光輝巨人リリカルなのはX   作:焼き鮭

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オール・フォー・ワン(A)

 

「うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「ケエエオオオオオオウ!」

『未知の、超人……』

「ギャアオオオオオオウ!」

「わああぁぁぁぁっ!?」

「あの巨人を援護しろ」

「ウルトラマンエックス!」

「ウルトラマンエックス……!」

「名付けて、ウルトライザー・カートリッジ!」

[Charging Ultraman’s power.]

「ウルトライト・ブレイカー!!」

「援護だっ!」

『頼もしい仲間だな!』

『「俺たちも行くぞ!」』

 

 

 

『オール・フォー・ワン』

 

 

 

「えいっ! たぁっ!」

「せぇいっ!」

 

 その日、Xio隊員は本部備えつきの道場で格闘技能の訓練中であった。特捜班のメインメンバー、サブメンバー双方も全員参加して組手を行う。

 そんな中で、ダイチがノーヴェの拳を受けてばったり倒れた。

 

「うわぁっ! あいったぁ……」

「しっかりしろよ、ダイチ。こんなんじゃ、アマチュアのヴィヴィオやアインハルトたち相手にも五分と持たないぜ?」

「相変わらずダイチは、格闘技能はからっきしっスね~」

 

 ノーヴェが呆れ、ウェンディが肩をすくめた。そうしていると、道場の片隅がにわかに騒がしくなる。

 

「ハヤトお前、やりすぎじゃねぇか!?」

「へっ、お前がぼんやりしてるからだろ」

「何だとこの野郎ぉっ!」

 

 ワタルとハヤトが訓練の枠を越えて、取っ組み合いの喧嘩を始めたのだ。それに巻き込まれそうになった周りが距離を取る。

 

「またっスか? あの二人」

「えっ、えっ? どうしちゃったの?」

「ワタルさんハヤトさん、やめて下さい!」

 

 ウェンディたちが呆れ返る中、スバルは事情が呑み込めていないようで戸惑い、ダイチはワタルたちの喧嘩を止めようとした。だが、

 

「引っ込んでな!」

「邪魔すんな!」

「わぁっ!」

 

 二人に突き飛ばされ、またも畳の上に這いつくばった。

 

「だ、ダイくん!」

「全く……」

 

 スバルが慌てて助け起こす。チンクはワタルとハヤトの間に割って入り、二人をそれぞれ突き飛ばす。

 

「おわっ!」

「いい加減にしろ、お前たち! 毎度毎度喧嘩になるばかりか、今度はダイチにまで八つ当たりして。頭を冷やせ!」

 

 チンクに叱り飛ばされても、ワタルとハヤトは目を怒らせて互いをにらみ合っている。二人の様子に、周りの隊員たちはほとほと参っているようだった。

 

「ね、ねぇ、ワタルさんとハヤトさん、どうしちゃったの?」

「あれ、スバルは知らなかったっスか?」

 

 事情を求めるスバルに、ウェンディとディエチが説明した。

 

「あの二人、コンビを組んでるようでいて、度々ああやって衝突して喧嘩になるっスよ。みんな迷惑してるんスよね~。隊長や副隊長に何回注意されても、全然直る気配がないんっス。今回は特にひどいっスね」

「ワタルさんとハヤトさんはそれぞれ地上部隊と航空部隊からの生え抜き……。「陸」と「海」の仲の悪さが、二人にも影響してるのかも」

「馬っ鹿馬鹿しい。「陸」と「海」の確執を、Xioに来てまで引きずるなっての」

 

 ノーヴェにこきおろされているとも知らず、ワタルとハヤトはガンを飛ばし合っていた。

 と、その時、道場内に事件発生を知らせるサイレンが鳴り響いた。それで特捜班一同は弾かれたように顔を上げ、直ちにオペレーション本部へと移動していった。

 

 

 

 オペレーション本部のメインモニターには、爆破され炎上しているエネルギープラントの様子が映し出されていた。駆けつけた消防隊による消火活動が行われている。

 

「またひどくやられたっスね……」

「犯人グループの姿が監視カメラに映っていた」

 

