撤退を果たしたダイチたちは、ショウとアリサをXioベースへと連れてきていた。
「よし、これでもう大丈夫だ」
グルマンの手によって、ショウの発声を封じ込んでいたマスクが取り外された。椅子から立ち上がったショウは、いきなりダイチの胸ぐらに掴みかかる。
「何だあのみっともない戦いは!?」
「ちょ、ちょっ!?」
慌てふためいたダイチは咄嗟にショウの口を抑え込んだ。
「っていうか、言葉通じるんですね……」
「当たり前だ」
きっぱりと言うショウ。まぁそうだろうな、とチンクがうなずいていた。
ショウが話せるようになったことで、カミキが質問を投げかけた。
「君は、奴らの正体を知ってるのか?」
それに首肯するショウ。
「ああ。奴らは帝王ジュダ・スペクターの兄弟だ」
「帝王ジュダ・スペクター?」
「帝王って、どっかで聞いたような……」
「ほら、ダイチの報告書にあった奴。インターミドル選考会を襲ったギロン人が、ヤプールとか宇宙の帝王がどうとか話してたって」
首をひねったウェンディに、ディエチが指摘した。
「こっちの世界にもヤプールの配下が現れてたのか」
「どういうことでしょうか? ジュダ・スペクターって何者ですか?」
スバルが聞き返すとショウは、以前彼が巻き込まれた、そして今起きている事態に関連している事件について説明し出す。
「ジュダ・スペクターとは数万年に一度よみがえる宇宙の悪魔だ。異次元人ヤプールはその力を利用するため暗躍し、封印を解いたんだ」
「あの事件に、そんな裏があったのか……」
肝心な部分が未解決のまま終わった事件の真実が意外なところで判明し、うなるノーヴェ。
「俺はヤプール、そしてジュダを仲間と一緒に倒した。しかし……宇宙の帝王は三兄弟だったんだ。そのジュダの兄と姉が、あのモルド・スペクターとギナ・スペクターだ。奴らは全宇宙の制覇を狙い、この世界で軍団の強化を狙っている」
ショウからもたらされた話に、Xioメンバーは戦々恐々とした。
「じゃあ、奴らはミッドも征服するつもりなのかよ……?」
「ミッドだけじゃなく、次元世界全部もだな」
尋ねたワタルにハヤトが断言した。ノーヴェがバシンッ、と拳で手の平を叩く。
「そんな勝手なこと、許せる訳ねぇぜ!」
「隊長、早急に対策を講じなければなりませんね」
「うむ。管理局本部とも連携を取る必要があるかもしれない」
クロノとカミキが相談する一方で、ショウはダイチの腕を掴んで外へと引っ張っていく。
「来いっ!」
「ちょっ!?」
「行くぞ!」
「なっ、何ですか!?」
「早くっ!」
突然のことで、それを呆然と見送る一同。スバルがつぶやく。
「ショウさん、ダイチに一体何の用が……?」
「……彼には彼なりの考えがあるということだろう」
グルマンだけは察しがついたようであった。
「だ、大丈夫ですよ? 多分……」
アリサが皆に向かって言って、場を取り成した。
Xioベースの外の雑木林まで連れてこられたダイチは、そこで解放される。
「お前とエックスのことはゼロから聞いていた。どんな奴かと思っていたが……どうやら大したことないようだな」
ショウから下に見られたダイチがムッとする。
「そんな言い方しないで下さいよ! 俺だって……」
「お前はまだあの剣の力を使いこなせていない」
ショウはきっぱりと告げてダイチを黙らせる。
「ウルトラマンエックスに変身した時、お前自身の力が、エックスの力に比例する。たとえあの剣があっても、お前が剣術を磨かない限り、エックスとしてあの剣を使いこなすことは出来ない」
「そんな……じゃあどうすれば?」
「俺が鍛えてやる」
ショウの申し出に、ダイチは一瞬面食らった。そんな彼にショウは不敵に微笑む。
「覚悟しておけ。俺はゼロより厳しいぞ」
ダイチたちに逃げられたモルドらグア軍団も、未開発区の奥深くの隠れ家に身を隠していた。そこでギナ・スペクターはマグマ星人、シャプレー星人をムチでひっぱたいた。
「逃げられただと? 一体何をやっていたのだッ!」
『申し訳ありません……!』
『まさか邪魔者がいたとは……』
「お黙り! 言い訳など聞く耳を持たぬ」
更なる処罰を与えようとしたギナを、横穴を覗き込む形となっているモルド・スペクターがなだめた。
『まぁよい。心配せずとも、既に次の策は練っておるわ』
「と、言いますと?」
『我らの星に待機させているグア軍団を、この惑星に呼び寄せ、一気にあのエネルギーを浴びせるのだ!』
モルドはファイティングベムを一斉に強化させた後、ミッドチルダ全土をその力でねじ伏せるつもりであった!
