光輝巨人リリカルなのはX   作:焼き鮭

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光る大空、繋がる大地(B)

 

 地上本部区域では、ギナ率いる軍団とXio+UPGが激闘を繰り広げている最中であった。

 

「はぁぁぁぁっ!」

「でやぁぁっ!」

 

 ガジェットドローンが発射してくるミサイルをチンク、ウェンディ、ディエチが撃ち落とし、熱線をかいくぐったギンガ、ノーヴェが正拳、回し蹴りでⅢ型、Ⅰ型を粉砕した。五人の巧みなチームワークで大群相手にも引けを取らず次々撃破していくが、ガジェットドローンも物量に物を言わせて対抗し、彼女らを先に通さない。

 

『ぬぇぇぇいッ!』

「はっ!」

 

 一方で、ヒカルはシャプレー星人と一対一で戦っていた。ヒカルはブレードの開いたギンガスパークを武器にし、シャプレー星人の銃撃を防ぎながら前進。

 

『きえええッ!』

「ふっ! はっ!」

 

 接近戦に切り替え殴り掛かってくるシャプレー星人に、ヒカルは格闘戦で迎え撃った。相手の殴打を受け止めながら、一瞬の隙を突いて連続パンチを胴体に打ち込む!

 

「うおおおおおっ!」

『ぬおぉッ!』

 

 更に背負い投げを決め、シャプレー星人に手痛いダメージを加えた。

 

「ふぅぅぅっ! ふっ! はっ!」

「ふんっ!」

 

 ショウはムチの拘束から逃れ、そのままギナと格闘していた。ギナの闇の波動の威力を、ビクトリウムの聖なる輝きで打ち消して無力化することで互角の戦いを演じる。

 ショウがギナの猛攻をさばいているところに、ギンガたちの反対側からダイチが駆けつけてきた。

 

「あぁっ!」

 

 現状を目の当たりにしたダイチはすぐさまショウへの加勢に走り、ギナの腕を払いのけてショウを助けようとする。

 しかし素の格闘技能が低いダイチではこの戦いのレベルにはついていけない。案の定ギナの回し蹴りを食らいそうになった危ない瞬間を、ショウに引っ張られることで助けられた。

 とはいえダイチの介入でギナの注意が一瞬それた。ショウはそれを見逃さず、ガンモードのビクトリーランサーとキングジョーカスタムのスパークドールズを素早く取り出す。

 

『ぬッ!?』

 

 そのショウの動きにシャプレー星人が気づいた。

 

[ウルトライブ・ゴー! キングジョー!]

『離せッ!』

 

 取っ組み合っていたヒカルを振り払って短距離テレポート。ショウが放ったモンスシューターがギナへとまっすぐに飛ぶ中、ギナの真正面に現れてその身を盾にした!

 

「何っ!」

『ギナ様ぁ――――!!』

 

 モンスシューターの直撃を食らったシャプレー星人は爆発四散。ギナは唖然と口を開き切った。

 シャプレー星人が倒れたことでヒカルがショウとダイチの元へ駆けつけた。ギナは三人に対し激情を露わにする。

 

「貴様らぁぁぁ……!」

 

 だがギナはその身を翻すと、どこかへ向けて全速力で逃げていく。

 

「待てっ!」

 

 ギナを追いかけるヒカル、ショウ、ダイチ。ガジェットドローンの一機が三人の背に熱線を撃とうとしたが、横から突っ込んできたノーヴェに側面を殴られ、くの字に折れ曲がって爆散した。

 

「やらせるかよっ!」

 

 ノーヴェたちが残るガジェットドローンを相手取ることで、ダイチたち三人はそのままギナを追跡することが出来た。

 

 

 

(♪チームライトニング出撃!)

