捨てられた子   作:100円ライター

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眷属

 

 

 

神に嘘は通じない。

 

 

それは心を読めるからなのか、はたまた嘘を吐いているかどうか分かるといった抽象てきなものなのかはわからない。だが口から出任せでは無いことはこの少女を見れば解る。

 

 

嘘が通じないのは当たり前。そんな顔をしている。

 

 

「それはすまなかった、咄嗟のことで驚いて嘘を吐いてしまった。これは肉体的なことではなく精神的に参ってしまいなんというか、体の力を抜きたかっただけなんだ。」

 

 

今度は素直に答える。すると

 

「そうか。それでいったい何があったんだい?ボクで良ければ相談に乗るよ。ボクはこれでも神様だからね。」

 

「いや、いい。これは俺の、俺だけの問題だ。」

 

 

心配そうにたずねてくるがそれを断る。だが少女は食い下がる。

 

「さっきも言ったけどね、ボクはこれでも神様なんだ。子供たちが困っているなら手を差しのべなくちゃいけないんだ。」

 

少女は人当たりのいいというか、人懐っこいというか。見たものの邪気を払うような、そんな笑顔を見せる。

だがフェンリルはその親に、神に見捨てられた存在。その言葉を聞き、喜ぶどころか怒りを覚える。

 

「こっちにも事情がある。それに俺は親に、神に見捨てられた存在だ。俺はあんたたちみたいに嘘を見抜けない。だからあんたたちを信用出来ない。」

 

感情に任せ言葉を紡ぐ。怒鳴らなかった自分を褒めたい気分だ。しかし少女はそれでも食い下がる。

 

「それでもボクは君を放っておけない。」

 

「何故だ?俺に構わなくても他にあんたたちの助けを必要としている奴だっているだろう。俺に構わないでくれ。」

 

そろそろ我慢の限界だ。そう思ったとき、少女の言葉に耳を疑う。

 

「それなら何故君は、今にも泣き出しそうな顔をしているんだい?」

 

こいつ、今何て言った?泣く?俺が?

 

「何を言っている、貴様。何故俺が泣かねばならんのだ。」

 

「それはボクにもわからない。だけどね、そんな顔をしている君を放っておけない。神様としてではなく、ボク個人としてね。」

 

「放っておいてくれ。俺は…、今独りになりたいんだ。」

 

「言っただろう?神様に嘘は通じないんだぜ?」

 

目を見開く。神を名乗る少女は慈愛に満ちた笑みを浮かべ、こう告げる。

 

「良かったらボクの眷属(かぞく)にならないかい?」

 

手を差しのべてくる。甘い誘惑。だがフェンリルは疑心暗鬼に陥っている。過去のこと、把握しきれない神の力。故に

 

「俺はあんたたち神を信用していない。だが冒険者登録に恩恵が必要だ。故にこの手を取ろう。」

 

少女は微笑む。真相心理を見抜いた故か、フェンリルの反応が端から見たら素直じゃない子供の様だったからか。

 

「歓迎しよう、ボクの名はヘスティア。君の名前は?」

 

「俺は…。」

 

名乗ろうか考える。ヘスティア。聞いたことない名だ。だがここは古今東西の神々がいる街。自分の事を知らない神。ならば問題はないだろう。

 

「俺はフェンリルだ。これから世話になる。」

 

「うぅー…。」

 

少女は唸りながら前屈みに縮こまる。

 

「どうした?」

 

「やったー!初めての眷属だー!」

 

突然のことでビックリする。

 

「お、おい。ヘスティア?」

 

「はっ!ビックリさせてすまなかったね。嬉しくてつい。」

 

ははは、と照れた様に頬をかく。そしてとても嬉しそうにしながら

 

「よーし!それじゃあ早速ホームに戻ろうか!案内するよ!」

 

ホームへの道案内をする少女であった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

町外れのボロボロの教会に着く。

 

「ここがホームか?」

 

「え、えーっと…。」

 

 

ばつが悪そうに目をそらす少女。これから何を言われるか。それ以前にまだ口約束だけで眷属になっていない。断られるかも知れない、と不安に思っていたところ

 

 

「いつもここで寝泊まりしているのか?」

 

「う、うん。」

 

「独りでか?」

 

「は、はい…。」

 

終わった…。そう思う少女であったが返ってきた言葉は

 

「そうか、今まで独りで…。辛かっただろう。今日から俺がいるから安心するといい。」

 

予想外にも優しい言葉だった。

 

「い、いいのかい?ボクが言うのもなんだけどこんなボロボロで、眷属も君しかいない…。正直さっきは舞い上がってしまったけど君にだって選ぶ権利はある。その、なんというか…。」

 

「なんだ?俺が入るのが嫌か?」

 

「そんなことない!寧ろ嬉しいくらいだ!だけど、正直君にメリットがない。君が無理してボクの眷属になる必要はないんだ。」

 

するとフェンリルはおもむろに右手を少女の頭に乗せる。

 

「いいんだよ、俺はここで。それに、独りぼっちは寂しいし、辛いよな…。」

 

寂しげに笑う顔を見て、いったいどんな人生を歩んできたのか気になる。だけどそれを聞いてしまったら、全てが壊れてしまうようで少女は何も聞けなかった。

 

「ありがとう。それでは改めて…。歓迎しよう!ヘスティア・ファミリアへ!そしておかえり、フェンリル。」

 

その言葉を聞き、面食らう。けれど優しく、少し困ったように微笑みながら答える。

 

「ああ、ただいま。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





フェンリルLv1


力:SSS 99999
耐久:A 842
器用:F 24
俊敏:D 549
魔力:C 671

『レージング』

自分の半径5メートル以内の任意の空間から鉄鎖を呼び出し操ることができる

『ドローミ』

自分の半径5メートル以内の任意の空間からレージングの2倍の強度を誇る鉄鎖を呼び出し操ることができる

『原点回帰』

真の姿に戻る







力が異常なのはレージング、ドローミを難なく引きちぎった事から
ステータスが高いのは神と巨人のハーフだから
レージング、ドローミは引きちぎったことで眷属にした、と解釈していただければ幸いです
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