ショウはダイチに木刀を持たせると、自身も木刀を握って模擬戦闘を強いていた。
「くっ……!」
「とぅあっ!」
必死に剣を振るってショウの剣戟を防ぐダイチだが、相手の攻め手の激しさに押される一方。そして隙が出来たところに脛を打たれ、転倒させられる。
「あっ!!」
「どうした! そんなことじゃあの剣を使いこなすことは出来ない」
苦悶の表情を見せるダイチを見下ろして、ショウは厳しく叱咤する。
「ち、ちょっと待って下さいよ……!」
『がんばれダイチ! お前なら、やれば出来る!』
ふらふら立ち上がるダイチを、木の根元に置かれたデバイザーからエックスが応援した。
「他人事みたいに言わないでよ……」
ぼやくダイチだが、ショウは容赦なく次の攻撃を仕掛けてきた。回転しながらの殴打を、慌てて剣で防ぐダイチ。
ショウはダイチを攻め立てながら、剣術の極意を文字通りダイチの身体に叩き込んでいく。
「相手の動きに集中して、呼吸を読み取り、そして懐に飛び込めっ! 強い自分をイメージしろっ!」
ダイチの剣を上に弾くことでのけ反らせ、がら空きになったボディに横薙ぎを打ち込んだ。
「ふっ!!」
「あぐっ!!」
剣を振り抜くと、ダイチの身体は思いっきり吹っ飛ばされた。
苦痛にあえいで倒れたダイチへ剣を向けるショウ。
「立てダイチっ! お前にも守りたい人や、仲間たちがいるだろう?」
その問いかけで、ダイチは周りの人たちやこれまでたどってきた日々を思い返した。
「守りたい人や……仲間……」
目標とする両親、スバルたちナカジマ家の家族、Xioの仲間、ヴィヴィオやアインハルト、他にもたくさんの人たち……そしてゴモラたち怪獣。
彼らの顔を思い出すと、ダイチの全身に力が宿った。
「そうだ……! 俺にも……守るべき人たちがいるっ!」
立ち上がって構え直したダイチを相手に、ショウは剣戟を再開。
「行くぞっ!」
ショウとつばぜり合いになったダイチは、先ほどの教えを思い出す。
(相手の動きに集中して、呼吸を読み取り、そして一気に懐に飛び込むっ!)
ショウがやったように剣ごと相手の腕を上に弾き、開いたボディに一撃を見舞った!
