光輝巨人リリカルなのはX   作:焼き鮭

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勝利への剣(B)

 

 ――地平線の果てまで荒野が広がる世界。変わっているといえば荒野に四方形の岩が柱のように積み重ねられたようなものが点在しているということくらいで、どこまでも無味乾燥な景色が続いている。

 ここは惑星グア。ミッドチルダからははるか遠く離れた次元の宇宙に存在する惑星で、ギナやモルドらが本拠地としている星である。

 そしてこの星に、ギンガとシャーリーは迷い込んでいたのであった。

 

「……どうですか? シャーリーさん」

「……駄目。やっぱり、何度試しても本部と通信がつながらないよ」

 

 石の柱の陰に隠れているギンガとシャーリーは、もう何度目かになるXio本部との連絡の試行に失敗していた。

 ギナが開いた空間の歪みに引きずり込まれた二人は、この惑星の地表に放り出されていた。ギナも歪みを緊急に開いたため、二人は敵の手に落ちることなく逃げおおせたのだが、ミッドチルダに帰還する術は今のところ見つかっていない。

 落胆したシャーリーは、自分の抱えるカプセルの中のエレキングのスパークドールズに呼びかける。

 

「ごめんね、エレキング。私たちの巻き添えで、こんな恐ろしいところに連れてきちゃって……」

「追っ手はまだこの辺りまでは来ていないみたいですが……いつまで安心していられるかは分かりませんね……」

 

 柱の陰から少しだけ顔を出したギンガが、用心深く周囲を見回した。

 ギンガたちがこんなにコソコソしているのは、惑星グアにはギナたちの配下となる巨大異星人が大勢おり、それらが闖入者の二人を捕獲しようと追いかけてくるからであった。現在の二人の装備では、巨大異星人に立ち向かうのはほぼ不可能。そのため、逃げ回ることしか出来ないのである。

 しかしそれも、いつまで続けられるものか……。補給が利かない現状、闇雲に逃げていても消耗していくばかりだ。

 

「あの女の人は、ほぼ間違いなく空間に歪みを作ってこことミッドを行き来してる。また空間の歪みが生じたら、そこに飛び込むことで帰還できるんだろうけど……」

 

 というのがシャーリーの推理。しかしそれを成し遂げるには、敵の監視を突破しなければならないという問題がある。

 

「どうにかして、監視をかいくぐる方法を考えないといけませんね……」

 

 嘆息したギンガは……不意に誰かが近づいてくる気配を感じ取り、一気に警戒を強めた。

 

「ギンガ?」

 

 シャーリーに静かにするよう合図したギンガは、リボルバーナックルを脇に構えながら、柱に張りついて息を殺す。

 そして近づいてくる気配が陰から飛び出してきた瞬間に、自らも飛び出してナックルを向けた!

 

「!?」

 

 ギンガも相手から、銃口を突きつけられる。が……互いに相手の姿を確認し、双方呆気にとられた。

 ギンガの前に出てきたのは、ギナたちとは大分様子も雰囲気も異なる青年であった。オレンジ色のジャケットを羽織り、左胸付近には流星を象ったようなエンブレムがある。

 

「あなたたちは……グア軍団じゃないみたいだな」

 

 相手の青年の方もギンガたちの格好を観察すると、そうつぶやいてチャージガンを下ろした。

 

「グア軍団?」

「この星をうろついてる連中のことさ。俺はどうにか奴らの目を逃れてここまで来た」

 

 シャーリーの疑問に答えた青年に、ギンガが告げる。

 

「私たちは故あってここに迷い込んだ人間です。名前はギンガ・ナカジマ。そちらはシャリオ・フィニーノです」

「ギンガ? へぇ……」

 

 青年はギンガの名前を耳にした途端、意味ありげに目を見開いた。

 

「私の名前が何か?」

「あぁ、いや、奇遇だなって思ってさ。俺の一番大事な仲間の名前もギンガって言うんだ」

 

