ナイトメア・オブ・ライ   作:兜割り

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今回はキリのいい所で切ったため短いです。
またタイトルから分かる通り、原作読者にはヒロインよりも人気なあのキャラクターがようやく登場します。


最弱の妹

ルクスはリーズシャルテとの決闘を前に来客用の応接室に寄っていた。

そこで待っていたのは、二人の女生徒だ。

 

その女生徒の一人にルクスは――

 

()()()。人質として監視される身というのも、すっごく大変なんですよ?この『咎人』の首輪のせいで、いつも他人からは奇異の目で見られますし。それでも円滑な人間関係が維持できているのは、ひとえに私の人柄、努力の賜だと思いますよ。あ、それとですね、私だって借金返済にはかなり貢献してるんですからね?『遺跡(ルイン)』で発掘された古文書の解読や、装甲機竜(ドラグライド)指南書(マニュアル)の更新とか、学園で勉強しながら深夜にまで及ぶ内職でいくら稼いでいるか具体的に言いますとですね――」

 

 

絶賛口喧嘩に負けていた。

 

 

「わ、わかったよ。僕が悪かったてば……」

 

 

白旗を上げるルクスにまた勝ってしまいましたね、と子供っぽい笑みを浮かべる銀髪の少女。

名前をアイリ・アーカディア。その名の通り、旧帝国の皇族、ルクスの実妹である。

 

その彼女が座るソファーの後ろに昨晩の浴場乱入事件で機竜を使用し、追ってきた三人組の一人、ノクト・リーフレットが従者のように佇み、仲が良いのですねと苦笑していた。

 

文官になる為に士官学園に入学したと連絡を受けて以来、雑用仕事で忙しく顔を合わせていなかった実妹。妹が再会して早々口にしたのは、昨日自分が起こしてしまった騒動に対する呆れだった。決闘相手のリーズシャルテの情報を僅かに貰い、そこから地味にショックを受ける酷い言い草から口喧嘩に発展したのが冒頭の経緯だ。

 

ルクスとしては妹とここ数年の口喧嘩で百二戦中、百二戦敗と惨敗しているが不思議と悔しさはなく、変わりに安堵の想いがあった。五年前は病弱で、母親と自分にべったりだった妹が元気でやっているか心配だったが、友人を作り、元気にしていることが何よりも嬉しかった。

 

 

「……なにニヤニヤしてるんですか兄さん」

「えっ、いや、別にね……」

「……変な兄さん」

 

 

思わず顔に出てしまったのか、ジト目で睨むアイリに苦笑で誤魔化す。

そこでふと思い出す。

アイリの前に、実に五年振りに再会した青年のことを。

 

 

「そうだ。アイリ、この学園にライさんが雇われてるってもしかして知ってた?」

 

 

知ってるなら手紙であれ何であれ教えて欲しかったと心の隅で思いながら聞いた途端、アイリの表情が曇り、顔を隠すように俯いた。

 

 

「……知りません。あんな人なんか……」

「アイリ……?」

 

 

あからさまに不機嫌だと伝わる声が響く。さっきまでルクスを攻める際には呆れの色こそあったが怒りの感情はなかった。しかし、今度は反対。静かな憤りを纏った声が出た。

 

その怒りにルクスは心当たりがある。

 

 

「アイリ……まだ根に持ってるの?」

「…………」

 

 

尋ねても返ってくるのは無言の沈黙。しかし、膝の上の両手でスカートを強く握り締めるその姿に内心どんな感情が渦巻いているか容易に察せる。

 

妹のその姿にただただやるせない気持ちになる。

 

五年前、皇族であるルクスとアイリは帝都ロードガリアの宮廷で暮らしていた。

 

元々、病弱だった妹は母を馬車の事故で亡くしたことが切っ掛けで、症状が悪化。更に当時の帝国に蔓延していた、男尊女卑の風潮。末妹で皇族としての価値も低いことによる宮廷内の人間の態度も積み重なり、まだ年端のいかない妹を追い詰めていった。

