【Blaze.Over.Color・紅蓮の巨人は何のために戦う】   作:三号機

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幕間ー4・プロミネンス

少年は手を差し伸ばす。

 

愛するあの人に。

 

少年は仮面をかぶる、愛する兄を装うために

 

だが、少年には欲する愛は永久には与えられず。

 

黒い悲しみの炎を上げ、偽りの仮面をかぶり…煙となって最後は消える…。

 

 

これは少年の呪いと悲しみ、愛されないと必要とされないと

 

のちの戦神と呼ばれる男の記憶。

 

 

『お前はお前なんか!私の子供じゃない!』

 

『すまない!■■…すまない…謝る事しか…できない俺を兄を許してくれ』

 

1人の女性と、もう1人の同じ顔をした少年、二人の愛する人間が現れた瞬間

少年は煙となって消える。

 

「誰か、誰か!!『俺を!』【僕を!】≪自分を!≫見てくれ、「私は!」此処にいる!

ああああああああああああああああああああーーーーーー!!!!!」

 

『それが貴様の望みか…』

 

どこからともなくそう呟きながら、銀色の鉄仮面をかぶった、煙をまとった

4人の仮面の者たちが闇から姿を現し…

 

少年の悪夢は終わり、加速世界にあるデュエル・アバターが誕生した。

 

無制限中立フィールド・プレイヤーホームウォーリアズ・サンクチュアリの最深部

 

大きな石の玉座の上でゆっくりと目を開ける、一人の男。

 

名は≪オイルスモーク・バスターヘッド≫

大英雄の帝国・エンパイア・ヘラクレイオスの最強の支配者にして、9人目の

レベル9に到達した超越者であり、2人目の黒の王

 

ここ東京のある場所にあるプレイヤーホーム、ウォーリアズ・サンクチュアリは

現在突貫で人員を増やした、エンパイア・ヘラクレイオスの拠点である。

 

「うなされ…てたよ…」

呟くような小声で近くにいた、バースト・リンカーがいた。

全身が黒く服もゴスロリの服を着た、

 

「ペンタプリズム・フローライン居たのか、すまん夢見が悪くてな」

 

彼女は彼が黒煙の王である、オイルスモーク・バスターヘッドが引き抜いた者じゃない。

初めから仲間でありそれ以上の関係、実質のナンバー2は指揮能力が高い

オックスブラッド・キッドだが、彼女五角形型角柱のメタルカラーの令嬢の名のバースト・リンカーの彼女二人で

立ち上げたといってもいい、オイルスモーク・バスターヘッドにとって特別な存在なのである。

オイルスモーク・バスターヘッドにとって、彼女は希望であり

戦う原動力であり、道しるべである。

 

速くいうなれば、ブラック・ロータスと、シルバー・クロウ、黒雪姫と有田春雪の関係と

同じなのである。

といっても、彼らとは違い、この二人の絆は違う物であるが…。

 

「ヘッド…無理は…良くない…」

 

「ああ、解っているよペン…それよりペン、キッドを呼べ豊島区でレギオンを旗揚げする!

戦争の最後の準備だ!」

 

腰を上げ、動くと服の裾からゆらゆらと煙と頭からチラチラと黒い炎が出る。

ヘッドはどこからともなく、魔槍を取り出しフローラインの頭をポンポンと撫で、玉座の部屋から出ていく。

 

そこから2時間後、豊島区レギオンクエスト用ダンジョン施設

その施設が紅蓮の炎を吹き上げ、二つの雷柱が立ち

施設から吹き飛ばされるように、飛び出る鉄の巨人

レギオンクエスト用レジェンド級エネミー【タイタニア】、両腕をもがれ、片足が砕かれ

今にも死にそうなときに、その死にかけのエネミーを追撃するように

1つの純白の影が現れ…

 

「白月(ホワイト・ムーン)!!」

その純白の影から取り出した、刀が白い光が放出され

 

