【Blaze.Over.Color・紅蓮の巨人は何のために戦う】   作:三号機

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第4話・ブレイブ・オブ・バード-銀色の鴉との邂逅・後編

梅郷中仮想空間・黄昏ステージ

 

校内屋上にて…

 

 

銀色の流閃の光と…炎の火鉢が舞あがっている。

 

銀色の流閃の正体はデュエル・アバター名

シルバー・クロウ、今現在突如学校に現れた…

 

最近話題中の話題のデュエル・アバターにして

学校のローカルネットに出て来た

新たなデュエル・アバター、ブレイズ・パイロットと戦っていた。

 

 

両者、自分のアビリティーの力によって縦横無尽の

機動力でぶつかり合っている。

片や、連続ジャンプorホバー機能アビリティー、片や、飛行アビリティー

 

ブレイズ・パイロットは少々焦っていた。

 

 

何故なら学校のローカルネットのチェックをする

という事をノブから教えて貰っていなかったのだ

 

 

事の発端は少々時間をさかのぼる。

 

「た、田所龍馬でです!よろしくお、お願いします!」

 

今日は転校初日今現在緊張で死にそうだ。

しかも噛み噛みとか我ながら情けない

先ず教室に入って思ったことは、怖い人とかいないよね?とかである

苛めは小学五年のあの時いらい受けてない

 

前の中学では怖い不良さんに何故か敬語で喋ってくるだけで

比較的平和だった。

その反動で、普通の人はノブ以外誰も近づかなかったが…

 

 

何でもノブ曰く、考えてる時の表情の僕は

かなり迫力が有るとか…

 

言うなれば僕は怖いのか…

 

あーやばいやばい、緊張がマッハで吐き気が…

対戦や空手の時は気持ちのオンオフができたから、支障がないけど

 

 

どうしようと目を泳がせるが、あれ?皆目を合わしてくれない。

 

 

ハハハ、これは駄目かも…ノブ

 

 

 

 

 

 

【第四話・ブレイブ・オブ・バート―銀色の鴉との邂逅―後編】

 

昼休みの屋上で、険しい顔で向き合った二人の少年が居た。

 

一人はメガネをした優男、黛拓武と太った背の低い男名前は有田春雪だ。

二人ともバースト・リンカーの加速機能を使える、異端の人間で

たった3人の黒のレギオン、『ネガ・ネビュラス』のメンバーである。

タクムが、青系統の中距離接近型のデュエル・アバターの

シアン・パイルを使い、ハルユキがシルバー・クロウなのである。

 

 

昼休みに、黛タクムが偶々ブレイン・バーストで、デュエル・アバターの

マッチリングリストを検索した所

 

「この名前って、最近ハルが御手本にしている。

噂のバースト・リンカーだよね?」

加速中でフルダイブ用のアバターを使っている

自分の顔に、体はブリキの兵隊のようなキャラメイクをしたタクムの

アバターは目の前の、ピンク色のブタ型アバターのハルユキに聞く。

 

「うん、CCCの領土で五十人抜きをした、武道派バースト・リンカーだよ。

アッシュさんと一緒に、接近戦は御手本にする位、接近戦はかなり強いよ!」

 

自分のデビュー戦相手で永遠のライバルの、アッシュ・ローラーを

ノーダメージで倒した対戦を偶々見てたので、意識するようになった。

 

 

「僕も日曜日の…CCCでの対戦は、数回見てたけど

特殊系赤で、物理が弱点にも拘らず接近戦で全戦全勝

そう言うピーキーなデュエル・アバターが強いのは…

リアル側では、相当何かをやっている証拠…

本人は気づいてたかはしらないけど…」

 

一回間を開け、タクムはこう言った。

 

 

「知ってたかい?ハル、彼二十五戦目辺りから黄逹に粘着されていたらしいんだ

結果は日曜日には、50連勝にまで行った。

返り討ちにあったそうだよ…

それも凄いんだが、僕はブレイズという色に引っかかりを

感じるんだよね」

 

「え、何で色に引っかかてるのタク?」

 

「いや、この話題はマスターに直接聞いた方が良い。

彼女の方が、僕の何倍も加速世界の年長者だ。

恐らく『色被り』も、考察してくれる」

 

メガネを太陽の光で反射させ…そう意味深な事を言っている、タクム

加速中彼らの会話の時同じくして…

 