 と答えた青年が我に返り、ギンガたちに対して告げた。

 

「こっちはまだ名乗ってなかったな。――俺はUPGの礼堂ヒカル。よろしく!」

 

 青年は爽やかな笑顔を浮かべてそう頼んだのであった。

 

 

 

「テェヤッ!」

『むんッ! でぇやッ!』

 

 エックスはまっすぐにモルドへ向かって駆けていく。モルドも前へと踏み出し、エックスを迎え撃つ。

 

『へぇやッ! でぇいッ!』

 

 モルドが横薙ぎに振るう戦斧をかわしたエックス。ミドルキックを打ち込むが、モルドは斧を盾にガードする。

 

『えぁッ!』

「グッ!?」

 

 モルドの拳が腹部に入った。あまりの威力に、エックスは悶絶。

 

『でやぁぁッ!』

「グアァッ!」

 

 そこに斧の斬撃を叩き込まれる。エックスはかなりのダメージを食らって後ずさった。

 

『へやあぁぁッ!』

 

 しかしモルドの攻撃は止まらない。斧を投げ飛ばすと、それが自在に宙を飛んでエックスに襲い掛かってくる!

 

「ウアアァァッ!」

 

 空飛ぶ斧に身体を斬られ、エックスはたちまち追いつめられてしまった。

 モルドはダークサンダーエナジーを全身で吸収した。その分加算されたパワーは、エックスをはるかに上回っていたのだった。

 

『強い……! ダイチ、我々もエクスディッシュを使うんだ!』

 

 このままでは勝ち目がないと判断したエックスがダイチへ促した。

 

『「よしっ!」』

 

 了承したダイチが前に伸ばした手の中に、エクシードXのスパークドールズが現れる。

 ダイチがそれをエクスデバイザーに押し当てると、スパークドールズはエクスディッシュの形状へと変化した。

 

[ウルトラマンエックス、パワーアップ!]

 

 ダイチはエクスディッシュのタッチパネルを一回なぞり、トリガーを引く。するとエクスディッシュの虹の刀身が輝く。

 

「『行くぞっ! エクシード、エーックスっ!!」』

 

 ダイチがエクスディッシュをX字に振るうことで、虹色の光の軌道が生じ、ダイチとエックスは更なる一体化。そしてエックスの身体がエクシードXのものへと変化を遂げた!

 エクシードXは頭部のエクスディッシュを右手に移し、掲げたポーズを取る。

 

「『エクスディッシュ!」』

 

 パワーアップを果たしたエックスは、再び猛然とモルドへ駆けていった。

 

「ヘアァッ!」

 

 モルドが振り下ろす斧を、エックスはエクスディッシュで受け止める。

 

『でぇぇやぁッ!』

 

 激しく斬り結ぶエックスとモルド。……だが、モルドの振るった斧にエクスディッシュを握る腕が弾かれた。

 

『へあッ! えぇぇやッ!』

「ウアァッ!」

 

 横薙ぎの一閃がエックスに入り、更に斧で足を刈り上げてエックスを地面に叩きつける。

 

『痛快、痛快、痛快! 最強の力を手に入れた今、ウルトラマンなど、相手にならぬわぁぁぁぁッ!!』

 

 モルドはエックスに馬乗りになり、顔面に向けて斧を振り下ろす。エックスは咄嗟にエクスディッシュを盾にしたが、相手のパワーにじりじり押されていく。

 エックスはダイチを叱咤。

 

『しっかりしろダイチ! 身体がついてきていないぞ!』

『「そんなこと言ったって……!」』

 

 エクシードXになったことで、確かにエックスの能力値は上昇した。……しかしユナイトしているダイチの能力がそれに追いついていないため、エクスディッシュの力を使いこなせていないのだ!

 エックス、大ピンチ!

