記憶の海 〜Indelible memory〜   作:Ar kaeru Na

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ちょっと遅れました。(いつも言ってる気がする(^^;;

前回と比べ文字数は少ないですが、地味に重要な事を言ってたりする回ですw

艦娘たちのことを書くのはとても楽しいです!これからも楽しんで書きたいですね(なに言ってんだw

それでは、どうぞ!


memory9「金剛の砲撃」

 

 

 

memory9「金剛の砲撃」

 

 

 

 

青葉の訓練を始めて数日。

 

日に日に青葉の操艦、操舵技術は上がっていき、遂には、一番最初の海上訓練でつまずいていた障害物のコースも難無く突破出来るほどに成長した。

 

「青葉さん、見違えましたね!」

 

ルナの隣にいた吹雪がそう言う。

 

「あぁ、青葉はもう問題なさそうだな。青葉には訓練を続けさせるとして、次は金剛の訓練に入るとしよう」

 

「金剛さんは砲撃がからっきしでしたね」

 

「吹雪もあんま言えないけどな、砲撃スキル。金剛の場合はなんというか……勘というか運とかの問題な気もしなくも無い」

 

「運……ですか?」

 

「動いているならまだしも、止まっている目標に命中ゼロとは……砲身が曲がってるんじゃないかと疑いたくなるな」

 

「でも……艤装のメンテナンスは完璧だってライラさんが仰ってましたよ?」

 

「うーん、そうかぁ……まぁ取り敢えず始めてみるか」

 

そう言うとルナは、手に持っていた書類を読み始める。

 

 

 

 

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ー『戦艦金剛、巡洋戦艦として英国で建造され、後に戦艦となった金剛型一番艦。度重なる改装を受け、第一次、第二次両大戦に参加した数少ない艦の一隻である。レイテ沖海戦後、本土へ帰還中に米潜水艦の魚雷攻撃を受け沈没する』ー

 

 

例の如く金剛はコテージに居た。どうやらキッチンで料理をしていたようだ。

 

「oh!ショーイ!フブキ!丁度スコーンが出来上がったところネ!是非食べるデース!」

 

「わぁ!ありがとうございます!」

 

吹雪が嬉しそうにスコーンに飛びつく。

 

「……?スコーンって何なんだ?」

 

「ショーイは御存知無かったデスカー?簡単に言えば、イギリスで食べられているお菓子デース!パンみたいな物ネ!」

 

「へぇ、そうなのか。小腹がすいてきた頃だったから、いただこうかな」

 

吹雪と共に席に着いたルナは、金剛の作ってくれたスコーンと淹れてくれた紅茶で一服する。

ルナは初めて食べるスコーンに舌鼓をうちながら、金剛に訓練のことを伝えた。

 

「遂にワタシの出番デスネー!」

 

「出番というかなんと言うか……まぁ金剛の番には違いないな」

 

「あのアオバをあそこまで鍛え上げたショーイのtechnic!期待してマース!」

 

「お、おう」

 

金剛の気合い(?)に気圧されながらもルナは苦笑いで返した。

 

 

 

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ーーのどかな陽の光が差し込む第三訓練海域(第三訓練場)。その水面に金剛が降り立つ。

海の遠くの方には標的が設置されているが、金剛からはちっぽけに見える。

 

「よぉーし、金剛。砲撃訓練開始だ!手始めに何時も通りに砲撃を行ってくれ」

 

金剛はそれに頷いて答えると、背中の艤装に装備された砲塔を、標的に向けて指向する。

 

「全砲門!fire!」

 

ドォォンと凄まじい音を立て、金剛が砲を放つ。砲撃の衝撃で金剛の周りの海面がへこんだ様にも見えた。

 

砲弾は綺麗な弧を描き飛び、着弾した瞬間、大きな水柱を上げた。

 

「弾着確認しました。一斉射目、標的右遠です」

 

双眼鏡(メガネ)を覗いて、金剛の弾着を確認していた吹雪がルナにそう告げる。

 

「金剛、標的右遠に弾着だ。修正してもう一度だ」

 

「了解ネー!少し左にズラしてッと……テェーーッ!」

 

再度、金剛が砲を放つ。しかし、砲弾は的外れの場所に飛んでいく。

 

「弾着確認しました。二斉射目、標的……左極遠です」

 

「おい!金剛!さっきよりも離れてるぞ!ちょっとだけでいいんだちょっとだけで!」

 