「うっ!!」
今度はショウが吹っ飛ぶ番であった。
「やったっ!!」
『いいぞダイチ!』
「それでいい、ダイチ」
起き上がったショウは、ダイチに向けて拳を突き出す。
ダイチも拳を突き出し、二人の握り拳がバシッと重ね合った。
「そう……あなたのお姉さん、グア軍団に連れさらわれてしまったの……」
「はい……。アリサさんとは、すれ違いになったみたいですね……」
Xio本部では、スバルがアリサに、ギンガとシャーリーのことを尋ねていた。彼女らの安否が分かるかもと期待を掛けていたが、アリサが存じなかったので落胆した。
一方、アリサはこんなことをつぶやく。
「それにしても、お姉さんの名前がギンガだなんて……奇遇というか、何というか」
「アリサさんのお知り合いの誰かに、ギンガって名前の人がいるんですか?」
スバルが顔を上げて尋ね返した。
「ええ。もう一人のウルトラマンの名前がそうなのよ」
「えっ!? アリサさんの世界には、ウルトラマンが二人なんですか!」
「そうよ。ギンガと、ショウのビクトリー。二人は何度も私たちを命がけで助けてくれたの……」
アリサは遠い目をして、彼女が経験してきた戦いを思い返した。超合体怪獣、強化され復活した闇の支配者、時空を股にかける魔神……恐ろしい敵ばかりであったが、二人のウルトラマンは力を合わせ、どんな敵も打ち破って世界を守ったのであった。
「ギンガ――ヒカルもきっと、私たちを助けようとがんばってくれてると思うわ。ヒカルもここにやってきたら、あんな悪者たちなんてぶっ飛ばしてくれる! スバルのお姉さんもきっと助けてくれるわ。だからあんまり思い詰めないで」
「……はい、ありがとうございます!」
アリサに励まされ、スバルは笑顔を作った。
その時、Xioベースに警報が発せられた。アルトがレーダーのキャッチしたグア軍団の動きを報じた。
「エリアD-7に、次元の歪みが出現!」
カミキはアリサと目が合った。アリサが小さく首を振ると、カミキもまたうなずいた。
「Xio、出動!」
「了解!」
「ガレット!」
カミキの号令により特捜班と、アリサが出動していく。
エリアD-7では、モルドたちが一帯を乗っ取り、空に次元の歪みを開いていた。
『さぁ、これでいつでもグア軍団を受け入れる準備が整ったぞ!』
ミッドチルダ侵攻の用意が進められるところに、スカイマスケッティが飛来!
「ファントン光子砲、発射!」
「トラーイっ!」
ハヤトとワタルが、モルドと巨大化マグマ星人に光子砲の連射を浴びせる。
「そうはさせるかっ!」
マスケッティがモルドたちの悪行を阻止しようと奮闘する中、ショウとダイチも報せを受けて、現場に駆けつけてきた。
「行くぞダイチ!」
「はいっ!」
ショウが赤いアイテム――ビクトリーランサーをランサーモードに切り替え、前に突き出す。ダイチはエクスデバイザーを手にし、スイッチを押し込んだ。
ビクトリーランサーとエクスデバイザーからそれぞれのウルトラマンのスパークドールズが出てきて、ダイチとショウはそれをリードする。
「エックスーっ!!」
[ウルトライブ! ウルトラマンビクトリー! ビクトリー! ビクトリー!]
XとV型の閃光の中から、二人のウルトラマンがグンッグンッグンッ! と飛び出していく。
「イィィィーッ! サァ―――ッ!」
[エックス、ユナイテッド]
「セヤァッ!」
そうしてモルドとマグマ星人の前に降り立ったのは、ウルトラマンエックス、そしてショウの変身した――ウルトラマンビクトリー!
『今度こそ貴様らの最期だッ!』
モルドは二人のウルトラマンに対して戦斧を突きつけ、恫喝した。だがエックスとビクトリーはそんな言葉を恐れはしない。
『「行くぞっ!」』
ショウの合図で駆け出すエックスとビクトリー。それぞれモルドと両手サーベルになったマグマ星人に飛びかかっていく。
エックスがモルドと格闘を始める一方、ビクトリーは振るわれたマグマ星人のサーベルを左脇に挟み込んで止め、同時に相手の肩の上に地面と水平の姿勢で飛び乗った。マグマ星人はビクトリーの体重が身体にのしかかったことでふらふらと回転。
「テヤァッ! ドリャアッ!」
ビクトリーはその勢いを利用してマグマ星人を投げ飛ばす。おたおたとつんのめるマグマ星人。
『ぬぅッ! やってくれるッ!』
ひと足遅れて現場に到着したスバルたちはエックスと、ビクトリーの戦う姿をまざまざと見上げた。
「あれが、地底のウルトラマン……!」
「これまたかっくいーっスね~!」
ディエチ、ウェンディに続いてアリサがつぶやく。
「ショウ……!」
その直後、チンクが警戒を呼び掛けた。
「皆、来るぞ!」
「ふうぅぅぅぅぅッ!」
彼女らにも、ギナとシャプレー星人が襲い掛かってきたのだ!