 

 

ノブ僕は、もうダメかもしれない。

 

ルールーと、泣いてないけど心で泣きながら、三角座りでそう言いながら

母の手作り弁当を屋上の端っこで食している、龍。

 

「誰も目を会わしてくれないとか、もう絶望的じゃないか。

あ、このエビフライ美味しい」

 

誰も目を、会わしてくれないのには理由がある。

 

彼は緊張すると、目力が上がり、考えこむと表情が険しくなるのも

相まってとてつもなく、怖く見えるのだ。

 

その迫力は歴戦の不良ですら、たじろぐほどだ。

 

因みに、本人には目力の事は自覚なしである。

 

ハッハハ、このままズルズル友達ができなかったら

僕どうすればいい…?

 

落ち込みまくって、もう周りを気にせず

完全自閉モードになっている龍。

 

そんな中チョンチョンと、肩を叩かれる。

 

「あ、あの…?」

 

それに気づいた龍は振り向くと

 

 

「あ…デュエル・アバター…?」

 

銀色のフルフェイスの、デュエル・アバターが居たのだ。

 

「あ…あれ?何時の間に…対戦モードに…?

と言うより、ローカルネットでブレイン・バーストって

出来たんだー」

 

超自閉モードに成っていたので、ブレイン・バーストで

対戦を吹っ掛けられたのに、気付いていなかった。

 

自分も、ブレイズ・パイロットになっている。

 

 

「すいません、すいません!!ぼく初心者なんで

学校のローカルネットでも、出来るなんて自分の親に聞いてなくて

この学校、何処かのレギオンの勢力圏でしょうか?

最初挨拶したほうが、良かったですよね?

本当にすいません、今日転校初日で其処まで頭が回らなくて!」

 

我に帰った、ブレイズ・パイロット事、龍は立ち上がり

銀色のデュエル・アバター、シルバー・クロウに

ペコペコと頭を下げまくる。

 

その腰の低さ、サラリーマンのお父さん如し

 

 

 

彼はデビューしてから今日まで、人気が上がり続けている。

理由は丁寧な紳士さと、腰の低さ、そこから予想できない強さだ。

 

「え、えーと、あのお、落ち着いてください…」

予想だにしていない、ブレイズ・パイロットのリアクションに

半ば動揺するシルバー・クロウ

 

彼の正体を探るのと、前々から興味が有った

シルバー・クロウ事ハルは、彼にローカルネット内の学校で

対戦を吹っ掛けたのだ。

と言っても、シルバー・クロウはこう見えても

彼のファンの一人でもあるので、戦った事がないが

彼の人成りを知っている。

 

腰は低く、礼儀正しい、正々堂々正面から戦う騎士道精神

それに彼は初心者だと言う事も今、解ったのだ。

 

タクからは、気をつけるようにと言われているし…

その肝心なタクは、シアン・パイルと成って後ろで、観戦しているので

今の出来事にも目を通している。

 

だが、驚く事が其処では無い。

 

対戦を吹っ掛けて対戦フィールドに入ったのはいいが、彼の出現ポイントが問題だ。

 

彼が出て来たのは、真後ろ…三角座りで暗いオーラーを出して…

落ち込んでいたのだ。

ブレイン・バーストの対戦を、吹っ掛けられているのにも

気づかず。

 

二人ともこれなら…彼のリアルが直ぐに解るなと

思っていたが、彼の言葉でピーンと来たハル

瞬間、何故か震え始める。

 

 

「て…転校?」

 

「え、ハイ…今日から1年に転校してきたんですが

恥ずかしい話、僕ビビりで人見知りな上に緊張しーで

それと図体だけがでかくてその所為か誰も話しかけてこない上に

目をも合わしてくれない悲劇!!」

 

今度はOTLの状態で、絶望するブレイズ・パイロット事龍

おー!と泣きだす始末。

 

そして、彼の証言で彼のリアルが誰だが検討がついてしまった

シルバー・クロウ事ハル

 

「え、えーともしかしていやもしかしなくとも…

うちのクラスに転入してきた、田所龍馬くん?」

 

恐る恐る、名前を言いだすハル。

 

「あーやっぱり解ります?親には余りリアルは隠せて

言われていたんですがねー」

 

ええええええーー!!っと心で絶叫するハルユキ。

 

