D.Gray-man~罪人の執行者~   作:ほにゃー

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第五夜 教団壊滅未遂事件

「ふぁ~………もうすぐ教団に着きますね」

 

教団の地下水路に繋がる川を渡り、アレンは隣のウィルに言う。

 

「ああ。帰ったらすぐに眠りたいぜ」

 

「そう言えば、ウィルと一緒に居た女の子は、妹さんですか?」

 

「いや、違う。アイツはレスティア。ティアって呼んでやってくれ。俺とは同じ師を持ってる」

 

「そうなんですか!背が小さいからてっきり妹かと……」

 

「それ、気にしてるからアイツの前では言うなよ」

 

そう言い、ボートが水路に到着する。

 

「回収したイノセンスはどうすればいいですか?」

 

「科学班に行けば誰かがいるはずだ。行こうぜ」

 

「はい。あ、そうだ。ウィルに聞きたいことがあるんですけど」

 

「なんだ?」

 

「エクソシストに――」

 

アレンが何かを言い掛けると、階段の陰に誰かが居るのを見付けた。

 

それは気を失ってるリナリーがいた。

 

「「リナリー!?」」

 

二人は急いでリナリーに駆け寄り助け起こす。

 

「ウィル……それに、アレンか………」

 

そこに現れたのはリーバーだった。

 

「リーバー!どうしたその怪我!?」

 

ボロボロのリーバーにウィルが尋ねる。

 

「に、逃げろ………奴が……来る………」

 

「え?」

 

すると、行き成り壁を破壊しながら変な機械が現れる。

 

「な、なんだコレ!」

 

「な、なんなんですか!?」

 

「来やがった」

 

機械はウィルとアレン、リナリーを見ると、反応を示した。

 

『アレン=ウォーカー、リナリー=リー、ウィルヘルム=シュナイダー。エクソシスト三名発見。手術だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

そう叫び襲い掛かってくる機械から四人は逃げる。

 

「おい!リーバー、あれはなんだ!?」

 

「コムイ室長の作った万能ロボット“コムリンⅡ”だ。見ての通り、暴走してる」

 

「「何でだ!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレンとウィルが帰ってくる数分前。

 

ティアは自室のベッドの上でだらけていた。

 

大好きなウィルが任務でおらず、ウィルニウム(ティアの必須栄養分)が補給できず、やる気が起きなくなっていた。

 

暫くの間はウィルのワイシャツの匂いを嗅いだりして補っていたが、匂いが薄れて来て、自分の匂いしかしなくなった。

 

そんな時リナリーが科学班にコーヒーを差し出しに行くから付いて来るように頼み、一緒に科学班で給仕してると、コムイが先程のロボット“コムリンⅡ”を開発し、科学班一同大喜びだった。

 

だが、コムリンⅡが急にコーヒーを飲み出し、そして、行き成りリナリーの首に麻酔を撃ち込んだ。

 

そして、恐ろしいことを言い出す。

 

『私はコムリンⅡ……エクソシストをサポートするのが務め…………この女エクソシストはマッチョに改造するべき!』

 

その言葉に全員が戦慄した。

 

そんな中、ティアはすぐに動き、自身のイノセンスの力でコムリンⅡを破壊しようとする。

 

が、コムイが壊されたくないのか、麻酔針を吹き矢で撃ち込み、ティアを眠らせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「以上が事の顛末だ」

 

((くっだらね!))

 

その説明に、ウィルとアレンは素直にそう思った。

 

「リナリーは大丈夫なんですか?」

 

アレンは未だに眠っているリナリーを見る。

 

「ああ、麻酔薬で眠ってるだけだ」

 

「リーバー。ティアは何処だ?」

 

「すまん。俺もリナリーを助けるので精一杯でな。ティアは見てない」

 

「………そうか」

 

ウィルは少し辛そうにそう言う。

 

その時、吹き抜けから逆三角錐の様な浮遊式のエレベーターが現れ、そこにはコムイをはじめとする科学班のメンバーと眠っているティアもいた。

 

「班長!無事ですか!」

 

「あ!アレンとウィルもいる!」

 

「早く!こっちに来い!」

 

「リナリーはまだスリムかい!」

 

しかし、そこにまだコムリンⅡが壁を破壊し、現れる。

 

「機械が……インテリなめんな!」

 

すると眼鏡を掛けた科学班の青年、ジョニーがエレベーターに搭載した大砲を構える。

 

『ぶちかませー!』

 

「ダメぇぇぇぇぇ!!」

 

コムリンⅡを撃とうとするジョニーの顔をコムイが飛びつき覆い隠す。

 

驚いたジョニーは、誤ってレバーを操作してしまい、回転しながら無差別に大砲が発射されてしまう。

 

「どわわわわっ」

 

ウィル達の下にも砲弾は撃ち込まれ、必死にかわす。

 

そして、砲弾は尽きる。

 

コムリンⅡにダメージはなく、教団を破壊しただけである。

 

「何してんだお前ら!殺す気か!」

 

「は、反逆者がいて」

 

味方に殺され掛けたリーバーが叫び、科学班はコムイを縛り上げ、大砲の先に逝かせる。

 

「コムリン」

 

コムイは涙を流しながらコムリンⅡを見つめ、

 

「アレン君の対アクマ武器が損傷してる。それとウィル君も、怪我を負ってる。治してあげなさい」

 