『むぅんッ!』
「テヤッ!」
マグマ星人は両手サーベルの連続刺突を繰り出すが、ビクトリーは素手でその攻撃をいなして鉄拳で反撃、機械化されたボディをものともせずにマグマ星人を押していく。
鋭いローキックを相手の脚に叩き込むビクトリー。たまらず片膝を突いたマグマ星人の首を膝の裏で引っ掛け、仰向けに引き倒した。
「ウゥッ!」
『ぐわぁッ!?』
すかさずビクトリーの強烈な拳が顔面に入れられた。マグマ星人は悶絶。
『でやぁッ!』
モルドと組み合っているエックスは、モルドの振るった斧を受け止め、次いでの拳打を相手の斧でガードした。が、間髪入れぬ肘打ちを斧ごと腹部に食らう。
「クッ!」
一瞬ひるんだがすぐに放たれた斧の一閃をくぐり、ミドルキックのお返しを決めた!
「セイヤァッ!」
『ぐあッ!?』
キックは綺麗に決まり、モルドはうめき声を発した。
『「ビクトリウムスラッシュ!」』
ビクトリーの方は回し蹴りを行う勢いで脚のV字の発光部から光弾の連発を発射、至近距離からマグマ星人に浴びせる。
『ぐうあぁッ!』
猛攻で隙を作ったところで、ビクトリーの右腕に巨大な銃器が構築された。
[ウルトランス! キングジョー・ランチャー!]
「トオリャッ!」
ランチャーを構えたビクトリーが光弾を連続発射! 全弾マグマ星人に命中!
『うがああぁぁぁぁぁぁッ!!』
後ろへ吹っ飛んだマグマ星人が切り立った崖の岩肌に激突。これはかなり効いているはずだ。
そしてスバルたちもまた、ギナたちとの交戦を開始していた。
「ランブルデトネイター!」
「イノーメスカノン!」
「エリアルショット!」
『ふぅんッ!』
チンク、ディエチ、ウェンディはそれぞれの武装を駆使してシャプレー星人と戦う。シャプレー星人は二丁拳銃で三人を纏めて相手取っている。
そしてスバル、ノーヴェ、アリサはギナと戦いを繰り広げていた。
「くっ!」
ギナからの一撃をもらってスバルがゴロゴロ転がっていく一方で、ノーヴェはギナのムチを掴み取って使用できない状態にしたまま、殴り合いを演じる。
「放せッ!」
「放すもんか、馬鹿ッ!」
闇の力が込められたキックを叩き込まれてもノーヴェは手を放さずに、こちらもキックで応戦した。
「たぁぁぁっ!」
立ち上がったスバルがリボルバーをうならせて加勢するも、ギナは二人の打撃を的確にさばくほどの格闘能力を見せる。
「くぅっ……!」
ムチを掴んでいる都合上、ノーヴェが引き寄せられてより攻撃を食らう。ギナは彼女に闇の波動を食らわせようと構えるが、
「させないわっ!」
そこにアリサがチャージガンの銃撃を撃ち込み、波動攻撃を阻止した。
「ぬぅッ!」
乱戦の中でもアリサの正確な援護射撃によって、ギナにのみ光弾はヒットする。想うように攻撃を繰り出せず、ギナは腹立たしそうに歯ぎしりした。
「ノーヴェっ!」
その間にスバルがノーヴェの元へ駆けつけ、ムチを掴んで役割を交代した。
「急造トリオだけど、なかなかいいチームワークだな」
「ええ。この調子で行きましょう!」
「なめるなッ! 人間ども!」
うなずき合ったノーヴェとアリサの言葉に、ギナは激昂して牙を剥いた。
『ぬぅぅッ!』
「セヤッ!」
モルドがエックスの足首を狙って斧を振るったが、エックスは相手の頭上を跳び越えて回避。更に岩肌を蹴って舞い戻りながら、エネルギーを溜めたチョップを振るう。
『Xクロスチョップっ!』
『ぐあぁぁッ!』
クロスチョップが決まり、モルドに大きなダメージを与えることに成功した!
着地し踵を返したエックスに、ショウが呼びかける。
『「ダイチ、今こそ特訓の成果だ! 見せてやろうぜ!」』
『「はい!」』
ダイチの手の中にエクシードXのスパークドールズが現れ、すかさずリード。
[ウルトラマンエックス、パワーアップ!]
