東方畢竟訖 〜in Other Worlds.   作:LOORUME

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※2章はBGMと一緒にお楽しみください!
※慢性的なオリキャラ超過となります。アレルギーの方はご注意を。
※説明多めになります。


第2章 鏡源郷での異変
一話目 初弾幕戦


 

 わたしは立見田華───デカだ。『結論を求める程度の能力』を持っている。

 紫様に誘われて幻想入りしたはいいものの、早速異変に巻き込まれた。どうやら体を動かすのが困難になるほど弱体化している、という人妖が大量発生しているらしい。

 この鏡源郷、幻想郷の中で動けるのはわたししかいない。つまりわたししか、異変を解決することはできない。

 

「異変、ですか……」

「……ごめんなさい。まさか来て早々こんな事になるとは」

 

 紫様に本当に申し訳無さげに謝られた。

 

「いいんですよ。それに、わたしが居なければ動ける人も居なかったんですよね?」

 

 苦笑の質問には下を向いて押し黙ってしまった。いいと言うのに。

 

「……では、行って参ります」

 

 ここで問答を続けていても埒が明かない。わたしは、異変解決のために飛びたとうとした。

 

「待ちな」

 

 掛けられた声に振り返ると、フラフラになりながらもやっと立っている鏡映さんの姿があった。

 

「お前さんじゃ犯人のいる場所も分からないだろう」

「ついでに言うと弾幕ごっこのやり方も知りません」

「……よくそんなんで解決しようって…。まあいいさ、なんとか弾幕ごっこをやってやるくらいの妖力はある。うちが練習台になってやろうじゃないか」

 

 飛び立つ前に、弾幕の出し方を覚える事になった。

 

 

BGM:『不自然な発明 〜 Artifical Paradigm』

 

 

「よし、デカちゃん。まずは弾を出してみよう」

「……」

 

 掌を上に向けて、そこに弾幕が出てくるように想像したら簡単に出てきた。

 出てきたそれは、淡いオレンジ色の弾幕だった。

 

「よし。文字通り弾“幕”の場合は、その時に応じていっぱい出せば良いだけだよ」

「適当な……」

「じゃあ次にルールだ。スペルカードの枚数と、被弾回数の上限を決闘前に提示し、その枚数分のスペルカードを使ってしまうか被弾してしまったら負け。逆に相手にそれをさせれば勝ちだ……とりあえず、スペルカードは知ってるかい?」

「はい、一応は」

「今は持ってないだろうからこれを渡すよ。この特殊な紙に自分の考えた弾幕を念じれば、その絵柄が出るはずだ」

 

 数枚受け取った内の一枚を両手で持ち、あとはポケットに仕舞った。白紙のそれを見つめ、原作ゲームでも(悪い意味で)思い出の弾幕を想像した。

 すると、思惑通りカラフルというより最早おもちゃ箱をひっくり返したような絵が浮かび上がった。

 

「ちなみに自分の霊力、妖力、神力などの、力の量に見合った弾幕じゃないとスペルカードにすることさえ出来ないから。そこらへんは注意するように」

「はーい」

 

 そして試し撃ちで、上空で発動することになった。

 

「…体も大分動かし易くなってきたし、これが終わったら練習で弾幕ごっこをやるよ」

「わかりました。では……結界《生と死の境界》」

 

 あさっての方向を向きながら手を前に、手にはカードを持って突き出し、スペル宣言。

 するとどうだろう。多少の脱力感と共に滲み出るように白く光る球が発せられてゆく。

 わたしを中心に、ばら撒くように。

 次いで桃色の蝶が舞い、速い黄色い玉が射出され、遅れて青色の蝶が踊り、最後に仄かに赤い大型の弾幕が襲うようにゆっくりと動いた。

 まさに思い浮かべた通り、カラフルをひっくり返したようなその弾幕は、60秒も経てば自然に弾けた。

 撃ち終えたわたしは鏡映さんの方向へ飛んでいくと何か呟いていた。

 

「……たまげたね…」

「すごい綺麗でしたね!」

 

 自分で言うのもなんだが。もう、なんというか、崩壊させた虹を手で掬って振りまくみたいな。あ、今の表現からスペカ作れそうだな。

 

「よし、じゃあとりあえず弾幕ごっこをやろうか。決闘前、特に被弾回数・スペカ枚数に指定が無ければ共に3回・3枚だよ」

「なるほど。今からそれでやるということですね?」

そげそげ(そうだそうだ)

 

 わたしがちゃんと理解したのを確認して満足げな鏡映さんと離れ、空中で弾幕ごっこをする準備を始めた。

 

「さすがに全部オリスペカなのは無理だから…幾つかパクっちゃおう」

 