「オカシイですネ……?少しだけのつもりが……もう一度、テェーーッ!」

 

先程の結果を受けて右にずらしたのだろう。砲弾は標的から遥か右にずれた所に着弾した。

 

「もぉーーぅ!何で当たらないネーー!」

 

金剛が癇癪(かんしゃく)を起こしてジタバタしている。ルナは思わず手でこめかみの辺りを押さえた。この先を思うと頭が痛い。

 

「これは……相当かかりそうですね……」

 

「金剛の感覚だけの問題なのか……?いや、そんな事は無い筈だ……何か……何か問題がある筈……」

 

結局、この日の訓練では、演習用の砲弾を持ってきた分、全て撃ち尽くしたのだが命中弾は一つも無かった。

 

後々、ライラに「アレだけ持ってっておいて一つも当たらないんじゃ、砲弾代が勿体無い」と嫌味を叩きつけられたことは言うまでもない。

 

 

 

次の日、無駄だとは思うが、金剛の艤装の再点検をして貰った。

しかし、目立った問題が見つかる訳もなく、ハード、システム、どちらの面でも異常は見つからなかった。

砲身の磨耗も疑ったが、砲身を取り替えたのはつい最近の事らしく、この短期間で磨耗するのはあり得ないと整備員に一蹴された。

 

これでルナが思っていた『艤装の所為』という選択肢は消えて無くなった。

 

ルナは金剛に引き続き砲撃訓練を行わせたが、結果は何も変わらなかった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

次の日。

 

早くに目が覚めたルナは、金剛の砲撃について考えがてら、朝の散歩をしていた。

 

(昨日の再点検から分かる通り、金剛の艤装自体に目立った不具合は一切無い……つまり、あの的外れの砲撃が艤装の所為ではないという事……だとすると、やはり金剛の腕の所為なのかな……?)

 

そう自分の中で結論付けるものの、何かが金剛に足りない気も否めなかった。

他の艦娘達の砲撃と比べて何かが違う。そんな感じだった。

 

朝の清々しい中をモヤモヤした気分で歩いていると、低い地鳴りの様な音がどこからか聞こえてきた。

 

「この音は……砲撃音?こんな朝っぱらか一体だれが…?」

 

ルナは音の聞こえてくる方へ歩き始める。どうやら第二訓練場から聞こえてくる様だ。

 

第二訓練場は、第三訓練場に比べて広く、艦隊同士の対抗演習にも使える広さを誇る訓練場だった。

その中で、ぽつんと、一人の艦娘が砲撃演習を行っている。

 

一瞬、金剛かと思ったルナだったが、服装が違った。

巫女服のような金剛と比べ、訓練場にいる艦娘は赤の刺繍が入った白の道着のような上着に、黄土色に近い飴色の袴をはいている。

 

それに金剛は、艦橋砲塔一体横一直線型の艤装を装備していたが、例の艦娘は背部に艦橋型艤装を背負い、そこからクロス型に砲塔が装備されていた。

 

その艦娘は手に持っていた盾の様なものを空に掲げた。すると、そこから何かが射出され、空高く舞い上がっていく。

 

(あれは……艦載機?)

 

何となく物陰に隠れつつルナは様子を見ていた。

恐らく、放たれた物体は艦載機(飛行機)であろう。

 

艦載機は上空で8の字を描くように飛んでいる。

その艦娘は軽く腰を落とすと、装備していた四門の主砲の内、二門を斉射した。

 

放たれた砲弾は、ちょうど目標を挟み込むようにして着弾する。狭叉(きょうさ)だ。

 

それを確認してか、残った砲門も斉射する。

砲弾は吸い込まれるようにして標的に命中し、どデカイ水柱を上げた。

 

(資料室の本で読んだことがあるぞ、あれは確か、空中観測型の射弾観測射撃……!)

