捨てられた子   作:100円ライター

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何故

 

 

オーディンの猛攻の中、フェンリルは足掻くが少しずつ身体に切り傷を負う。

 

「クソっ!いい加減にしろ!」

 

ドローミとレージングで縛ろうとするが弾かれる。足元の水を跳ねあげるが、効果はなく、すぐさま槍を向けてきたので、炎を吐き壁をつくる。視界が炎で埋め尽くされるなか、声が聞こえる。

 

「穿て。グングニル。」

 

炎の中から槍が飛び出し腹に刺さる。

 

「っ!ぐあぁ!」

 

炎が弱まり、人影が見える。腹に刺さった槍は光の粒子となり消え去り、オーディンの右手に現れる。

 

「終いだ、死ぬがいい。」

 

容赦なくを突き刺す。はずだったが原点回帰により、獣となったフェンリルの皮膚に弾かれる。

 

「イサ。」

 

しかし、オーディンの口から紡がれたルーンにより捕縛される。

 

「足掻くな。死を受け入れろ。」

 

『なんでてめぇに指図されなきゃいけねえんだよ。』

 

ルーンの捕縛を力ずくで少しずつ壊していく。

 

『俺にも大切な人が、守りたい人がいるんだ!てめぇ何かに殺される訳にはいかないんだよ!』

 

「なんだと?」

 

『独りぼっちの苦しみから救ってくれた!初めて寂しさをくれた!ただの孤独に意味をくれた!俺のことを…愛してくれた!だから…』

 

ルーンを壊し、オーディンに襲いかかる。

 

『ここで死ぬわけにはいかないんだよ!』

 

オーディンを爪で引っ掻く。3本の切り傷がオーディンに走るが致命傷にはなり得ない。

 

「なぜ、殺さなかった。」

 

オーディンは傷口を押さえながら問う。

 

『ここでお前を殺したら、また昔と同じだ。俺は変わりたいんだ。』

 

その答えにオーディンは片方だけの目を丸くする。そして、何かを悟ったように小さく微笑む。

 

「いいだろう、この場では引いてやる。」

 

『んあ?』

 

思わず真の抜けた声をあげる。

 

「ただし、貴様の抑止力として私は存在する。貴様が過ちを犯すなら、容赦はしないぞ。」

 

『なあ、それって…。』

 

「私に見せてくれ、変わったお前を。」

 

そういってオーディンは背を向ける。オーディンの背中が白くぼやけてくる。きっと元の場所に、万屋に戻るのだろう。その前に

 

『見てろよ!あっと言わせてやるからな!』

 

すると、オーディンは手をあげて答えた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと泉に半身浸かっている状態だった。フェンリルが目を覚ましたことに気付いたのか、店員が声をかけてきた。

 

「大丈夫?というか人格かわってないわよね?」

 

「大丈夫だ。心配かけたか?」

 

「まあ、それなりにね。」

 

安心したのか、軽口を叩く店員。

 

「服がびしょびしょだ。買っていくとするかな。」

 

そういって服を選ぶことにしたフェンリル。その顔に憂いはなく、清々しい顔をしていた。

 

 

見てろよ、じじい。

 

 

その呟きは誰にも聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホームに戻り、ヘスティアに事情を説明する。勝手に動いたことをしかられたが、それでも無事でよかったとフェンリルに泣きつく。そんなヘスティアを愛しく思いながら、ステイタスに変化がないか見てもらうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

フェンリル Lv3

 

 

力 unknown

耐久 unknown

器用 C:750

俊敏 SS:2861

魔力 SS:2006

 

発展アビリティ

 

『狩猟本能』

 

本能的に弱点がわかる。レベルが上げれば詳細にわかる。

 

『生存本能』

 

実力差がわかる。レベルが上げれば詳細にわかる。

 

『ルーン』

 

ルーン魔術が使える。

 

魔法

 

 

『レージング』

 

先天性

レージングという鉄鎖を使役する。

 

『ドローミ』

 

先天性

ドローミというレージングの2倍の強度を誇る鉄鎖を使役する。

 

『グングニル』

 

後天性

グングニルを呼び出す。

 

『狼骸』

 

後天性

元の世界の自らの骸を召喚し、魔力で使役する。

鮮度が良ければ良いほど強力。代わりに魔力消費量が上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんだい?これは?」

 

「いや、身に覚えのあるものから無いものまで…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやらオーディンはとんでもないものを渡してくれたようだ。

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