オーバーロードと箱庭の魔王 作:唐揚げくーん
【アウターヘブン〈outerheaven〉】
2094年の最初に日本メーカーが発売した世界初の体感型MMOゲーム。体感型というのは専用コンソールを利用して、外装に五感を投入し、仮想の世界で現実にいるかのように遊べるゲームの事である。
箱庭の世界を舞台とし、アバターやコミュニティを育て上げ、無数のギフトゲームに勝利を納めて箱庭の上層を目指していくゲームであり、自らが独自のギフトゲームを作り出したりする事も可能でその内容は千差万別、正に無限大であった。
初めての体感型MMOといった事もあって世界中の人達がプレイしていたが、後に発売された体感型MMO「ユグドラシル」の発売によって殆ど全てのプレイヤーがこの世界を去り、新たなゲームの世界へと旅立っていった。
この世界からある一人を除いたプレイヤーが居なくなって数ヶ月が過ぎた。いよいよ、アウターヘブンのサービス終了の日がやって来たのだ。
箱庭の上層で一桁最強を誇った伝説のコミュニティ「アルカディア」の円卓の間に1人のプレイヤーが座りながら、サービス終了を待っていた。
「今日でサービス終了か〜」
俺は転生者であり、特典としてこのゲームを神様に作って貰い、最後の一ヶ月は俺以外のプレイヤーが誰もこない様にして貰っていた。
このゲームはアニメの「問題児達が異世界からやって来るそうですよ?」「カンピオーネ」を元にしており、少しずつ様々なゲームやアニメの要素も取り込まれている。
このゲームはユグドラシルの弟分であり、この世界での通貨を多く持つとユグドラシルで多少なりとも特典が得られるのだ。
それにユグドラシルの発売と同時にこのゲームのサービス終了期間が発表されていた為に俺以外のプレイヤーは自身が持つ全ての恩恵や権能やアイテムやコミュニティすらも捨て値で売り払っていったのだ。
そして、現在いる円卓の間には5人のNPC達が控えていた。
コミュニティのメンバー皆んなで作り上げたNPC達。その合計数は数十体にも及び、アニメに登場するキャラクターの容姿に似た姿や設定の者達もかなり居る。
「今まで楽しかったよな」
アバターになれる事を知っていた為にどんな廃人達よりもこのゲームに全てを捧げてきた。
コミュニティの仲間達との冒険や、コミュニティ全員で頭を捻ってギフトゲームを作ったりもした。その全てが今では過去のものであり、分かってはいたのだが何処か寂しさが込み上げてきた。
勿論、これは俺が悪いだけでコミネュティのメンバーが悪い訳では無い。これは自らが望んだ特典の結果なのだから。
刻一刻と迫ってくるサービス終了の時間。
10……9……8……7……6……5……4……3………、2…………、1……………、0
こうして一つの世界が終わりを告げた。
だが、この世界の終りとは新たな始まりを意味する。
これから始まるのは最強と称されたギルドやNPC達を従えた魔王の物語である。