SONIC THE IMMORTAL FANTASIA 作:トラちゃん
自身も術を使いながら、コロナは戦闘員たちに的確な指示を飛ばしていた。
「飛べる者は、上空の小さな機から処理しろ。 飛べない者は、陸上にいる大きめの機からやれ」
次々とメカが焼き払われていく中で、エッグマンは何もできずに立ち尽くしていた。
「こ、コロナ! やめんか、どうなっとるんじゃ!? 説明してくれんかのぉ!」
「そのような暇は無い! じきに、GUNの機も来るはずだ。 キリが無くなるぞ」
「何じゃと……」
彼の言ったとおり、数分も経たないうちに、GUNのメカも暴走を始めた。
さすがにメカの数が多いので、シャドウ達も応戦した。
「…数が全く減らないな」
「ほんと! GUNはメカの数だけやたら多いんだから! 今までこいつらのせいで、アタシ達は散々迷惑してきたのよ……えいっ!」
「機械が前より固くなってるな。 グローブを新調しておけばよかったぜ……」
「システムをハッキングしようとしてるんだけど、セキュリティも乗っとられてて何もできないよ… 誰がやってるんだろう?」
「チャオチャオ~!!」
「チーズも怒ってマス! 早く片付けないと、町の皆さんに迷惑がかかっちゃいマスよ!」
「おちびちゃん達は、ほどほどにしときなさいよ。 何かあったら大変だもんね。 このアタシが先に片付けてやるわよ」
「ルージュさん、その意気デス!」
仲間が総出で戦っている中、ソニックは一人残っていた。
…正確に言うと、彼はコロナに無理矢理残されていた。
困っている者を放っておけなくて戦うのが彼の性だから、それを抑制されたら、流石にどうしようも無かった。
…声に耳を傾けよ、そして惑わされるな、か……
…何の事を言ってるんだ?
…でも、アイツが言うぐらいなら、絶対に何かあるはずだ。
…だけど、今はテイルス達が心配で……
…声なんて、聴こえるはずが無いよな……
半ば呆然としながら、彼は砕け散っていくメカを眺めていた。
もはや数が多すぎて、エッグマンのものと、GUNのものとの区別もつかない。
陸はメカの残骸の海に、空は爆発の跡の渦に化してしまっていた。
陸を見ても面白味が無かったので、彼は空を見上げた。
空では、小型機があらかた片付いていたが、一番の大型機がまだ徘徊していた。
コロナは、一番最後にメカを破壊して終わらせるつもりらしい。
彼は、短い間に起こったことを、少しずつ思い返してみた。
…悪夢から始まって、カオスエメラルドが消えて、今度はこれか……
…訳が分からない。 あの夢の意味も分からない……
…だけど、何となく……オレが一番関係があるような気がするんだ……
…でも、なんで……?
彼が思考の深みに入りかけた時に、コロナの焦った声が聞こえた。
「全員、伏せろ! 大型機が狙ってくる。 私が破壊するから、伏せておれ!」
ソニックは、仕方なく言われたとおりにした。
地面と距離を縮めると、まるで空が覆い被さってくるような感じがした。
大型機が火をあげながら、砕けようとしているのが見えた。
「爆発するぞ! 気を付けて…」
コロナが言い終わらないうちに、激しい爆発音がして、彼らは気を失ってしまった。
意識を失う直前に、ソニックには、誰かがこう言ったように聞こえた。
「…こいつらの事なんて、もう気にしなくていいよ。 こんな奴らの事を考えるなんて、全く…エネルギーの浪費だからね。 だから、僕が、先にバラバラにしちゃうから」
「オマエは……誰なんだ…………?」
「…僕の声が聞こえたの? 嬉しいよ。 ソニック、僕はね…」
皮肉にも、一番大事なところで、彼の意識が途絶えてしまった。
…しかし、最後の最後に、彼は、自分の手を誰かが握るような感覚がした。
それは、温かくも懐かしい、不思議な感触だった。