SONIC THE IMMORTAL FANTASIA 作:トラちゃん
ステーションスクエアでの、ちょっとした騒ぎを起こしていたのは、やっぱり懲りていないあの人だった。
「おりゃぁぁぁぁぁ! GUNのメカも性能が落ちたのかぁ? 随分脆くなってるなぁ」
「うるさいっ! 貴様ごときに最新鋭の武器なんて使ってられるかぁ! いい加減にしないか、ジェローム君!?」
「いい加減にはしてるさ! こっちには人質がいるんだぜ? あんまり調子に乗ると、大変なことになるぞ!」
「クリーム、チーズ!?」
なんとかステーションスクエアにたどり着いたソニックは、クリームとチーズが捕らえられているのを見た。
「何じゃ、人質か? ジェロームのやつめ、ついに外道に走りおったか…」
「いいから、エッグマンはそこにいてくれ。 オレはクリームとチーズを助けに…って、うわぁぁ!?」
彼が叫んだのは、もうすでに二人(二匹)が気絶していたからだった。
ジェロームはそれを知っているのかいないのか、弾の発射ボタンに手を掛けた。
「ソニック! 来てたんだね! どうしよう、クリームとチーズが……」
慌てた様子のテイルスが言い終わらないうちに、微かな弾の発射音が聞こえた。
「!? クリーム! チーズ!!」
「やめてぇぇぇぇぇ!!」
弾の炸裂音が響いた。
ソニック達は呆然としてしまった。
なぜなら、弾は、クリームとチーズに当たったのではなく、当のジェローム
に直撃していたからだった。
「クリーム達は…?」
「あ! ソニック、あれだよ!」
テイルスが指差した先には、クリームとチーズを抱えている者のシルエットが浮かんでいた。
それが、どことなくシャドウに似ていたので、彼は思わず声を掛けたくなった。
「遅くなった… 僕だ、ソニック。 …ソニック?」
背後から、シャドウに声を掛けられた。
「し、シャドウ!? アイツは誰なんだ!? 見覚えあるか?」
シャドウは、そのシルエットと周りにいた生物を見て、顔をしかめた。
「…ブラックアームズだ」
「は!? 何を…」
「間違いない。 彼らには確かに見覚えがある… しかし、あれは後継者か……?」
すると、シルエットが降りてきた。
彼はクリームとチーズを地面にそっと降ろしてから、ソニック達に向き直った。
「初めてか、そなた達に会うのは」
「だ…誰だ、オマエは…?」
逆光になっていた、その者の容姿がはっきりしてきた。
彼は、ブラックドゥームと全く同じ衣装に身を包んでいたが、ブラックドゥームのような、奇妙な生物ではなかった。
…むしろ、ソニック達に近い見た目をしていた。
彼は、やや緋色がかった目で、ソニック達をしっかりと見据えた。
「私は、ブラックドゥームの正当な後継者にして、ブラックアームズの頭だ。 名は…コロナと申す」
「貴様……ブラックドゥームの後継者だな。 何をしに来た?」
コロナと名乗った彼は、小さくため息をついてから、こう言った。
「…旅行だ」
「は…?」
「旅行…。 ……」
二の句が継げなくなったシャドウは、改めてコロナを睨みつけた。
「本当にブラックドゥームの後継者なら、それ相応の力を持っている筈だ。 …見せてみろ」
「ほう? 威勢が良いな。 …では、少々手加減してやろうか」
「手加減など、僕には必要ない!」
これを聞いて、コロナは、さも可笑しそうに笑った。
「身の程を知らぬな、若造め… いいだろう。 闇を統べる者には、決して抗えんことを、身をもって知るがよい」
そう言うと彼は、手に持っていた杖を空に掲げた。
すると、昼だというのに、辺りが一瞬にして闇に包まれてしまった。
彼の杖に収まっていた宝石を、シャドウは見逃さなかった。
「貴様…… それは、ブラックエメラルドだな…? 何故、貴様がそれを!?」
「へ? ブラックエメラルド? 何だ、それ?」
「おお、一人知らぬ輩が居たか。 …では、丁度良いな。 そなたたちに、この大いなる宝石の力を教えてやろう」