 

空中に飛ばした艦載機から、着弾点を観測し、その位置情報を元に、射撃コースを修正する為、砲撃の命中率を高める事が出来る、射撃法の一種だ。

 

その光景に観入ってしまったせいか、背後に近づく人影に、ルナは気づかなかった。

 

「わっ!!」

 

「うひゃぁあ!?」

 

背後から大きな声で背中を押された為、ルナは思いっきり驚き飛び跳ねる。

 

ルナが急いで振り向くとそこには、海上にいる艦娘と同じ服装をした女性が立っていた。

 

「いやぁ、ゴメンゴメン。まさかそんなに驚くとは思ってなくてさー。朝早くから見慣れない人がいるなーって思ったから、ちょっとした好奇心ってやつ?」

 

その女性は片手を拝むように前に出しつつそんなことを言う。

海上にいた艦娘と同じ服装をしているということは、この女性も艦娘ということなのか。

 

「えっ…と、あなたは……?」

 

「あたし?あたしは派遣第一艦隊所属の航空戦艦『伊勢』よ!宜しくね」

 

どうやらルナの予想は当たったようだ。

 

「あなたは何て言うの?」

 

「自分は今、仮的に奄美艦隊を請け負っている、栄ルナと言います」

 

「あっ!あなたが少佐の言ってた栄少尉なのね!思ったより小さかったから、そうは思わなかったわ」

 

「ほっといてください」

 

「ところでなんでこんな所に?」

 

伊勢と名乗った艦娘が不思議そうに聞いてくる。

 

「朝の散歩をしていたら砲撃音が聞こえたもので、つい来てしまったのですよ」

 

「あっ、そうなんだ。……確かに朝っぱらから砲撃音がしたら気になっちゃうよね~、だから、もうちょっとしたらやろうって言ったのに日向ってば……ぶつぶつ」

 

伊勢は何やらぶつぶつと愚痴を言い始めた。ルナは「はぁ…」と適当に相槌を打ちながら、それを聞いていた。

 

「………で、そんな時は全主砲斉射で決まりじゃん?それをあいつってば艦載機による空と海の立体的なんたらとか言い始めて……」

 

「伊勢」

 

そう名前を呼ばれて伊勢はビクッと肩を震わす。

ふと見てみると、先程、海上で砲撃演習をしていた艦娘がそこに立っていた。

 

「ひ…日向…もうあがったの?早いじゃん?」

 

「艤装の調子を確かめるだけと言っただろう?ところで何の話をしていたんだ?」

 

「い……いやぁ、今日は朝からいい天気だから散歩日和ですね~っていう世間話よ」

 

「ふーん、じゃあ後でじっくりと世間話をしようか」

 

伊勢は「ひぃ~」と身震いをして数歩後ずさる。

その日向と呼ばれた艦娘は、ルナに目を向けると声を掛けてきた。

 

「与太話に付き合わせてしまってすまないな。君は確か……栄少尉か?」

 

「その通りだけど……」

 

「そうか、なら良かった。私は、派遣第一艦隊所属の伊勢型二番艦『日向』だ。宜しく頼む」

 

日向はそう言うと、伊勢をがっしりと掴み、

 

「朝早くから迷惑を掛けたな。私は伊勢と話したい事があるからここで失礼する」

 

と、言って伊勢を力強くに引っ張っていく。

 

ルナはその背中に「ちょっと待ってくれ!」と声を掛け呼び止めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「「砲撃が当たらない?」」

 

伊勢と日向は声を揃えてそう言った。

二人に今までの金剛の事を話し、何かアドバイスを貰えないものかとルナは声をかけたのであった。

 

「いざ、そう言われると難しいよね~。なんか、『撃てっ!』って思ったら撃てるもんね」

 

「艦娘の砲撃ってそんなもんなのか……?」

 

「伊勢はもっと勉強した方が良い。艦娘の行動は『生体同期機能(バイオフィードバックシステム)』で艤装に反映されているんだ」

 

「『生体同期機能(バイオフィードバックシステム)』?」

 

ルナは聞きなれない単語に、思わず聞き返す。

その反応を見た日向が説明してくれる。

 

「少尉は私達CMS(艦娘)が戦闘用に造られたバイオロイドということは知ってるか?」

 

ルナはこくりと頷く。

 

「え!?何それ!あたし初耳!」

 

「伊勢は静かにしてくれ。じゃあ、その素体にナノマシンが使われているのも知ってるな?」

 

「うん、ライラさんから聞いたよ」

 

「艤装を装着して起動させると、体内のナノマシンが艤装からのエネルギーを受け取って覚醒状態になる。

この状態になると私達は、常人ではあり得ない程の力を発揮出来るようになる。

それと同時に、体内のナノマシンから艤装へと、生体情報や神経情報がリンクされる。

これが『生体同期機能(バイオフィードバックシステム)』と言うものだ。

生体情報と神経情報がリンクしてるから、後は、私達自身が『進め』とか『撃て』とかを思うだけで動作するというわけだ」

 