「多重月光13連斬(ムーンズ・パラドックス・サーティン)!」

タイタニアの真上に現れたそれは、粒子状の光の剣線13本が

タイタニアをなぞり…

 

そして…

「白月終結(ホワイトムーンエンド)!」

13の光は全て月のような形をした瞬間、穿ち削られ砕かれそして斬られた様な

後を13個、同時に出現し、白い影は地についた瞬間

タイタニアの命はこと切れ倒れる。

 

爆発した施設から、ゆっくり歩いてくる三つの影

 

1つはオイルスモーク・バスターヘッド、もう一つはオックスブラッド・キッド、もう一つはライラック・パニッシャー

 

「すげー切れ味の心意技じゃねーか…」

槍を担ぎながら、先ほどの心意による県の絶技に関心するヘッド

 

「ふん、野獣め…!」

それを見つつ凶剣星動乱を知っている、キッドは悪態をつき

パニッシャーは何も言わない。

 

「いえいえ、お褒め頂いて光栄ですよ…さて、準備はできましたね。

本当に鮮血の暴風雨は現れるのでしょうか?」

 

 

「心配するな、あの女は絶対に出てくる。奴は伊達にプロミネンスを継いだわけじゃない…

俺を倒した奴だからな…」

そう言いながら、キッドはヘッドを見る。

 

「それに奴らは強い、三獣士とサンがいる…何よりレインの強化外装はお前の槍同様破格だ

戦力は揃えたが、勝てないんじゃ話にならない、勝率はいくらだヘッド!?」

 

「ん…あー勝率98%だ、奴らがどう足掻こうが俺たちの勝利は揺るがんよ…。

なぜなら奴らがやる戦術は、解りきっているんだよ…。

お前らは、俺の言うとおりに動ければいい…なーに細かい指示は…

アウトジャンクション組にしか言わん、安心しろジャンクション組は

お前中心に動かすただキッドは【あれ】の準備最優先、リトポンは10名ぐらい若い連中まとめて

ただ突っ込めばいい、レインの超遠距離爆撃は気にするな…

あれは俺がなんとかできる、確実にな。パニッシャーお前は

俺の傍で待機、何があった場合に備えてな…お前さんの≪もう一つの目的的≫に

そっちの方がいいだろう?一応大体こんな感じだ簡単だろ?」

 

ほーぅと小声で感心するパニッシャー

あえて大まかにしかしいわないのかと、はっきり言えば相手は

七大レギオン、レッド・ライダーが亡き以後戦力が大幅に削がれてるとはいえ。

かの遠距離最強のスカーレット・レイン率いる、遠距離の赤の集団だ。

 

この突貫で戦力を集めたエンパイア・ヘラクレイオスは、中小レギオンが寄り集まった

有象無象の烏合の衆だ、そのメンバーで勝てるといいきり

しかも作戦がアバウトながらも大まかで解りやすい。

 

ならばこっちももう2つの依頼の処理もできそうだな…。

ガーディアンは何を考えてるかはわからんが、キッドも、この一戦で

ヘッドの器を図るつもりだ、何しろこの戦いはあの大見得を切ったヘッドの評価を

加速世界に示すものだ。

 

同じ大見得を切ったロータスでさえも、戦力増加と戦闘員のレベル上げで忙しく

しかも俺たちが宣戦布告する前に、イエロー・レディオが画策したとはいえプロミ相手に抗争に入った。

俺たちのようなする戦力と余裕が無いのが、新生ネガ・ネビュラスの現状だ。

それも加速世界の世情も解っているが、我らエンパイア・ヘラクレイオスは違う。

あのバトル終了に割り込み、ブラック・ロータス以上に大々的に大見得を切ったのだ。

裏でCCCと同盟は組んでいるが、この戦いの結果次第ではどうなるかわからん。

 