 

「超振動バスター!」

 

 スバルの指示でデバイスゴモラが振動波を発射する構えを取ったが、メカゴモラも胸部の発光部から振動波を放った。

 

『[ギャオオオオオオオオ!』]

 

 振動波同士が衝突し、相殺された。デバイスゴモラとメカゴモラの戦闘能力は互角で、戦況は拮抗状態となっている。

 これを打破すべく、スバルはアリサにあるものを手渡した。

 

「アリサさん、これを使って下さい!」

 

 ウルトライザー・カートリッジを装填したジオブラスターであった。こんな事態に備えて、アリサのために持ってきていたのだ。

 

「コンビネーションを!」

「いい銃ね。射撃なら任せて!」

 

 ブラスターを構えるアリサ。銃口はメカゴモラに対してピッタリと合わされる。

 

[ウルトラマンの力を、チャージします]

「ゴモラ! 超振動拳っ!!」

『ギャオオオオオオオオ!』

 

 スバルが叫ぶと、デバイスゴモラはウィングロードをメカゴモラへ伸ばしてその上を高速で走っていく。ウィングロードのデータは持ち合わせていないメカゴモラは、その動きに対応できない。

 

『ギャオオオオオオオオ!』

 

 デバイスゴモラが正面から角とクローを突き立て、強烈な振動波を流し込む。だがメカゴモラの装甲はあまりにも強固であるため、振動波でも破壊することが出来ない。

 だが同時にアリサの発射したウルトライザーシュートが炸裂! メカゴモラはダメージが耐久値を越えたことで、轟音を立てて粉砕された!

 アリサは驚きの目でジオブラスターを見つめた。

 

「ウルトラマンの力を再現って……すごい技術力ね」

「でしょ? Xioの頼れる仲間が作ってくれたものなんですよ!」

 

 笑顔でうなずいたスバルは、すぐにギンガたちの加勢に回った。マスケッティの方は機首をXioベースの方角に向け、防衛へと飛んでいった。

 

 

 

『ぬぅぅあぁッ!』

「散開っ!」

 

 Xioベース前では、なのはたちがモルド相手に大奮戦していた。モルドが斧を振り下ろして闇の波動を飛ばしてくるが、はやての指揮によりなのはたちは相手の攻撃をかわし切る。

 

「エクセリオンバスター!!」

「プラズマスマッシャー!!」

「シュツルムファルケン!!」

「コメートフリーゲン!!」

 

 そして波状攻撃をモルドに浴びせ続ける。恐ろしい闇の巨人だけあって管理局のエースたちの総攻撃でも致命的なダメージにはならないが、この場に縫いつけられてXioの基地には全く手出し出来ない状態になっていた。

 

『おのれッ、鬱陶しい!』

 

 悪態を吐くモルドだが、ふとはやてに目をつけると、訝しげに目を細めた。

 

『ぬ? 小娘、貴様の身体から濃厚な闇の力の残滓を感じるぞ。人間が闇の力を宿したことがあるとはな』

「えっ……!?」

 

 動揺して一瞬固まるはやて。モルドの言った通り、はやては幼少期に夜天の書の前身の呪われた「闇の書」の宿主に選ばれたことで、次元世界を揺るがすような大事件の渦中に置かれていた。それをひと目で見抜くとは、闇の種族故に通じるものがあるのだろうか。

 そしてモルドはニヤリと悪しきたくらみを着想した。

 

『面白い! 貴様の魂の奥底に刻まれた闇の力を復活させ、我が手駒にしてくれるわぁッ!』

 

 モルドの手の平から放たれた闇の波動がはやてに降りかかり、彼女が大きく身をよじって苦しみ出した!

 

「きゃああああああああっ! あぁっ、うぅぅっ!」

「はやてちゃんっ!!」

 

 仰天し焦りを浮かべるなのはたち。はやては瞳が赤く染まり、身体から負の気が発散されるようになる。

 

「まさか、夜天の書が闇の書に戻ってしまうということか!? 主はやての魂も、闇に塗り潰される……!?」

「そんなの嫌だっ! はやてぇぇぇぇ――――――――!!」

「はやてちゃんっ!!」

「主はやて!!」

 

 絶叫するヴォルケンリッター。はやては闇の書によって深く苦しみ、傷つき、悲しい別れも経験した末に、やっと平穏な時間を得られるようになったのだ。そんな彼女がまた闇に染まるなんてことは、あってはならない!

