二人の巨人が争い合っていた。一方は骸骨が鎧を纏ったような姿で、もう一方はV字の発光体が各所に埋め込まれた身体の――ウルトラマン。

 骸骨型の巨人は、得物の戦斧を操って攻撃を加えながら、ウルトラマンに恨みの言葉を向けた。

 

『憎いッ! 貴様が憎いッ! 我が弟ジュダの仇ぃぃぃッ!』

『「弟だと!? お前……まさか!」』

 

 ウルトラマンの中にいる、赤い棒状のアイテムを手にしたオレンジのユニフォームの青年が驚きの声を上げる。

 ウルトラマンは怨念を込めた戦斧を振るってくる巨人に反撃。頭部のV字から熱線が発せられた。

 

『「ビクトリウムバーン!」』

 

 だがそれは巨人の斧によって防がれる。

 この戦いを小高い丘から、青年と同じユニフォームの妙齢の女性が見ていて、通信機を取り出してどこかへ報告を行った。

 

「こちらアリサ! ビクトリーが巨大な宇宙人と交戦中! 至急、応援願います!」

『了解! ヒカル、すぐにアリサの元へと向かえ!』

 

 応答した中年男性の声が、町を駆ける別の青年に指示を下した。

 

「ガレット!」

 

 青年が女性のところまで急ぐ中も、ウルトラマンは巨人と激しい格闘戦を繰り広げる。が、巨人は相当な実力のようで、ウルトラマンの方がジリジリと押されていく。

 

『痛快痛快! 貴様もジュダと同じ苦しみを味わえッ! いやぁぁぁぁッ!』

「ウアァァッ!」

 

 戦斧の逆袈裟がウルトラマンを襲った! 痛恨の一撃をもらい、動きが鈍るウルトラマン。

 その時……時空の彼方より、巨人に念話が届いた。

 

『兄上……! 今ですッ!』

『来たかッ!』

 

 同時に、巨人の頭上の空に空間の歪みが生じた。すると巨人はウルトラマンを背後から首に腕を回して捕らえる。

 

『さぁぁ貴様も来るんだぁぁぁッ!』

 

 独特な形状の銃を構えてウルトラマンを援護しようとしていた女性は、巨人の怪しい行動に一瞬動じた。

 その直後、歪みを中心に闇の波動が広がった! 波動は巨人と捕まったウルトラマン、そして見晴らしの良い場所にいた女性に当たる。

 

「きゃああっ!?」

 

 闇の波動が当たった者全員が、歪みの中へ吸い込まれていった! 青年が駆けつけた時には一歩遅く、ちょうどウルトラマンも女性も消えたところであった。

 

「……どうなってるんだ……!?」

 

 ウルトラマンたちが一瞬にして消失してしまった町の景色を前に、青年はそうつぶやくだけしか出来なかった。

 

 

 

『勝利への剣』

 

 

 

 ――次元世界の中心、ミッドチルダ。Xioでは、エックスとデマーガの戦闘時に降ってきた黒い稲妻のような光線の調査・分析が行われているところだった。

 

「この不思議な光線は、一体何だったんだ……?」

 

 カミキの疑問に、グルマンが回答する。

 

「まだ詳しいことは分からないが、あの光線のエネルギーによって怪獣が凶暴化したことには間違いないようだ」

 

 映像には、黒い稲妻を浴びたデマーガがツルギデマーガに変貌するところが余さず記録されている。

 

「光線の波長はマイナスエネルギー……闇の魔力に酷似している。すなわち、ダークサンダーエナジーとでも呼ぶべきか」

 

 ダークサンダーエナジーの解析が行われる一方で、スバルは椅子に腰を落としてうなだれていた。彼女は力なくつぶやく。

 

「ギン姉……シャーリーさん……どこに連れてかれちゃったの……?」

 

