SONIC  THE IMMORTAL FANTASIA   作:トラちゃん

6 / 13
第6話

 

「え? 闇が何だって? おい、シャドウ……聞いてるのか?」

 

 

二人が対峙する傍らで、流れに取り残されてしまったソニックとテイルスとエッグマンは、仕方がないので、戦いの行方を黙って見る事にした。

 

 

「ねえ、ソニック… その、なんとかエメラルドって、何だろうね?」

 

「……。 聞いたこと無いなぁ」

 

「確かに、ワシも知らん……と言いたいところじゃがな、ワシは残念ながら知っておるのじゃ」

 

「「え!?」」

 

「古文書に記してあったんでな。 あれは古代よりブラックアームズが護ってきたモノじゃ。 じゃが、あれの力を使える者は、ブラックアームズの中には…今まで、誰一人としていなかったらしい」

 

「じゃあ、なんでアイツは力を使えるんだ?」

 

「あれはな……清廉潔白な者しか持てない代物なんじゃと。 今までのブラックアームズは…分かるじゃろ、どいつもこいつも欲にまみれておったからのぉ」

 

「そうなんだぁ… じゃあ、あのコロナっていう人は、別に地球を攻めに来た訳じゃないんだね」

 

「そう……みたいだけど、あの力、半端じゃないぞ……!」

 

 

彼らが話している間に、戦闘はすでに始まっていた。

 

シャドウは、持ち前の技を次々と使っていたが、どれも、いつもより威力が弱かった。

 

 

「な、何故だ…… 力が出ない…」

 

「少しは分かったか? 私は、この宝石によって『全ての闇を統べる力』を与えられている。 よって、そなたの周りの『闇』を操れるのだ」

 

「だが、僕には『闇』など……」

 

 

その時、コロナがシャドウを狙って杖を構えた。

 

すると、シャドウの周りに、宙に浮かぶ鎖が展開し、彼は身動きがとれなくなってしまった。

 

鎖と彼の体との間はかなり空いていたが、それでも彼は全く動けなかった。

 

 

「貴様…何を……!」

 

「全てのモノにはな、必ず『光』と『闇』がある。 この空にも、地にも、風にも…… 当たり前だが、生けるもの全てにもある。 自分では無いと思っていても、必ず『闇』は存在しているのだ」

 

「貴様… まさか、僕の『闇』を……!」

 

「そうだ。 そなたの中の『闇』に命じ、『光』の動きを阻害させている。 …分かったか。 例え、どんなに『光』が強かろうと、『闇』は必ず眠っている。 …『光』が強ければ強いほど、『闇』も強いのだ」

 

 

彼は、その言葉の最後に、ちらっとソニックを見た。

 

彼の言葉が、なんだか自分に突き刺さるようで、ソニックは目をそらした。

 

 

「…分かった。 すまなかった、疑った僕も悪い」

 

「うむ、分かれば良いのだ。 …それはそうと、そなた達、困っているようだな」

 

「…!? 何で分かるんだ?」

 

 

コロナが空を昼の青空に戻しながら、こう言った。

 

 

「…最近、やけに『光』が弱くなっていると感じていたのだ。 ブラックエメラルドは、カオスエメラルドと対をなす存在だからな、守護者である私には何となく『光』の動きが分かるのだよ」

 

「へえ、対をなす存在かぁ…」

 

「そう。 だから、私達とカオスエメラルドの力を使える者は、あまり近寄りすぎてはいけない。 …磁石の同じ極を近づけすぎると、反発しあうのと同様に、近寄りすぎると弊害を起こしてしまう」

 

「ほう。 じゃったら、なぜキサマは今ここにいるのか?」

 

「今は非常事態だ。 『光』が弱まると、元に戻すのも、私の仕事だからな。 …『闇』など底が知れぬから、弱まる心配は無いのだよ」

 

 

ソニックは、頷いてから、コロナに話しだした。

 

 

「実はな、カオスエメラルドが……全部、消えちまったんだ。 跡形もなく、だ」

 

 

それを聞いて、コロナは一瞬顔をしかめた。

 

 

「左様か…… 私にも手伝えることはあるだろう。 カオスエメラルドを探しに行こうではないか」

 

「な、無くなったのに、どうやって探すんだよ!?」

 

「言ったであろう、私はブラックエメラルドの守護者であると。 …『光』の気配は薄々感じる。 それを頼りに探せばよい」

 

「そうか…… いいよな、テイルス?」

 

「勿論! なんか心強いし、助かるよ。 よろしくね、コロナ! 僕は、テイルスだよ」

 

 

コロナは、テイルスに握手されて、軽く笑った。

 

 

「…僕も同行しよう。 口うるさいエージェントが近くにいるからな」

 

「…ちょっと、誰が『口うるさい』ですって!? アンタ、さっき散々やられてたくせに、よく喋れるわね!」

 

 

空からルージュが降りてきて、シャドウの頭にキックをかまそうとしたが、間一髪のところで、シャドウが避けてしまった。

 

 

「…若い者は威勢が良いな。 良い事だ」

 

「オマエ、さっきからオレ達を若者扱いしてるけど、オマエはどのくらい生きてるんだよ?」

 

 

ソニックに問われて、コロナは しばし考えるような仕草をした。

 

 

「はて…… 私の生きてきた所は、そなた達の世界より時間の流れが速いから………ざっと、120年ほどかな?」

 

「ひゃ……120年!?」

 

「私はな、元々は、このブラックアームズの者と同じ、戦闘員だった。 しかし、ブラックドゥームが身に危機を感じて、戦闘員の中から優秀な者を一人選んで、この姿に改造したのだ。 よって、私は普通の者とは違う生き方をしている。 それに、時間の流れをさまよっていたから、歳も取らなくなってしまったのだ」

 

「な、なるほどな。 それで、オマエは……」

 

 

「なな、何じゃ、あれは!?」

 

 

彼らの会話の最中でエッグマンが声をあげたので、彼らは声のした方を振り向いた。

 

そして、空を見上げた。

 

 

「げ!? エッグマンのメカが、エッグマンがいないのに空を飛んでるじゃないか!?」

 

 

その通りに、空には夥しい数のエッグマン機が浮かんでいた。

 

 

「非常用モードなど付けとらんぞ! 何でじゃ!? ワシの可愛いメカ達がぁぁぁぁぁぁぁぁ………」

 

 

彼らが混乱している中で、コロナは一番冷静だった。

 

しかし、その表情には、どことなく陰りがあった。

 

 

「…コロナ?」

 

「ついに……始まったか」

 

「え? どうした?」

 

「あ、いや… その、あの機械どもは全て、何者かに乗っとられている。 早めに片付けないと、暴走するぞ」

 

「何じゃと!?」

 

 

コロナが杖を構えると、彼の周りにこれまた夥しい数の、ブラックアームズの戦闘員達が集まってきた。

 

 

「では、皆の者…… 任務だ。 あのメカを全て焼き払え」

 

 

コロナのいやに冷静な声に、エッグマンがすかさず反論した。

 

 

「やめんか! ワシのメカ達を破壊する気か!?」

 

「構わん。 …もう二度と使わなくなるかも知れんからな」

 

「今、何と……」

 

「急げ! シャドウ、そなたも手伝え。 あとは…」

 

 

彼はソニックにちらっと目を向けた。

 

そして、ソニックにしか聞こえないように、こう囁いた。

 

 

「そなたは… 何もしなくてよい」

 

「な、何でオレだけ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そなたを呼ぶ声に、耳を傾けていろ。 そして…… 決して惑わされるな」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。