White Glint stratos 空駆る白き閃光 作:人類種の天敵
「う………俺は一体………?………ダメだ…何も……思い出せない……そもそもここは何処だ?」
起き上がった俺は辺りを見渡すが、其処には誰もいない。俺だけだ
「…………死んだ………のか…?」
それとも死と同等の衝撃を喰らったってことか?
「………ダメだ……何もわからない…」
ため息をついて額に手を置いた時、その声は聞こえた
「久しぶり……だね……」
「………………フィ……オナ………?」
懐かしいような心地よい声。彼女の声が耳に響いた時。目の前に彼女が立っていた
「フィ…フィオナ!!フィオナ!!」
彼女の名前を叫び、目の前の彼女へ腕を伸ばす。そして俺の両腕の中へ、彼女の頭が、体全体がすっぽりと収まる
「くす……貴方が……居なくなってから………久しぶりに貴方に逢えた……貴方は……あの頃と、ちっとも変わってない」
「?」
「これは夢だけれど……私にはもう……それで十分……」
「フィオナ………?」
「目が覚めたら……また貴方のいない世界に独りぼっち………だから…今だけは………」
腕の中の彼女は、ひどく震えていた……声が途切れ途切れ、嗚咽が混じり、掠れた涙がポトンと下へ落ちていく
「お願い………今だけは貴方の傍に……」
俺の腰に手を回して、離れまいとするフィオナの頭を、愛おしく撫でる
「大丈夫だ、フィオナ…俺はもうお前の傍を離れない」
「でも貴方は…戻る場所がある…」
腕の中のフィオナが、上目遣いに俺を見つめていた。フィオナの言葉に俺の頭を…幼い頃からの幼馴染が、さっき会ったベルリオーズが……変態が……
「いいんだ……お前に逢えたなら別に」
「………」
「行こう。フィオナ……一緒に帰ろう」
「それは出来ないわ……貴方も……私も…」
フィオナ?彼女の名を呼ぶが、フィオナは俺の腰から手を離して、フワッと俺から離れてしまった
「待って……待ってくれ……!フィオナ!」
必死に手を伸ばす。だが彼女には届かない
必死に足を動かして彼女の元へ駈け出す。しかし足は泥にまとわりつかれたように動かない
必死に喉から声を出す。彼女の名前を叫び続けるも、彼女はもう俺から背を向け……俺を見てはくれない
「フィオナ…!!待ってくれ!俺は……俺は!!」
足がつっかえて転ぶ、それでも彼女へ手を伸ばす。だが、彼女が俺を振り返ることは無い
「ごめん……ね。もう、お別れの時間みたい」
フィオナの酷くか細い声が耳を打つ
「こんな夢なら……貴方と居られる夢なら……何時までも覚めて欲しくなかった」
「……ッ!!!フィオナーーー!!!」
「さようなら……愛しのレイヴン」
目の前を、いや。彼女周りを眩い光が交差して、だんだん彼女が見えなくなる
「フィオナ!!フィオナァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
そして俺も……目の前がだんだん眩く……なって……………フィ…オナ…………
「フィオナッ!!!」
彼女の名を呼ぶが…其処はさっきいた場所では無い……ここは?
「保健室だ……アナトリアの傭兵」
「………ベルリオーズ」
壁に寄りかかって腕組みをするベルリオーズへ胡乱の目を向ける
「……お前がイクバールの魔術師……サーダナに掘られる直前に……生徒会長、更識楯無がお前とあの変態ごと水で拘束した。あの変態は拘束できたが、お前がな………」
「?」
「あの変態に掘られると確信したのか……気絶してしまってな………更識がお前を見ておくわけにもいかず、私がお前とここに居るってわけだ……あと一人隣で寝てるがな」
シャーッとカーテンを開くと「う、うーん。うぅーん」と唸っている女がいた。こいつは確か衣服を剥かれてナニカされていた女だ
「まったく……イクバールの魔術師か……面倒な相手だ……それで?」
「………何がだ」
「いい夢は見れたか?アナトリアの傭兵」
「!!!」
「フフ、隣の奴と同様に、酷くうなされていたぞ」
思わず口に手を置く、顎から汗が滴り落ちた。どうやら寝ている間に俺の体は酷く汗ばんでいたらしい
「お前には関係無いだろう?」
「まあもっともだがな。さて、目が覚めたなら行くぞ」
ハンガーにかけてあった俺の制服を取るベルリオーズ。俺はとりあえず汗を置いてあった汗拭きシートで拭ってから制服に着替えた
「……ふむ」
「何を見てるんだお前は」
途中上半身裸の俺をじっくり見ているベルリオーズの視線に気付いてジト目で抗議する
「いや、さっきも言ったようにこの身体は筋肉が付きにくくてな……羨ましいと見ていただけだ」
「………そうか?というかお前はグラビア雑誌のモデルもやってるんだろう?肉がついたらやばくないか?」
「それはそうだが………ふむ……この世界でも逞しいのか?お前の身体は」
じっくりと値踏みするような目で見られ、少しサーダナと同じような既視感をベルリオーズに抱くが……こっちは純粋に筋肉か?