下手をすると巨大レギオン黄と黒以外のレギオンに、取り囲まれて潰されるかもしれない。

そして忘れてはならないのが、レベル9の制約である、サドンデスバトルルール

領土戦にもそれは採用されるのかどうか、いまだ不明なぜなら各王たちはやらないからだ。

もしキッドの言う通り、レインがこの領土戦に現れ、キッドと戦いどちらかが破られれば

負けた方が、この加速世界から追放、ブレインバーストは強制アンインストールされるのだ。

 

ヘッドがレインに負ければ、烏合の衆のエンパイア・ヘラクレイオスは空中分解。

レインがヘッドに負ければ今度こそ完全にプロミネンスは崩壊する、ころころ頭が変わる場所に

人は集まらないからだ、3度目はないレインが敗れれば完全にプロミネンスの息の根は、止まる。

 

何方もこの領土戦にでればお互い消えるまで戦うしかない…。

 

「面白くなりそうじゃないか…」

 

そう思案し、曇った加速世界の空を眺め微笑する、パニッシャー

 

プロミネンス領土進行まで後数時間を切った。

 

 

 

一方目黒区のプロミネンス領土では荒れに荒れていた

理由は三つ

1つ目は謎のバースト・リンカーで自称レベル9ライナーの

オイルスモーク・バスターヘッドの存在。

 

2つ目戦い去ったとは言え元プロミネンスの相手側についたオックスブラッド・キッドの存在

 

そして3つ目戦力不足

 

1つ目はオイルスモーク・バスターヘッドは加速世界中期、イエロー・レディオが

内密で誕生したデュエル・アバターであり、動かし方やある程度のレクチャーを

レディオに教えられた次の日に東京を出て、ちょくちょく東京に出たが…

大半はレディオのレギオンCCCメンバー位のと、アキハバラBGで戦ったぐらいなのだ

そして後は死地で、エネミー相手にレベル上げをしていたのと

ある理由でだれも今のオイルスモーク・バスターヘッドの事は、覚えていないのだ。

 

速く言えば情報不足

誰も覚えていないのだ、そしてもしオイルスモーク・バスターヘッドが本当に

レベル9ライナーだったら、レインを戦わせてはならない

 

2つ目はプロミネンスの鬼教官で、サンに銃技を教えた師匠であり

今のプロミネンスの中堅の赤のバースト・リンカーたちは、全員彼の師事で

銃がうまくなった者たちだ、それはスカーレット・レインも同様であり、銃撃戦の動き方や

戦術、戦法、ガンテクニック技術すべてを教え込んだ、男…。

 

それが【究極の一撃】【ガンゲイルインフェルノ】と呼ばれた

オックスブラッド・キッドなのだ。

ライダーが人を集め、キッドが彼らを強くしたのだ。

 

故にプロミネンスの戦術は相手に知られているのだ。

 

そして致命的な3つ目の理由、戦力不足

プロミネンス最大戦力である、三獣士・トリプル・レックスのち

2人がリアルで1週間ほど東京を離れるか、今日の領土戦だけ用事で目黒から離れ

領土戦には参加が物理的に不可能になったのだ。

 

これはゆゆしき事態である、相手には頭がいかれた凶剣星がなぜかいるレギオンであり

しかも、鬼教官キッド、CCCに喧嘩を吹っかけてたはずのレギオン、【インパクト・パイレーツ】の

レギオンマスター、レベル7の武闘派ピンキッシュ・アンボニーの顔もいる。

 

そして能力未知数であり…そして七天魔器だと思われる魔槍の強化外装を所持した

オイルスモーク・バスターヘッド、彼が凶剣星、女海賊、鬼教官そして残りの

中小レギオンメンバーを取り込んで従わせたのだ。

 

レベル9ライナーどうかは定かは出ないが、これだけは解るのである。

化け物の凶剣星と同等か或はそれ以上のレベル8クラスは確定事項なのだ。

 

化け物を総べるの同じ化け物なのだから…

 

「なんとしてもこの1週間を乗り切るんだ!」

 

「いいや、奴が出てくると言っているのだ我が王の力で

退場にさせるべきだ!徹底抗戦だ!!」

 

「馬鹿野郎!今度王を失えば完全に俺たちはおしまいなんだぞ!」

 

「ならどうするんだ!あのバトルで、他の奴らも宣戦布告は聞いてるんだぞ!