 

 

 

 ギンガとシャーリーの前に現れた青年、礼堂ヒカル。二人は彼と、互いの世界について情報交換を行った。

 

「そうか、君たちはミッドチルダっていう別世界の人間なんだ」

「あなたこそ、私たちとは別の世界の人なんですね。しかもそれが……私たちが知ってるのとは別の『地球』だなんて……」

 

 呆気にとられるギンガ。いくら次元世界の住人とはいえ、「第97管理外世界と同じだが異なる世界」という話はにわかには信じがたい。

 シャーリーに目配せすると、彼女はヒカルの話を肯定した。

 

「少なくとも、彼の持ってるスマートシーバーとかチャージガンとかの道具は、地球の技術の延長でありながら、同時に次元世界のどの技術体系とも異なるテクノロジーが加えられて出来てるみたい。信用していいかも」

 

 さすがは技術者だけあり、少し見ただけでそのようなことが分かるようだ。

 

「いわゆる平行世界って奴さ。俺も詳しいことを知ってる訳じゃないんだけどさ」

 

 ヒカルは似て非なる世界のことを、ひと言で説明した。

 

「ヒカルくんは、平行世界に理解があるんだね」

「平行世界と関わるのはこれが初めてじゃないですからね。その辺は話すとちょっと長くなるんですけど」

 

 シャーリーの質問に答えたヒカルに、ギンガが尋ね直す。

 

「それで、ヒカルさんはグア軍団に連れさらわれた仲間を救出するために、この世界に突入を果たしたんですね」

「ああ。ショウとアリサっていう名前の二人なんだけど、君たちは知らないかな?」

 

 ヒカルの問い返しに、ギンガたちはそろって首を横に振った。

 

「ごめんなさい、知らないです」

「そうか……となると、ショウたちはここじゃなくて君たちの世界の方に連れてかれたってことかな……。二人とも無事だといいんだけど……」

 

 つぶやいたヒカルに、シャーリーがもう一つ質問。

 

「ところで、ヒカルくんはどうやって次元を越えてこの世界にやってきたの? それらしい装備は持ってないみたいだけど……」

「ギンガの力を借りて、空間の歪みを開いたんです。あっ、ここで言うギンガは、もちろん俺の仲間の方のことです」

 

 ヒカルはそう回答した。

 

「そのギンガさんは、今どこに?」

「今は力を使い果たして休んでます。でも、回復したらすぐにまた空間を越えるつもりです。その時にはもちろん、二人も連れていって元の世界に帰してあげますよ」

 

 ヒカルの申し出に、帰還する手段に悩んでいたギンガとシャーリーは一気に顔を輝かせた。

 

「ありがとうございます! それじゃあ、後はこのまま敵に見つからずにやり過ごせば――」

 

 と言いかけたギンガだが、皮肉なことに、ちょうどその時に三人は敵に発見されてしまった!

 

「ビョウンビョウンビョウンビョウンビョウン!」

「!!」

 

 三人がハッと顔を上げると、自分たちに向かって巨大サイボーグ怪人が地響きを鳴らして迫っているところであった。左腕はギザギザの鋼鉄製のハサミ、右腕には三本のクローが鈍く光る。

 グア軍団の恐るべきファイティングベム、メカバルタン!

 

「いけない、見つかった! 二人とも、早く逃げて――」

 

 ギンガが咄嗟にシャーリーとヒカルを逃がそうとしたが、それより早く、メカバルタンのクローの中央から光弾が発射される。

 

「きゃあああああっ!!」

 

 爆発によって三人は吹っ飛ばされる。地面の上を転がったヒカルは懐から短剣のようなアイテムを取り出すが、

 

「……やっぱり、まだエネルギーは戻ってないか……!」

 

 クッと歯を噛み締めたヒカルの視界に入り込んだのは、シャーリーの元から投げ出されて、カプセルから飛び出たエレキングのスパークドールズだった。

 

「! スパークドールズ……!」

 

 それを見たヒカルは、すぐさま駆け寄ってエレキングを拾い上げると、ギンガと助け起こされたシャーリーに首を向けた。

 

「ちょっと、君たちの仲間の力を借りるぜ!」

「えっ?」

 

 言葉の意味が分からず呆けるギンガたち。二人が見ている先で、ギンガは短剣型のアイテムの先端を、エレキングの足裏に押し当てた。

 

[ウルトライブ! エレキング!]