 はやては闇の力に蝕まれてもがき苦しむ。――だが、

 

「はぁぁぁぁっ!!」

 

 はやては気合いの叫びとともに、闇の影響を弾き飛ばした!

 

「はやてぇっ!! やったっ!」

『何だとぉ!? 人間風情が、我が魔力をはねのけようとは!』

 

 一気に歓喜の声を発したヴィータたちとは反対に、愕然とするモルド。はやては彼に言ってのけた。

 

「わたしは二度と闇には呑まれへん! あの時、わたしを救うために必死になってくれた仲間たち、それにあの子の最期の想いと願いのためにやっ!」

『はいです! わたしたちは、闇の力にだけは絶対に屈しませんっ!』

 

 リインフォースもまた豪語した。モルドはプライドを傷つけられて歯噛みする。

 

『おのれぇぇぇぇ……!』

 

 その時のことであった。ダイチたちの前から逃走したギナが現れ、モルドを見上げて叫んだ。

 

「兄上ッ! 今こそ我ら三兄弟の力を一つに! もう他に手段はありませぬッ!」

 

 振り返ったモルドが聞き返す。

 

『いいのか? 魂を融合させたらもう元には戻らんぞ!』

 

 しかしギナの考えは変わらなかった。

 

「私は、兄上の中で生き続けます!」

 

 その言葉により、モルドも決心する。

 

『ギナよ……ともに我らの敵を全て倒し、宇宙を征服するぞッ!』

 

 ヴィータたちはただならぬ様子と言動に不安を覚えた。

 

「な、何するつもりだ? 魂を融合?」

「思い通りにさせたらあかんっ!」

 

 はやてが叫んだが、もう遅かった。跳躍したギナが、モルドの胸部の赤い発光体の中に溶け込んで消え去った!

 

『ぬああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』

 

 同時に、モルドの全身から膨大な闇が溢れ出て、周囲一帯を覆い隠した!

 

「きゃああっ!」

「な、何事!?」

 

 視界が晴れると、モルドの左手には巨大な剣が新たに収まっていた! それはジュダの使用していた大剣である。

 

『ギナ……感じる、感じるぞお前の魂をッ!』

 

 モルドが目を落とした剣の柄の一面には、ギナの顔のレリーフが刻み込まれていた。

 更に剣をひっくり返すと、反対側には別の者の顔があった。

 

『ジュダよ、お前もわしに力を貸してくれるのか!』

 

 それは闇の三兄弟の末弟、先にウルトラマンたちに倒されていた闇の帝王ジュダ・スペクターのものであった。

 モルドにギナの魂が宿ったことにより、モルドは三兄弟全員分の力を手に入れたのであった!

 

『我こそはグア・スペクター! 我ら三兄弟の恨みを晴らすッ! 新たなグア軍団を誕生させるッ!!』』

 

 モルドの声にギナの声が重なった。モルドは兄弟の魂が一体となったことで、魂が三つに分かれる前の彼らの本来の姿、グア・スペクターへと変貌したのだった!

 

「みんな、気をつけて! 敵の力が急激に上昇しとるっ!」

 

 はやてが警告を発したが、グア・スペクターは既に攻撃の構えを取っていた。

 

『『ぬあぁぁッ!!』』

 

 グアが剣と斧を交差状に振るうと、先ほどとは比較にならないほどの闇の波動が放たれ、なのはたちを纏めて吹き飛ばした!

 

「きゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 その上、一撃でXioベースの障壁を破壊してしまう!