 ちなみにパクったのはどこもビッグネームの吸血鬼ちゃんや幽霊さまや宇宙人てるよから。これで勝てたとしてもわたしじゃなくて元が凄いんだって。

 

 弾幕ごっこをやるにあたって(たぶん)相応しい距離を空ける。原作だと目茶苦茶近づいて舐めプする人とか居たけど、実際どうなんだろう。

 

「準備はいーかい?」

「はーい!」

「弱体化してるから、本気で行かせてもらうよ、スタート!」

 

 鏡映さんの号で始まる。ああ、緊張してきた。

 

「そう堅くならなくてもいい。だって、避けないといけないからね。豪符《八つの酒》」

 

 おや、いきなりスペカだ。

 彼女の体から湧き出るようにでた泡のような弾幕は、よく見ると小中サイズの弾が組み合わさってできていた。

 その泡は自機狙いで私の方向へ向かって来た。それがだいたい1秒感覚で連射され続けている。

 避けるのは結構簡単で、一塊りになってくれているから大玉とそう変わらない。

 泡弾幕に加え、2列の大玉弾幕がわたしの行く手を阻むように横切る。まぁでも、組み合わさっても結構簡単だ。

 だが、避けるだけでは弾幕ごっことは言えない。攻撃を、反撃をしないと。

 頭の中で所謂“通常弾幕”を想像する。連射性能が高く、一方で一撃ずつのダメージは少なめに。そして追尾機能もつけよう。

 

 そして出来上がったのは、わが身から放出されたのは霊夢の誘導弾幕の、お札じゃないバージョンみたいなのだ。ただの玉。言ってしまえば芸が無いけど、これでも(べつに)いいと思う。

 

 穿つ弾幕は弾幕の間をすり抜け、いまにも敵に当たろうとしている。だがここはさすがの大妖怪であり神。悠々とした表情でありながらもグレイズしている。そういえば、グレイズって本当の弾幕ごっこでは何の意味があるのだろうか。

 

 と、わたしの通常弾幕と鏡映さんのスペカが拮抗して少し経過した時に、彼女のそれは効力を失った。空中に舞っていた泡や玉ははじけ、光の塵となって空中に消えた。

 

「初めてにしてはやるね」

「ありがとうございます」

 

 お褒めいただいたぞ。

 

 

「揃眼《蛇目開き》」

 

 鏡映さんの宣言と同時に発動した2枚目のスペカは、全体的に白を基調としていた。

 二本の螺旋みたいな弾幕が交差しては広がり、交差していた。そしてランダムに発射される大玉オレンジ。

 …あ、これって鏡餅をイメージしてるのか。

 

───ピチューン!

 

 ここで、わたしの通常弾幕を当てることができた。油断してしまったのか、鏡映さんが少し悔しそうな表情をしていた。ただし可愛い。

 

 ここらで少し追撃するため、わたしはスペルカードを発動した。

 

「《スカーレットディスティニー》」

 

 言った瞬間、何重にも幾重にも重ねられた紅いナイフ弾が飛ばされる。避けるには細かく見極める動体視力が必要だ。

 追撃にはさらに追撃を。ナイフ弾に加えて赤い大玉が固まりとなって敵に襲いかかる。

 さすがに異変の影響もあるのか、鏡映さんは被弾してしまった。

 

「……すごいね。いくら弱体化してるとは言え、うちのスペルを捌ききるなんて」

「いえいえ、そんなことは…」

「さあ、せめて最後の足掻きを視なよ!草剣《八つ裂き薙ぎ払え》」

 

 二回被弾、今のでスペルカード三枚目の鏡映さん。対してわたしは一度もピチュっていないしスペカも二枚残っている。……まさに無駄な抵抗とも思えるが、正面からぶつかり合うのが弾幕ごっこだ。受けて立とう。

 

 決意に応えるようにそれは現れた。周囲には沢山の弾幕弾幕弾幕。大小さまざま色いろいろ。視界は奪われ、先ほどまで見えていたはずの木々など欠片も見えやしない。

 

「………!」

 

 圧倒的な密度に一瞬驚いて目を見開いたが、すぐに落ち着かせる。

 

 そして、動き出す。

 弾幕は、ゆっくりと。

 

 不思議な浮遊感から来る集中力は、ただただ勘に注ぎ込んだ───。

 

 

 45秒経過。風船のように弾けさっていく弾幕に少し見とれた。それと同時に、鏡映さんに勝てたということを実感した。

 

「……ふぅ、よく頑張ったね。疲れたから下で休むよ。…ああ、犯人の場所だけど、たぶんあっちだ」

 

鏡映さんが指した方角は、奇しくも先程彼女が示した方角と同じだった。

 

「あの、それってつまり…」

「そ。さっきまで、うちらが向かおうとしていた洞窟だよ」




曲は風美間無さんの東方風自作曲です。勝手に名前出してます、すいません。
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