 

 するとヒカルを中心にまばゆい閃光が発せられ……エレキングが、グンッグンッグンッ! と巨大化していく!

 

「キイイイイイイイイ!」

 

 右腕を天高く掲げたエレキングが、メカバルタンの前に立ちはだかった!

 

「えぇぇぇっ!? エレキングが、実体化した!?」

 

 ギョッと目を丸くしてエレキングを見上げるシャーリー。一方ギンガは、エレキング登場と入れ替わるようにヒカルの姿が消えたことに気づく。

 その直前までの行動を鑑みて……ギンガはまさか、とエレキングを見やった。

 

「エレキングと一体化したの!?」

 

 果たしてその通り。今ヒカルは、エレキングの内部にいてその肉体を動かしているのだった。

 

『「よぉしっ! 行くぜ、エレキング!」』

 

 アイテムを握り締める腕を突き出したヒカルの意思により、エレキングは動いてメカバルタンに攻撃を仕掛けていく。

 

「キイイイイイイイイ!」

「ビョウンビョウンビョウンビョウン!」

 

 ぶつかり合って格闘戦を繰り広げるエレキングとメカバルタン。メカバルタンはクローとハサミを振り回して攻撃するが、エレキングは身をかがめてかわすと、そのままぶちかましを決めてメカバルタンの体勢を崩した。

 

「キイイイイイイイイ!」

 

 更にきりもみ回転チョップが入り、メカバルタンはよろめいて後退。

 

「ビョウンビョウンビョウンビョウン!」

 

 メカバルタンが離れた位置から光弾を発射しようと構える。しかしそれより早くエレキングの口からカッター状の電撃光線が放たれた。

 

「ビョウンビョウンッ!」

 

 直撃を受けたメカバルタンの機械部分に電撃が走り、感電。

 

『「今だっ!」』

 

 ヒカルはその隙を見逃さず、エレキングの長い尻尾を伸ばした。尻尾はメカバルタンに巻きついて拘束する。

 

「キイイイイイイイイ!」

 

 そこから必殺の高圧電流が尻尾から流し込まれた。メカバルタンは全身がスパーク、尻尾が解かれるとその場に崩れ落ちて爆発四散した。

 

「た、倒した……!」

「人間と怪獣が一体化するなんて……!」

 

 驚き呆けるギンガとシャーリー。

 

『「やったぜ!」』

 

 勝利したヒカルはエレキングと分離しようとしたが……。

 

『シャアッ!』

 

 そこに迫るふた振りのサーベル! エレキングは咄嗟に頭を下げて攻撃をかわした。

 

『「何だ!?」』

 

 慌ててアイテムを構え直したヒカルとエレキングの前に、マグマ星人が二人も現れる。今の戦いを嗅ぎつけてきたに違いない。

 

『新手か! しかも二人だなんて……!』

『我々は、ギナ様のお側にいる兄者と合わせてマグマ星人三兄弟!』

『侵入者め! お前たちは我ら兄弟が仕留め、ギナ様とモルド様に献上してくれるわ!』

 

 マグマ星人の兄弟がサーベルを構え、ジリジリとエレキングを狙う。

 連戦の気配に、ヒカルはエレキングの中で冷や汗を垂らした。

 

 

 

 マグマ星人三兄弟の長兄、改造マグマ星人はスバルと戦闘を繰り広げていた。

 

『むぅんッ!』

「せぇぇいっ!」

 

 マグマ星人のサーベルとスバルのリボルバーナックルが打ち合う。

 

『ふんッ!』

「えぇあっ!」

 

 アリサはシャプレー星人と格闘戦を展開する。

 

「ヘアァッ!」

 

 ちょうどその時に、エックスがモルドを押し返して体勢を立て直した。

 それを見上げたマグマ星人はシャプレー星人に顔を向ける。

 

『シャプレー、後は任せたぞ!』

 

 ひと言告げ、巨大化しながらエックスとモルドの戦いに乱入。背後からエックスに斬りかかる!