 

「うおおおぉぉぉぉぉっ!」

 

 激しい震動に絶叫するカミキら。ラボでは、闇の力の影響によってスパークドールズが不安定な状態になっていく。グルマンたちが必死で食い止めようとするものの、一向に成果は出ない。

 

「このままだとまずいぞ!」

 

 恐ろしく強大化したグア・スペクターは、結集したなのはたちの力さえ凌駕するようになっていた。グアはそのままXioベースそのものに危害を加えようとする。

 

「やめろーっ!!」

 

 そこに駆けつけたのはマスケッティ。空から光子砲を連射してグアの攻撃を阻止しようとする。

 しかしグアには光子砲も、豆鉄砲ほどにも効いていなかった!

 

『『うるさいハエめッ!』』

 

 振るった剣から斬撃が飛び、マスケッティの機体に重大な損傷を与える。

 

「し、しまったっ!」

「メインエンジン停止! 不時着しますっ!」

 

 マスケッティも背景の中に消えていった。次元世界はこのままグア・スペクターの闇に呑まれてしまうのか?

 いや、闇に打ち克つのは光だ。地上では、ダイチ、ヒカル、ショウの三人がこの場に到着していた!

 

「ここで決める……!」

「ああ……! 行くぜ、後輩!」

「はい……! スパークドールズを悪に利用させないっ!」

 

 三人の勇士が、光への変身を行う!

 

[ウルトラマンエックスと、ユナイトします]

[ウルトラーイブ!]

[ウルトライブ!]

 

 ダイチがエックスのスパークドールズをリード、ヒカルはギンガのスパークドールズとギンガスパークでS字状を描いて、ショウはビクトリーだ。

 

「エックスーっ!!」

「ギンガーっ!!」

 

 三人が、それぞれのウルトラマンに変身を遂げた!

 

「イィィィーッ! サァ―――ッ!」[エックス、ユナイテッド]

[ウルトラマンギンガ!!]「ショオラッ!」

[ウルトラマンビクトリー! ビクトリー! ビクトリー!]「セヤァッ!」

 

 エックス、ギンガ、ビクトリーの三大ウルトラマンがXioベース前に降り立ち、グア・スペクターに立ちはだかった!

 ウルトラマンたちへ振り返ったグアは、暗黒の怨念をその身に湛え、剣と斧を振り上げて突進していく!

 

『『はぁぁぁぁ―――――ッ!』』

「ヘアアァァッ!」

 

 それを堂々と正面から迎え撃つエックス、ビクトリー。ギンガは地を蹴って宙に飛び上がる。

 グアは左右から掛かってきたエックスとビクトリーを両手の得物でいなす。しかしそこを狙って、ギンガが攻撃を繰り出した。

 

『「ギンガサンダーボルト!!」』

 

 クリスタルを黄色く光らせ、銀河状の雷撃を斜め下に飛ばした。グアに直撃!

 

『『ぐううぅぅッ!』』

 

 ショウはエレキングのスパークドールズをビクトリーランサーでリード。

 

[ウルトランス! エレキング・テイル!]

 

 ウルトランスが発動し、ビクトリーの右腕がエレキングの尻尾に変化した。それをムチのようにしならせ、グアに巻きつけ電圧攻撃を浴びせる!

 

『『ぬうあぁッ!』』

 

 電撃のムチを振り払うグアだが、その間にダイチがデバイスエレキングのカードをエクスデバイザーにセットしていた。

 

[エレキングミラージュ、セットアップ]

『「ヴァリアブル電撃波!!」』

 

 拳銃から発射された電撃波がグアにクリーンヒットした!

 

『『ぬあああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!』』

 

 怒濤の集中電撃攻撃を食らい、さしものグアもかなりのダメージを受けたようであった。

 しかし闇の力の勢いは留まるところを知らない!

