SONIC THE IMMORTAL FANTASIA 作:トラちゃん
「そんな...そんなの、間違ってるよ...!」
「何が違うのか? 貴様はただ、この『現実』に浸りきって酔ってしまっているだけだろう」
「だって、信じたくないよ! 訳が分からない...何か、絶対におかしい」
そこで、テイルスは誰かに同意を求めるように、辺りを見渡した。
しかし、誰も自分の方を向いてくれない。
誰もが、どこかに、その虚ろな目を向けているだけだった。
急に取り残された気がして、テイルスは心細くなった。
「みんな...」
「ぐずぐずしてないで、決めたらどうだ? もうすぐ、この世界は消えてなくなるんだよ。 後には何も残らない」
「えっ...それじゃあ、ソニックも、ここを消したら...!?」
「そのとおり。 こんな世界には居られない...違う世界じゃないと、存在できないんだ」
「ち、違う世界って...」
何だよそれ、と彼は言いたくなったが、何となく分かったのでやめておいた。
パラレルの世界とか、異次元の話ではない。
...きっと、冥界の話なんだろう。
「で、でも...その世界が良いとは限らないじゃないか! 今より悪くなったらどう...」
「少なくとも、死ぬことはなくなるよ。 かなり違うでしょ?」
「...! でも...!」
しばらく下を向いていた彼は、ふと顔を上げた。
すぐそこに、『何か』が迫ってきていた。
「な、何なの、これ...!?」
『記憶』の世界に裂け目が入っていた。
その裂け目からは何も見えない。 ただ、暗闇が広がっているだけだった。
そして、その裂け目から、じわじわと黒い霧が入り込んできた。
「ちょ...誰が開けたの!? ソニック? じゃなくて、レイヴン?」
「な、オレは何もしてない! 分からないんだ!」
「兄ちゃん、危ない!」
レイヴンが言い終わらないうちに、黒い霧が増幅して、視界が霞みはじめた。
そこでやっと、成りゆきを見守っていたコロナが、口を開いた。
「やりすぎてしまったな... まあ良い」
「や、やりすぎる...って、何をですか?」
「分からんのか? そなた達が行ったことだ。 ...破壊と、抹消だ」
「そ、それで、あれは何...?」
霧の勢いが増した。
その霧は毒ガスのような効能を持っているらしく、過度にその霧に触れた者が、次々に倒れていった。
「ぐっ...に、兄ちゃん...! しっかり...」
「何なんだ、この霧...!」
「コロナ、何か知ってるの...?」
黒い霧はコロナには害がないようで、コロナは腕を組んで立っていた。
彼らの意識が朦朧とする中で、コロナはこう呟いた。
「少し、頭を冷やしてくるといい。 帰ってきたら、また会おう...罪の傀儡たちよ」