 クロノの言葉の直後に、その映像がモニターに表示される。

 犯人グループは三人。先頭の銀色の頭部の怪人を始め、全員が異形の姿をしている。

 

「ザラブ星人にグロテス星人、メシエ星雲人か。どれも宇宙でも指折りの凶悪種族だ」

 

 三人の怪人たちを見とめたグルマンが語った。

 

「やはり異星人犯罪者ですか、グルマン博士」

「うむ。それも全員異なる星人であるところを見るに、最近巷を騒がせている犯罪ネットワーク『暗黒星団』の一グループだろう」

 

 カミキの問い返しにグルマンは肯定した。

 

「暗黒星団……。私たちも何度か、その名を名乗る犯罪者を逮捕してます。互いに仲間の顔や活動を認知していないので、一斉検挙できずに手を焼いてますが……」

「そうだろう。聞いた話では、暗黒星団は完全に横のつながり。構成員は必要な時だけ手を組み、ほとんどの場合は好き勝手に活動してるということだ。全容を把握しているのは、ネットワークを取り仕切る『ホスト』と呼ばれる人物だけだという。そいつを捕まえない限りは、撲滅は出来んだろうな」

 

 グルマンが話している一方で、ダイチは映像の中のザラブ星人の手元に注目する。

 

「ザラブ星人、人形のようなものを持っている……。まさかスパークドールズ!?」

 

 その時に、アルトが叫んだ。

 

「テレビ放送のチャンネルが電波ジャックされてます! ザラブ星人の犯行声明です!」

「モニターに出せ!」

 

 カミキの命令により、メインモニターに大きくザラブ星人の顔が現れた。

 

『フッフッフッフッ……私はザラブ星人。我々はこれまで、数々の惑星を破壊してきた。次は、このミッドチルダだ!』

 

 ルキノも叫ぶ。

 

「都市部中央に怪獣出現!」

『ギアァッ! ギギギィッ!』

 

 ザラブ星人の映像の横に、鳥と五芒星を足したような怪獣が都市部で暴れ出す映像が出された。

 

「ベムスターだ! ザラブ星人め、凶暴な奴を連れてきたな」

 

 グルマンが怪獣の名前を唱えた。ベムスターを視認したダイチは、ハッと気づく。

 

「ザラブ星人の持っていたスパークドールズはあれだ……! 先にプラントを爆破したのは、ベムスターにエネルギーを与えて復活させるためだったんだな!」

 

 ハヤトはカミキへ出撃許可を求める。

 

「俺にスカイマスケッティで出撃させて下さい!」

 

 だがそれをさえぎるように、ワタルが前に出た。

 

「いや、今回は俺に行かせて下さい!」

 

 ハヤトはイラッとワタルの肩を掴んで押しのける。

 

「出しゃばるな。空中戦は俺に任せろ」

「俺だって操縦じゃ負けてないぞ!」

「ちょっとぉ! こんな時まで張り合わないでっスよ!」

 

 口論し出すハヤトとワタルをウェンディが押し留める。一方で、カミキはスバルらの方へ顔を向けた。

 

「スバル、ディエチはランドマスケッティで出動! ベムスターを食い止めろ!」

「了解!」

「あっ……!」

 

 スバルとディエチがすぐに本部を離れていって、ハヤトとワタルは置いていかれる形になってしまった。

 

「他の隊員も現場に急行。力を合わせて、侵入を阻止しろ。ダイチはワタルに同行し、怪獣の解析」

「了解!」

「了解……」

 

 カミキの命令でダイチたちも出動していくが、ハヤト、ワタルは不承不承といった返事であった。

 

 

 

「ギアァッ! ギギギィッ!」

 

 都市を我が物顔で蹂躙するベムスター。そこにランドマスケッティが到着し、ベムスターは視界の中で動くそれに気を取られて振り向いた。

 ベムスターを照準に捉え、スバルとディエチは攻撃を開始する。

 

「ディエチ、砲撃は任せるね!」

「うん……ファントンレールキャノン、発射!」

 

 ディエチによる砲撃がベムスターの足元に撃ち込まれ、進撃を阻止する。

 

 

 

