魔法先生ネギま! 子供先生と機械兵士   作:残月

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活動報告にも書きましたがスマホのトラブルで更新が遅れました。


麻帆良での日々⑦

 

 

本日もヴァルゼルドは学園内の警備をしていた。それと言うのも今は春休みで学生達も普段より遊んだり部活をしたりとトラブルが多いのだ。

そしてヴァルゼルドは学園内を歩くチビッ子を見つけた。

 

 

『おや、ネギ殿、鳴滝姉妹殿』

「あ、ヴァルゼルド」

「わーい、ヴァルゼルドだー!」

「ヴァルゼルドですー!」

 

 

ヴァルゼルドを見つけるや否や鳴滝姉妹はヴァルゼルドに駆け寄る。ネギも駆け寄りはしなかったが嬉しそうにしていた。

 

 

『皆さん、揃って何をしていたのでありますか?』

「あ、うん。ネギせんせーに学園内案内してたの!」

 

 

ヴァルゼルドが三人に訪ねると鳴滝姉妹の姉の風香が答えた。

ネギが教師として正式採用されてから数日。本日は春休みの最中と、言う事もあり明日菜と木乃香はネギの学園内の案内をしていた。しかしアッサリと迷子になってしまいネギは一人で学園内をウロウロとしていた。

そこで明日菜はネギを迷子の呼び出しで展望台に呼び出した。合流したネギと明日菜達だが明日菜と木乃香は用事ができてしまいネギの案内が出来なくなってしまう。

そこに偶々、散歩をしていた鳴滝姉妹がネギの学園案内を引き継いだのだ。その後、様々な部活や活動を見学して回り、

そして今に至るとの事。

 

 

『それは素晴らしい事であります。物事は自身の目で確かめてこそ益に繋がると……どうしたでありますか?』

「あ……あう、その……」

 

 

話の最中でネギが顔を真っ赤にしていたのだ。熱でもあるのかと心配したヴァルゼルドだが、それは杞憂に終わる。

なんと鳴滝姉妹はネギに女子バスケ部、新体操部の更衣室、水泳部、チアリーダー部等の年頃の子供には刺激の強い場所をチョイスして案内をしていたのだ。

ネギは話の流れでそれを思い出して顔を真っ赤にしていた。

 

 

「にひひ……ネギせんせーもオトコノコだよね」

「もー、お姉ちゃん」

 

 

鳴滝姉妹はイタズラ大成功と言った表情でネギを見ており、ヴァルゼルドは出ない筈の溜め息を吐きたくなった。

 

 

『ネギ殿をからかうのも、そこまでにしておくでありますよ』

「えー、だってー」

「お姉ちゃん、ヴァルゼルドにも止められてるし止めようよ~」

 

 

コツンと痛くない拳骨を落として叱るヴァルゼルド。他の学生にもよく使う手段だった。

鳴滝姉妹を嗜めつつヴァルゼルド達は喫茶店へ足を踏み入れる。ネギの奢りでパフェやらプリンを食べて双子はご満悦だった。

因みにヴァルゼルドは店の外で日光浴と言う名の充電を行っていた。

そしてオヤツを食べた後は鳴滝姉妹はネギとヴァルゼルドを裏山へと案内した。

学園近くの裏山には巨大な樹木が立っている。通称は『世界樹』と呼ばれているらしく『片想いの人に告白すると思いが叶う』と言った伝説まで存在するらしい。

一行は世界樹に登りながら鳴滝姉妹の話に聞き入っていた。子供染みてるとは言ってもやはり女の子なのか恋に興味がある模様。

それを聞いたネギは気になる人を頭に思い描いているのか顔が百面相の様にコロコロと変わっていた。

 

 

『想い人……でありますか』

 

 

ヴァルゼルドはネギ達を眺めながら昔を思い出していた。

ヴァルゼルド自身には想い人は居なかったが『教官殿』には、そんな相手が居たのだろう。『教官殿』と話した中で様々な名前も多々上がっていたので、その内の誰かなのだろうとヴァルゼルドは夕焼けになっている空を見ながら想いを馳せていた。

因みにヴァルゼルドが思考の海に沈んでいた際に鳴滝姉妹はネギの頬にキスを落としていた。それを見逃してしまったヴァルゼルドは帰路に着いたネギが終始顔を赤らめていた事に首を傾げるのだった。


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