D.Gray-man~罪人の執行者~   作:ほにゃー

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第一夜 初任務

「……………またか」

 

ウィルが目を覚ますと、ティアは大の字にベッドに横になり、頭をウィルの足の方に向け、自身の足を、ウィルの顔にぶつけていた。

 

ウィルはティアの足を退かし、ベッドから起きると寝巻にから団服に着替える。

 

それから三十分後、ティアも目を覚まし、ティアの着替えを終えると二人はいつも通り、肩車をして食堂へと向かった。

 

「あら、ウィルにティア!おはよーん!」

 

食堂に着くと料理長のジェリー(♂)が二人に声を掛ける。

 

「ジェリー、いつもの頼む」

 

「私もー」

 

「はーい!待っててね!」

 

そう言うと物の数分で、二人のいつもの朝食が用意される。

 

ウィルはご飯とみそ汁に沢庵、そして、日によって変わるおかずが二品。

 

今日は焼き鮭と卵焼き。

 

ティアはパンケーキとミルクティー。

 

ウィルは二人分の朝食(二人分を一つの盆に乗せてもらってる)を持ち、肩にティアを乗せながら込み合う食堂内を移動する。

 

一人分の席を見付けると、ティアを下ろし、最初にウィルが席に着く、すると膝の上にティアが座り、二人は朝食を食べ始める。

 

その時―――

 

「何だとコラァ!もういっぺん言って見やがれ!」

 

探索部隊(ファインダー)の一人が叫んでいた。

 

「うるせーな。飯食ってる時に、後ろでメソメソ死んだ奴等の話されちゃ、飯が不味くなんだよ」

 

その探索部隊(ファインダー)が怒鳴っていた相手は、エクソシストの神田ユウだった。

 

「それが殉職した同志に言うセリフか!俺達探索部隊(ファインダー)はお前らエクソシストの為に命懸けでサポートしてやってるのにそれを……それを……!飯が不味くなるだと―――――!!」

 

探索部隊(ファインダー)が拳を振るが、神田はそれを躱し、探索部隊(ファインダー)の首路掴んで持ち上げる。

 

「うぐっ!」

 

「サポートしてやってる?はっ!サポートしかできねぇんだろ。お前らはイノセンスに選ばれなかったハズレ者だ。死ぬのが嫌なら出てけよ。お前一人分の命ぐらいいくらでも代わりはいる」

 

「ストップ」

 

神田を止めたのはこの間の新入団員だった。

 

「関係ないとこ悪いですけど、そういう言い方はないと思いますよ」

 

「……………離せよ、もやし」

 

「もやっ…!……アレンです!」

 

「一ヶ月で殉職(くたばら)なかったら、覚えてやるよ。ここじゃバタバタ死んでいく奴が多いからな、こいつみたいに」

 

そこで、アレンは神田の腕を強く掴み、首を掴んでる腕を無理矢理離す。

 

「だから、そういう言い方はないでしょ」

 

「……早死にするぜ、お前。嫌いなタイプだ」

 

「そりゃどうも」

 

まるで前世からの因縁とも言えるぐらいに仲の悪い二人に食堂内では全員が唖然とする。

 

そんな中、ウィルとティアは黙々と朝食を食べていた。

 

「お!いたいた。神田!アレン!それと、ウィル!」

 

三人を呼び掛けたのは化学班班長のリーバーだった。

 

三人はリーバーの声に反応し、振り向く。

 

「十分で飯食って司令室に来てくれ」

 

リーバーに言われ、三人は朝食を終え、司令室に行くと、室長であるコムイが机に突っ伏して寝ていた。

 

「室長!コムイ室長!」

 

リーバーが肩を揺するが起きる気配が無い。

 

「………リナリーちゃんが結婚するってさ」

 

「リナリィィー!!お兄ちゃんに黙って結婚だなんてヒドイよぉ!!」

 

「悪いな。この人、これじゃないと起きないんだ」

 

アレンはコムイの反応に引き気味に下がり、実の妹であるリナリーと神田は呆れ気味に溜息を吐く。

 

ウィルとティアはと言うと、気にせず二人で話をしていた。

 

数分後、コムイを落ち着き、任務(しごと)の話になる。

 

「時間が無いから、あらすじを聞いたらすぐに出発して。詳しいことは資料を渡すから読みながら行くように」

 

リナリーが資料を、ウィル、神田、そしてアレンに渡すと、アレンと神田は顔を見合わせ驚く。

 

「今回は、神田君、ウィル君。そして、新人のアレン君に行ってもらうよ」

 

そう告げられると、二人は嫌そうに「ゲッ!」と言う。

 

「え、何?もう仲悪くなったの、君ら?でも、我儘は聞かないよ」

 

そう言うと、コムイは壁に広げた地図を見せる。

 

「南イタリアで発見されたイノセンスがアクマに奪われるかもしれない。早急に敵を破壊し、イノセンスを保護してくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒の教団内・地下水路

 

外へ出るための水路でアレンはコムから団服のコートを受け取り来ていた。

 

「これ着なきゃいけないんですか?」

 

「エクソシストの証みたいなものでね。戦闘用に作ってあるから頑丈だよ。それと左手の防具は僕なりに改良してみた」

 

コムイとアレンの会話の横で、ウィルはティアを慰めていた。

 

「ティア。そう不貞腐れるな」

 

「だって……いつもは私とウィルの二人で任務なのに、私だけ仲間外れだもん」

 

涙目でウィルの腰回りに抱き付いてるティアの頭を、ウィルは優しく撫でる

 

「お前、この前の任務で怪我した腕、まだ完治してないだろ。それに、今回の仕事でエクソシスト四人は多すぎる。三人でも多いが、今回は新人もいる。だから、俺も行かなきゃならないんだ」

 

「う~…………」

 

中々機嫌の直らないティアに、ウィルは首を掴んで、腰から剥がす。

 

そして、自分よりかなり身長の小さい、ティアを抱える。

 

「大丈夫だ。すぐに戻って来る」

 

「………約束だよ」

 

「ああ。お前のいる場所が俺の帰る場所だ。だから、大人しく待っててくれ。そんで、俺が帰ってきたら笑顔で出迎えてくれな」

 

「………………うん!」

 

ティアは笑顔を浮かべ、ウィルの首に抱き付く。

 

「いってらっしゃい」

 

「いってきます」

 

ティアが耳元で囁くように言うと、ウィルもティアだけに囁くように言う。

 

そして、三人はティアとコムイに見送られ、任務地へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻・南イタリア マーテルの地

 

「よし!結界に捕えたぞ!」

 

「死んでも出すなよ!」

 

探索部隊(ファインダー)達は現地で結界装置(タリズマン)を使い、三体のアクマを捕えていた。

 

「これで暫くは時間が稼げますね、隊長」

 

「……どうかな。この数の結界装置(タリズマン)で足りるかどうか………それに、中央のあのアクマ、かなり人間を殺してるな」

 

探索部隊(ファインダー)の隊長がそう言うと、結界装置(タリズマン)を持っていた隊員が頭を撃ち抜かれ、倒れる。

 

「なっ!!」

 

中央のアクマは結界を撃ち抜き、隊員を撃ち抜いたのだった。

 

結界が膨れ上がるように、悪魔が怪しく、そして不気味に輝く。

 

「まずい!退避しろ!コイツ、進化するぞ!」

 

隊長がそう叫ぶと、結界を破壊するように進化したアクマが現れる。

 

「私はアクマ。ダークマターから生まれた新たな自我。育んでくれて、どうもありがとう。レベルアップだー」

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