 

そんな妹を救うことを目的の一つとし、ルクスは装甲機竜(ドラグライド)の技量を、力を求めた。

そんな時、装甲機竜(ドラグライド)の指導を求めたルクスは彼を――ライを宮廷へと招いた。

 

苛烈などとは生温いライとの一日の模擬戦で得たものは特級(エクス)階層の機竜使い(ドラグナイト)百人と行ってもまるで足りないものだった。そして、終わりを迎えると決まってルクスは気を失った。それでも、目覚めた後は必ずベッドで寝たきりの妹に会いにいった。模擬戦で出来た痣や傷を見られて却って心配されてしまい、アイリがライをルクスを虐める酷い人と勘違いするなどあったが……。

 

そして、ライを招いて四日頃だっただろうか。

模擬戦を終え、気絶から覚醒しアイリの見舞いに行くとナニカに一生懸命に取り組み、ベッドの上が色鮮やかになっていた。

 

妹が取り組んでいたのは色紙で出来た鳥……聞けば『鶴』という聞いたこともない鳥の折り紙だった。

 

何度も作り失敗したのか、ベッド上には『鶴』まで至らなかった色紙が溢れかえっている。そして妹がルクスの前でようやく完成させた、羽や頭が歪んだ『鶴』。膝の上に見本のように置いてある完璧な『鶴』があった。

 

『鶴』や折り紙などルクスも知らず、亡くなった母も知らなかったはずだ。

誰に教わったか思い切って聞いてみると、アイリの口から予想もつかなかった人物の名前が出た際には思わず硬直したものだ。

 

そして、次の日からライは模擬戦の時間を一時間縮めた。時間が短くなったからといって楽になったわけではなく、これまでの模擬戦と質は変わらず、増した激しさにルクスは何度死を覚悟したことか。終わり、休んだ後に空いた時間はアイリの見舞いに費やした。その日の妹のベッドには『桜』、『犬』、『猫』といった様々な折り紙で溢れていた。

 

その次の日の模擬戦ではルクス自身も慣れたのか、疲れ果てることはあれど気絶することはなくなり、休息を行った後、変わらずアイリの見舞いに足を運んだ。そこで妹に折り紙を教えるライの姿があったのはやはりとは思っていたものの、一瞬思考が停止するほど驚いたのは、今でも鮮明に思い出せる。

 

二人がどういう経緯があったのか聞いてみたが、アイリもライも答えてくれることはなかった。ただ、一度ライに妹のことを聞くと“強く、勇気のある少女”と答えてくれたことがある。

 

病弱の妹をどうしてそのように評したのか。

あの青年は妹にどんなものを見たのか。

聞いても……きっと答えてはくれないだろう。

 

その日からルクスとアイリの日常は一変した。ライの雇い主であるアイングラム家のレリィと妹のフィルフィが遊びにきたことで、自分たち兄妹が得られない年相応の楽しい日々に変わった。

 

ライは、自分は不要といった風に宮廷に与えられた部屋に籠ろうとしたが、女性陣三人に引っ張り出される形で外に出た。女性に弱い……とは違う。レリィの場合は性格の相性で、アイリとフィルフィは幼さゆえに跳ね除けないのだろう。だが、僅かに見せた苦しそうな表情はなんだったのだろうか。

 

息苦しい宮廷にいるとは思えないほどの幸いがあった。

母を事故で失ってもう見ることはないと思っていたアイリの笑顔もそこにあった。

 

母と共にあっての形とは違えど、もう見ることはないと思っていた幸福な夢。

しかし、その夢は自分とライの喧嘩に基づく、ライの失踪にあっさりと覚めてしまった。

 

雇い主のアイングラム一家には退職届とも言える手紙と護衛代として受け取っていた金を残して、自分と妹には……何も残さなかった。

 

言葉も筆も残さず去ったことにルクス自身もショックを受けたが、アイリのショックは自身の比ではなく心身を打ちのめした。滂沱の涙を流しながら、ベッドに飾ってあった折り紙全てを、ライが去ったという報告を聞く直前に完成させた『龍』の折り紙も破り捨てたほどに。

