(怪しい女が工場の裏手に回る)
(スバル)『こっちで追跡します!』
(ハヤト)「了解」
(女の後を追うダイチとスバル)
女は赤いレインコート……。どうも様子がおかしい。頻りに辺りを見回している。
(茂みの陰に隠れながら女を追うダイチたち)
(女は木の前で立ち止まると、口から口吻を出し、それを木の幹に突き刺し始める)
(スバル)「な、何やってるのあれ?」
(ダイチ)「樹液を吸っているみたいだ」
(スバル)「やっぱり異星人なのかな……」
(樹液を吸った女は工場に戻っていく)
気づかれると証拠隠滅の恐れがある……。隊員たちに緊張の色が走った!
(女が工場の中に入ると、スバルが報告を行う)
(スバル)「女性がアジトに戻りました!」
(時刻を確認するワタルとハヤト)
(ハヤト)「15時30分突入でいこう」
(ワタル)「了解」
『15時30分 作戦決行』
(変装したスバルが工場の裏口に向かっていく)
(扉をノックする)
(スバル)「すみませーん」
(扉から、先ほどの女が出てくる)
(女)「あんた誰や?」
(スバル)「(ピ――)に聞いて来ました。ここで高額のバイトがあるって」
(女はスバルの背格好を確かめる)
(女)「……入り」
(女が背を向けた瞬間、スバルはドアノブを掴んで扉を全開にした)
(スバル)「突入!」
(ワタル)「突入ーっ!」
(特捜班が一斉に工場内に駆け込んでいく)
(ハヤト)「動くな! Xioだ!」
(ワタル)「おとなしくしろー!」
(女)「あんたらなんや!?」
(バインドを掛けられる女)
(女)「はなせ!」
(ハヤト)「黒幕はどこだ!」
(女)「うちは何も知らんがな!」
(女)「はなせ! この(ピ――――)!」
(バインドから脱け出た女、カツラが取れてセミのような顔が現れる)
(ダイチ)「セミ女だったのか!」
(ワタル)「逃がすな逃がすな逃がすな!」
(逃げるセミ女を追って地下に下りる特捜班)
(ワタル)「もう終わりだ! 観念しろ!」
(ダイチ)「ダダもいた!」
(地下にいたダダ、光線銃で銃撃してくる)
(ワタル)「ハヤト追え追え追え追え! 追えー!」
(銃撃戦をしながら逃げるダダを追いかけるワタルとハヤト)
(女性)「助けてください!」
(縮小されてカプセルに入れられている女性が悲鳴を上げる)
(ダイチ)「救助に来ました! もう安心してください!」
(ワタルとハヤトの銃撃がダダに命中)
(スバルの拳がセミ女を昏倒)
(倒れたダダを捕らえるワタル)
(ワタル)「15時40分! 質量兵器取締法で逮捕ーっ! しゃあーっ!」
(セミ女をバインドで拘束するスバル)
(スバル)「15時40分、公務執行妨害で逮捕」
(Xioの鑑識到着後、セミ女とダダが連行されていく)
(ハヤト)「おとなしくしろ!」
(ダイチとスバルは女性を入れたカプセルをゆっくりケースに入れていく)
三面怪人ダダに囚われていた女性たちが、解放されたのは言うまでもない。
『容疑者の語る恐怖の予言 ダークサンダーエナジーとは?』
(ダダを取り調べするワタルたち)
(ハヤト)「次元世界が滅びる?」
(ダダ)『そうだ、人類は絶滅する。その前にせめてかわいい女の子だけでも、サンプルを残してやろうという計画だ』
(ダダ)『私はこう見えても、人間が好きだからな』
(ワタル)「ふざけんなっ!」
(机のものを弾き飛ばすワタル)
(ダダは動じず、ダイチに問いかける)
(ダダ)『おい、お前は知っているだろう?』
(ダダ)『ある日突然、地上に暗黒の稲妻が落ちてくる。稲妻に打たれた怪獣たちは凶暴化し、すべてを破壊するようになる』
(ダイチ)「君はダークサンダーエナジーの正体を知っているのか?」