『ギアァッ! ギギギィッ!』

 

 ランドマスケッティが戦う中、他の隊員も現場に到着したが、そこでアルトがカミキに報告する。

 

「エリアS-4の薬品工場に、ザラブ星人一派が現れました!」

 

 それを受けて、カミキ、クロノが指示を下す。

 

「ワタル、ハヤト、チンク、ノーヴェは追跡しろ! スバル、ディエチは引き続き、ベムスターの市街地侵入を食い止めろ!」

「ダイチもそのままベムスターの解析を続けろ。ウェンディはダイチの護衛だ」

『了解!』

 

 命令通りにワタルたち四人は薬品工場へ急行し、ダイチはウェンディのライディングボードに同乗して、ベムスターの発する光弾攻撃から逃れながら能力を解析する。

 

 

 

「ギアァッ! ギギギィッ!」

 

 ランドマスケッティからレールキャノンの砲撃が放たれるが、ベムスターの腹部の五角形の口が開くと、砲撃は全てその中に吸い込まれていってしまった。ベムスターにダメージはない。

 

「吸収した……!?」

「ダイチ、あの怪獣の能力は何!?」

 

 スバルがダイチへ問いかける。

 

「ベムスターは腹部のアトラクタースパウトという器官であらゆるものを吸引するんだ! この分だと、ウルトライザー・カートリッジの攻撃も通じないだろう……」

『そんなのに、有効打ってあるの!?』

「ちょっと待って! えっと……」

 

 ダイチはデバイザーでベムスターの状態を分析。その結果、体内にプラントから吸収したエネルギーが多量に渦巻いていることを突き止めた。

 

「体内のエネルギーを引火させることが出来れば、内側からの大ダメージが見込めるはずだ! でも、レールキャノンでもウルトライザーでもそれは不可能だ……。引火させる方法は……」

 

 ダイチは懸命にその方法を模索する。

 

 

 

 ランドマスケッティが戦っている頃、薬品工場でザラブ星人一派と交戦するワタルたち四人は、既にザラブ星人たちを追い詰めていた。

 

「ランブルデトネイター!」

「行くぜ、ジェットエッジ! リボルバー・スパイク!」

 

 チンクのスティンガーの投擲による爆撃が、グロテス星人の発砲を押し切ってグロテス星人を吹っ飛ばし、ノーヴェの回し飛び膝蹴りがメシエ星雲人を蹴り飛ばす。

 そしてザラブ星人のエネルギーバルカンをかわしたワタルとハヤトのジオブラスターの射撃が、ザラブ星人を張り倒した。

 

『ぐわぁッ!』

「よっしゃ俺が……!」

 

 ワタルが仕留めようとしたが、それをハヤトに腹に一発もらって力ずくで止められた。

 

「出しゃばるなよ!」

「お前、そんなに俺が信用できないかよ……!」

 

 二人は敵を前にしてまたも口論を始める。

 

「おい! そんなことしてる場合かっ!」

 

 ノーヴェが怒鳴った時には、ザラブ星人は起爆装置のスイッチを押していた。

 

「しまった! うわぁぁっ!」

 

 ワタルたちの背後で爆発が発生し、二人はその衝撃で転倒する。そこを起き上がったザラブ星人が狙う!

 

『食らえッ!』

「! 危ないっ!」

 

 咄嗟にチンクが飛び出し、その身でワタルたちの盾となる。

 そのために、エネルギーバルカンを浴びて致命的なダメージを食らった!

 

「あぁぁぁっ!」

「チ、チンク!!」

「チンク姉ぇぇぇっ!!」

 

 倒れるチンク。慌てて走ってきたノーヴェが、ワタルとハヤトの胸ぐらを掴んだ。

 

「お前らぁぁぁぁぁっ! お前らの下らない張り合いのせいで、チンク姉がっ!!」

「す、すまん……はっ!」

 

 謝るハヤトたちだったが、我に返った時にはザラブ星人、グロテス星人、メシエ星雲人が一斉に攻撃してくるところだった!

