光輝巨人リリカルなのはX   作:焼き鮭

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さらばエックス

 

「――やったぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――っっ!!!」

 

 遂にザイゴーグが打倒され、仲間たちは手放しで大喜びして歓声を巻き起こした。

 

「よしっ……!」

 

 カミキもぐっとガッツポーズ。その隣に、光に包まれてクロノが帰ってきた。

 

「よーしやったぞー! シュワッチ!」

「やりましたぁー! みんなの大勝利ですっ!!」

「ホアーッ! キュウッ!」

 

 グルマンたちも歓喜し、ヴィヴィオやアインハルトやリリィ、ピグモンと手と手を取り合ってピョンピョン飛び跳ねた。

 ベータスパークハートが解除されると、エックスの両隣にウルトラマンとティガが立った。エックスは二人と固くうなずき合う。

 更にそこに、空の彼方から救援に駆けつけてくれた五人のウルトラマンが飛んできて、エックスの前に着地。エックスは彼らに感謝の気持ちを伝える。

 

『みんな……ありがとう!』

 

 ヒカルはエックスとダイチに告げる。

 

『「君たちの希望の光が、俺たちをここへ呼んだんだ」』

 

 ゼロはエックスの胸を軽く叩く。

 

『いい面になったなぁ、エックス、ダイチ』

『「修行、頑張ったみたいだな」』

 

 ショウが満足げにつぶやく。

 

『へへッ、また会おうぜ!』

 

 ゼロがひと言言い残して、五人はひと足先にそれぞれ自分たちの世界へと帰還していった。

 それからティガが光に包まれ、トーマの姿に戻ってスバルたちの前に横たわった。その側にダイチも降り立つ。

 

「トーマ!」

 

 トーマに駆け寄ったスバルとアイシスが抱き起こす。目を覚ましたトーマは、スバルに尋ねかける。

 

「スゥちゃん……俺、みんなを守れたかな……?」

「……うん。立派だったよ……!」

 

 スバルはトーマを、ひし、と抱き締めた。

 それに微笑んだダイチがふと顔を上げ――エックスがこちらを見下ろしているのを目の当たりにして言葉をなくす。

 

「えっ……?」

 

 ハッと気がついてエクスデバイザーを取り出すと――金縁が消えて、元のジオデバイザーに戻った。

 

「エックス、これは……!?」

 

 ダイチが問いかけると、エックスは次のように答えた。

 

『ダイチ、しばらくみんなとはさよならだ』

「ど、どういうこと?」

『君たちの希望の光のお陰で、私は本来の肉体を取り戻すことが出来た。私は、自分の任務に戻らなければいけない』

「任務?」

 

 話の途中で、ウルトラマンがエックスの肩を叩いて飛び去っていこうとする。

 

「――待って!」

 

 それを呼び止めたのが、前に出たなのはとユーノだった。ウルトラマンが目を落とすと、二人は声を張って呼びかけた。

 

「ウルトラマン! 十六年前は、わたしたちを助けてくれてありがとう! ずっと……ずっと、そのお礼が言いたかったんです!」

「僕たちのこと、覚えてくれてますか!?」

 

 なのはとユーノの声を受けたウルトラマンは――。

 人差し指と中指を立てた敬礼で、二人に応えた。

 

「……!」

 

 なのはたちは心の底から喜んだ笑顔を浮かべて、ウルトラマンに敬礼を返した。

 

「――シェアッ!」

 

 そうして宇宙へ向けて飛び立っていくウルトラマン。なのはたちが彼を見送った後で、エックスがダイチたちに話を続けた。

 

『我々ウルトラマンの任務は、宇宙のバランスを保つこと。どこかでバランスが乱れれば、この世界にも影響が現れる』

 

 エックスの言葉で、ノーヴェがポツリとつぶやいた。

 

「……エックス、行かなきゃいけないんだな」

「でも、こんな急に行かなくたって……!」

 

 ウェンディやダイチが悲しげに目を伏せると、エックスが諭した。

 

『傍にいなくても、姿が見えなくても、私たちはユナイトし続けている! そのことだけは……』

「忘れないよ……絶対に!」

 

 約束したダイチ。エックスも一つの約束を残す。

 

『再び世界に危機が訪れる時、私は必ず帰ってくる!』

 

 約束の後、ディエチとチンクがエックスに向けて叫んだ。

 

「エックス、今までありがとう!」

「たくさん世話になったな!」

 

 ハヤトとワタルもエックスに告げる。

 

「一緒に戦えてよかったぜー!」

「こっちは俺たちに、任せとけぇっ!」

「さよなら、エックス!」

「さようならーっ!!」

「どうか、お元気でー!!」

 