 スバルの傍らで、ダイチも重い表情でいた。

 二人はギナという女が開いた空間の歪みの中に吸い込まれていってしまったギンガとシャーリーの身を心配していた。スバル、アインハルトが惑星ギレルモに拉致された時とは違い、ギンガたちからの連絡は一切届いていないので、なおさらであった。

 スバルは、ギンガがこのまま帰ってこないことを特に恐れていた。

 

「嫌だよ、ギン姉がまたあたしの前からいなくなっちゃうなんてこと……。ギン姉、今どこにいるの……?」

 

 N2Rの四人は、昔のことを思い出してかなり気まずそうな顔をしていた。

 こんな様子を見かねたワタル、ハヤトがスバルを励ます。

 

「そんなに思い詰めるな、スバル。あのギンガ陸曹が、そう簡単にやられるもんかよ」

「ワタルさん……」

「状況から言って、あのコスプレ女が陸曹とシャーリーさんを連れ去ったのは予定外のことのはずだ。前のお前のように、敵の手から逃れてる可能性は十分にある。お前の姉さんなんだろ、信じてやりな」

「ハヤトさん……はいっ!」

 

 スバルの心は完全に晴れた訳ではなかったが、それでも少しは元気が戻ってある程度は表情が回復した。

 

 

 

 その頃、ミッドチルダ郊外の未開発区の空に、空間の歪みが発生していた。それを見上げているのはギナと、彼女の背後に控える二人の異星人、マグマ星人とシャプレー星人。マグマ星人は身体の半身を機械化した、改造マグマ星人となっていた。

 この二名は暗黒星団の構成員であったが、最近にギナの配下へ下って忠誠を誓った身なのであった。

 この三人の怪人たちの前に、雫が丘に現れた巨人が歪みの中から現れ、大地を揺るがしながら着地した。

 

「兄上!」

 

 小走りで巨人へ近づいていくギナ。一方でマグマ星人とシャプレー星人は、巨人を見上げて軽くおののいていた。

 

『おお、あの方が……!』

『ギナ様の兄君にして暗黒宇宙の大王、モルド様……!』

 

 モルドと呼ばれた巨人が、ギナを見下ろして告げた。

 

『我が妹よ、ここに三兄弟が揃わぬことが残念でならん』

「ジュダの仇は何としても我々で討つしかありません!」

 

 モルドとギナの目には、ジュダという者に関する憎悪がたぎっていた。

 

 

 

 モルドが通った空間の歪みの波長は、すぐにXioに感知された。

 

「エリアC6-7に、異常な数値反応が観測されました!」

 

 カミキが席を立って、直ちに指示を下す。

 

「ラボチームはデータを解析!」

「はい!」

「他の隊員たちは全員、直ちに現場に向かってくれ!」

「了解!」

 

 特捜班がカミキの命令に従い、駆け足でオペレーション本部から出動していった。

 

 

 

 ギナはモルドに、ミッドチルダに関しての報告を行う。

 

「しかし問題が一つ……この世界にも我々の邪魔をするウルトラマンがいるということです!」

『ジュダを倒した憎き奴らか……! 許さん、許さんぞぉッ!』

 

 モルドはギリギリと戦斧を握り締め、風を切って振り下ろした。

 

『奴らを倒し、我がグア軍団が全宇宙を支配するのだぁッ!』

『ははッ!』

 

 斧を高々と掲げて宣言するモルドに、ギナたちは敬礼し頭を垂れた。

 次いでモルドは、左腕に握っている「もの」に目を落とす。

 

『しかしこいつだけは特別だ……。最後までゆっくりといたぶってから始末してやるわッ!』

 

 モルドが「それ」を地面に投げ落とす。

 

「うぅっ……!」

 

 苦しそうに転がったのは……レザーマスクで口を封じられた、ウルトラマンの中にいた青年であった。

 

 

 

 その頃……巨人に引っ張られる形で空間の歪みに呑まれた女性が目を覚まし、地面の上から起き上がった。

 