(ダダ)『そこまでは知らないさ。だが、このままでは確実に世界は滅ぶ。我々暗黒星団のホストがそう言っていたのだ』
(ワタル)「……ホストがそう言っていただとぉ? この三面記事ヤロォーっ!」
(興奮したワタルがダダの頭に掴みかかるのを制止するダイチ)
(ダイチ)「ワタルさん! ワタルさん、落ち着いてください!」
(ダイチとハヤトでワタルを抑える)
〈ダダ、逮捕!〉
(写真撮影時に顔を切り換えるダダ)
(ノーヴェ)「顔変えんなお前!」
『このあと……
ついに大怪獣出現! 鮮魚市場大パニック!』
(CM)
『Xioの翼、スカイマスケッティ!』(※イメージです)
『更に、二台の車と合体してツーモードに変形!』
『DXスカイマスケッティ、DXジオアラミス&ジオポルトスセット!』
『Xio隊員メカ!』
『ついに大怪獣出現! 鮮魚市場大パニック!』
(アラル港湾地区付近の市街)
(ウェンディ)「どーもーお茶の間の皆さーん! ウェンディ・ナカジマっスー!」
(ディエチ)「ウェンディ、今はシャーリーさんとマリーさんの時間」
(カメラの前からウェンディを押しのけるディエチ。代わりにシャーリーとマリエルがカメラの前に出る)
(マリエル)「マリエル・アテンザです」(ウェンディ「えー!? ちょっとくらいいいじゃないっスかー! もっとテレビに出たいっスー!」)
(シャーリー)「シャリオ・フィニーノです! 私たちが最近頻発している謎の放電現象、ダークサンダーエナジーについて説明します!」(ディエチ「ダメ」)
(マリエル)「まず、ダークサンダーエナジー発生時には前兆として、急激な天候の悪化が起こりまして……」(ウェンディ「でもでも、あたしまだ全然カメラに映してもらってないっスよ! スバルやノーヴェばっかり……」)
(説明の途中で急激に暗雲が立ち込め、ダークサンダーエナジーが背景に落下する)
(シャーリー)「きゃあっ!? い、今のがダークサンダーエナジーです!」
(ウェンディ)「キター目立つチャンス! 見に行ってみましょうっ!」
(ディエチ)「あっちょっ、ウェンディ!?」
(落下地点へ走るウェンディだが、その目の前の地面を突き破って巨大なドリルが飛び出てくる)
(ウェンディ)「ひゃあー!? か、怪獣っスー!」
(ディエチ)「逃げて! 早く逃げてください!」
(一同、全速力でドリルから逃げていく)
(Xio本部に警報)
(ルキノ)「T-3BにタイプF出現!」
(ルキノ)「推定体長55メートル! 深海怪獣グビラと思われます!」
(モニターに街を侵攻するグビラの姿が映し出されている)
(カミキ)「フェイズ4発令!」
(クロノ)「ハヤトとワタルは怪獣を牽制、被害を最小限に食い止めること! スバルは逃げ遅れた人たちの避難誘導、ダイチは怪獣の分析!」
(四人)「了解!」
(アルト)「現場に居合わせたウェンディ、ディエチ両隊員は既に応戦を開始してます」
(ワタル)「運がいいんだか悪いんだか……」
(出動していく四人を追いかけるカメラ)
(スカイマスケッティが空から、ウェンディとディエチが地上から攻撃するが、グビラに効果はない)
(ウェンディ)「うあー! ウルトライザー全然効かないっスよー!?」
――グビラってどんな怪獣なんですか!?
(ダイチ)「すみません! 危険ですから下がってください!」
(ダイチ)「下がって、早く!」
――あの怪獣、めちゃくちゃ怒ってますよ!?
(ダイチ)「ダークサンダーエナジーで凶暴化しているんです!」
(スバル)「ここは危険ですから、早く避難してください!」
(スバルがスタッフを避難させようとしたが、カメラは物陰へ走るダイチに気がついた)
(ダイチ)「エックス、ユナイトだ!」
(デバイザー)『よし、行くぞダイチ――』
――ユナイトってなんですか!?