「え、身長かなり有ったのに…デュエル・アバターの背って」

 

いや、人の事は言えないが…

デュエル・アバターはトラウマや、自分が嫌な物が具現化した存在だ

言うなれば、自分の負を移す鏡だ。

 

身長がリアルより伸びたり、縮んだりするのはざらであるので

珍しい事ではない。

 

「リアルでは、2メータちょい在るんですけど、このブレイズ・パイロット

150あるかないか、何ですよね…」

 

 

「あ、そう言えば…あのブレイズ・パイロットさん?」

 

「長いんでパイで良いですよ、えーとシルバー・クロウさん

何でしょうか?」

 

パイは、対戦相手の名前を読み取り

 

「パイさんは何処かのレギオンに所属しているんですか?」

 

「えーといや、ちょっと分け合って人を探してるんですよ

それを確かめる為にレギオンは断らせて貰っているんですよ」

 

 

「人探し?確かめるって何を?」

 

「『黒カラー』のデュエル・アバターの人に聞かなきゃいけない事が

有るんです。多分、僕がやらきゃ行けない事にも繋がるから!」

 

黒カラーのデュエル・アバター!?

 

「ごめんだけど差し支えなければ、その人に何を聞くのか教えて貰えないかな?」

 

それを聞いたパイは少し考えて、口を開く。

 

「僕の親が2年前にブレイン・バーストで何が有ったのかを

僕は知らないと、行けないんです!」

 

「親って…ブレイン・バーストの親…?」

 

「はい、僕はその親に頼まれて、ブレイン・バーストを始めたんです!」

 

ランはレギオンは『目黒区でブラックカラーの

デュエル・アバターの人がやっているレギオンを探して入れて貰いな

戦力不足だから赤系のお前は歓迎されるぜ』

とは言っていたが、僕は違う真意がある。

 

恐らく、彼が世話に成った黒の姐さんとは

そのブラックカラーのデュエル・アバターで女性で合っている筈だ。

しかもランより上のレベルを持った化け物だ。

これも推測だが、かなり有名なのは解っているのだが…

ランの親ばれの件と、バトル優先で余り調べれなかったのだ。

 

彼は何故僕を選んで、この世界を送りこんだのか。

 

どうして彼はああ言ったのだろうか。

 

それを知るために今レギオンに、入る気は無い。

 

「その親は!リアルでは僕の大事な恩人なんです!

親に何かあったのか、どうして僕なのかそれを知るために…

彼のルーツを知っている人に、会わなきゃいけないんです!」

 

「…君の親の名前なに?」

少し間を置いたシルバー・クロウ、ブレイズ・パイロットの

思いを聞いたクロウは静かにそう聞く。

 

「ヴィジリアン・ランナー、昔在ったって言う名前は知らないんですが

黒のレギオンと言う所の元幹部だったらしいんです」

 

はい?っとそれを聞いたシルバー・クロウは、ちょっと待ってと言って

後ろのシアン・パイルの方に行き。

今までの事を話し、ヴィジリアン・ランナーの名前を聞く。

 

 

「ヴィジリアン・ランナー…ふむ聞いた事があるね。

結構マニアックな名前だね。嘘は言っていないみたいだよ。

確かに旧・ネガ・ネビュラスの幹部エレメンツの一人で

『樹』のエレメントの称号をもち他にも個人でも、『殺し屋』『強化外装マニア』等の

数多くの異名を持った、上位バースト・リンカーだね?

ちょうど、マスターが消えた時期と同時期に消えている。

十中八九、ブラックカラーてのはマスター事、ブラック・ロータスだろうから

うーんこの件は僕らがどう言える件じゃないね。

マスターの判断を聞かなくちゃ」

 

「これって…」

 

「多分だけど彼が知りたがっているのは

恐らく、旧・ネガ・ネビュラスがどうして解散したかって言う

理由にも繋がっているのだろうね」

 

「………解ったよ、この事は先輩に聞くという事で保留だけど…

彼の事ブレイズ・パイロットの事、もう少し知ろうと思う」

 

 

何か思ったシルバー・クロウは、少し考え込み

シアン・パイルにその用に言いながら背を向ける

 

 

「戦ってみるよ…彼と」

 

そして最後にそうボソリと呟いて行った。

 

「パイさん!俺は黒のカラーのデュエル・アバターを

知っているけど、俺はまだ貴方を信用できない!

