記憶の海 〜Indelible memory〜 作:Ar kaeru Na
といっても、結構真面目な説明回になっちゃってます。
かるーく読んでください(^^;;
それでは!
memory26「青葉の旅行取材」
皆さん、こんにちは!
重巡洋艦青葉と申します!
私が発行している基地内新聞がかなり好評で、私としても嬉しい限りです。
と、いうワケで、今回は奄美基地やその周辺の色んな所に出向いて、面白い事を記事にして皆さんに紹介しちゃいましょう!
昔から、鎮守府や基地のどこに何があるのか確かめる事を『旅行』と言いますからね。
今回は旅行取材と銘打って、いざ出発です!
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私たちが所属するこの奄美基地。
正式名称を『日本海軍 奄美大島要塞基地』と言いまして、名前からわかる通り、鹿児島県、奄美大島に設置された国内前線基地になります。
場所は奄美本島の南端部、瀬戸内町にあった旧海上自衛隊奄美基地分遣隊跡地に本庁舎(司令部)が建てられています。
庁舎の周りには、その他色んな建物がありますが、まずは庁舎の中をご案内します!
基地庁舎は3階建ての良くある四角いような造りになってます。豆腐ハウスですね。
中には
この部屋は基地3階の端っこにあって、奄美基地司令である征原トウ提督がいつもこっくりこっくりと舟を漕いでいます。
基地の噂として、提督なのに仕事をしている所を誰も見た事が無いという、トンデモ伝説を持っているおじいちゃんの居眠り部屋ってトコですかね。
かく言う私も、提督がこの部屋で仕事している姿なんて見た事がありません。
提督室の隣には提督用の部屋があり、その隣には執務室、さらに隣にライラさん用の部屋もあります。
それでは早速部屋に突撃しちゃいましょう!
……え?怒られないかって?
提督室はさすがの私でも色々とヤバそうなので、今日の所は執務室で我慢です。
また、提督が佐世保から帰ってきたらお邪魔しましょう。
まぁ実は執務室もヤバそうなんですけどね、臆していては青葉の名が廃るってもんですよ!
バアァンッ!と扉を開けて中に入りますけど、机と椅子と本棚くらいしかありません。知ってましたけど。
普段はこの何も無い、そっけない部屋でライラさんが提督に変わり事務仕事をやっています。なぜ提督がやらないのかは謎です。
さぁどんどん行きましょう!次は出撃港、ドックを見に行きます!
庁舎裏手にはちょっとした山があるのですが、その内部をくり抜くようにドックは造られています。
このドック内には奄美が所有する改造護衛艦があったり、通常艦艇の修理スペースがあったりと、この基地が基地と言われる
CMS用のドックはまた後ほど紹介しますね。
艦のメンテナンスや補給、修理改造などなど何でもござれなこのドックには、たくさんの整備士の方々が一生懸命に作業を行ってくれています。ありがとうございます!
そしてこのドックは海に面していて、CMSや艦艇は直接出撃する事ができます。
ではお次、工廠に向かいます!
工廠はドックの隣にありまして、現在は私たちCMSの艤装を整備するための施設になっています。
整備するだけでは無く、改造したり、新たな武器を造る事だって出来てしまう凄いところです!
訓練の時は自分で取りに来るのですが、出撃の時は、ここから艤装が出撃港(ドック)の方へ運び出されます。時間を短縮するためのテクニックですね。
面倒な着装も、出撃港内のコンピュータが自動で行ってくれるのですぐに出撃する事が出来るようになっています。
CMSのドック……CMS傷病療養施設も実は工廠内にあります。恐らく、工廠の中にあった方が速い対応が出来るためでしょう。
あ、あと基地の資材を保管しているスペースも工廠内にあります。保管庫は提督かライラさんの許可が無いと入れないようになっているので、今回は取材を断念します……。
気を取り直して次は別館宿舎に向かいます!
別館、通称宿舎は私たちCMSが寝泊まりする部屋がある所です。以前も紹介しましたね。
1階にはお風呂やガンルーム、2階、3階が私たちのお部屋になっています。少尉の部屋も宿舎にありますね。
ちなみに基地に勤めている人の寝泊まりする場所はここでは無いとこにありまして、少し離れた港町の内陸の方に、かつて海自時代の隊長官舎があり、そこを改築して寝泊まりしているそうです。
そしてこの宿舎の裏手後方、どちらかといえば山側に、掘っ建て小屋のような建物があります。
これが私たちがコテージと呼んでいる、奄美のCMSたちの憩いの場です!
なんか、ザ・家!って感じな、見た目1階、中2階の建物になっています。
訪れると、必ず決まって誰かしらがくつろいでいたりします。朝だと金剛さんが紅茶を淹れていたりとか。
いい感じの広さがあるので、奄美部隊を集めて話をする時などは、少尉も良く使っています。
2階の屋根裏的スペースは今までなんにも使っていませんでしたが、先日やってきたドイツUボートのユーさんが寝泊まりに使うそうです。
悲しい事に宿舎の方は満員御礼で、もう空いてる部屋が無いんですよね。新しいCMSが来たら一体どうするんでしょうか?