(ダイチ)「えっ!? ユ……ゆかないと、って言ったんですよ!」
――いや、ユナイトって……!
(ダイチ)「い、いいから下がって!」
(ウェンディ)「カメラさーん!」
(ウェンディがカメラを自分の方に向ける)
(ウェンディ)「そっちじゃなくて、あたしたちの戦うとこを撮ってっス!」
――ちょっとカメラ掴まないで……! あぁーっ!?
(ほとばしる閃光)
(カメラが振り返った先に、ウルトラマンエックスが現れる)
(エックス)「テッ!」
(グビラ)「グビャ――――――――!!」
(グビラに掴みかかるエックスだが、グビラはドリルを回転させながらエックスを振り払う)
(グビラ)「グビャ――――――――!!」
(エックス)「セアッ!」
(突進してくるグビラを跳び箱のように跳び越えるエックス)
(エックス)「ジュワッ!」
(エックスの全身が虹色の輝き、エクシードXに変身)
『お天気カメラ アラル港湾
気温18.2℃ 湿度65% 風速2.3m/s』
(ウェンディ)「……ほらカメラさん、あたしと一緒に撮って! あれがエクシードXっスよぉ~キンキラでしょ!?」
(ディエチ)「ウェンディ! すみません……!」
(ウェンディの肩を引っ張るディエチ)
(グビラ)「グビャ――――――――!!」
(潮を吹くグビラを定点カメラが捉える)
(エックス)「テヤァーッ!」
(グビラに拳を叩きつけるエックス。振り上げられるドリルをかわす)
(グビラ)「グビャ――――――――!!」
(エックス)「テェヤッ!」
(のしかかってくるグビラを支え、倒れ込みながら地面に叩きつける)
(エックス)「デッ! ムゥッ……!」
(グビラ)「グビャ――――――――!!」
(横倒れになったグビラを高々と持ち上げるエックス)
(エックス)「テヤァァァーッ!」
(鮮魚市場の屋根の上にグビラを置く)
(グビラ)「グビャ――――――――!!」
(エックス)「ジュッ!」
(グビラが動けない内に、エクスディッシュを手に取るエックス)
(エックス)「セヤァッ!」
(エクスディッシュから虹色の光を放ち、飛行しながらグビラを往復で二回斬りつける)
(グビラ)「グビャ――――――――!」
(グビラの眼の色が赤から元に戻る)
(エックス)「フッ!」
(エクシードXから元に戻ったエックス、大きく腰をねじる)
(エックス)「シェアァッ!」
(エックスからザナディウム光線が発射)
『お天気カメラ アラル港湾
気温18.2℃ 湿度65% 風速2.3m/s』
(グビラに命中し、グビラは爆発してスパークドールズに圧縮された)
『ついにウルトラマンXにインタビュー敢行!』
(エックスが飛び立つ前に、レポーターがエックスにマイクを向ける)
――Xさん! インタビューいいですか!?
(エックス)「フッ!?」
――視聴者の皆さんになにか一言お願いします!
(エックスは戸惑った様子)
――Xさん、最後に一言だけ!
(エックス)「……シェア」
(手で×印を作るエックス)
(エックス)「シュワァッ!」
(飛び去っていくエックス)
――Xさーん!
怪獣を凶暴化させるダークサンダーエナジーとは何なのか。ダダの予言、人類滅亡の真相とは? 現在もなお、捜査は続行中である。
(空を飛んでいくエックス)
『お天気カメラ アラル港湾
気温18.2℃ 湿度65% 風速2.3m/s』
――座右の銘は?
(カミキ)「……一言で言うと……愛ですかね」
『Xioの戦いはこれからも続く』
(夕焼けのオペレーション本部に集うXio隊員)
青く美しい次元世界。今日もこの世界のどこかで、悪質異星人の陰謀や巨大怪獣が蠢く。
人々の平和と安全を守るXioに休息の時はない。昨日から今日、今日から明日へ……! 彼らの戦いは続く!