 

アイリが兄である自分以外それも男性に接触するのはいい薬だと思っていた。しかし、あまりにその薬は効き過ぎた。母を失い、頼れる大人もなく、恐怖の対象である男性でありながら親しくなったライは妹にとって却って毒になってしまったのだ。

 

それほどまでに妹にとってライの存在は大きくなっていた。

その日以来、アイリが折り紙を折る姿を見たことはない。

 

兄妹の間に沈黙が生まれると、ノクトが口を開く。

 

 

「Yes.ライ先生とアイリは五年前に面識があるのは、女子寮で同居人(ルームメイト)になった初日から知りましたが、これまで顔を合わせることはあれど、会話をする光景は見たことがありません」

「え、それって……」

「Yes.ぶっちゃけライ先生は、アイリを避けています。アイリが意を決して声を掛けても無視するほどに」

「アイリ……」

「…………」

 

 

声を掛けてもアイリは変わらず無言で、すっと立ち上がる。

その様子にルクスはライとの五年分の溝は埋まっていないことを理解した。

 

アイリは立ち上がり、スカートに出来てしまった皺をはたいて、

 

 

「……もうそろそろ時間です。兄さん、案内します」

「案内って?」

「機竜格納庫です。模擬戦前の機体チェックは、学園内で必須事項ですから。一応そこまでは、案内します。ついでに、リーズシャルテ様の対策も教えますよ」

 

 

俯き、感情を押し殺した声で告げて、アイリは応接室を先に出る。

その背中が年相応よりも小さく見えたのは気のせいでもないはずだ。

ルクスは胸にあるやりきれない思いを息と共に零しつつ、その後を追った。

 

三人で廊下へ出ると、ふと応接室の隣の学園長室へ顔を向けた。

ライはまだいるのだろうか。もしいるなら思い切って一緒に行くかと声を掛けてみるか……そう思った次の瞬間だった。

 

学園長室の扉を大の字に突き破って、学園指定の制服を着た少女が飛び込んできた。

 

破砕の音と、飛び散る金具と扉の木材。

 

 

「――!!」

 

 

ルクスたち三人は驚愕から腰を引くように慌てて立ち止まった。

 

飛び込んできた少女は、右手に掴む棒状のソレを放すことなく、縦に空中三回転して爪先が床へと当たり、水切り石のように軽く跳ね上がる。そして、再び勢いを強化された回転を纏い、突然のように壁へと衝突した。顔、胸、腕、腹、腰、足。身体の正面全てを激突させて。

 

残ったのは、砕け散った扉と、体の正面を壁へ激突させ、奇怪な装飾品となった学園制服の少女と場を支配する沈黙。

 

ややあってから、壁に貼り付けられた少女が、右手にあった棒状の――刀型の機攻殻剣(ソードデバイス)は手放すことなく、ずずっと滑り剥がれていく。その動きにつれ、少女の顔部分が張り付いていた壁にはべっとりと二条の真っ赤な血がへばり付いていった。

 

 

――ああ、鼻血か……。

 

 

扉を砕く勢いで壁にぶつかれば鼻は砕けるよなあ。寧ろ、顔が潰れてもおかしくないのに頑丈な子だなあ、と目の前で起きる光景をいきなり過ぎて働いていない頭で受け止めていた。

 

そして、鼻が砕けた……どころか体正面全て打撲させただろう少女が、壁に鼻血をへばり続けた末、廊下でうつ伏せとなる。どくどくと鼻血が広がり少女の銀髪が真っ赤に染まる。何もかもがいきなり過ぎて三人の頭はまだ働いていない。

 

 

「兄さん!――どうにかしてください!」

 

 

アイリ同様に事態に硬直していたルクスは、え?と思った。

眼前には、うつ伏せになった少女がいる。

鼻血池に顔面を突っ伏してピクリともしない少女が。

 