あ、それと那珂ちゃんは五十鈴さんと相部屋だと言ってました。
性格が全然違いますけど、一応同じ派遣艦隊のCMSですからね。何も問題が起きなければいいですが…………。
基地の中の紹介はこんなもんでしょうか。
では今度は基地周辺に行ってみたいと思います!
当たり前ですが、基地正面は海になっています。当たり前ですが。大事な事なので二度言いましたよ〜?
この正面の海は奄美本島と加計呂麻島に挟まれた大島海峡と呼ばれる海であり、この海峡内にある薩川湾という湾は、第二次大戦時には艦隊泊地にも使われたという、戦術的に安全な場所になっています。
この海峡の南側は奄美基地が占有しており、普段は訓練海域として使用されています。
訓練海域というワードが出たので、ちょこっと説明すると、奄美には3つの訓練場、訓練海域があって、大きい方から第一、第二、第三と名前が付いています。
いつも私たちが使っているのが第三訓練海域です。隻数も少ないですし。
第一は派遣艦隊の人たちが。第二は対抗演習の時などに使われたりしてますね。
話を戻して、海峡の北側は一般商船などのシーレーンになっています。
深海棲艦は太平洋側に多く現れる為、少しでも安全な大陸側をシーレーンにしているのですね。
これは本土の方にも言える事で、太平洋側の土地に荷を運ぶ以外は、一般商船は日本海側を通航する事が義務付けられています。
日本海側は舞鶴鎮守府の管轄で、大湊と共に本土防衛に重きを置いた鎮守府なので、とても安心ですね!
奄美基地が隣接する海域は、南西諸島、東南アジア方面へと通じていて、海洋国家である日本は海外との貿易が無いと存続する事が出来ません。
なので、奄美基地の主な目的、仕事は、このシーレーンの安全を確保する事が一番と言えるでしょう。
と、ここまで奄美
佐世保管轄基地なら、奄美の他に鹿屋と岩川もシーレーン確保と、九州沿岸部の防衛が目的だった気がします。
海の話はこれくらいにして、次は港町に行ってみましょう!
我々は港町と呼称していますが、正確な地名は確か、瀬戸内町古仁屋と言ったはずです。
と言うのも、深海棲艦が各国を襲い始めた時に、沿岸部に住んでた人たちはみんな内陸部に避難してしまったんですよねぇ……
常識的に考えて、海に面してる所より内陸の方が安全ですからね。
それなので、沿岸部の町には人がいなくなり、どこもかしこも廃墟みたいに廃れてしまっていた時がありました。
そんなこんなで、昔の町を知っている人は殆どいなくなり、町自体も軍の意向で取り壊されたり、港湾施設になったりと様々な事があった為、正確な地名などあって無いような物となってしまったのです。
それでも、最近では人が戻っているとも聞いています。
そして先に言った話の理由で、軍の総司令部である中央も、山脈に囲まれた海無しの高地にあったりします。
まぁ、あの土地は第二次大戦時、本土決戦に向けた遷都計画の第一候補でしたからね〜。
実際に大本営を設置するために山に巨大な洞窟を掘ったとか。現在もその洞窟が使われているとか。
話が逸れましたので元に戻しますが、この港町には南西諸島方面からの商船や輸送船が、休憩や補給の為に訪れます。
その為、港町は今が戦争中にも関わらずにかなりの賑わいを見せております。
かつてあった住宅街は軒並み取り壊され、現在は貨物用の倉庫やコンテナ、残った少数の町民の家等がその代わりとして設置されています。
そこには、商船や輸送船の乗員をターゲットとしたお店がたくさんあって、さながら何処かの国の市場かお祭りの様な雰囲気を感じる事が出来ます。
売っている物も様々で、食べ物から雑貨、家具、おかしな所では危ない物まで売っている所があります。そういうお店を発見したら、基地の方へ報告するのが常なのですが……
いくら潰してもいつの間にかまた出来てるんですよね。いたちごっこです。
あ、ちなみに私がいつも持ち歩いている煙玉も実は港町で素材を買っています。
これが無いと何かあった時に困りますからね。少尉から逃げる時とか。
今日も出てきたついでに買い物をしようと思ったんですけど、果物屋も雑貨屋も今日はやっていない様ですね……
しょうがないのでまたの機会にしましょう。
そんなワケで基地に戻って来ましたが、もう紹介するネタが無いですね……
それと今回結構真面目に取材をしてしまったので、なんとなく面白味にも欠けますねぇ。
これは次回以降の課題として、困った時は取り敢えずあの人の下へ行きましょう!