 

「わああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

『ワタル、ハヤト、ノーヴェ! 応答しろ!』

 

 ワタルたちの窮地はすぐに本部の知るところになった。カミキはウェンディに命ずる。

 

『ウェンディ、すぐにワタルたちの加勢に向かえ! 四人が危ない!』

「えっ、でも……!」

 

 ウェンディは困惑して一瞬ダイチに振り返ったが、ダイチは自らライディングボードから降りた。

 

「すぐに行って! 俺のことは構わないで!」

「……気をつけるっスよ、ダイチ!」

 

 全速力でワタルたちの元へと飛んでいくウェンディ。

 だが、直後にダイチへベムスターの攻撃が迫る!

 

「ギアァッ! ギギギィッ!」

「あっ!? うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 どうにか直撃は避けられたが、光弾の引き起こす大爆発にダイチは呑み込まれた。

 目を見張るスバル。

 

「ダイくんっ!!」

「スバル、目を外しちゃ駄目! ああっ!?」

 

 更にスバルがダイチの方へと首を向けてしまったためにランドマスケッティが一瞬停止し、そこをベムスターに撃たれてマスケッティが墜落した!

 

『ダイチ、大丈夫か!?』

「ああ……何とか……!」

 

 一方でダイチは、ギリギリのところで難を逃れていた。しかし、ベムスターが停止したランドマスケッティに近づいていくのを目にして、あっと口を開く。

 

『ダイチ、ユナイトだ!』

「わかった……!」

 

 ユナイトするために立ち上がったダイチだが……その拍子にゴモラが懐から転げ落ちたことには気づかなかった。

 

「ユナイト!」

 

 エクスデバイザーのスイッチを押し、エックスのスパークドールズをリードする。

 

[ウルトラマンエックスと、ユナイトします]

「エックスーっ!!」

 

 ダイチがX字の光に包まれ、ウルトラマンエックスへと変貌した!

 

「イィィィーッ! トワァッ!」

[エックス、ユナイテッド]

 

 都市の中央に降り立ったエックスは、ランドマスケッティを狙っていたベムスターに立ちはだかる。

 

「テヤァーッ!」

 

 駆け出したエックスはビルを踏み台にして跳躍し、ベムスターに腕を斜め上に伸ばす独特な姿勢の飛び蹴りを仕掛けた。

 

「ギアァッ!」

 

 それはベムスターに弾かれたが、ビルの壁を蹴った反動でベムスターへ再度飛びかかっていく。

 

「デュウアッ!」

「ギアァッ! ギギギィッ!」

 

 そこから始まる、激しい肉弾戦。エックスの渾身のパンチや膝蹴りなどが次々とベムスターに決まっていくが、ベムスターも「宇宙大怪獣」の異名を冠するほどの強力な怪獣。初めはエックスが善戦するも、脅威のタフネスでエックスの攻撃を受け切り、次第に巻き返していく。

 

「ギアァッ! ギギギィッ!」

「グワァッ!」

 

 エックスの巨体がベムスターに投げ飛ばされ、エックスは背中から路面に叩きつけられた。

 

 

 

 ザラブ星人一派によって窮地に立たされていたワタルたちだが、ウェンディの加勢が間に合ってどうにかピンチを脱することは出来た。

 しかし、肝心のザラブ星人一派にはまんまと逃走されてしまったのだった。

 

『すみません、隊長……ザラブ星人たちを取り逃がしました……』

「了解……。直ちにチンクをメディカルルームへ搬送し、事態の収拾に当たれ」

 

 ハヤトからの報告に、カミキは渋い顔をしながらもそうとだけ告げた。

 

「ああっ!? エックスが!!」

 

 そこに、アルトの絶叫が響いた。

 

 

 

「ギアァッ! ギギギィッ!」

 

 ベムスターと正面から取っ組み合っていたエックスだが、ベムスターの腹の口が開いたかと思うと、急激な吸引を開始。その吸引力は空間まで歪め――エックスが腹の中へと吸い込まれていく!

 

「ウッ!? グッ……グワアアアァァァァァァァァァッ!!」

 

 エックスは抵抗虚しく、完全にベムスターの内部へと吸い込まれていってしまった!