 

『うおらぁぁぁぁッ!』

「ウアァッ!」

 

 ただでさえ劣勢なのに、マグマ星人が加わったことでエックスはますます追いつめられていく。

 

「エックスっ!」

『お前たちの相手は、私だッ!』

 

 叫ぶスバルとアリサに、シャプレー星人が光線銃を連射してきた。

 

「きゃあぁっ!」

 

 激しい爆発が襲い掛かり、スバルとアリサはその場で足止めを食らう。

 そしてエックスに、モルドとマグマ星人の同時斬撃が叩き込まれた!

 

「グアァーッ! ジュアッ! グァッ……!」

 

 倒れるエックス。カラータイマーが激しく点滅して危険を示す。

 危機に陥っているのはスバルたちもであった。シャプレー星人が二人を撃ち抜こうと構える。

 

『とどめだッ!』

 

 しかしそこに魔力弾が飛んできて、シャプレー星人を弾き飛ばした。

 

『ぬあぁッ!?』

「スバル、大丈夫か!」

 

 助太刀に入ったのはハヤトとワタル。そして彼らとともに駆けつけたショウを見たアリサが、懐から赤いアイテムを取り出した。

 

「ショウっ!」

 

 投げ渡されたアイテムをすかさずキャッチしたショウは、アイテムを拳銃型に可動させると、更に怪獣の人形を取り出す。――スパークドールズ。

 

[ウルトライブ・ゴー! EXレッドキング!]

『ピッギャ――ゴオオオウ!!』

 

 ショウはスパークドールズをリードさせて、銃からエネルギーを発射。EXレッドキング型のエネルギー弾がモルドとマグマ星人に直撃し、大爆発を浴びせた。

 

『ぐわあああッ!?』

 

 この隙にエックスは立ち上がったが、もう残り時間が少ない。これ以上の戦闘続行は不可能だった。

 

『ダイチ、悔しいがここは、一時退却だ!』

 

 エックスは敵が止まっている間に撤退。Xioもまた、態勢を整えるために撤収していった。

 

 

 

 惑星グアでもまた、ヒカルがピンチの状態にあった。

 

『うらあぁぁぁッ!』

『ぬぅぅんッ!』

「キイイイイイイイイ!」

 

 マグマ星人Aの鎖つき鉄球がエレキングの首に巻きついて動きを封じ、その間にマグマ星人Bがサーベルで攻撃する。二対一の不利を前に、エレキングはなす術なくやられていた。

 

「あぁっ! エレキング!」

「ヒカルさん……!」

 

 焦燥するシャーリーとギンガ。だが、今の二人にヒカルとエレキングを助け出せるだけの持ち合わせはないのだ。

 

『「くっ、さすがに連戦はきついか……!」』

 

 エレキングがダメージを食らう毎に、リンクしているヒカルもまた苦しめられる。

 だが、どれだけ痛めつけられようとも、ヒカルは決して戦いをあきらめようとしなかった。

 

『「けど、俺の後ろには守るべき人たちがいる! これくらいのことで……やられてたまるかぁぁぁっ!」』

 

 熱い想いを乗せて叫び、アイテムを握る手にも力がこもる。

 するとその時! アイテム――ギンガスパークのブレードが開き、あるウルトラマンのスパークドールズが飛び出した!

 それを目にしたヒカルは、一転して満面の笑みとなる。

 

『「待ってたぜギンガ!」』

 

 スパークドールズを手に取ったヒカルは、勢いよくギンガスパークに押し当てた。

 

[ウルトラーイブ! ウルトラマンギンガ!!]