今更逃げられるか!」

と昨日からずーっとこいう感じで、議論は前に進まないのだ。

 

「お前らまだやってたのか」

そんな議論の仲、渦中のお人のはずのレインが会議室に来たのだ。

 

「結論はもう出ている、私は出るぞ今日の領土戦ということでんじゃ!」

とかるーく言って出ていこうとしたので、メンバーの数人取り押さえる。

 

「マスター、軽すぎんよ!」

 

「エー今のじゃダメ―?サンは少し荒れててダーク経由で参加はできるってくらいしか

というか本人自体連絡できないし、パドには許可もらったし♪

ルークはこめかみに銃弾食らわせて黙らせたし…ホラ反対意見いないでしょう♪」

 

首根っこつかまれてぶりっ子、別名天使モードでそう言い訳するレイン

 

「ちょ、ですが相手にはあの青の王とネガビュの存在矛盾とやり合って

生き残った、凶剣星と二代目ICBMのピンキッシュ・アンボニー

そして、あの人の恐ろしさを知っているでしょう!

強化外装のでかさではあなたと為をはれる、キッド!

そして存在が未知数のあの王、ここは様子見をするのが得策です!」

 

何自分の意見を通そうとしてんだ!ルーク乙!というヤジが飛ぶが、彼女を捕まえている。

 

「んまぁあたしも考えたけど、奴の言う通り一々防衛しながら、徹底抗戦は

さすがにメンドイ…それにあの大馬鹿野郎たちに、手間取ってると

馬鹿に触発されて他の馬鹿が来るかもしれん。

例えば、元祖・黒の王とかな…」

 

その言葉を聞き、全員の空気が重くなる。

此処にいるメンバー数十人は、前プロミネンスメンバーも少なくない。

そして、今のプロミネンスにとって、ブラック・ロータスの名は禁句に近いのだ。

 

スカーレット・レインを含めた、新参者かレッド・ライダーにそんなに忠誠を

誓ってなかったもの以外は…

 

「それもあってだ、参加する…それに…策が無いわけじゃない…

助っ人をよんできた、入ってこい!グレイ・スパイダー!」

 

「ようやくでござるか…」

その言葉ともに、上から全身鈍色で金色のポニーテールをし背中に刀を背負った

デュエルアバターが飛び降りてくる。

 

「な!おまえいつから!?」

 

「貴様!?」

いきなり現れた見慣れない第三者にスカーレット・レイン以外は武器を抜き

第三者に向ける。

 

「止めろ止めろ!こいつは、助っ人その一だ。

こう見えても古残のバースト・リンカーだ、能力はダークブルーを

もっとピーキーにしたやつでな、パドの紹介だなぁ安心できるだろ?」

 

「グレイ・スパイダー、得意は隠密とゲリラ戦…プレイ歴は3年でござる。

一応加速世界では弱小レギオン専門で用心棒、まぁ傭兵をしていたでござる。

ある理由で知り合った、パド殿筋で今回初めて、巨大レギオンに雇われたでござる…

早々レベル7でござる、戦力の足しにはなるでござろう」

何この侍ロール?いや忍者ロール?だが、彼?彼女?

とメンバー全員頭の上に?がつくが、その佇まいを見るに

なかなかの手練れとうかがい知れる。

 

「そしてもう一人、こいつはお前らが知っている人物だ…入ってこい」

入ってきた人物を見たメンバーは、騒然とする。

 

そして謎の助っ人2人を入れたプロミネンス

舞台は領土戦へと移る

 

 

次回、不動要塞VS神に続く




なんか最後の途中で抜けてたっていうww

なので再投稿!すいませんでした!

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