そしてエクスディッシュのタッチパネルをスライドし、トリガーを引いた。
「『行くぞっ! エクシード、エーックスっ!!」』
エックスが、再びエクシードXへと変身した!
「『エクスディッシュ!」』
一方ショウの方は、クリスタル状のウルトラ戦士のスパークドールズをビクトリーランサーでリードした。
[ウルトランス! ウルトラマンヒカリ!]
スパークドールズは青い聖剣――ナイトティンバーに変化。笛のティンバーモードからソードモードへと変形させて天高くかざすと、ビクトリーの身体が青いクリスタルの輝きに包まれて青い新たなる姿へと変化した!
[放て! 聖なる力!!]
エクシードXと並び立ったビクトリーの新形態。それがビクトリーナイトだ!
『おのれ小癪なぁッ!』
モルドは二人のウルトラマンの変身に負けじと、マグマ星人を引き連れて猛然と斬りかかっていく。エックスとビクトリーも前に駆け出し、闇の刃との斬り結びを行った。
「ヘヤァッ! デッ! ヘアッ!」
エックスの虹の軌道を描く剣技が、モルドの戦斧を弾く!
『何だと!? この太刀筋……さっきとは別人のようだ! どういうことだぁ!?』
先ほどは剣と能力に振り回されて、モルドにまともに太刀打ち出来なかったエックス。――しかしショウに稽古をつけられたことで急激な成長を遂げ、エクスディッシュの与える力を使いこなせるようになったのであった。
「イィッ! シェアッ! デュウワッ!」
『うぐわぁッ!』
エックスの連続斬撃が斧をはね返し、モルド本体に叩き込まれる。
『「もっとだ! もっとこの剣を扱いこなすんだ!」』
しかしダイチはショウのアドバイス通りに、更に強い己の姿をイメージする。
そのイメージの元は……エクスディッシュの名前の由来となった、バルディッシュを駆るフェイトの勇姿。彼女の美しくも鋭い戦闘スタイルは管理局でも名高く、ダイチも見る度感心させられる。
バルディッシュを片手に空を駆けるフェイトのイメージを自身に投影した、その時……エクスディッシュにも変化が起こった。
全体が虹色の光に包まれると、急激に変形! グリップ部分が長い柄となりタッチパネルとトリガーはそちらに移る。スイッチは上部に行き、刃部分の比率も変わって下半分の方が長くなった。
それはちょうど、バルディッシュそのものに酷似した形状であった。この形態、エクスディッシュ・アサルトとでも言うべきだろうか。
『「うわっ!? 変形した!」』
突然のことに面食らうダイチ。しかし今は戦闘中だ。いちいち気にかけている時間はない。
マグマ星人を切り払ったビクトリーが合図した。
『「よし、今だっ!」』
エクスディッシュ・アサルトを両手に構え直したエックスが、まっすぐにモルドへと突撃していく!
「デュワッ!」
『「うああぁぁぁぁぁぁ―――――!」』
エックスの上段斬りを、モルドが斧で受け止めた。その瞬間、ショウとの特訓のように斧を弾き返してがら空きになったボディに、エクスディッシュの一閃を入れる!
『ぐぅぅッ!?』
リーチが伸びたことで遠心力が掛かり、一撃の重さもまた増していた。モルドはくの字に折れ曲がってうめいた。
しかしそれで終わりではない。ダイチはタッチパネルを二回スライドし、トリガーを引いて必殺技を発動!
「『エクシードスラーッシュっ!!」』
あまりにも太刀筋が速く、まるでエクスディッシュが増えたかのように見える乱撃がモルドに叩き込まれた!
『ぐああああぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――――ッッ!!?』
モルドは踏ん張ることも出来ずに吹っ飛ばされ、岩山に激突した。そのまま突っ伏して立ち上がらなくなる。
『「やったな、ダイチ」』
『「はいっ!」』
ショウの称賛に勢いよくうなずくダイチ。
『おのれぇ! よくもモルド様をッ!』
そこに憤怒したマグマ星人が襲い来る。それを迎え撃つのはビクトリーナイトだ。
ハンドグリップを一回前後に動かすポンプアクション後にスイッチを押し込み、こちらも必殺技を発動!
