捨てられた子   作:100円ライター

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神の宴

 

 

 

 

今ヘスティアはガネーシャファミリア主催の宴に来ていた。本当なら何時もと同じ服を着ていくつもりだったのだが、それを聞いたフェンリルに叱られドレスを買うことになった。その金はフェンリルがダンジョンで稼いだ金なので最初は断ったが

 

「俺はヘスティアのお陰で救われたんだ。これくらいさせてくれ。」

 

と言われてしまえば何も言えなかった。安物を選ぼうとしたのだが気がつけば着せ替え人形と化し、それなりに高いドレスを購入した。値段を知ったヘスティアはフェンリルに詰め寄ったが、曰く一番似合うものを選んだ結果で値段などはどうでもいいとのことだ。

 

そんなこんなでドレスで着飾ったヘスティア。適当に食事をつまみながらぼんやりと自分の家族のことを思い出す。

 

 

 

豊穣の女主人の女将に謝罪をして、ホームに戻る。

ちなみに支払いも忘れずに。

 

 

「黙っていてすまなかった。」

 

ホームについて第一声は謝罪だった。

 

「本来なら、俺は死んだはずだったんだ。」

 

それから静かに語り出す。フェンリル狼としての生い立ち、最期を。

 

「それで、よかったのかい?ロキとは…。」

 

「いいんだ。俺は復讐しようと思っていたし、どこかでやり直しがきくんじゃないかって思ってた。けど、それは結局今までの事をなかったことにしてしまう。俺は見えていなかった。ずっとそばにいたヘスティアのことを。」

 

立ち上がり、ヘスティアの前で跪く。

 

「ヘスティア、すまなかった。そしてありがとう。俺は君に出会えてよかった。これから先、俺は君と共に歩んでいきたい。ダメ…だろうか?」

 

少し困ったように笑いながら訪ねてくるフェンリルを愛しく思いながら

 

「何を言っているんだい?さっきの酒場でもいった通りだ、君を守り、君を支えるよ。だからね、君は後ろめたく感じる必要はないんだ。それに君はボクを選んでくれたじゃないか。」

 

そう微笑む少女は間違いなく女神だった。

 

 

その次の日からだ、フェンリルの稼ぎが良くなったのは。いや、元々初心者にしては稼ぎはよかった方なのだが。毎日普通の食事も出来るし、家具なども少しずつ増えている。

 

話は大分逸れたがそんなこんなで色々と余裕の生まれたヘスティア。

 

「あなた…ヘスティア?」

 

後ろから声をかけられ振り向くと、そこには紅い髪をし、右目に眼帯をした麗人がいた。

 

「ヘファイストス!久しぶりだね!」

 

「ええ、久しぶりねヘスティア。なんというか…。あなた大分変わったわね。」

 

「いやぁ、これはなんというか。ボクの子供が頑張ってくれてね。このドレスだってその子が買ってくれたんだ。」

 

「そうなの?それにしても高そうなドレスじゃない?」

 

「一番驚いているのはボクさ。それでね、

 

と言葉を続けようとすると一人の女神が近づく。

 

「相変わらず仲がいいのね。」

 

「え?ふ、フレイヤ!?なんで君がここに?」

 

ヘファイストスが答える。

 

「ああ、すぐそこで会ったのよ。久しぶりーって話したら、じゃあ一緒に会場回りましょうかって流れになってね。」

 

「か、軽いよヘファイストス…。」

 

「お邪魔だったかしら?ヘスティア。」

 

「そんなことはないけど…。ボクは正直、君のことが苦手なんだ…。」

 

「うふふ、あなたのそういうところ、私は好きよ。」

 

やめてくれよ、というヘスティアは本当にこの女神のことが苦手で正直あまり関わりたくないと思っている。

 

「おーい!ファーイたーん!フレイヤー!ドチビー!!」

 

「もっとも、君よりずっと大嫌いなやつがボクにはいるけどね…。」

 

「あら、それは穏やかじゃないわね。」

 

そういって微笑むフレイヤから視線を外し振り向くと、大きく手を降りながら近づいてくる女神がいた。

 

「あっ、ロキ」

 

「何しにきたんだよ、君は。」

 

「なんや、理由がなかったら来ちゃあかんのか?」

 

そう言ってヘスティアを見たロキはあることに気づく。

 

「なんや?そのドレス?あんたそんなん買える金あったんか?」

 

「このドレスかい?これはねぇ…。」

 

ふふん、と鼻で笑った後にドヤァ!っという効果音の似合いそうな顔で告げる。

 

「愛しの子供が買ってくれたんだ!ボクはこんなに高いもの要らないよっていったんだけどね、これが一番似合うからって、ボクに!プレゼントしてくれたのさ!」

 

「な、なんやて!?」

 

ガーン!と聞こえてきそうな位ショックを受けたロキ。

 

「ふ、ふん。きょ、今日はこれくらいで勘弁しといたるわ…。」

 

「動揺が隠しきれてないよ。」

 

「う、うっさいわアホォー!覚えとけよぉぉぉ!」

 

と、涙を散らしながら会場から走り去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホントに、丸くなったわね、ロキ。」

 

「丸くなったというよりも小物臭しかしないんだけど…。」

 

「下界に来るまではどこかの神々に殺し合いばかり仕掛けていたのよ。今の方がずっと可愛いわ。何より危なっかしくないもの。」

 

「ふん!あんな小物のことなんかしるか!」

 

 

 

「ロキは子供たちが大好きなのね。だからあんな風に変わったのかもしれない。」

 

「なんだよ、それ。」

 

ヘスティアの呟きに二人は驚く。それに気付きハッとするヘスティア。

 

「ま、まあ。子供たちが好ましいっていうのはロキに同意してあげるよ。」

 

「へえ?前までは『ファミリアに入ってくれないなんて子供たちは見る目がなーい!』なんて言ってた癖に…。あなたのファミリアに入った子のおかげ?」

 

「ああ、あの子は凄くいい子だよ。ボクなんかには勿体ないくらい。」

 

そんな二人の会話を聞いていたフレイヤはグラスを置く。

 

「それじゃあ私も失礼させてもらうわ。」

 

「もう?フレイヤ、貴女用事が有るって言ってなかった?」

 

「いいのよ、聞きたいことは聞けたし。それに…。」

 

間をあけて

 

「ここにいる男は、みんな食べ飽きちゃったもの。」

 

それじゃあ、と言い残しひしめく神々の中にも消えていく。残された二人は微妙な顔をしながら

 

「やっぱりフレイヤも美の女神…。だらしないよ。」

 

「まあフレイヤ達が愛や情欲を司どらなければ誰がやるんだって話になるんだけどね…。」

 

 

 

 

なんだかんだで宴は終わる






武器を作ってなんて言いません。必要ないから。

よくよく考えたらフレイヤとフェンリルは同郷、というか同じ神話出身なのでどうやってフレイヤに狙わせるか悩みます。
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