「……」
――『ワイド・ミッドチルダ』の特集『激撮!Xio密着24時』を観終えたスバルは、憮然とした様子で頬を膨らませた。そして口を開いて、
「……何であたしへのインタビューで使われたのが、ご飯食べてるところだけだったの? 他にも機動六課時代のこととか人命救助の心得とか、いいこといっぱい言ったのに! あれじゃあたしが食べることしか頭にないみたいじゃないっ!」
ムカー! と怒鳴ったスバルに続いて、ダイチも不満をぶちまける。
「それを言うなら、俺だって! ちゃんとした研究なのにあれじゃ子供が遊んでるみたいですよ!」
ワタルやウェンディたちも言う。
「大体な、俺のインタビュー何だよ!? あんなところ使いやがって!」
「やっぱりあたし、ほとんど画面に出てなかったじゃないっスかー!」
「俺なんかほとんどしゃべってなかったぞ……!」
「あたしも……」
「それはいつもだろ」
ハヤトとディエチにノーヴェが突っ込んだ。
それぞれがやいのやいのと編集の不平不満を並べていると、ノーヴェに通信が入る。
「あれっ、チビたちからだ」
空間モニターを開くと、ヴィヴィオ、アインハルト、リオ、コロナの四人の顔がどアップで映った。
『ノーヴェー! テレビ観たよー! カッコよかったよー!』
「うわっ!? お、お前たち……!」
ヴィヴィオたちの大きな声に不意を突かれるノーヴェ。
『ダイチさんのスパークドールズ研究も、とてもよかったです……。勉強になりました』
「そ、そうかな?」
控えめなアインハルトの言葉に、ダイチは恥ずかしそうにはにかんだ。
コロナとリオはノーヴェに呼びかける。
『私たちの宣伝までしてくれて、ありがとうございますコーチ』
「いやぁ別に、あれはウェンディが勝手に言っただけで……」
『テレビ出演記念に、どこかお店で打ち上げしましょーよー!』
「おいおい、そう言ってあたしにおごらせるつもりだろ」
楽しげに盛り上がるノーヴェたちだが、そこにチンクが咳払いした。
「歓談中すまないが、そこに副隊長がいるぞ。仕事はどうした?」
「あっ、そうだった! 後でまた!」
慌てて通信を終え、姿勢を正す一同。しかし、
「……あれ?」
クロノはこっちに背中を向けていた。何をしているのかとダイチたちが覗き込むと……。
『クロノくーん、放送観たよ! すごくよかった!』
『おとーさーん! かっこよかったー!』
「ああ、ありがとう」
妻子と通信していた。クロノには珍しい、満面の笑顔。
「……!?」
家族との会話を終えたところでようやく気配に気がつき、ハッと振り返ると、ダイチたちがニヤニヤ笑っていた。
「……何笑ってるんだ! エリアO-2の電離層の調査はどうした!」
「はい! すぐやりまーす!」
恥ずかしまぎれのクロノに怒鳴られ、散っていった特捜班は自分たちの仕事、自分たちの役目に戻ったのであった。
『ダイチの怪獣ラボ!』
ダイチ「今回はケムール人だ!」
ダイチ「ケムール人は『ウルトラQ』第十九話「2020年の挑戦」に登場! 未来の時間に存在する星の人間で、老衰した肉体を捨て地球人の若い肉体を奪うために地球人の誘拐を行ってたんだ!」
エックス『衰えたと言っても、自動車が追いつけないほどのスピードで走ることが可能なんだ』
ダイチ「スーツのマスクは『ウルトラマン』最終回に、前後逆にしてゼットン星人のものとして使用されたんだ」
エックス『今ではゼットン星人の方は若干細めのマスクにして差別化してるな』
ダイチ「『ウルトラマンX』では九話と十六話の二回登場! 暗黒星団チームでラグビーしたり、女子大生を誘拐しようとしたりしたぞ」
エックス『見た目が見た目だから、いかがわしい所業がよく似合うな』
ダイチ&エックス「『次回も見てくれよな!」』
ファビアちゃんが出会った小さな怪獣、ピグモン。人知れず、友情が育まれていく。でも、街中に姿を見せたピグモンに、人々は大騒ぎ。その時、キングゲスラが街を襲う! 行くぞエックス、あの子たちの未来を守るために! 次回、『ともだちは怪獣』。