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「……で、ネタが無くなったから遊びに来たと?」
「はい!そうでーー」
「帰れ」
宿舎2階倉庫部屋、少尉の部屋です。
「えーなんでー?青葉もいた方が楽しくていいじゃん」
「ジャンじゃねぇよ島風!お前さんもさっさと帰れ!」
私の前に既に先客が居たようですね。駆逐艦の島風さんです。
奄美のCMSたちは、取り敢えず暇になったらコテージか少尉の部屋に遊びに来ているので、まぁ普通ですね。
「それで島風さん。あなたは何故ここに?」
「だって訓練禁止で暇なんだもーん。さっきまで吹雪と鬼ごっこしてたけど吹雪が遅すぎて勝負にならないしさー」
「いや、それはあなたが速すぎるだけです」
青葉がそうツッコむと、島風はケラケラと笑っていた。
「ところで少尉は何をしていたのですか?」
「ん?資料室から借りてきた戦術教本を読んで、それをこれに描いてただけだけど?」
見ると、どこから引っ張り出したのか、黒板にマグネットみたいなモノが貼ってあったり、何か矢印とかが描かれています。
「いやぁ、艦隊戦てのは奥が深いな。これを読んで、こうやって図に起こしてみると面白い事この上無い」
「……少尉らしいと言えばらしい過ごし方ですね」
「それはけなしているのか?用が無いなら島風を連れて帰ってくれ。色々とアレで静かに本が読めないんだ」
「残念ながら私も静かに本を読ませる気はありませんので。それじゃあネタになりませんし」
「解体処分を御所望か?」
「じゃあ、今日の取材結果でも……」
少尉の眼が若干紅くなって、こめかみをヒクつかせていたので慌てて手帳を少尉に見せます。
「へぇー、奄美基地周辺の。中々良い内容じゃないか」
「そのせいで笑い成分が無くなっちゃったんですよ。
前回の様なノリを期待して読んだら、何だこれ、真面目じゃねぇか!ってなって、これが原因で閲覧者が減って評価が下がってしまっては青葉の名折れですからね」
「お前は何の話をしているんだ」
ルナがため息をつきながら手帳を読んでいたが、不意にその手を止め、青葉を睨む。
「ど、どうしました少尉?」
「今日は港町の方にも行ったのか」
「えぇ勿論。基地周辺の取材ですからね」
「……自分に許可求めてないだろ」
「…………あ」
そういえば、この2日は基地の外に出る時は少尉に言わないとイケナイんでしたっけ……
「…………」
「待って!待って少尉!無言でその刀を抜かないで!
それとも良いんですか!?もし斬りかかってくるのであれば、青葉も自衛として少尉のヤバイ事を基地のみんなに言いふらしますよ!」
「自衛の手段がオカシイだろ!なんでゴシップなんだよ!って言うかヤバイ事って何だよ!?自分は何もしてないぞ!」
「よくもまぁそんな事を、知っているんですよ?少尉が未だにガンルームの艦娘クッキーを盗み食いしている事を!」
「だってアレ美味しいから……じゃない!コノヤローいつの間にその事を」
「えー!少尉盗み食いしてるの!?じゃあこの前クッキーが無くなってたのは少尉のせい?」
「えぇそうです島風さん!ですからその少年を拘束しちゃって下さい!」
「根も葉もない事を言うな!自分は2つしか食べてないッ!」
青葉とルナがじりじりと間合いをはかっている。
「そういえば青葉。お前執務室に忍びこんだって手帳に書いてあったが……
お前が自分の事を言いふらすなら自分もライラさんに報告させて貰おう」
「くっ……青葉一生の不覚!せめて……せめてあと一手、あと一手足りないっ!」
「何を言ってるんだお前は……」
ルナは刀を収めると、講話会議と言わんばかりに条件を提示する。
「お前が言わないなら自分も言わない。今回はそれで手打ちにしよう」
「安いですね、間宮の羊羹を希望します」
「何でそんなに強気なんだよ!お前ライラさんに殺されるぞ!」
「フゥーハハハハ!怖くて取材は成り立ちませんよ!死なば諸共です!」
「前言撤回だ。司令権限を行使する、今の事は言うなッ!」
「お断りします」
刹那、人間とは思えない速さでルナが青葉に掴みかかる。
その寸前で青葉はポケットから取り出した煙玉を直接投げつけた。
炸裂。部屋が煙でまっしろわーるど。
「ぐわっ……ゴホッゴホッ!またかぁーーーッ!!」と、顔面に煙玉を受けたルナが部屋に転がる。
「わぁ!何も見えなーい!」と島風。
「さらば少尉!この出来事は面白おかしく記事にさせて頂きますよー!」と青葉が颯爽と部屋を出て行く。
「青葉ァァァアアア!!!」
ルナの絶叫も虚しく、数日後、青葉の宣言通りに面白おかしく、新聞が基地内掲示板に張り出された。
その後ルナは青葉と壮絶な鬼ごっこを繰り広げるのだが、その新聞を見たライラに2人とも捕まり、筆舌しがたい程の有り難い説教を受けたとさ。
めでたし、めでたし。
to be continued……
ルナ「メタい話はやめような?」
kaeru「反省はしている。後悔はしてない」
ルナ「次回の話は?」
kaeru「次回、新たな作戦発動」