だから、俺と戦って下さい!」

 

シルバー・クロウはパイに向かって、その事を告げ

ファイティングポーズを取る。

 

 

「勝てば…黒のカラーのデュエル・アバターに合わします!

負けたら僕達のレギオン、ネガ・ネビュラスに入ってください!」

 

大声で続けてブレイズ・パイロットにそれを宣言する、シルバー・クロウ

ブフっと、それを聞き吹いてしまったシアン・パイル。

 

そして、それを聞き無言となり雰囲気がガラリと変わる

ブレイズ・パイロット

 

その時彼の周囲から闘気のような、プレッシャーを感じたシアン・パイルと

シルバー・クロウ。

 

「なんて、プレッシャー何だ!本当に初心者か!?」

 

シルバー・クロウと対峙するブレイズ・パイロットから発せられる

闘気を感じそう評し、息をのむシアン・パイル。

 

「いいでしょう、時間もなんだかんだ言って半分切りましたし

その条件飲みましょう」

 

ブレイズ・パイロット…パイは左手を拳状にし前に出し、

右手も拳状にし腰に当て構えを取る。

 

「よろしくお願いします!」

 

「行くぞ!ブレイズ・パイロット!」

 

銀色と炎色は構えを取り睨みあい

 

同時に動く!

 

スピードは同じ、互角である。

 

先に仕掛けたのはシルバー・クロウだ。

右回し蹴りを、パイに叩きこむクロウ

 

それを冷静に見切り素早く一歩後ろに下がるが…

 

既に次の攻撃態勢に入っている、クロウ

今度は両手から来る拳打のラッシュ

 

スピード型のラッシュ攻撃は通常のデュエル・アバターの

攻撃より速いが、全て見切り回避するパイ。

 

彼が何故50戦不敗と言う、偉業成し遂げたのかは理由がある。

 

見切りと回避、追い込まれた時の対応力と洞察力この4つが

非常に高いのだ。

 

どんな攻撃をも見切り、回避し

もし攻撃が当たりピンチ成っても焦らず、相手を観察し

勝利の布石を打ち勝つ。

それが、そのシンプルな戦い方がブレイズ・パイロットの

勝利の方程式だ。

 

驕らず想い上がらず、自分を過小も過大評価をもする事の無い男

故の戦術だ。

 

故にルーキーにして強いのだ。

 

それを理解している、クロウ。

そしてファン故に彼の弱点に気付いた、クロウは

ラッシュ攻撃をし続け…

右手ストレートを叩きこむ。

 

 

パイはシルバー・クロウの、右手ストレートを回避するため

左に避けるが…何と左から既に

左ローキックが襲いかかって来ていたのだ!

 

「なぁ!?」

 

驚くブレイズ・パイロット

シルバー・クロウは右手を寸止めし、無理やり収め

左に回避している、ブレイズ・パイロットに

ローキックを叩きこんだのだ。

 

彼の弱点それは反射神経が、自分と同じくらい良すぎるのだ。

 

彼の回避を破る方法とは、先ず連続で攻撃し

その内の一つを囮にし、それに反応したブレイズ・パイロットが

避けている方向に、本命を叩きこむ事だ。

 

ただし、ブレイズ・パイロットも素早く小柄な為

小回りが利くので

 

この戦法をつかえるのは、彼を越える反射神経を持った

シルバー・クロウ位であろう。

 

ドコン!という鈍い音を立て右に飛んでいくパイ

 

転びながら無理やり態勢を取り戻すブレイズ・パイロット

 

HPゲージを見ると、あり得ない程の量でHPが削られて行く。

 

たった一発でHPは半分前だ。

 

「ウグ!やっぱりこの体は脆いね!けど、次はこっちから行くよ!」

 

ブレイズ・パイロット、パイはそう宣言し空手の時はしない

ステップを踏む。

 

クロウは警戒する…その時、ボンと言う音がした時

ブレイズ・パイロットが消える。

 

「くっ!」

それを見たクロウは、両手を×状にしガードする。

 

ガード態勢と同時に目の前にパイが出現…

宙返りするかのように、下からクロスガードを蹴りで解除され

 

地面に着いた瞬間、一気に懐より上彼の顔面に接近し

短い両手で彼の後頭部を掴み。

 