 

『『この程度の力でやられるものかッ!』』

 

 駆けてきたギンガのスライディングキックをかわし、ビクトリーの浴びせ蹴りをさばき、エックスの飛び蹴りを防ぐ。三人ものウルトラマンを同時に相手しながら、全く引けを取っていない。

 

「シェアッ!」

 

 エックスがグアに正面から飛び込み、凶器を手にする相手にも恐れず格闘戦を仕掛ける。その一方で、ギンガはクリスタルを紫に輝かせた。

 

『「ギンガスラッシュ!!」』

 

 エックスが退くと、頭部の三叉状のクリスタルから光弾を発射。だがグアは斧でそれを砕いた。

 

「エアァッ!」

 

 直後に飛び込んできたビクトリーの回し蹴りを剣で打ち払った。

 ウルトラマンたちは一列に並び、同時に必殺光線発射の態勢を取る。

 

『「ギンガクロスシュート!!」』

『「ビクトリウムシュート!!」』

「『ザナディウム光線!!」』

 

 三人の力を結集した光線が撃ち込まれた! ……が、グアは交差した剣と斧を振り払って、光線を破った!

 

『『痛快痛快! 地獄へ落ちて身の程を知れぇッ!!』』

 

 グアの斬撃が、ギンガとビクトリーに襲いかかる!

 

『「うあああぁぁぁぁっ!」』

 

 倒れる二人に追撃を掛けようとするグア。だが横から飛び込んできたエックスが、剣と斧を抑え込んでギンガたちを助けた。

 

『「スパークドールズの怪獣たちを、お前の好きにはさせないっ!」』

 

 叫ぶダイチだが、グアの膂力はすさまじく、必死で抗ってもじりじりと押し込まれていく。

 

『「くっ……!」』

『『愚か者めがぁッ! 我ら兄弟の絆の力の前には、貴様らなど敵ではないわぁッ!!』』

 

 豪語するグア。その時……ギンガとビクトリーがよろよろと立ち上がる。

 

『「兄弟の絆の力か……敵ながら天晴なもんだ」』

 

 言いながら、ヒカルは左腕に嵌めている青い腕輪――ウルトラフュージョンブレスを掲げた。

 

『「だがっ! 絆の力なら俺たちも負けてないぜ! ショウ!」』

『「ああ!」』

 

 ショウもまた、ビクトリーランサーを掲げる。

 

『「「見せてやるぜ! 俺たちの絆っ!!」」』

 

 ヒカルがブレスの、ウルトラマンの横顔を模した黄金色のレリーフを横に回すと、ブレスのリード部が強く発光。

 

『「「ウルトラターッチ!!」」』

 

 そしてヒカルとショウが前転しながら跳躍し、ブレスとランサーを重ね合わせた。すると二人の超空間が一つになる!

 

『「ギンガーっ!」』

『「ビクトリーっ!」』

 

 ブレスとランサー、二人のウルトラマンが発した神秘の輝きの中より……一人のウルトラマンが飛び出してきた!

 

『「「ギンガビクトリー!!」」』

 

 そうしてミッドチルダの地に降臨したのは……新たなウルトラマン! その姿は、ギンガとビクトリーの特徴を重ね合わせたものであった。

 これぞウルトラフュージョンブレスの力と、ヒカルとショウの絆によって誕生した超戦士! ウルトラマンギンガビクトリー!!

 

「ウルトラマンも、合体した!」

 

 ギンガビクトリーの威容を見上げたなのはたちがあっと驚く。

 

「ショウラッ!!」

 

 ギンガビクトリーはエックスを押し込んでいたグアの剣と斧を、拳の突き上げではねのけた。二人のウルトラマンが一人になったことで、光のパワーはグアにも負けないほどに跳ね上がったのだ!

 

「シュアッ!!」

 

 更に正拳突きが、グアを殴り飛ばす!

 

『『ぐおぅッ!?』』

 

 自由になったエックスも、パワーアップを行う!

 

「『行くぞっ! エクシード、エーックスっ!!」』

 

 エクスディッシュで虹色のXの輝きを作り、エックスがエクシードXに変身した!

 そして額のエクスディッシュを手に取り、同時にアサルトフォームに変形させた。

 

「『エクスディッシュ・アサルト!」』

 

 ダイチがタッチパネルを三回なぞり、トリガーを引く。するとエクスディッシュ・アサルトの周囲に無数の三日月状の光刃が生成された。

 

「『エクシードセイバー!!」』

 

 放たれた光刃が回転しながら飛んでいき、四方からグアに襲いかかり、その身体を切り刻んだ!