 

「ギアァッ! ギギギィッ!」

 

 エックスを丸々捕食したベムスターは、空高くに飛び上がってそのままミッドチルダ大気圏を突破していった。

 機能停止したランドマスケッティから脱け出たスバルとディエチは、この一部始終を目の当たりにして絶句していた。

 

「エックスが……食べられた……!?」

「そ、そんな……!」

 

 しばらく呆然と立ち尽くした二人は、ベムスターに撃たれたダイチを捜す。

 

「ダイチ! どこ!?」

 

 しかし二人が見つけたのは……路上に転がっていたゴモラのスパークドールズだけだった。

 スバルとディエチは、完全に言葉をなくした。

 

 

 

 オペレーション本部では、ダイチの反応を探したアルトが、途切れ途切れにカミキたちに報告した。

 

「半径100メートル圏内に……ダイチ隊員の、バイタルサインが……ありません……」

「……何ということだ……」

 

 クロノはそうとだけ声を絞り出し、カミキは無言のまま、顔をうつむかせていた。

 

 

 

 ダイチとチンクを欠いた特捜班が帰投すると、カミキが沈んだ表情の彼らへ語って聞かせ出した。

 

「我々個人がどんなに鍛え、強くなろうが……チームワークに勝る力はない。だがお前たちは思い上がり、個人プレーに走った……。その結果、チンクは意識不明の重態、ダイチは生死不明のありさまだ」

 

 チームワークを乱す原因を作ったワタルとハヤトが、責任を感じて顔を強張らせた。

 

「エックスもベムスターに呑み込まれ、宇宙へ連れ去られた。怪獣とザラブ星人一派を倒せるのは、もう我々しかいない。……諸君の何よりも果たさねばならない使命は、この次元世界を守ること。二度と忘れるな」

 

 クロノが強く説いたところで、本部のサイレンが鳴り響く。

 

「エリアS-9に、ザラブ星人一派を発見!」

 

 ルキノが報告し、メインモニターに工場へ堂々と侵入していくザラブ星人たちの後ろ姿が映し出された。

 それを見て、クロノとカミキが特捜班メンバーへ振り向く。

 

「今こそ力を合わせる時だ!」

「ザラブ星人たちの侵略を阻止せよ!」

「了解!!」

 

 目つきが変わったワタルとハヤトを始め、特捜班が力強く応答した。

 そして出動していく一行の前に、二人の修道女と執事服の少女が現れる。

 

「ちょっと待った。このセインさんたちも一緒に連れてってほしいね」

「セイン! オットーにディードも!」

 

 驚きの声を上げるスバル。この三人はただの修道女たちではない。N2Rと同じ元ナンバーズであり、今は聖王教会に在籍する修道騎士見習いたちであった。当然、その能力はN2Rにも引けを取らない。

 

「お前たち、どうしてここに?」

 

 ノーヴェが尋ねると、ディードとオットーが順々に答える。

 

「チンク姉様とダイチさんが倒れられたと聞き、応援を志願して急遽駆けつけました。二人分の戦力の穴は私たちが補います」

「チンク姉様たちの仇も討ちたいと、騎士カリムに訴えかけてね。許可をもらってきたんだ」

「そっちの隊長さんたちにももう許可してもらってるよ!」

 

 セインが言うと、スバルはカミキたちの方に振り返った。カミキは小さく首肯する。

 

「うん、わかった! それじゃあ、一緒に行こう!」

「了解です!」

 

 新たにセインたちもチームに加わると、ワタルが発言する。

 

「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン。ラグビーの合言葉だ。ラグビーは一人じゃ出来ねぇ、チーム全員が互いに助け合い、チームワークを構築しなきゃいけないって意味だが……俺としたことが、こんな基本中の基本をすっかり忘れちまってた。ラグビー選手としても失格だぜ……」

 

 自嘲するワタル。ハヤトもまた、己を恥じた。

 

「けど、二度とそんな無様なことはしねぇ! 俺たちのチームワークで、今度こそ敵をやっつけてミッドを守ろうぜ! ワン・フォー・オール!!」

「オール・フォー・ワン!!」

 

 ワタルの掛け声に全員が応答し、決意を新たにして九人が出動していった。

 

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