「オリジナル必殺技…クライシス・キャノン!」

飛びあがる瞬間に合わせた、両足裏のバーニアーを同時点火させ

 

クロウの顔面に相乗効果で殺人的に加速or威力が上がった

両膝蹴りが、シルバー・クロウの顔面に叩きこまれ

 

黄緑のフルフェイスが砕け、そのまま後方に右横回転をし吹き飛ぶ。

 

 

「あれは!昔懐かしのペーパー漫画!金剛番長のキャラクター

マシン番長の必殺技!技のチョイスが渋い!渋すぎる!!」

と頼まれても居ないのに何故か解説する、シアン・パイル

 

シルバー・クロウも、顔面の痛みに悶えながら…何故知っていると

心の中でツッコミをいれる。

 

今のはさっきの一撃一気に溜まった、

必殺技ゲージからのブレイズ・パイロットの

アビリティーの力だ!連続ジャンプを瞬間加速にし

それを連続でやり、更に攻撃に転用したのだ!

 

「ガハ!ガハ!!」

 

苦しみ、血を吐きたくとも吐けないが

今の一撃で、戦意を一気に削られそうになったのを

彼の親の顔を思い出し無理やり立ち上がる。

 

HPはブレイズ・パイロットよりは減って無いけど…

 

 

精神的なダメージが大きい!

 

あの顔面に叩きこまれた攻撃、確実に心を折りに来た攻撃だ。

彼の50戦でも、彼の血も涙も無い攻撃で、対戦途中で心が折れ泣きながら

止めてくれと言いだす、バースト・リンカーも2、3人いた程だ。

 

 

グッと!再び構えを取るパイ!

 

割れたフルフェイス越しで歯を食いしばり…

目を見開くクロウ否有田春雪!

 

 

その時、再びパイが消える!

 

来た!ヒート・ジャンプ!

さっきの二回のヒート・ジャンプは見切れなかったが!

 

今は

 

「見えているぞ!ブレイズ・パイロット!!」

 

二歩さがり、目の前に踵落としでカウンターを取る

シルバー・クロウ

 

「はああああ!」

 

目の前の瞬間加速している、ブレイズ・パイロットの右肩右肘から

炎が噴出され、シルバー・クロウの踵落としを紙一重で避ける!

 

ボディー・バーニアで無理やり軌道を変え、避けたのだ!

 

「隙だらけだ!」

 

ブレイズ・パイロット、パイの肘から炎が噴射される

パイの通常攻撃ブースト・パンチが、シルバー・クロウ、クロウを狙うが

 

 

「まだまだ!!」

此方も無理やり足を戻し、後ろに後退する形でブースト・パンチを

肘でガード、続けてヒート・ジャンプからの高速回転蹴りを

撃つも、さらに後退で回避。

 

そこから、パイの初戦アッシュ・ローラーの心を折った

ブースト・パンチのラッシュが、シルバー・クロウに襲いかかるが

 

その拳撃の嵐を、両手でガードをしながら撃ち落としていき

反撃をするクロウ。

 

高速拳撃を、高速防御を返し返し交互にやって行く攻防戦。

 

この攻防戦、一瞬でも集中力を欠くか

相手の反射神経を下回った瞬間、一瞬で終わってしまう。

 

お互い綱渡りの連続でしかも高速で延々と続く

 

ガードをし反撃をする、クロウ。

クロウは色ではなく、メタルチャートのシルバーに入る

デュエル・アバターだが、物理が弱いのにどうしてここまで持つのか。

 

それは、直撃をせず芯に当たる前に受け流しているのだ。

 

それを証拠に当たると同時に、受け流す過程で発生している

火鉢が見えるのだ。

 

 

そして此処で、シルバー・クロウが動く

 

「はぁああ!」

 

回し蹴りで、あえてブレイズ・パイロットと距離を取った

シルバー・クロウ…

 

 

「はああああああああああああ!」

 

叫ぶシルバー・クロウ、その瞬間ブレイズ・パイロット、龍の目を疑う

光景を目にする!

