SONIC  THE IMMORTAL FANTASIA   作:トラちゃん

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第11話

 

コロナは、以前とは様変わりしてしまったレイヴンに、驚きを隠しきれなかった。

 

彼は、左目に眼帯をつけていたし、身体のあちこちの部分が、金属質の補助具に入れ替わっていた。

 

つまり、彼は義手や義足を__片方の手や足だけだが__身に付けていた。

 

 

「な、何があったのだ...?」

 

「コロナ様、驚かないでくださいよ。 覚えていないんですか? 僕は、あなたに封印される前に、兄ちゃんとちょっとしたいさかいがあって、かなり身体を損傷していました。 ですが、あなたは...僕の身体を蘇生してくれて、僕は無傷のまま、封印された」

 

 

コロナが、思い出したように言った。

 

 

「そうだったな...ん? 待て、私はその時に、そなたの能力も共に封印した... しかし、そなたは今、昔の姿に戻っている。 という事は...」

 

「そう、その通りですよ」

 

 

レイヴンは、兄に近づいて、手を握った。

 

ソニックは、少し驚いたような表情を見せた。

 

しかし...その表情も、苦痛の表情に変わってしまった。

 

 

「止めろ... レイヴン、止めてくれ...! オレはまだ...」

 

「兄ちゃん。 目を覚ましてよ... 今の兄ちゃんのいるところや、接してる者は、本当なら兄ちゃんが全て消さなきゃいけなかったんだよ?」

 

「嘘だ... 絶対に違う! こいつらは、オレの大事な...」

 

 

エミーが、慌ててまくし立てた。

 

 

「そうよ! アンタなんかに、ソニックは渡さないわよ! ...こんなこと言うのも、変な感じなんだけど」

 

「ソニックは、絶対にボク達のヒーローなんだ! あんな筈ないよ!」

 

「みんな...」

 

「納得がいかん。 貴様は単なる偽善者に過ぎないのではないか?」

 

「アンタに好き勝手はさせないわよ! アタシ達がいる限りね」

 

 

皆の強い声を聞いて、ソニックは思わず泣きそうになった。

 

 

「そうだ... なあ、レイヴン。 オレは、オマエの兄かもしれない。 だけどな、オレには今の生活が一番合ってる。 オマエには悪いが...ずっとオマエは我慢してくれてたから、この世界は平和でいられたんだよ。 だから...」

 

「兄ちゃん...  やっぱり、兄ちゃんの力は健在だね。 それでこそ、兄ちゃんだよ」

 

「レイヴン...!」

 

 

誰もが、この事象の平和な終わりを予感した。

 

 

だが、そうはいかなかった。 ...いくはずが無かった。

 

 

 

「兄ちゃんの力、思い出してもいいんじゃない? 戻ってきてよ」

 

「れ、レイヴン...何を...」

 

 

ソニックは、最後まで言葉を発せずに、気絶したように倒れてしまった。

 

仲間達が、慌てて駆け寄った。

 

しかし、彼は目を覚まさない。

 

 

...まるで、記憶を塗り替えているかのように、動かなかった。

 

 

「兄ちゃん... 思い出して。 僕らの記憶を」

 

 

 

 

しばらくして、ソニックがおもむろに立ち上がった。

 

 

「...ソニック! 大丈夫?」

 

 

仲間を振り返った彼の目は、今まで一度も見たことのないような、冷たい光を宿していた。

 

 

 

「近寄るな」

 

「...! そなた...」

 

 

そして、彼はレイヴンを優しく抱きしめてやった。

 

まるで、あの日のように。

 

 

「兄ちゃん...! おかえり。 待ってたよ...」

 

「長いこと忘れてて、悪かったな... オレの、大事な弟なのにな」

 

 

彼らは、嬉し涙さえ流していた。

 

 

「ううん、気にしてないよ... 兄ちゃん...」

 

「じゃあ、オレ達には、やることがあったよな?」

 

「うん。 忘れてないよ」

 

 

二人は、今や何の繋がりも無くなってしまった『仲間』達に向き直って、言った。

 

 

「何もかもを、消さないとな。 なあ、レイヴン?」

 

「うん。 さあ、やろっか、兄ちゃん」

 

 

コロナが、最後に思い出したように呟いた。

 

 

「彼の...ソニックの能力はな、『心の一部を消す能力』だ」

 

 

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