[ワン! ナイトビクトリウムフラッシュ!]
『「ナイトビクトリウムフラッシュ!」』
空を滑空したビクトリーが高速回転! そのまま回転斬りをマグマ星人に見舞った!
「トゥリャッ!」
『ぐあぁぁッ!?』
斬撃と超高速回転による摩擦で、機械のボディは深々とえぐられてスパークを起こし始めた。着地したビクトリーは、更なる追撃を行う!
ポンプアクション三回により、とどめの攻撃が発動する!
[スリー! ナイトビクトリウムシュート!]
『「これで決めるっ!」』
激しく輝く刀身を立て、ピンと伸ばした左手を柄に添えた。そのポーズ、ウルトラ戦士特有の光線発射の姿勢だ!
『「ナイトビクトリウムシュートっ!!」』
左手でスイッチを押し込み、刀身からすさまじい光線がほとばしった! 光線はマグマ星人の全身を呑み込む!
『うぐあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!』
それが決め手となって、マグマ星人は跡形もなく爆散し消滅した。
『「やったっ!」』
ビクトリーの堂々たる勝利に、ダイチは手をぐっと握り締めて喜びを見せた。
この時に、ようやくモルドが立ち上がった。
『ぐぅぅ……だが時既に遅し! グア軍団はもうそこまで来ておるわぁ!』
空の歪みを見上げるモルド。歪みの中より、強い力の気配がどんどんと近づいているのを感じ取ったのだ。
エックスとビクトリーも武器を構え直して、新たなる敵の来襲に備える。
――しかし、歪みから飛び出したのはモルドの想像したファイティングベムの姿ではなかった。
『「ギンガファイヤーボール!」』
身体のクリスタルを赤く輝かせたウルトラ戦士が、空から隕石弾を降り注がせる!
『ぬッ!? ぬおぉッ! ぬあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』
隕石弾を食らったモルドが爆炎の中に呑まれた。
「あ、兄上!?」
ギナたちも、スバルらも驚愕して戦いの手を止めた。一体何が起こったのか!
ミッドチルダの大地に降り立ったウルトラ戦士は、手の平から二人の人間を降ろした。その二人とは……。
「ギン姉っ! シャーリーさんも!」
弾んだ声を発したスバル。そう、空間の歪みに吸い込まれて消息不明となっていたギンガたちだ!
上体を起こしたウルトラ戦士の中の青年――ヒカルが、モルドに告げた。
『「お前が待ってる奴らは、俺が全部倒したぜ!」』
『何だとぉ!?』
そのウルトラ戦士に振り向いたショウとアリサが発した。
『「ヒカル!」』
「ヒカル……!」
スバルは改めて、ギンガたちを助けたウルトラ戦士を見上げた。
「じゃあ、あのウルトラマンがアリサさんの言った……ウルトラマンギンガ……!」
「ショウラッ!」
ウルトラマンギンガは、右腕を前に伸ばした構えでモルドに向き合った。
『ダイチの怪獣ラボ!』
ダイチ「今回の怪獣はツルギデマーガだ!」
ダイチ「ツルギデマーガは『ウルトラマンX』第十二話「虹の行く先」で登場したデマーガの強化形態! ダークサンダーエナジーが当たったことでこの姿に変貌したんだ!」
エックス『劇中初めての、ダークサンダーエナジーを浴びた怪獣だ』
ダイチ「ダークサンダーエナジーの影響を受けた怪獣はより強く、より凶暴となるんだ! しかもザナディウム光線まで効かなくなってしまうぞ!」
エックス『そのため、ダークサンダーエナジーを取り払う力を持ったエクシードXになる必要があるんだな』
ダイチ「ツルギデマーガは映画『きたぞ!われらのウルトラマン』にも登場。どの場面で出てくるかは実際に確かめてね!」
エックス『結構終盤だから気をつけてくれ』
ダイチ&エックス「『次回も見てくれよな!」』
グア軍団の総攻撃! 奴らの狙いはXioに保管されてるスパークドールズだ! 怪獣たちを悪に利用させる訳にはいかない! エックス、ギンガ、ビクトリー。三大ウルトラマンが迎え撃つ! 次回『光る大空、繋がる大地』。