 

 

「何だ…あれは…」

シルバー・クロウの背中から、銀色の金属片飛び散って行く

その金属片は高速でかつ途轍もない量で、飛び散り

 

在る物を形成していく…。

 

 

「つ…ば…さ…?翼なのか?」

形成された、シルバー・クロウの翼に目を疑ったパイ

瞬間、シルバー・クロウの周りに風が吹き上がる。

 

 

その時バサッと、両翼をはためかせ宙に飛ぶクロウ。

 

さっきの攻防、必殺技ゲージを溜める為にあえて取った行動だ。

 

そして…シルバー・クロウの唯一にして最大の切り札。

 

加速世界を揺るがし…ブラック・ロータスが

希望を見出した、加速世界たった一つのアビリティー

 

【飛行アビリティー】が発動したのだ。

 

「あ、そうだ!来い!フレアガン!!」

 

左手に出現する、彼の小銃型の強化外装フレアガンをもち

 

臆する事も無くドンと超加速とハイジャンプをし、空中に居る

クロウに攻撃をするパイ

 

 

「遅い!」

翼を広げた、クロウは一瞬でパイの背後に回り

蹴りを叩きこむ…

 

「ちぃ!速い!」

ボディー・バーニアで、片方だけ噴射させ

一瞬で振り向き蹴りをガードをし、屋上の地面に叩きつけられる!

 

 

「ガアアアアアアアアアアアアア!!」

背中に襲いかかる激痛に、悲鳴を上げるパイ。

 

よろよろと立ち上がる、パイHPは今ので半分を切る。

 

 

此処までパイをデビュー戦以来、追い込まれたのは数少ない。

 

そして、ここまで攻撃を当てたのは…シルバー・クロウが始めてだ!

 

 

 

 

不味い、まだ時間はあるが…このままじゃ体力差で押し切られる!

飛んでいる為から、避けられる!

 

攻撃が極限に当たり難くなった!

 

どうする、このままじゃ確実に負ける!

 

考えるんだ!勝つための布石を!

 

!…そうだある!一発逆転の技が!

 

 

多分だが、奴の弱点は僕と同じ物理なら!

これを当てれば、勝てる!

 

「後は、確実に当てる場を用意する!」

 

再び闘志を燃やす、ブレイズ・パイロット

再度、ヒート・ジャンプをしシルバー・クロウに突撃をかける

ブレイズ・パイロット!

 

彼が取る作戦は唯一つ

 

飛行アビリティーを使うなら、使い続けさせる作戦を取ったのだ。

 

飛行アビリティー

シルバー・クロウが加速世界唯一使える力だ。

空中で完全静止し、空中からの急降下からの攻撃は

かなりのスピードが出る唯一無二のスピード特化型のアビリティー

 

 

ヒート・ジャンプ

ホバー機能や連続でのハイジャンプ、そしてハイジャンプを応用した

イグニッションブーストと、多種多様でかつ汎用性があり

同種系統のアビリティー、ボディー・バーニアを併用する事により

微弱な軌道修正が可能な為飛行アビリティー程ではないし

あまり、強力なアビリティーではないが使い方次第では

 

飛行アビリティーと対等に渡り合える、アビリティーだ

 

 

 

再度、ヒート・ジャンプで突撃をし

クロウも飛行アビリティーで、低空飛行で加速しながら

突撃をする。

 

 

シルバー・クロウが、飛行アビリティーのスピードで

一気に後ろに回りこむがボディー・バーニアで

一気に振り返り、フレアガンで至近距離で片手で発砲する!

 

 

「くっ!!」

発砲するが、3発ハズレ…残りの2発はクロウが地面を足で叩きつけ

一気に上空に回避したので、全弾外れる。

 

もし、パイが銃を使うのが得意なら今ので即死だったが…

銃撃戦下手ッピのパイに救われたクロウだが、こうなった以上

うかつに近づけなくなった。

 

クロウの弱点は、打撃ほかに…銃撃は打撃以上に弱点なのだ。

これで泣かされた数は多いクロウは、あの銃は脅威中の脅威だ!

 

「だけど、近づかないと勝てない!!」

再び歯を食いしばって、パイに飛行しながら接近するクロウ

パイは再チャージを終えたフレアガンが再び火を吹く!

 

「そんな、下手くそな持ち方で俺に当てられると思うなよ!」

 

下手くそな銃弾を回避しながら、空中からの格闘戦を強いるクロウ

それを序盤の様に見切り、ヒート・ジャンプで回避し…フレアガンで交戦するも

一発も当たらないと言っても、パイはフレアガンのフレアバレットを

当てる気はないのだ

 

 

「いまだ!ヒート・ジャンプフルブースト!!