「ここは……?」

 

 周りを見回すが、未開発区の森林の中央なので、今自分が置かれている状況は呑み込めない。ただ、自分がどこか別の場所に移動させられたことだけは理解した。

 そして女性は、近くに青年が持っていた赤いアイテムが転がっているのに気がついた。

 

「ショウ……!」

 

 アイテムを拾い上げた女性は、青年の姿を求めて移動を開始する。

 ――そのすぐ近くを、調査にやってきたXio特捜班のメンバーがひと塊になって探索を行っていた。

 そうして両者は、ばったりと邂逅を果たした。

 特捜班はまるで見慣れない格好の女性に対して思わず身構えた。それは女性の方も同じで、彼女は特捜班を警戒して問いかけた。

 

「誰……? あなたたちは誰!?」

「人に名前を尋ねる時は、まず自分が名乗るのが筋だろ!」

 

 状況が状況なのでピリピリしているワタルがきつく返すと、女性は名前を名乗った。

 

「私は杉田アリサ……。地球を守る防衛隊、UPGの隊員よ」

「え……?」

 

 女性の自己紹介に、ダイチたちは怪訝な顔となった。

 

「97管理外世界に、そんな名前の組織あったっけ?」

「いや、聞いたことないけど……」

 

 ノーヴェの問いかけにダイチが答える傍らで、スバルが女性――アリサに名乗り返した。

 

「あたしたちは時空管理局直属の特殊生物専門防衛部隊Xioの隊員。ここは第1管理世界ミッドチルダです。……分かりますか?」

「時空管理局!? ミッドチルダ!?」

 

 一瞬唖然としたアリサは、周囲の景色や特捜班の格好を注意深く観察した後、ひと言つぶやいた。

 

「どうやらここは、別世界のようね……」

「あなたは、ここで何を?」

 

 続くスバルの質問に、アリサは答える。

 

「私は、仲間を捜してるの。名前はショウ。凶悪な宇宙人を追って、彼もこの別世界に来ているはず……」

 

 アリサの言動がとんちんかんなように感じて、特捜班は若干戸惑った。しかし、次の言葉で驚愕させられる。

 

「彼はウルト……光の巨人となって戦う戦士よ」

「光の巨人……? まさか、ウルトラマンのことですか!?」

「ウルトラマンを知ってるの!?」

 

 アリサが「ウルトラマン」の名を唱えたことで、ウェンディたちはどよめいた。

 

「どういうことっスか? 管理外世界に怪獣やウルトラマンの情報は行ってないはずなのに……」

「どうも話がおかしいな……。しかし、何かの冗談にも思えない。これは一体……」

 

 チンクが顎に手を当てる一方で、ダイチはアリサの話に興奮を覚えた。

 

「俺たちにも、ウルトラマンエックスって仲間――」

『ダイチ!』

 

 口を滑らしかけたダイチを、エックスが咎めた。ダイチが口をつむぐと、ディエチがふと顔を上げる。

 

「ちょっと待って。それって……人間がウルトラマンに変身するということ……?」

「人間っていうか……地底人……」

 

 アリサのひと言に目を丸くするダイチたち。

 

「地底人?」

「ああもう、何か頭がこんがらがってきた」

 

 ノーヴェが軽く天を仰いだ。

 

「とにかく、私はショウを捜してるだけなの!」

 

 と言うアリサに、ダイチが申し出る。

 

「だったら、俺たちも協力しますよ!」

「いいの?」

「ええ。だってウルトラマンの仲間だし! ねぇ?」

 

 ダイチの呼びかけに、ハヤトとノーヴェがうなずいた。

 

「そうだな……」

「ほっとく訳にもいかないしな」

 

 ある程度話が纏まると、スバルが前に進み出てアリサに手を差し出した。

 

「あたしはスバル・ナカジマと言います。よろしくお願いします」

「……こちらこそよろしく」

 

