ベートの道案内のもと、よく知る場所へと無事にたどり着く。
「本当に助かった。お礼をしたいからこれからご飯でも食べにいくか。」
「お前グイグイくるな。」
「なにがいい?やっぱり肉か?」
「人の話を聞けよ…。いや、もう食ったしそんなにがっつりはいらねぇよ。」
「それじゃあじゃが丸くんでも食べるか。」
露店で購入し、近くのベンチに座って食べる。代金はフェンリル持ちである。
「それにしてもこの前と随分印象が違うな。」
「なんだ、藪から棒に。」
「いや、思いの外子供っぽくてビックリしたというか。」
「んー、まあな。あれ以来あまり取り繕う必要が無くなったというかな。信頼できる、大切な家族がいるからか、背伸びする必要もないだろうと思って、素直に生きることにしたんだ。少しずつだが。」
「そうか…。」
「この世界には俺の知らないこと、見たことのないものが沢山ある。前までは視野が狭くて、何も見えなかったが、余裕が生まれて周りを見渡せるようになった。そしたらこの世界は綺麗なことに気付けたんだ。」
「お前が思ってるほど綺麗じゃねぇよ…。」
「それはわかっているつもりだ。この世界は時々残酷だ。汚くて醜い1面もあれば、とても美しく、眩しい1面もある。それらを全てひっくるめて綺麗な世界なんだ。この世界は理不尽なだけじゃない。そう気づけただけでも儲けものさ。」
「ほんと、達観してるのか子供っぽいのかわかんねえな。」
「誉め言葉として受け取っておこう。」
フェンリルは微笑む。それにつられてベートも笑う。穏やかな時間が流れ、二人を包む。この光景を見た人々はきっと彼らを仲のいい友人同士に思うだろう。
そんな二人を見つけた金髪少女が1人。アイズ・ヴァレン某である。同じ団員にも噛みつくベートが、自分達の主神であるロキに襲い掛かった狼人と仲良さげに話している姿を見つけ、割りと混乱していた。すると狼人は視線に気付いたらしく目が合う。しかしそのまま視線を外されてしまう。
アイズにとって、酒場での出来事があった日以前に1度会ったことがあるので、顔を会わせるのは今回で3回目なのだが、如何せんフェンリルにとっては今回が初対面なのでそのままスルーされる。そんな反応をされたアイズは何を思ったのか、二人に近づく。
「ベートさん。」
「うお!あ、アイズ!?」
完全に油断していたのか、驚くベート。それを見て何か勘違いするフェンリル。
「どうしたベート。慌てすぎじゃあないか?む、もしかして…。わかったぞベート。お前の…コレだな?」
などと言い小指をたてる。アイズは意味がわかっていないようだが
「ち、違うわ!それよりなんでお前はそんな下らないことばかり知っているんだ!」
「照れるな照れるな。なに、ここにいては邪魔だろう。俺は帰ってヘスティアでも待つとするか。ベート、助かったぞ。またな。」
そう言って颯爽と去っていく後ろ姿を見つめる二人。このあとすぐに二人の間に微妙な空気が流れたのは言うまでもない。
深夜テンションのせいか、キャラ崩壊してる気がする。