東方アリア伝   作:仙儒

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15話

 久々の私視点だな。

 一人称が私じゃ誰だかわからないか。

 アリアだ。

 朝日が昇ると同時に目が覚めた。

 魔界では太陽が無いため、朝の日差しが眩しすぎて目が覚めてしまったのだ。

 今頃魔界は大パニック状態だろうな。

 母さんが錯乱して魔界で暴れまわっていないか心配だ。

 それとも幻想入りで本当に忘れ去られたのか?

 神隠しの仕業だと確定しているが神隠しの仕業では無く忘れ去られたらどうしよう。

 神隠しの仕業だという確たる証拠もまた、無いのだ。

 もしも本当に皆が私を忘れてしまったのだとしたら・・・・・・。

 そう思ってしまうのだ。もし会えたとしても貴方は誰? なんて言われたら立ち直る自身が無い。

 涙が出て来る。

 いいや、そんな事は無い。その証拠に幻想郷のキーパーソンが魔界に来たのがその証だ。

 母さんにしっきーに夢子に幽香お姉ちゃんは私を忘れたり何かしていない。

 きっとそうさ。

 それに母親の子を思う気持ちは無限大で時に奇跡を起こす程である。

 生前の世界ではその愛情は薄れてしまっているとニュースでやっていたが、生前の両 親も今生の母さんも私を平気で見捨てるような人では無い事は十分に理解している。

 大丈夫だ。母さんは私を忘れない。

 そう考えるがどうしてもマイナス思考に成ってしまうのだ。基本根暗なんでね。

 ああ、考えててもしょうがない。体でも動かして忘れよう。

 そう思い、部屋を出る。そう言えば槍が無いのを思い出す。

 探して回るのも良いが、人の家を勝手に探し回るのは気が引けるし、それをやって要らぬ誤解を招くのは御免である。

 傷の手当てに食事と恩があるからな。

 悪魔は悪いイメージが多いが、基本、受けた恩を仇で返すような真似はしない。

 下っ端の教養の成って居ない悪魔は知らないが、此方は誇りある悪魔だ。

 代償こそ大きいが代償さえ払えば裏切る事は決してない。

 部屋を出て戸を開けると庭にある物干し竿が目に入った。

 アレ成らば槍変わりに成るだろう。

 そう思いそのまま外に出る。

 魔法の糸を出して物干し竿を私の手元に手繰り寄せる。

 私の身長では物干し竿まで届かないからな。手が。

 その事に深ーい溜息をつく。

 20年間背が伸びなかったのだ。この先背が伸びる見込みは限りなく低いだろう。

 因みに某ネコ型ロボットと同じく地面から数ミリ浮いている。

 仕方がないだろう。玄関が何処にあるのか解らなかったので裸足で外に出たのだ。

 足が汚れないように飛行魔法(笑)を使っているのだ。

 翼が無いとまともな飛行ができないからな。

 魔法にイメージは欠かせないものだと改めて思う。

 後は何時も道理に仮想の敵をイメージして物干し竿を振るう。

 時に槍を大きくなぎ払い敵を近づかせないように。

 この前見たいな失態を犯さない為に複数を仮定して槍を振るう。

 駄目だ、物干し竿の重さが槍よりも軽くて反応が少しずれる。

 ええい、本当の達人ならば武器を選ばないと言う。

 ならば物干し竿でも扱いこなしてやろうでは無いか。

 そう的外れな対抗意識を持ちながら槍もとい、物干し竿を振るう。

 

 

 

 で、だ。

 これで二回目なのだが

 

「霊夢と言い2人と言い見てて面白いか?」

 

 聞き返すと素直に出て来た。

 その顔には少しだが警戒の意思が浮かんでいた。

 

「何時から気がついた」

 

「部屋から出た辺りからだ」

 

 そう、この部屋から出た時から2人の視線には気がついて居た。

 ただ、不安が大きくて、それを忘れたいがために無視して庭で物干し竿を振り回していたわけだが。

 物干し竿を魔法の糸を使って元の位置に戻す。

 これは同時に敵意が此方に無い事を表す為に行った物だ。

 そうしたらミス上白沢からもう良いのかと問われた。

 正直見せ物では無いし、第一、凶器と成りうる物を振り回し続けられたら相手にとって良いものでは無いだろう。

 その事を言うと不意にお前に会いたがっている人物がいると言われた。

 この人里と言われる場所に知り合いなど居ない。

 必然的に恐らくは助けた譲ちゃんの両親位しかいない。

 しかし、無事に帰ってこれたのか。

 あんだけ異型が居たのだ。もしかしたら途中で違う奴に襲われたと言う可能性も考えて今まで考えないようにしていたが・・・・・。

 そうか無事だったんだな。

 安堵の息が出る。

 心の中だけで言ったつもりだったんだが、口にしていたらしくミス上白沢に言われて恥ずかしくなって頭をかく。

 しかしお礼ね。

 別にお礼を求めて助けた訳では無い。

 

「要らねーよ、勘違いされてるようだが、私は私の心情に肩入れをしただけだ。礼を言われるような立派な事は何一つしていない」

 

 そう。

 ただ、あの時は少しでも情報が欲しくて、それでようやく見つけた人だったから助けたのだ。その後は色々と情報を教えてもらう算段だった。まぁ、攻撃をくらうのは誤算だったがな。結果としてはその後にミス上白沢に出会えて更に情報も入手できたので結果オーライだ。

 それにミス上白沢が助けに来たのは間違いなくその助けた人物が助言をしたから私は助かったのだ。

 寧ろ礼は此方が言うべきなのだろう。

 だが、この2人に接していて断ろうが、此方が首を縦に振らない限り何度でもしつこく来るのは十分に予測出来て居た。あまちゃんぞろいだからな。

 故に会う事にした。

 実際これで礼を言う機会が出来たような物だ。

 そう算段を考えて私が寝かされていた部屋に戻る。

 よそ者にうろつかれるのも家主にしてみれば面白いものでは無いだろうからな。

 それに恐らくだが彼女達は里を守る重要な要であるであろう事は容易に想像がつく。

 余り神経を逆なでするのは野暮と言う物だろう。

 それも命の恩人であれば余計にだ。

 監視付けられているのは嫌な気分だがいた仕方がない事だ。

 それにご飯もちゃんと用意してくれる。

 恩返しも考えねばならんしな。

 一番手っ取り早いのは魔界に帰って財宝でも渡せれば良いのだが、無理そうだ。

 となると、あれだけの異型がうろついていたのだ。

 この人里とやらは柵で覆われて居るに違いない。

 だとすれば必然的に柵の要所要所にあると考える門の門番何かが良いんだが、武器を持たれるとミス上白沢や他の里人が良い顔をしないだろう。

 錬金術でも使って金でも作り出すか?

 駄目だ、材料が無い。

 さて、どうした物かね?

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