 アリサが手を取り、二人は固い握手を交わした。

 

 

 

 縄で拘束され転がされた青年――アリサの捜すショウは、隠し持っていたクリスタルのようなペンダントを使って後ろ手の縄を少しずつ削っていた。

 

『遂に我々も、グア軍団の仲間入りだな』

『ふッ……モルド様、ギナ様とともに宇宙を支配してやる!』

 

 話に夢中になっている見張りのシャプレー星人たちはそれに気づかない。ショウが縄を切断して立ち上がってからようやく振り返った。

 

『なッ!? き、貴様ッ!』

「んっ!」

『ぐわぁーッ!』

 

 ショウの手の平から波動が飛び、シャプレー星人とマグマ星人は大きく吹っ飛ばされた。

 

 

 

 アリサのことは、すぐにXio本部へと伝達された。

 

『了解した。各自くれぐれも気をつけて、アリサ隊員に協力するんだ』

 

 細かい事情はひとまず置いて、カミキは各隊員にそのように命令した。

 

「了解!」

「そのショウという方が、近くにいるといいんだが……」

 

 二人組に分散した内のダイチとチンクの元に、早速逃げ出してきたショウが飛び出した。

 

「誰!?」

「ダイチ、あの服装……!」

「もしかして……ショウさんですか?」

 

 ふらついているショウだが、ダイチの問いにうなずいて答えた。

 

「よかった! 無事だったんですね!」

 

 安堵するダイチたちに、ショウは身振り手振りで何かを伝えようとする。

 だがダイチはそれを変な風に受け取った。

 

「そうか……地底人だから言葉が通じないか……!」

 

 と解釈して、自分も大袈裟な身振りを交えてコミュニケーションを取り出す。

 

「私は! ミッド! 人です!」

「んんー!」

 

 ショウはそうじゃない、とばかりに頭を抱えたが、その気持ちは伝わらなかった。

 

「分かりません? じゃあ、もっかい行きますね! 私は! ミッド!」

「んんんー!!」

「……ダイチ、何か違うみたいだぞ」

 

 チンクが半目になって突っ込んだ。

 

 

 

『おのれぇ! どこに行ったぁ!』

 

 ショウにまんまと逃げられたマグマ星人たちは、大急ぎで追跡に出ていた。

 すると、スバルとアリサの二人と鉢合わせになる。アリサは咄嗟にチャージガンを構える。

 

「異星人!」

『何だ貴様らぁ?』

「もしかしてあなたたちがショウを? ショウはどこなの!」

 

 チャージガンを突きつけて問い詰めるアリサだが、シャプレー星人たちは余裕の態度で構えた。

 

『ふッ……』

 

 いきなりスバルとアリサに襲いかかってきた! スバルたちは反射的に身構え、応戦の態勢を取った。

 

 

 

 Xio本部に緊急サイレンが鳴り渡る。

 

「再び宇宙に、巨大なエネルギー反応をキャッチ! ミッドに向かって接近中です!」

「またあのエナジーか……! こんな時に……!」

 

 ダークサンダーエナジー落下の予兆であった。カミキたちの表情が深刻なものとなる。

 

「落下予測地点の映像出ます」

 

 モニターに表れた映像の中に映っているものに、カミキらは驚愕した。

 落下予測地点に向けて……モルドが向かっていっているのだ!

 

 

 

「兄上、ここです!」

 

 モルドの手の平の上のギナが告げる。モルドのはるか上空に、黒い閃光が走った。

 

『へあッ!』

 

 モルドが斧を掲げると、ダークサンダーエナジーがそれに向かって降ってきた!

