「はっ!もうひとつ、大事なことを聞くのを忘れていたよ!」
突然、思い出したようにハッとするヘスティア。
そして、真剣な顔つきで、リリルカに問う。
「君は、フェンリルに惚れたかい?」
「…なに言ってんだ、ヘスティア。」
呆れた顔をするフェンリル。しかし、そんなことお構い無しで、勢いよく捲し立てる。
「なにって、これはとても重要なことだよ!家族としては認めても、恋仲なんて認めないよ!もしも、ダンジョンであんなことやこんなことになったら大変じゃないか!で、そこんとこどうなんだい!?」
「ふぇ!?リ、リリは、その…。」
下を向いてモジモジするリリルカ。それを見たフェンリルは
『ははーん、これは話が拗れるパティーンだな。』
『なにをいっておる。』
老神のツッコミはさておき、ややこしくなるかと、頭を悩ませている。主神も「ま、まさか…。」と、顔を青くしている。すると
「そ、その…。こんなお兄ちゃんがいたらいいな、と…。」
モジモジしながら答えるリリルカ。これで修羅場のようなものは、一応回避出来たのだろう。
「な、なんというか!頼れるし、カッコいいし、優しいし、なんやかんや面倒見もいいし!憧れのお兄ちゃんといいますか…っは!すみません、失礼なことを!」
「いやいや、そんなことで失礼とか思わなくていいさ。」
「ふむ、嘘は無いようだね。」
ほっ、と胸を撫で下ろすヘスティア。
「てことは、僕の妹にもなるわけかな?」
「いや、ヘスティアは末っ子だな。」
「んな!?」
二人のやり取りを見て、笑みをこぼすリリルカ。人生で最も幸せな時間が流れる。
「そうだ、リリルカ。フェンリル様って呼び方禁止な。」
「えっ?」
「だってさ、他人行儀だろ。」
「し、しかしリリはサポーターなので…。」
「それ以前に家族だろ。」
だんだん不機嫌になるフェンリル。それを見てヘスティアが慌ててフォローする。
「まあまあ、リリちゃんにもサポーターとしての矜持があるわけだしさ。ダンジョン内、場合によっては街中でも、様付けを許してあげなよ。その代わり、僕らだけの時は…。そうだ、お兄ちゃんって呼ぶとか!」
微妙にフォローに成っていないのだが、それはそれとして。
「そ、そういうことなら…。ただし、条件があります。」
「条件?」
「リリのこと、リリルカではなくリリと呼んでください!」
「いいよ。」
「その代わり、僕のことはお姉ちゃんと呼ぶんだよ!」
「まさかの便乗ですか!?」
その日はとても賑やかで、とても優しいし時間が流れた。
翌日、フェンリルはダンジョンではなく、万屋に向かった。
「あら、いらっしゃい。」
「ああ、お邪魔するよ。」
店内で、服や防具、武器などを購入する。
「そういえばさ、こう、自分の中のもうひとつの人格をさ、生かしたまま外に出すとか出来るのかな?」
『小僧、何を』
『いや、このままでも俺は助かるけどさ、じいさんは窮屈じゃないか?』
『ふむ。』
「んー、出来ないことはないけど…。時間とお金かかるわよ?」
『出来るってよ!やったなおい!どうする?』
『好きにしろ』
「んじゃ、お願いします。」
「それじゃあ、もうひとつの人格さん?の魔力の質を調べないと出来ないから、取り敢えず色々と、必要なことは済ませちゃいましょうか。」
フェンリル
Level error
ステータス全てerror
「こ、こんなことって…。」
「どうした?」
ホームに戻り、ステイタス更新をすると、ヘスティアは大変驚いた。
「どうしたもこうしたもないよ!エラーだよ、エラー!ステイタスだけじゃなくてレベルまでエラーだよ!」
「えっ?もしかして…俺って最強?」