 スバルを始めとして、共に戦ったたくさんの仲間たちが、エックスへ大きく手を振る。

 ラボではヴィヴィオとアインハルトがエックスに声を届ける。

 

「エックスさん、今まで本当にありがとうございました!」

「あなたのこと、ずっとずっと忘れません!」

 

 カミキも本部から、エックスに呼びかけた。

 

「あなたと共に戦い、友情を分かち合えたことは、我々の誇りです! 感謝します!」

『こちらこそ……ありがとう!』

 

 エックスはミッドチルダで出会った大勢の仲間にそう応えて、大空に向かって飛び立った。

 

「シュワッチ!」

 

 はるか彼方の宇宙へ向かって小さくなっていくエックスの後ろ姿に、ダイチは最後にひと言告げた。

 

「また会おう、エックス……!」

 

 

 

 ――三日後。ヴィヴィオたちチームナカジマの面々が、差し入れを手にしてXioを訪問した。

 

「皆さん、いつもお仕事お疲れさまです! パンケーキ焼いたのでどうぞ食べて下さいっ」

「おおー、ありがたい! 君たちのパンケーキは絶品だ!」

 

 グルマンが喜んで早速パンケーキを大きな口の中に放った。

 

「他にも甘いものをいくつか見繕ってきたんです。どうぞ」

「ありがとう。いただくよ」

 

 アインハルトたちからスイーツを受け取ったダイチたちだが、作戦デスクの上に置いて食べているところにクロノがやってきて固まった。

 ……しかし、クロノはしばし黙していたものの、何も言わずにビスケットを口に運んで、背を向けたのでダイチたちは拍子抜けした。

 一方でノーヴェがスバルに尋ねかける。

 

「それでトーマのことなんだが、あれから……」

 

 聞かれたスバルは――明るい顔で答えた。

 

「エクリプス抗体の培養は順調だって! あと一ヶ月以内に完全培養を成功させて、エクリプス治療を完遂させるんだってシャマル先生張り切ってたよ」

 

 ――ティガへの変身を行ったトーマは、その後の検査で血中からエクリプスウィルスの自己治癒機能の正常化と殺人衝動の抑制を行う光の因子が発見されたのだ。ティガが残していったものに違いない。

 このエクリプスウィルスの抗体により、一気にエクリプス感染者を救う目途が立てられた。近い内にフッケバインと交渉して、この抗体を投与する手筈となっている。殺人衝動が解消されれば、犯罪組織の彼らとて救うことが出来る。

 またカルロス・クローザーによりエクリプス感染者治療の基金が新たに設立された。それが治療活動を後押ししている。……もっとも、カルロスはこの基金を自らの番組の宣言に使ったり、遺跡調査にトーマたちをしつこく誘ったりと良くも悪くもぶれない姿勢を見せている。これにはトーマたちも苦笑いであった。

 

「地獄獣の退治に成功して、エクリプスの問題も解決に進んで、いいことが続きますね。平和が戻りそうで安心です」

 

 コロナが胸を撫で下ろしていたが、リオは若干眉を寄せてボソリとつぶやいた。

 

「でも……エックスさんがいないと、何だかみんな寂しそうですね」

 

 そのひと言を耳にして、スバルも明るい表情が一転して寂しげに目を伏せた。ウェンディは肩をすくめて、ワッフルに手を伸ばす。

 

「その通りっスよ。今となっては、人の食生活にいちいち口を挟むお節介ぶりも懐かしく思えて……」

『そのスイーツに含まれる糖分は全体の54%。栄養のバランスを考えた食事が、美容の秘訣だぞ』

 

 ウェンディは思わずワッフルを喉に詰まらせて咳き込んだ。

 皆が仰天して視線をダイチのジオデバイザーに向けると、エクスデバイザーに変化してエックスの顔が画面に表示された。

 

「エックス!?」

「宇宙の彼方に行ったんじゃないのか!?」

 

 一同は驚いてデバイザーの周りに集まった。するとエックスはこんなことを言い放った。

 

『ケンタウルス星近辺で、デザストロという怪獣がワームホールに逃げ込み、ミッドに向かってる!』

「えっ、それってまさか……」

「また大怪獣!?」

 

 シャーリーとマリエルが顔を見合わせた直後に、オペレーション本部にアラートが鳴り響いた。

 

「次元レーダーに反応! 巨大なエネルギー体がミッドに接近中!」

「ミッド次元の突入時刻は?」

 

 クロノがすかさず尋ね返した。

 