 

 

 

 冷静になったダイチはショウの口を覆うマスクの組成の分析に移っていた。

 

「未知の物質で出来ている……」

 

 そこに、カミキからの緊急通信回線が開かれた。

 

『総員気をつけろ! ダークサンダーエナジーがそのエリアに降ってくる!』

「えっ!?」

『そして落下地点に、未知のタイプAが出現した! 例の襲撃犯もタイプAの手の平に……!』

 

 カミキが言い切る前に、ダークサンダーエナジー落下の衝撃が地面を震撼させた。

 

「これは近いぞ……! ダイチ!」

「ああ!」

 

 ダイチとチンクはショウを連れて、エナジー落下地点へと向かっていく。

 山間を抜けて目にしたのは、モルドがダークサンダーエナジーを吸収している姿であった。

 

『これは、かつてないほどのパワーがみなぎってくるわッ!』

 

 それを見たチンクは危険を感じ取り、ダイチに顔を向ける。

 

「ダイチ、彼を安全なところへ!」

「分かった!」

 

 ショウを連れてチンクの元から離れるダイチ。一方のショウは懐に手を突っ込んだが、目当てのものがないのか焦りを見せた。

 ショウの様子をながめたダイチが呼びかける。

 

「ショウさん……あなたもウルトラマンなんですね。だったら……このこと内緒にして下さいね!」

 

 ショウの目の前で、ダイチはエクスデバイザーを取り出し、スイッチを押し込んだ。

 

[ウルトラマンエックスと、ユナイトします]

「エックスーっ!!」

 

 エックスのスパークドールズをリードし、光が溢れるデバイザーを掲げる。

 ダイチの肉体が、ウルトラマンエックスのものに変身した!

 

「イィィィーッ! サァ―――ッ!」

[エックス、ユナイテッド]

 

 飛び出していったエックスは、モルドの面前に着地。構えを取って、モルドに戦いを挑む姿勢を見せる。

 巨大なエックスの背中を、ショウはじっと見上げた。

 

 

 

 ――雫が丘。ショウとアリサを吸い込んで閉ざされた空間の歪みのあった真下の地点に、アリサの元へ駆けつけようとしていた青年が一人でたたずんでいた。

 彼のスマートシーバーに、エネルギーの波長を表したデータが表示される。同時に、同年代くらいと思しき男性の声が発せられた。

 

『――以上のデータの通りの波長を歪みの跡に照射すれば、歪みをこちらから開くことが出来るはずです。別の次元に逃れていった敵を追跡し、二人の救出に向かえるという訳です』

「分かったぜ! サンキュー、友也!」

 

 青年は通信の相手に感謝の言葉を述べた。

 

『お礼にはまだ早いですよ。空間の歪みを無理矢理開くのには、膨大なエネルギーが必要。これを行えばギンガもエネルギーが空っぽとなり、しばらくはライブ出来なくなるでしょう。歪みを抜けた先がどんな場所なのか分からない状態でそうなるのは大変危険ですよ』

 

 との警告を受けても、青年は恐れの色を見せなかった。

 

「危険は承知の上だぜ。そこからは俺自身でどうにかするさ。任せておいてくれ」

『ふふっ、あなたらしいですね。それでは二人のこと、よろしく頼みます、礼堂君』

 

 その言葉の後に、老いも若いも入り混じった複数の人の呼びかけがスマートシーバーから発せられた。

 

『お前ならこの困難な任務、必ず達成できると信じてるぞ』

『アリサとショウのこと、頼んだぜヒカル!』

『必ず三人で帰ってきて下さい!』

『お前の帰りを待っているぞ』

「隊長、ゴウキさん、サクヤ、マナ……」

 

 それぞれの呼び名を唱えた青年が、口の端に笑みを湛えてうなずいた。

 

「ガレット! ショウとアリサさんの救出に行ってきます!」

 

 力強く応じて通信を終えた青年は、懐から取り出した、短剣のようにも見える白銀色のアイテムに持ち替えた。

 青年はそのアイテムを誇らしげに、天高く掲げた。

 

「よしっ! ――行くぜギンガ!!」

 

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