 

 エレキングの姿が発光し、たちまち別のものへと変化。その勢いでマグマ星人兄弟ははね飛ばされた。

 

『ぬあぁッ!?』

『な、何だ!?』

 

 同時にエレキングのスパークドールズがポーンッと飛ばされ、シャーリーの胸元へ。シャーリーは反射的にキャッチ。

 

「きゃっ!」

「あれは……!」

 

 エレキングに代わって現れたのは……額とカラータイマーの周りの胸部、肩と手足に水色のクリスタルを備えた……。

 

「ウルトラマン……!」

 

 紛れもないウルトラマン――!

 彼こそがヒカルの話していた、ギンガと同じ名を持つ仲間――ウルトラマンギンガだ!

 

「全身から半端じゃないパワーを感じる……!」

 

 輝くウルトラマンギンガの立ち姿を、ギンガは見惚れるように見上げた。

 

『貴様もウルトラマンだとぉ!?』

『おのれ、こしゃくなぁッ!』

 

 マグマ星人兄弟はいきり立ってウルトラマンギンガに襲い掛かる。それを少しもひるまず、堂々と迎え撃つウルトラマンギンガ!

 

「ショオラッ!」

 

 マグマ星人Aの鉄球をはたき落とし、Bのサーベルをついとかわすと肘打ちを入れて弾き飛ばした。

 

『うぎゃあッ!』

 

 再び鉄球が飛んできたが、今度は鎖をキャッチし、マグマ星人ごと引っ張って地面に放り飛ばす。

 

『おあぁぁッ!?』

 

 先ほどまで追いつめられていたのが一転、マグマ星人兄弟をまるで子供扱いでもするようにひねり投げていく。

 

「すごい……!」

 

 ギンガとシャーリーは、ウルトラマンギンガの圧倒的実力にすっかり見入っていた。

 

『ちくしょうめぇぇッ! このままやられては、マグマ星人の名折れだぁッ!』

 

 激昂したマグマ星人Aは鉄球からサーベルへと得物を変え、ウルトラマンギンガへと遮二無二斬りかかっていく。

 対してウルトラマンギンガのクリスタルが白く輝くと、右腕のクリスタルから光の切っ先が発せられ、そこから刀身が完成した。

 

『「ヤキ入れてやるぜ!」』

 

 正面から突っ込んでくるマグマ星人を見据えたウルトラマンギンガは光剣を振り上げ――地面に向けて突き刺した!

 

『「ギンガセイバー!!」』

 

 光剣から斬撃がまっすぐ伸び、大地が真っ二つに割かれる! その裂け目からマグマが猛烈な勢いで噴出!

 

『ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?』

 

 マグマの柱の中に呑まれたマグマ星人Aは、全身を焼き尽くされて爆散!

 

『あ、兄者ぁぁッ!!』

 

 兄を撃破され、単独となったマグマ星人Bはウルトラマンギンガにおののき、後ずさった。自分一人では到底勝ち目がない。

 

『おのれぇぇぇぇ……! だがッ!』

 

 しかし、マグマ星人Bはにやりとほくそ笑む。

 

『俺たちが戦ってる間に、グア軍団のファイティングベムが勢ぞろいしたぜ!』

 

 その言葉とともに、ウルトラマンギンガの前に新たなる敵が次々と出現してきた。

 ダクミラン、バゼリア、シズルン、ザビデン、エドラス、他グア軍団兵士もぞろぞろと……。恐ろしい数だ!

 

『ワハハハハハハ! いくら何でも、この数には敵うまい!』

 

 マグマ星人Bは数の優位に立って高笑いを上げた。

 だが、それでもヒカルには恐れの色が少しもなかった!

 

『「そいつはどうかな。俺とギンガの実力と戦いぶり、お前ら悪党どもにたっぷり見せてやるぜ!」』

 

 この状況下にも関わらず、むしろますます戦意をかき立てたヒカル。彼に合わせるようにウルトラマンギンガが構え直し、グア軍団を真正面から迎え撃つ姿勢を見せた!

 

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