捨てられた子   作:100円ライター

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やったねリリちゃん!家族がふえたよ!

 

 

フェンリルがモンスターを一掃するのに時間はかからなかった。

ふわりとリリルカの近くによる。

 

「大丈夫か?」

 

「…んで…」

 

「ん?」

 

「なんで、リリなんかを助けたのですか?リリは…フェンリル様を…。」

「謀ったことか?」

 

「…。」

 

応えることが出来ないリリルカ。何と言えばいいか解らず、俯くリリルカに言葉をかける。

 

「お前はとても、悲しく、寂しい眼をしているな。」

 

真剣な声音で言う。リリルカは、思わず顔を上げると、真剣な顔をしたフェンリルと目が合う。

 

「昔の俺と同じだ。」

 

ニカッと笑う顔に、何故だか視界が歪む。

 

「だからほっとけなかった。今の俺は、ヘスティアのお陰で、前を向いて歩ける。俺もそうやって、誰かを救いたかった。同じ眼をしたリリルカを救ってやりたかった。これは俺の自分勝手だ。そんな理由じゃダメか?」

 

微笑みかけてくるフェンリルの言葉に、ついに歯止めが効かなくなって、ついに涙は溢れ、止まらなくなる。

 

「…っ!めんなさい…。ごめんなさい、ごめんっなさい!」

 

嗚咽混じりの謝罪に対して、微笑み、頭を撫でる。リリルカが泣き止むまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にごめんなさい!」

 

泣き止んだリリルカは改めてフェンリルに謝罪をする。

 

「いいよ、気にんすんなって。」

 

笑って許すフェンリル。だがリリルカの表情は晴れない。

 

「しかし…」

 

「あ、そうそう、これ忘れ物。」

 

そういってどこからか取り出したのは、リリルカが奪われた荷物だった。

 

「っ!これは!」

 

「俺の刀持ってたし、もしかしたらと思ってね。」

 

「何から何までごめんなさい!」

 

「いいってことよ。それよりさ、」

 

リリルカの眼を見てフェンリルは問う。

 

「腕のいいサポーターを探してるんだけど、君が良ければ、俺のサポートをしてくれないか?」

 

そっと手を差し伸べる。

また泣きそうになるのを、ぐっと堪え、本当の、心からの笑顔で応える。

 

「はいっ!リリで良ければ喜んで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地上に上がり、事の顛末をヘスティアに話す。

 

 

「うん、フェンリルの言いたいことは解ったよ。だけどね、これだけは確認したい。君に嫌われてでも、確かめなくちゃいけない。」

 

いつもの子供らしさはどこへやら。真剣な顔で問いただす。

 

「君の、フェンリルに対する恩義とやら、それは本物なのか。」

 

「偽りはありません。フェンリル様の恩義に報いることが出来るのなら、この命、惜しくはありません。」

 

ヘスティアの眼を見て答える。

 

「うん、嘘じゃないね。安心したよ。」

 

そういって、ヘスティアがフェンリルを見ると、不機嫌そうな、というよりも、顔で「僕は不機嫌です。」といっている。

 

「どうしたんだい?ああ、この子を疑ったことなら謝るよ。でもね、僕の家族のサポーターなんだから、信頼出来る子の方が、僕も安心というか…。」

 

「そうじゃない。」

 

ムスッとしながら否定する。

 

「それならなら尚更どうしたんだい?何かしたなら謝るよ。」

 

「ヘスティアじゃない。」

 

「へ?リリですか?」

 

まさか自分とは思わず、すっとんきょうな声をあげる。

 

「リリ、なにかしました?」

 

「…。」

 

応えようとせずにそっぽを向いてしまう。

 

「ほ、ほら。怒った君も可愛いけど、この子も困っているじゃないか。答えてあげなよ。」

 

ヘスティアがそう言うと、ジトッとした目でリリルカを見ながら、漸く答える。

 

「命すら惜しくない、て事はいざとなったら自分の命を捨てるのか。」

 

「は、はい。フェンリル様のためなら…。」

 

「ふざけるな。」

 

続けようとしたら、遮られた。

 

「あのな、お前はもう家族なんだよ。命を捨てるだ?ふざけるな。お前が死んだら、俺は悲しいんだよ。だから、簡単にそういうこと、言うなよ。」

 

「で、でもリリはソーマファミリアで…。」

 

「ファミリアなんて関係ないね、俺には。」

 

「っ…。」

 

「別のファミリアだから仲良くなれないとか、家族になれないとか、そういうの俺には関係ない。ヘスティアも、リリルカも、俺の家族だ。」

 

この人はズルい。こんなことを言われて、泣くなと言う方が無理だ。

何度めかわからぬ涙。そんなリリルカをよそに、スッと手を伸ばし、キョトンとするリリルカに、デコピンをする。

 

「っ!っ!」

 

やはり結構痛かったらしく、おでこをおさえる。先程とは違う意味で涙目なリリルカに言う。

 

「これはお仕置きだ。これに懲りたら、二度と、命を軽く見たりするなよ。わかったか?」

 

やっぱりこの人はずるい。

 

 

「はい!」

 

 

今までで、一番いい笑顔で。

 

そんな二人を、微笑みながら見つめる女神。

 

 

 

 

 

 

 

新しい家族を迎え。少し賑やかになる。

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