 

「……あ、アイリ。“これ”をどうにか……?」

「……Yes.少なくとも私には荷が重く対処できません。ここは年上のルクスさんに任せるのが最善かと」

「ええっ……!?」

 

 

まさかの丸投げをしてきた妹とその学友である年下の少女たちに異を唱えようとするルクスだが――

 

 

「ッッ……!?」

 

 

しかし二人からは、戸惑いと、年上の自分ならば色々と、特に目の前の有様を解消してくれる筈だという期待の視線が突き刺さってくる。

 

ルクスの背中に粘り付くような、それこそ床に赤いことを除けば、小さい水溜まりとなった鼻血以上に粘り気のある汗を掻いたのを実感した。

 

皇族生活と五年間の『咎人』生活はもとより、そこで培った専門技術でも、回転して扉をぶち破ってきて血の池に沈む少女の処理法を習った記憶はない。

 

痛々しい沈黙と強くなっていく視線の威力に、背のあたりに浮く汗の量を増やしながら、

 

 

――アイリ、これまでに無いレベルの期待と信頼を向けてくれるのは嬉しいけど、流石にこれはっ!!?

 

 

妹とその友人がこんなにも頼ってくれているのだ。その信頼に応えてはやりたい。だが、出来るならもっと違う形でそれに応えてやりたかった。だが、悔いても事態は一向に解決しない。兄として年上としての自負などこんな状況で使うべきものじゃないものをフル動員していく。

 

覚悟を決めたルクスは腰を引き気味にしつつも、倒れている少女に近づいた。

 

鮮やかだった銀髪を鮮血に濡らす少女に――動きはない。

 

 

――とりあえず……。

 

 

生きているのかどうか確かめようと近づき、血の池に足を触れさせないよう恐る恐る腰を落とし、深呼吸をし、声をかける。

 

 

「あ、あのー……」

 

 

へんじがないただのしかばねのようだ。

 

 

――いやいやいや!そう断定するのはまだ早いだろう……!

 

 

首を横に振って頭の中に浮かび上がったメッセージを追い払う。

 

 

――とっ、とりあえず脈を……!

 

 

自分でも気づかず、内心で今すぐ逃げたいと思いながら、脈の確認を行おうとした――その時!

 

 

「はぁっっ――――!!」

 

 

最早出血と全身打撲のショックで生命活動は停止したとルクス、アイリ、ノクトが認識していた少女が――うつ伏せの状態から裂帛の声を発し、勢いよく飛び上がった。

 

 

「ほああああぁぁぁぁ――――っっ!!?」

 

 

死んだと思っていた少女が目の前で、息を吹き返したどころか、突然飛び上がった。そんな理解不能な現実に腰を落としていたルクスは普段の彼らしくもない素っ頓狂な叫びを出して反射で跳び下がる。後先考えもしなかったので着地のことは考えていなかったが、待機していたアイリとノクトに受け止められた。

 

血濡れの少女が飛び上がり、ルクスが跳び下がる。

その瞬間。少女がぶち抜いてきた学園長室から黒い影が飛び出した。

飛び上がった少女めがけて真っ直ぐに宙を奔るのは、鋭い突起のついた鉤爪。

その鉤爪の名称にルクスは心当たりがある。

 

 

――《スラッシュハーケン》……!?

 

 

襲い掛かるハーケンに少女は手放すことのなかった機攻殻剣(ソード・デバイス)を空中で抜刀。光の反射で青味がかかる、銀線の走る刀身が空中で払われハーケンを弾き飛ばす。

 

血溜まりの上に危なげもなく着地する少女。銀髪と顔は血で濡れて、殺人鬼に襲われた犠牲者のような風貌になっているが、構わず血を零す鼻を軽く抑えすぐに拭う。その後、血糊で濡れた手で前髪を掻き上げた。

 

 

「え、えっ……!?」

「彼女は……!?」

「――!」

 

 