 

『『ぬぐああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』』

 

 エックスの猛攻を食らったグアはその場に片膝を突いた。

 そしてギンガビクトリーの中のヒカルは、ブレスのターンテーブルを回す。テーブルにはウルトラ戦士の顔が描かれていて、その内にマックスのところで止めてスイッチを押した。

 

『「「ウルトラマンマックスの力よ!!」」』

『シュアッ!』

 

 ギンガビクトリーが左腕を天高く掲げると、その隣にマックスのビジョンが現れた。そしてマックスの動きと連動して、ギンガビクトリーの腕に光のエネルギーが集まっていく。

 

『「「マクシウムカノン!!」」』

 

 発射された必殺光線がグアの斧に命中して、一瞬にして爆砕した!

 

『『お、おのれぇぇぇぇッ!』』

 

 しかしグアの戦意は消えず、残った剣でウルトラマンたちに斬りかかろうとする。

 その時、なのは、フェイト、はやてが今一度の攻撃を仕掛ける!

 

「あの剣を狙うんや!」

「うんっ!」

 

 三人は残っている魔力を全て注ぎ込み、砲撃の構えを取った。

 

「スターライト……!」

「プラズマザンバー……!」

「ラグナロクっ!」

「「「ブレイカぁぁぁ――――――――――!!!」」」

 

 三人の同時砲撃が剣の刃の一点に直撃! その結果――。

 

『『ぬぐあぁぁッ!?』』

 

 剣もまた砕け散ったのだ!

 

『『何だとッ!? おおお、ジュダぁぁぁぁッ!』』

 

 ジュダの力の象徴たる剣が砕かれたことで、グアに大きな動揺が見られた。

 ギンガビクトリー、なのはたちに続き、エックスもまた攻撃の態勢を取る。

 

『「エクスディッシュが想いを現実にするのなら……!」』

 

 タッチパネルを三回なぞり、スイッチを叩くとエクスディッシュ・アサルトの刃が伸び、エックスは石突を地面に着く。

 

「『エクシード! エクスラッシュっ!!」』

 

 エクスディッシュから虹色の光が溢れ出て、グアを覆い込む光の道を作り出した!

 

「ヘアァッ!」

 

 エックスが光のロードの中を一直線に飛び、グアの身体を二回切り裂いた!

 

『『ぐあああぁぁぁぁぁッ!!』』

 

 それにより、グアの闇の力が霧散していく。

 更にエックスは告げた。

 

『これで貴様は、二度とよみがえることが出来ないっ!』

 

 エクスディッシュの能力により、グア・スペクターの復活の特性を封印したのだ。そうすることにより、未来の宇宙がグア軍団の闇の脅威に苛まれることもなくなった。

 ダイチはいよいよとどめの姿勢を取った。エクスディッシュ・アサルトを垂直に構え直すと、タッチパネルを上から下になぞり、トリガーを引く。

 エクスディッシュの刃部分に全エネルギーが集中し、水平に倒して先端をグアにぴったりと合わせた。

 

「『エクシードスマッシャーっ!!」』

 

 ヒカルはテーブルを回し、ゼロの顔のところでスイッチを押す。

 

『「「ウルトラマンゼロの力よ!!」」』

『テェェェェアッ!』

 

 マックスと同じようにゼロのビジョンが現れ、左腕を横にまっすぐ伸ばしてから両腕をL字に組む。

 

『「「ワイドゼロショット!!」」』

 

 エクスディッシュとギンガビクトリーから、極大の光線が発射! グア・スペクターを撃つ!