「へぇー、そんな仕組みとシステムで艦娘達は海上で行動出来るというわけか」

 

確かに、吹雪のような手に持つタイプの砲などは説明が付くが、金剛とかはどうやって砲撃しているかが地味に謎だったのだが、タネが解れば成る程、関心する。

 

「まぁつまり、砲撃はそういう仕組みだ。それで砲撃が当たらないとなると……やはり練度の問題じゃないだろうか?」

 

「やっぱりそうなのかなぁ」

 

ここで、今まで日向に「静かにしろ宣言」をされて、つまらなそうに傍観していた伊勢が口を挟む。

 

「あとアレじゃない!アレ!FCS!」

 

「FCS?」

 

今日はルナの知らない単語がよく出る日だ。またもや聞き返す。

 

「伊勢がその言葉を知ってるとは意外だな」と日向。

 

「へっへぇーん、どうよ日向、驚いた?あたしだってアホの子じゃないんだから。

というわけでそれについてはあたしが説明してあげるわ」

 

伊勢はドヤッと勿体つけると、ルナに説明を始める。

 

「FCS……Fire・Control・System、つまり『火器管制装置』のことよ」

 

「あっ、それなら小耳に挟んだ事があるかな」

 

火器管制装置。

主に銃などの兵器を正確に射撃する為、兵器を管制、つまり制御する装置やシステムの総称だ。

 

「正式には射撃管制で、海軍では射撃指揮とか、色んな呼び名があるわ。

もちろん、あたし達の主砲とかの攻撃兵装にも搭載されていて、これを使うと、指定した目標を、砲が自動で照準してくれるわ。

さらに、観測した位置情報をリンクすると、その値を元に、計算、誤差を修正してくれる優れものよ」

 

そんな伊勢の言葉を聞いて、ルナはハッとした。

 

(まさか、金剛のやつ……射撃管制無しで砲撃を……?いや、まさか…)

 

ふと、そんなことを思ったが、思えば思うほど不安になってくる。

 

「まぁ、実際は無意識的にみんなやってるから、あんまり意識する必要は無い……ってちょっとぉ!」

 

伊勢の説明の途中でルナは走り出す。去りゆく間際に「ありがとう!」と一声掛けて走り去る。

 

「まだ説明は終わってないぞぉーー!って、行っちゃった……」

 

「きっと伊勢の説明で何か気がついたんだろう。良かったじゃないか」

 

「そう?そうかぁ~!そうだよね~!」

 

日向にそう言われニヤニヤする伊勢。日向はふぅとため息をつくとガシリと伊勢の腕を掴んだ。

 

「それじゃあ、先程の世間話の続きでもしようか」

 

伊勢は一転、にやけ顔を真っ青に変えるのであった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

コテージに急いで戻ると、いつものように金剛が紅茶を飲んでいた。

しかし、いつになくテンションが低い気がする。

 

「はぁ~~、どうして砲撃が当たらないんでショウ……」

 

「練習してれば当たるようになりますよ!頑張りましょう?ほら!少尉も来たことですし」

 

あからさま、へこんでいる金剛に「FCSって使ってるか?火器管制装置って言うんだけど」と聞くと、「FCS?何ですかソレ?」という答えが返ってきた。

 

これでルナは確信する。金剛は決して砲撃スキルが無いのではないと。射撃管制無しで砲撃していたらそりゃ命中しないわけだ。

 

そして早速、砲撃訓練を始める事にした。

 

 

「それじゃ、砲撃ってば、そのFCSで砲を照準するのネ?てっきり、自分自ら動いて狙うと思ってマシタ!」

 

「そりゃ、どうやったって当たらないわけだ……身体を動かして照準するとなると、微調整に限界があるからなぁ」

 

どうやら金剛は今まで、砲塔を動かして照準するのでは無く、自らが動いて照準していたらしい。

微調整が効かない以上、例えば、自分では少し右にずらしただけでも、目標に届く頃には、とんでもなく右にずれている、という事態が起こってしまうのだ。

 

「ところでショーイ、FCSってどうやって起動するんですカー?」

 

「さっき話した通り、君達には生体同期のシステムがあるんだから、それで何とかなるだろ」

 

「ウーン……テキトー過ぎるネ……取り敢えず、訓練スタートするヨ!」

 

金剛は、意識を砲に集中させる。すると、今までよりも砲塔が身近に感じられるような気がした。まるで自分の手のような感覚。

 