「約十三分後! 予測到達地点はエリアT! タイプは不明です!」

 

 それを聞いて、ワタルが意欲満々になって声を上げた。

 

「よし! こっちからお出迎えと行きますか!」

「腕が鳴るっスねー!」

「全く、この間に大乱闘があったばかりだというのにな」

「怪獣にそんなこと言ってもしょうがないよ」

 

 ウェンディ、チンク、ディエチもノリノリとなる。ハヤトはノーヴェに問いかけた。

 

「ついでだから、ノーヴェも作戦に加わってくか?」

「またか。これじゃあ退役したのかしてないのかわかんねーな」

 

 と言いながらも、ノーヴェも満更ではなさそうだった。

 スバルは呆気にとられながらつぶやく。

 

「世界の危機ってすぐ来るんだ……」

「意外と仲良く出来る奴かもよ?」

「はい! 今度はお話しできたらいいですね!」

 

 ヴィヴィオが笑顔でダイチに同意した。

 

「クロも頑張って下さい!」

「キュッキュッキュウッ!」

「ん」

 

 ユミナたちに応援されて、ファビアが小さくうなずいた。

 

「隊長」

 

 クロノに呼びかけられたカミキが、部下たちに指令を発する。

 

「Xio、出動!」

「了解!」

 

 一斉に出動していくXio隊員たちを、グルマンとアインハルトたちが景気よく見送る。

 

「よーし、行ってこい!」

「皆さん、お気をつけて!」

 

 ダイチは手にしたデバイザーの中のエックスにひと声呼びかける。

 

「行くぞエックス!」

『おう!』

 

 そして、彼らの未来は続いていく――。

 

 

 

 

 

光輝巨人リリカルなのはX 特別編

『きたよ!わたしたちのウルトラマン』

 

 

 

 

 

 

 

 




 




次回予告!



――グルマンの実験が大暴走!

グルマン「いかん! スパークドールズの怪獣が人間になってしまったぞ!」
シャーリーマリー「な、なんだってー!?」

――ダイチの前に現れたのは、人間に変身したゴモラ!

ゴモラちゃん「ダイチー♪ ボク人間になったよー♪」
ダイチ「ええ!? ゴモラって女の子だったの!?」

――スバルとの三角関係勃発! ……と思いきや、ゴモラはそっちのケもあった!?

ゴモラちゃん「スバルって結構胸おっきいねー」
スバル「あっ……やんっ……! そんな風に揉んじゃおかしな気分に……あうんっ!」
ダイチ「(鼻血)」

――ティアナの前にはエレキングが!

エレキングさん「どうかしら、おまピト」
ティアナ「はぁはぁ……男同士の友情、なかなかいいわね……」
ディエチ「ティアナ、そっち行っちゃダメ……!」

――なのはは憧れのウルトラマンに変身!?

なのは「しゅわっち!」
ヴィヴィオ「なのはママ、スプーン掲げて何やってるの?」

――フェイトが地底女に捕まり、手先に改造されてしまう!

フェイト・テレスドンッサ「ぎゃ……ぎゃおー……///」(恥ずかしい)
エリオキャロ「かわいい!!」

――ヴォルケンリッターをつけ狙う謎の影!

ミステラー星人「きみたちいいからだしてるね。宇宙戦士にならない?」
はやて「帰り」

――カミキとクロノの確執!

カミキ「世界で最も美しいのは私の娘だ!」
クロノ「いいえ、エイミィとリエラこそが……!」
チンク「自重して下さい親馬鹿ども」

――Xio正規隊員の座を狙うファビアの暗躍!

ワタル「お、俺たちのデバイザーが……!」
ハヤト「花束になってる……!」
ファビア「(にやり)」

――チャンピオンになったアインハルトに史上最強の挑戦者が!

すもう小僧「ねぇ、すもうを取ろうよ!」
アインハルト「よりによってあなた!!」

――大暴れするフッケバインファミリー!

ヴェイロン「俺たちの出番が欠片もなかったぞおらぁーっ!」
トーマ「逆ギレだぁー!」

――グリーザが復活し、逆襲に現れる!

グリーザ「私の戦闘力は、580000です」
ウェンディ「フ○ーザだこれー!?」

――ザイゴーグとの熾烈なじゃんけん対決!

ザイゴーグ「グーしか出せん……!」
ノーヴェ「左手使えよ」

――そして、ダイチとエックスはウルトラマンオーブの世界へ……!

ダイチ「エックス、ユナイトだ!」
エックス『よぉし、行くぞっ!』

乞うご期待!



※この次回予告は全くの嘘偽りです。




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