仕事の関係でなんやかんやあり、まったく手付かずでしたがまた、少しずつ更新したいと思います。
「な、なんのことですか?」
リリルカは、内心ドキリとしながらも答える。目を逸らせば疑いは深くなると思い、目を見る。その目は血のように赤く、黒かった。
「そうか、ふむ。では我が主神の言葉を君に。神様に嘘は通じない、だったかな?」
かみさま?何を言っているんだ?しかし、このプレッシャーは異常だ。心臓を鷲掴みとか、そういう桁の話ではなく、全てを見透かすとかよりも物騒な。そう、いつ殺されてもおかしくないような異様なプレッシャー。まるで槍で心臓を狙われているのではないか?
「まあよい、此度のサポートご苦労だった。これは選別だ。」
今日の報酬を全てリリルカに渡す。
「明日もまた頼んだぞ、小人よ。」
その場を去るフェンリルを呼び止めようと思ったが、上手く声が出ない。リリルカは去り行く背中を見守るしかなかった。
「ホント、神様ってやつはやりたい放題だな。」
フェンリルは1人呟く。
さっきの出来事を思い返す。
「これで信用を買えるならお安いものですよ。」
『小僧、替われ』
『んなっ!』
「それで、目当てはこの刀か?」
『じいさん!?』
「体の主導権まで自由なんてずるいだろ。まったく」
『それは我々の所謂心の壁が薄くなっているからだ。』
「そうなのか?てかこの状態で喋れるのな。」
『ふむ、つい最近だがな。それはそうと心で喋れらねば、周りに奇っ怪な目で見られるぞ。』
しまった、と気づけば遅いが幸い周りには誰もいない。
『そういや、よく刀目当てって気付いたな?』
『何処かの阿呆と違って、周りに目を配る故にな。』
『おい。』
『貴様は疑う事を知れ。故に騙される。』
『疑ってばかりじゃ虚しいだろ。それに、なんかこう…寂しいだろ、それ。』
『ふむ、一理ある。』
『でも、あんたが心配してくれたのも、助けてくれたのも事実だ。ありがとな、じいさん。』
『礼などいらん。』
素直じゃないなー、とニヤケながら道を進む。
ある程度進んだところで違和感を感じる。
『なあ、変な感じしないか?』
『ふむ、罠か。道に迷わされてる。いや、袋小路に誘われている。』
『目的は?』
『知らん。神とて全知全能ではない。』
『そりゃそっか。さて、鬼が出るか蛇がでるか。』
堂々と道を進めば体の大きな猪人がいる。
「お前か?俺を誘ったのは?悪いが俺には心に決めた女がいるんでね。図体がデカイだけの猪はおうちに帰りな。」
猪人は黙って剣を抜く。
「おいおい、黙りかよ。礼儀がなってないぜ。」
『お前もな。』
『茶化すなよ、じいさん。』
「フレイヤ様の名により、貴様と戦いにきた。剣を抜け。」
『フレイヤ、その眷属の猪ということはさしずめやつはオッタルか。』
「いいぜ、どうせあんたを倒さなきゃ袋小路から抜けられないってオチだろ?」
そういって鞘を握り、柄に手をかける。
「知ってると思うけど名乗らせて貰う。我が名はフェンリル。ヘスティアファミリアのフェンリルだ。あんたは名乗らなくていい。」
姿勢を低くして、何時でも来いと言わんばかりに、刀を抜かず構える。
「どうせあんたは俺に切られてお仕舞いだ。」