世界の終焉を阻止するためヴァチカンの命によって設立された直属の対AKUMA軍事機関
その名を黒の教団。
AKUMAとは絆の深かった者に死者の魂を喚び出させて、ダークマターから造られた魔導式ボディの原型に取り込み、拘束することで生まれる哀しき兵器である。
其処に所属しAKUMAを破壊する結晶、イノセンスを宿した者達をエクソシストと呼んだ。
エクソシストたちの主な仕事は、イノセンスの捜索で、『怪奇現象がある所にイノセンスあり』と言われており、世界各地で怪奇現象が起きてる所を虱潰しに探していき、イノセンスを捜索する。
そして、AKUMAの製造者にして、7000年以上前から存在する世界終焉を目論む人物、千年伯爵もまたイノセンスを探しており、エクソシストは千年伯爵が送り込んでくるAKUMAと日夜戦いを繰り広げている。
そして、今この黒の教団の総本部に、ある二人のエクソシストがいた。
自室の椅子に座り、机の上にトランプタワーを作っているのは、ウィルヘルム=シュナイダー。
そして、ベッドの上で金髪のツインテールをベッドの端からはみ出し、眠っているのはレスティア=ディオール。
トランプタワーの最後の頂上を作ろうと最後のトランプを乗せようと、震える手をゆっくりと動かす。
『こいつ…………アウトぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?』
門番の全力の叫びが教団内に響き、完成間近の18段トランプタワーはトランプの山になる。
「…………………」
ウィルヘルムことウィルはその山を呆然と眺め、そして叫んだ門番と門番を叫ばせた人物に怒りが湧いた。
部屋のコート掛けに掛けてある団服のコートを羽織り、愛銃であるイノセンス“
「うにゅ?何処行くの?」
ベッドで寝ていたレスティアことティアが眠たそうに目をこすり、出て行こうとするウィルに声を掛ける。
「ちょっと外に行ってくる。門番が騒がしい」
「私も~」
そう言い、ベッドから降り、コート掛けからウサ耳の付いた団服を羽織る。
そして、ウィルの背中をよじ登り、肩車の体勢になる。
「落ちるなよ」
「うん」
ティアはウィルの頭をしっかりと掴み、そして、ウィルは全力で走り出す。
向かうのはもちろん誰も使わない教団の正門。
向かってる最中、本部内では侵入者(AKUMA)の侵入を知らせる放送が流れていた。
そこに向かうと、丁度同じエクソシストである、神田ユウこと神田が白い髪に左腕が銀色の鉤爪のような形状の少年と戦っていた。
「あの白いのがAKUMAか……」
「なんかAKUMAには見えないけどな~」
刀を向ける神田に、白い髪の少年は大声で叫ぶ。
「紹介状が送られてるはずなんです!コムイって人宛に!」
その言葉を聞いた瞬間、ウィルは何かを悟り、自室へと戻る。
「帰るの?」
「ああ。どうせ、コムイの馬鹿が机を片付けない所為で、紹介状を見逃してたんだろう」
そう言い、ウィルは肩にティアを乗せたまま、自室へと戻り、トランプタワー製作を開始した。