 

『『うああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!』

 

 光の超エネルギーをその身に浴びたグアの全身が崩壊を起こしていく。

 

『妹よぉぉぉぉッ!』

『兄上ぇぇッ!』

 

 モルドとギナの断末魔を最後に、グア・スペクターは大爆発。光の中に、闇は消え去ったのだった。

 同時にスパークドールズを覆っていた影響もなくなり、元の安定した状態に戻った。

 

「やった……!」

「よくぞスパークドールズを守り切ったな!」

 

 シャーリーとマリエルは緊張の糸が切れてその場にどっかと座り込んだ。

 カミキやクロノ、ワタルハヤト、なのはたちも安堵してそれぞれ笑顔を浮かべていた。

 

「いぇーいっ!」

 

 ガジェットドローンを全て片づけたギンガたちは、ハイタッチを交わして勝利を喜ぶ。スバルはアリサに微笑を向けて、こう告げた。

 

「お別れの時ですね、アリサさん……」

「うん。短い間だったけれど、色々と助けてくれて本当にありがとう、スバル」

 

 うなずき合った二人は手と手を取り、固い握手を交わしたのであった。

 

 

 

 ヒカルたちが元の世界に帰る直前、ダイチがこの三人と言葉を交わしていた。

 

「Xioのみんなによろしくね」

「お前の夢、叶えろよ」

「遠い場所からだけども、応援してるぜ」

 

 アリサ、ショウ、ヒカルが順番にダイチにそう告げた。

 

「ありがとうございます。あなたたちと出会えて、ともに戦えて、本当によかった……。俺たちも、ユナイトしてるんですよね」

「ああ。俺たちは、どんなに遠く離れてても、この空で繋がってるんだ」

 

 ヒカルが空を指差して、そう語った。ショウはダイチに一つ言いつける。

 

「練習さぼるんじゃねーぞ」

「はい!」

「また会おうぜ」

 

 ヒカルが拳を前に出すと、ダイチは笑顔で自分の拳をバシッと合わせた。

 彼らとの絆、繋がりの象徴のタッチであった。

 

『――さぁ、行きましょう。あなたたちの世界へ!』

 

 ――そしてウルティメイトゼロジャケットを装着したエックスが、ウルトラマンギンガとビクトリーを誘導する。

 

「ガレット!」

 

 ギンガの手の平の上のアリサが敬礼した。

 そうして別世界の地球からやってきたウルトラマンたちは、彼らの世界へと帰還していったのだった。

 

 

 

 ――ミッドチルダ星系の太陽付近。当然人間が一秒でも生存できるようなものではない過酷な空間の中に、何とシルクハットと燕尾服という、およそ宇宙に出る格好ではない人間が漂っていた。

 常人からすれば、これだけでも驚くべき光景。――だが、この燕尾服の男自身は、もっと他のことに驚愕の表情を浮かべていた。

 

「こ……これは……!!」

 

 燕尾服の男の視線の先にあるもの。それは――。

 

 

 

『ダイチの怪獣ラボ!』

 

ダイチ「今回の怪獣はメカゴモラだ!」

ダイチ「メカゴモラはOV『ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』に登場した、ゴモラを模したロボット怪獣だ! サロメ星人が別次元のレイさんのゴモラのデータを基に造り上げたんだぞ!」

エックス『戦闘能力はオリジナルのゴモラ以上で、レイも非常に苦しめられたな』

ダイチ「しかもサロメ星人に造反したダークロプスゼロに支配下に置かれ、タッグでゴモラを更に追いつめたんだ……!」

エックス『だがウルトラマンゼロの加勢と、二人のレイが力を合わせることで打ち倒すことに成功したんだぞ!』

ダイチ「『ウルトラマンX』ではマーキンド星人がグア軍団に渡したロボットとして登場。サイバーゴモラと正面衝突したんだ!」

エックス『宇宙人のゴモラと地球人のゴモラ、夢の対決といったところだな』

ダイチ&エックス「『次回も見てくれよな!」』

 




 今日はヴィヴィオちゃんたちの学院の楽しい学院祭! でもそこに現れたのは……グア軍団の生き残り!? 八つ当たりはやめろ! またまた俺たちが大バトルをしなきゃいけないみたいだね、エックス。次回、『怪獣学院祭』。
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