「あの時代より若いからな……比べ物にならんほどには鍛えた」
「そうか……」
「質問が済んだならさっさと教室へ行くぞ」
と言って扉を開ける、が
「……教室は何処だ………」
元から楯無に案内してもらう筈だったのであいつがいないのは予想外だった
「フッ……私に任せておけ。アナトリアの傭兵…こっちだ」
数分後、ベルリオーズに連れられて辿り着いた「1-A」と書かれた教室へ入ろうとすると、「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」という、何処の国の秘密兵器だ。いや必殺兵器だとでも言うような。ヒトラーの毒ガス真っ青の音響兵器がこれでもかというほど教室の窓を振動させた
「なんだ此処は………」
「私とお前が所属するクラスの1-Aだ」
初っ端から面倒臭そうだな……。その言葉を飲み込んでドアを開ける
「………ん、やっと帰ってきたか。零」
「織斑……千冬…!!お前もしかしてこの学園の教師か!?……!!」
ビュンッッッ!!!バシィィィィ!!!
「「「「「ッ!!?織斑先生の出席簿を防いだ!!?」」」」」
ドアを開けて教室へ入った途端目にしたあの黒い女。織斑千冬、彼女がIS学園の、しかも自身のクラスの教師だということに驚くと、出席簿が飛んできたので弾き飛ばした
「ほう、服の上からでも分かるぞ、零。相当鍛えたな。以前とは見違えるほどに強くなっている」
「今のは挨拶か?千冬。それと、そんなお世辞はやめろ。さあ何処だ?何処で俺と殺る?何処でなら俺はお前と殺れるんだ?」
「ね、ね!聞いた聞いた?零、だって!しかもあの人織斑先生を千冬って言ってたわよ!!」
「しししししし、下の名前で呼び合う関係だったなんててててて!!?わ、わわ私の割り込む余地はないのね……」
「そ、そんな……千冬様に嬲られたくて暗黒大陸からはるばるやって来たっていうのに………」
「そんなことより!!今ヤるって言ってたのよ!?犯るって!!千冬様を姦る気満々じゃない!!!」
「ち、千冬姉……ああいうタイプが好みなのか………ごくり……」
千冬と言葉を交わしただけで教室全体が騒ぎ出した
「………何を言ってるんだ?こいつらは……」
「アナトリアの傭兵……まあ、お前が悪いわけではないが……」
「はぁ………まったく……このバカ共は……それと、お前もだ。私のことは先生と呼べ」
「?分かった。千冬先生」
「……………まあ付けないよりはマシか………貴様ら、そろそろ静まらんか!…零。最後に貴様が自己紹介をして終わりだ。さっさとやれ」
八つ当たりのように千冬が言うので、逆に笑ってしまった。まったく、災難なもんだ
「俺の名前は鴉白 零だ。当面の目標はまず生身で千冬先生に勝つ。その次はISでも勝つ。そんな所だ……宜しく頼む」
「「「「「えっ!!?」」」」」
千冬の一喝で静まったクラスが、またザワザワと騒めき出した
「世界最強に挑戦状か……フフ。無謀だな……アナトリアの傭兵……他の奴らと同じだと思ってはいないが……な」
「……はぁ、もういい。お前は席につけ………私を倒せるかどうか、楽しみにしているぞ」
「すぐだ……首を洗って待っていろ」
千冬に宣言し、後ろにある自分の席に着こうとした時……目の前の男から……確か1番最初のISを起動した男性搭乗者から、異常な殺気を感じた……しかし……なんだ?この禍々しいオーラは……
「千冬姉は俺の…絶対に渡すもんかよ…………ブツブツブツブツブツ」
とりあえず気にしない方向で席に着いた
前書きでアディオスと言ったな。あれは嘘だ。つってももう行かなきゃいけないのであとがきも短く〜!とりあえず一夏は姉が関わると強くなる。あとなんか最近龍騎にハマってる。ゾルダとリュウガ最高にかっこいい。近々リュウガに変身する主人公でISを書くかも