機動要塞デストロイヤー討伐から数日後、私達は冒険者ギルドにいました。
今、ギルドの中は異様な熱気に包まれ、誰もが期待の篭った眼差しをギルドの職員に向けています。
まあ、それもしょうがないでしょう。なにせ、今日はデストロイヤー討伐の報酬の支払日となっています。デストロイヤーは数々の国を荒らしまわった天災級のモンスター……かなりの人数が討伐に参加していますが、それでも多額の報酬を望めるでしょう。
渡されるであろう、報酬を想像して興奮してきましたよ。
そういえば、カズマは何処に居るのでしょう?冒険者が集まっている中にはいないのですが……あ。少し離れた場所でダクネスと何か話しているみたいですね。
何を話しているのか気になるので彼らの元に行って見ましょう。
「そういやお前、今回に限ってはかっこよかったよな」
「そ、そうか……」
何でしょう?ダクネスを誉めているのですか?
確か今回のダクネスは何があっても街の前から動かず、街を守ろうと言う決意が感じられてかっこよかったとは思いますよ……でも、カズマが不気味な笑みを見せているので、それだけで終わらせるつもりはないですよね。ここから何か余計な一言を言うはずです。
「一番何もしてなかったけどな」
ほら、私の予想通りになったじゃないですか。
まあ、今回ダクネスが何も役に立たなかったのは事実なんですけどね。ダクネス本人もそれに気づいていると思いますよ。だってカズマに言われた瞬間、肩をピックと揺らして、顔を背けましたし。
「そういえば、今回のダクネスは街の前に突っ立ていただけよね。でも、私は物凄く頑張ったわよ!結界を破ったし、負傷者の治療をしたし、めぐみんにも魔力を渡したじゃない!」
「私は勿論、爆裂魔法を二発も放って大活躍でしたからね。しかも、二度目はデストロイヤーを粉砕してやりましたよ!」
いつの間にかに、私達の元に来たアクアとめぐみんは、自慢げにそう言いました。
二人は単純に周りの人から誉められたいためにそう言ったのでしょうが……その言葉にダクネスは傷ついていますよ。
人って悪意のない言葉に最も傷つきますからね……
すると、アクアが私の方を向いて思い出したように言いました。
「そういえば、マナもゴーレム討伐で大活躍だったじゃない。大型のゴーレムとかを次々と破壊していたし……たぶん、ゴーレムを壊した数は一番多いじゃないかしら」
「甲板には上がらなかったのいで分かりませんでしたか、マナはそんな事をやっていたのですね。私は一番凄かったのはデストロイヤーと綱引きをしたルリだと思いますよ」
確かにめぐみんの言うとおり、あれと綱引きをしたルリは凄まじいの一言ですね。
まあ、その活躍の代償として未だに身体に力が入らないみたいで、今回はギルドに来ていませんけどね。
杖を使って歩くのが限界で、食事やトイレなどの移動する必要があるとき以外は、寝たきりになっています。
「二人共、よく考えてみろ。一番今回活躍したのはウィズだろ。爆裂魔法を使ったり、マナに聞いた話だとコロナタイトを処分したのも彼女みたいだし……」
自分以外のほかの仲間が活躍している……その事実がダクネスを追い詰めているみたいですね。
彼女はカズマにすがりつくような視線を向けていますし……たぶんカズマを自分と同じ活躍していない仲間と思っているでしょう。
このまま、放って置いてもいいのですが……少しだけダクネスの事をからかいたくなってきましたね。
「カズマも目に見えない形で活躍したじゃないですか。ウィズの言った大まかな案に細かい修正をしたり、アクアの魔力をめぐみんに送ったり……何処かのやる気だけ、クルセイダーとは違いますね」
「マ、マナ!?そ、そんな……………違う、こんな新感覚は私が求める責めでは……わぁぁぁぁぁぁああああ!!」
顔を真っ赤にしてその場にしゃがみ込むダクネス、どこからどう見ても可愛いですね。カズマに乗って正解でしたよ。
私が今のダクネスを見て満足げに……あれ?なんだか、冒険者の人たちが静まり返りましたね。受付の方を振り向くとギルドの職員が申し訳なさそうに顔を俯かせていますし……私達がダクネスをからかっている間に何かあったのでしょうか?
私が首を傾げていると、その原因と思われる黒髪の女性が二人の騎士を引き連れ私の方に来ました。そして……
「冒険者、カトウマナだな!貴様には現在、国家転覆罪の容疑が掛かっている!自分と共に来てもらおうか!」
へぇ?
私、なにかしましたか?
これで二章の内容は終わりとなります。
次からの三章ですが、現在は書く時間があまり取れないため、最悪の場合は五月に入ってからの更新になるかもしれません。
出来る限り早く書き終えたいと思うので、それまでは待ってもらえると嬉しいです。