「「え゙?」」

 

『損、傷…』

 

コムリンⅡがウィルの肩と、アレンの左腕を見つめ、

 

『優先順位設定!ウィルヘルム=シュナイダー、アレン・ウォーカー重傷により最優先に処置すべし!』

 

ウィルとアレンの右足を掴み、手術室へ連行する。

 

「 何、あの入口!?」

 

「コムイ!お前、俺達を生贄にするつもりか!」

 

アレンは泣き叫びながら必死に抵抗し、ウィルはコムイを睨み言う。

 

「リーバー君!二人が犠牲になってるうちに、リナリーをこっちに!」

 

「アンタ、鬼か!」

 

コムイがあてにならないと分かると、ウィルとアレンは自身の対アクマ武器を発動させ、構える。

 

「おお!アレがアレンの新しい対アクマ武器か!」

 

アレンの左腕が銃の形状に変わるのを見て、リーバーが声を上げる。

 

しかし、そんなウィルとアレンに向け、コムイが麻酔針を呼びの吹き矢で打つ。

 

「ふにゃ……!」

 

「ぐふっ……!」

 

アレンはイノセンスを解除してしまい、ウィルもイノセンスを落とす。

 

「室長!」

 

「まだ吹き矢なんか隠し持ってたのか!」

 

「取り上げろ!」

 

「だってあんな攻撃食らったらコムリンが、コムリンが!」

 

「大人になって下さい!」

 

ウィルとアレンはそのまま足を掴まれ、ずるずるとコムリンⅡの体内手術室へと導かれる。

 

「りーばーしゃん……りなりーを……たのみましゅ………」

 

「りーばー……後は、頼む…………」

 

その言葉を最後に二人は手術室へと閉じ込められる。

 

「くそっ!ウィル!アレン!」

 

リーバーはなんとか二人の団服の端を掴み、引っ張り出そうとするが普通の大人の男の力では無理だった。

 

「収容完了。続いて、リナリー=リーの確保に移る!手術だぁぁぁぁぁ!」

 

そして、コムリンⅡの足がリナリーに迫る。

 

「リナリイィィィィィィィ!!」

 

コムイの絶叫が響く。

 

だが、リナリーはコムリンⅡには捕まっておらず、エレベーターから出っぱなしの大砲の上に乗っていた。

 

「アレン君とウィル兄の声がした………帰ってきたの」

 

リナリーがそう言うと、いつの間にか目を覚ましたティアもリナリーの傍に立ってた。

 

「ウィルに匂いがした………帰って来た~」

 

へにゃっと笑うティアとリナリーは、同時に自分たちのイノセンスを発動させる。

 

黒い靴(ダーク・ブーツ)”と“巨人の腕輪(オーガーズ。ブレスレット)”を。

 

二人は、コムリンⅡに向かって飛び掛かると、リナリーはイノセンスでコムリンⅡの頭部を蹴り壊す。

 

その光景にコムイはショックと戦慄を覚えた。

 

そして、ティアは手術室の扉に拳を叩き込み、扉を破壊し、ウィルとアレンを引っ張り出す。

 

するとコムリンⅡはレーザー兵器を出し、二人を攻撃するが、二人はそれを舞う様に躱す。

 

「へへっ!イノセンスを発動したティアとリナリーを捕まえるのは無理だ!」

 

リーバーは二人を安全な場所まで引っ張り言う。

 

「蝶の様に舞い、鋼鉄を破壊する脚力を生むイノセンス。リナリーの対アクマ武器“黒い靴(ダーク・ブーツ)”。そして、自身の肉体を強化し、全てを粉砕する破壊力を腕に与えるイノセンス。ティアの対アクマ武器“巨人の腕輪(オーガーズ・ブレスレット)”。イノセンスを発動した二人は無敵だ」

 

戦闘は一分も掛からなかった。二人のエクソシストの猛攻によりコムリンⅡはすぐにスクラップへと形を変えた。

 

「兄さん、後でちょっとお話ね」

 

「ウィル~!」

 

リナリーはイノセンスを解除しながら、コムイに笑顔でそう言い。ティアはすぐにウィルに飛びつき、胸元に顔をうずめると匂いを嗅ぎだす。

 

「で、でもリナリー!これは、その………!」

 

コムイが言い訳をしようとすると、リナリーの背後で何かが動く。

 

それはコムリンⅡだった。

 

「そんな!破壊したはず!」

 

「コムリンⅡは核であるコアが破壊されない限り、完全とは言えない物の、ある程度の自己修復が可能なのさ!凄いでしょ!」

 

「ヤバいぞ!リナリーはイノセンスを解いじまってる!」

 

「ティア!」

 

ティアは慌てて、イノセンスを発動するが、間に合わなかった。

 

リナリーは目を閉じ、衝撃に身構えた。

 

そして、リナリーのいた場所にコムリンⅡの腕が伸びる。

 

「リナリイィィィィィィィィィィ!!」

 

本日二度目のコムイの絶叫が響く。

 

だが、またしてもそこにリナリーはいなかった。

 

リナリーはコムリンの頭上、そこにいる一人の青年の腕の中にいた。

 

お姫様抱っこの状態で。

 

「えっと、ここが黒の教団本部でいいのか?」

 

青年はそう言い、リナリーを見る。

 




最後に出て来た青年の正体は?

次回、明らかになります。
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