突然、現れた少女のことを含めて戸惑うしかないアイリとは違い、ルクスとノクトは少女にまた別の驚愕を覚えていた。

彼女がライと共にいた少女だというのは解る。血に濡れているが蒼色の一房が混じった銀髪、左右非対称の瞳という特徴過ぎる特徴が本人だと主張している。しかし、彼女にあった幼さと無垢さという雰囲気が完全に消滅しており、一瞬別人かと思ってしまった。

 

そんな彼女は抜き身の機攻殻剣(ソード・デバイス)を構える。

軌道を変えられたハーケンはわずかに空中を泳ぎ、直後、すぐに巻き戻される。そして、巻き戻された先、学園長室から矢のように突っ込んでくるのは蒼い巨体、《ランスロット・クラブ》――。

 

 

「ライさん――っ!?」

 

 

驚愕の声を出すルクスを気にも留めず、ライは《スラッシュハーケン》をメッサーモードに展開。刃を伸ばした左腕を少女目掛けて打ち込まんとする。

 

青年の突然の凶行にルクスたちはただ呆然とする――

 

 

「――《月下・先型》!」

 

 

間も無くまたも驚愕すべき事態が起こった。

 

抜き身の刀型の機攻殻剣(ソードデバイス)を構えた少女が叫ぶ。

 

その呼び声に、持ち主であるライの呼び声でもないにも関わらず、青年が愛機と呼んだ機体が応える。

 

機竜の光の粒子が集まり姿を現す召喚とは異なり、背後の空間を割り砕いたかのような音と同時に少女の背後に《月下・先型》が現れる。

 

無詠唱の高速召喚どころの話ではない。装甲機竜(ドラグライド)機竜使い(ドラグナイト)が一度登録されれば、その使い手が死ぬか登録を解除しない限り他人が召喚することは不可能なはず。

 

《月下・先型》はライが愛機と呼んだ機体。

それを手放すなどあり得ない話だ。

なのに、血に濡れた少女はその鉄則を覆した。

 

その事実に歴戦の機竜使い(ドラグナイト)であるルクスはライの凶行に匹敵する衝撃を、ノクトは《月下・先型》の正体を知る故にルクスよりも強い衝撃と少女へ僅かな恐怖を抱いた。

 

素早く《月下・先型》の左腕だけを纏った少女の目が黒く染まり、瞳が黄金色へと変貌する。

 

 

「――――っ!!」

 

 

少女の口から野獣と錯覚させる裂帛の声が、体中の熱を吐き出すような、咆哮が吐き出される。それと共に大音が生じる。位置は床。原因は無論、少女だ。

 

踏み出された右足。その震脚たる一歩が人間を遥かに超えた膂力によって、見守っていたルクスたちがお互いの身を寄せ合うほどの地響きを生じさせた。

 

左腕で渾身の一撃を入れるには、右足の踏み込みは必要不可欠。

子供でも本能的に理解している攻撃行動。

 

準備は整い、間に合った。

 

目と鼻の先まで迫った蒼い騎士が、加速の勢いを味方につけ、少女の一歩手前で右足を踏み込む。先ほどの少女の震脚には劣るのは、一撃の重さよりも速さを優先してのもの。無駄のないコンパクトな動きで刃を纏った左拳を振り下ろす。

 

対して、蒼い武者の左腕のみを纏った少女が、左拳を振り上げる。――目の前の脅威を跳ね除けようとする、抵抗の意思と体現するかのように。

 

『騎士』と『武者』。

蒼い機体が、主を共にし『あちらの世界』でも『こちらの世界』でも一度もぶつかり合うことのなかった両機が、今ここで一撃を交わした。

 

激突、激音が響き、廊下が震動した。

 

 




アイリとの出会いは幕間として後ほど公開します。
因みに彼女はルクスや原作ヒロインたち以上のライ特攻スキル持ちです。

ライとアルトはお互い『親子』の一文字で言い表せないほど複雑な感情を持っています。そのため殺伐としています。どれくらい殺伐かというと原作一巻につき一バイオレンスが入るほどに……。
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