「……射撃管制システム、起動completeネ……!一番から四番、順に撃てェー!」

 

ドドドドと続けざまに主砲を連続発射する。飛んでいった砲弾も、連続して着弾し、テンポ良く水柱を連ねる。

 

「弾着確認しました。第一射目、右遠、右遠、右至近弾、右近です」

 

観測担当の吹雪がそう告げる。

 

「だそうだ金剛。修正してもう一度だ」

 

「OK!FCSに位置データをリンクするネ!」

 

生体同期機能(バイオフィードバックシステム)のおかげでリンク作業も間髪いれずに完了する。

すると気持ち、砲塔が稼働した。誤差を修正したのだろう。

 

「リロードOK!もう一度、順にテェーー!!」

 

先程と同じように順番に主砲を発射する。すると第一射よりも近い位置に砲弾が着弾した。

 

「弾着確認です。第二射目、第一陣、右近、左近、第二陣、目標狭叉です!」

 

遂に金剛が狭叉を出した。狭叉は、標的を挟んで着弾しているということなので、後は運次第だ。

 

「あともう一息だ!イケるぞ金剛!」

 

「今こそ積年の恨みを晴らしてやるデース!全主砲、fire!!」

 

金剛は狙いそのままに全主砲を斉射する。魂のこもったその砲弾達は、金剛の狙い通りに標的を貫き、どでかい水柱を上げた。

 

「目標命中です!」

 

「よっしゃああああ!!」

 

「ヨッシャアアア!!やったデース!!」

 

初めて金剛は命中弾を出したのだ。ここで喜ばずにいつ喜ぶ、といった具合に、嬉しさ余って、海上で飛び跳ねている。

 

これには、ルナもガッツポーズをとって雄叫びをあげるくらいには喜んだ。

 

「よし!金剛!この感覚を忘れない内にもう一度だ!」

 

「望む所ネ!今のワタシならどんな標的も撃ち抜いて見せるネ!」

 

金剛も、すっかり自信を取り戻して、その目は輝いているようにも見える。

 

 

なんだかんだ言っても、金剛は今の今まで、当たらないと分かっていても砲を放つのを止めなかったのだ。

それらは決して無駄では無かったことが証明された。射撃管制を行って無かった所為だとしても、偏に、金剛の努力の成果でもあっ

た。

 

(これで、私も『戦艦金剛』として、胸を張って海に出られマース!妹達に姉の威厳を見せる為にも、更に頑張らなければ……!)

 

金剛はそう胸に決め、新たな標的に向けて砲を放つ。

 

 

 

 

 

「撃ちます!fireーー!!」

 

 

 

 

 

砲弾は綺麗な弧を描いて、飛翔するのであった。

 

 

to be continued……

 

 

ー物語の記憶ー

 

・スコーン

元々はスコットランド方面発祥のパンのような食べ物。イギリス全土で食べられている馴染み深い、ポピュラーな物である。

金剛の作るスコーンは絶品と評判。

 

・砲撃訓練

目標となる標的を定め、それに砲撃し、命中させるという訓練。主に砲撃精度の向上の為用いられる。

使われる言葉の意味は「遠」が「目標を飛び越している」。「近」が「目標に届いていない」という意味である。

極がつくと「極めて飛び越しているor届いていない」という意味になる。

 

・狭叉

放った砲弾が、目標を挟み込むように着弾することを言う。狭叉が出るということは照準が的確である事を表しており、あとはそのまま撃てば命中を望むことができる。

 

・射弾観測射撃

弾着観測射撃とも言われる。

放った砲弾の着弾点から目標との誤差を計算等で割り出し、修正して砲撃する射撃法の一種。

航空機による空中観測や、電探によるレーダー観測など様々な種類がある。

 

・生体同期機能

B(バイオ)F(フィードバック)S(システム)とも言われる。

CMSの素体の中にあるナノマシンを通して、CMS自信の生体情報や神経情報をリアルタイムで同期し、艤装に反映するというシステム。

これによりCMSは思考するだけで艤装を稼働させる事が出来る。

 

・火器管制装置

F(ファイア)C(コントロール)S(システム)とも言われる。

兵器による正確な射撃をするため、火器を制御するための、計算などを行う装置やシステムを指す。

CMSにはシステムとして搭載されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回と次次回は感動作に出来れば良いなぁと妄想。
果たして、自分の頭足らずで書けるのか……乞うご期待!
残る艦娘はあと4人ですね!
次回もお楽しみに!
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