いっけぇーーー!!」

 

行き成りだった、パイが空中高く飛んで行くのだ!

 

それをみた、シルバー・クロウはこっちも追撃に出ようと

思った時、ふと必殺ゲージを見た瞬間驚愕する

 

「なっ!不味い!!?」

なんと、シルバー・クロウの必殺技ゲージが残り

わずかだったのだ。

 

それもその筈、今まで発動して使い続けた

それに余りゲージを溜めて無かったので、必殺技ゲージを

消費しきりそうなのである。

 

が、ここで一つの疑問が有るのだ。

ブレイズ・パイロットの、必殺技ゲージだ。

なんと、ブレイズ・パイロット、パイのゲージは

先ほどのヒート・ジャンプフルブーストを

使ったが、三本立っているのだ。

 

何故だ!?彼もかなりのヒート・ジャンプを

使い込んでいた筈だ。

 

と、ある事に思い出すクロウ。

あの下手くそな銃撃だ、あれが此方を狙う物じゃなく…

 

オブジェクトを狙った物だったならと辺りを見回す。

 

屋上にあったオブジェクトは、何発か外していた後も有ったが

殆ど撃ち抜かれていたのだ。

 

全ては空中アビリティーを使いきらし、最高のタイミングで

 

「必殺技を使う為かブレイズ・パイロット!?」

 

と、ここまでの推測とパイの真意を数秒で推測したクロウ。

だが時は遅し!

 

 

「はああああああ!バァアアアアニング・キィィィイック!!」

 

ヒート・ジャンプフルブーストの力によって、高高度にまで上がったパイ

全身のスラスターバーニアから火を噴き上げ、全身を覆い

蹴りの姿勢で火の玉状態で、クロウ目掛けて空中落下する!

 

そう悠長な事を考える時間は無い!

判断を迫られた、クロウ。

 

「僕に力を貸して下さい、先輩!!」

必殺技ゲージは残りわずかこれを切らせば、勝機は無いなら

 

やる事は唯一つ!迎撃して返り討ちにする!

 

シルバー・クロウあ、残る全ての力を翼に込めて

飛びあがり此方も蹴りの姿勢で、上昇しながら

パイに目掛けて飛行する!

 

 

そして、二つのキックがぶつかり合う

 

「うおおおおおおおおおおおおおーー!!」「はあああああああああああああーー!!」

 

ガガガガガと音を立て、そして二人は吠えながら乾坤一擲の攻撃をぶつけ合う。

もう既に、彼らの頭には最初の戦う理由は消えている。

 

彼らの頭を支配しているのは、ただ単純にして明快な物

 

奴を倒して勝つ事だ。

 

 

そうこのたった一つのシンプルな考えだけだ。

 

 

そして瞬間…ぶつかり合っているお互いの足が光を放ち。

両方を巻き込んだ、大爆発を生んだ。

 

「クロウ!!」

 

と、今まで息をのむバトルの攻防を観戦していた

シアン・パイルが声を上げた同時に…

 

 

【DRAW】と

炎のフォント文字と音声が対戦フィールドに流れた。

 

 

「なっ!?」

驚いた、シアン・パイルはゲージを見ると

何と両方のライフが、ゼロに成っていたのだ。

 

恐らくさっきのぶつかり合いと、その衝撃で起った爆発で

ブレイズ・パイロットとシルバー・クロウの

両方のHPを同時に0にしたのだろう。

 

そこから、遅れて二つの物体が空中から落ちて来たのを見た、シアン・パイルは

 

「やれやれ、まさかマスターが居ない時に…

大変なものが転がってきたね」

 

そう言いながら、クロウとパイに近づいて行く。

 

 

こうして、今だ生まれていない炎の巨人と、銀色の鴉の邂逅は

引き分けと言う形で幕を閉じた。

 

 

彼らの出会いと、黒のレギオンが彼に出会った事により

【太陽の炎の名を持つレギオン】が動くとも知らずに…。

 

 

 

次回【VS・SECOND・BLACK・SWORD―激突、二代目・黒の剣士―】

に続く

 

 




お待たせしました、第五話VSクロウ編です
10409文字あるそうで、途中長くて切りそうでしたが
gdgdになりそうだったので、クロウ戦丸々一本入れました。

次回も頑張って投稿しますでは感想待ってますノシ

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