東方アリア伝   作:仙儒

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1話

あれから10年経った。

背は5歳の時から成長するのを忘れてしまったかのように成長を止めた。

色々試しているんだけどな~。

牛乳飲んだりチーズ食べたり。

よくよく考えてみるとカルシウム取っても骨が丈夫に成るだけなのを思い出して落ち込んでいる。

やはり太陽の光に当たらないと駄目なのか?

しかし、この魔界には太陽が存在しない。

最初こそ戸惑ったが馴れた。人間馴れとは恐ろしいものである。

あ、もう人間じゃないんだっけ。

目が見えるようになってからサイドポニーの人と金髪のメイドさん、そして私の母親と思われる人物に最初は自身の目を疑った。

如何見ても見た目が高校生くらいなのだ。学生結婚でもしたのか?

とも思っていた。しかし、サイドポニーの人は私の母の母親だと言う。

嘘だろう、どう見ても10代後半から20前半にしか見えない。

 

「おばあちゃんですよ~」

 

何て言いながら私を抱き上げて話しかけて来るサイドポニーの人物。

それに中世ヨーロッパを思わせる馬鹿みたいに広い部屋。

これ全部私の部屋らしい。その馬鹿みたいに広い部屋の中心にポツンと置いてある私専用のベビーベッド。部屋の入口には常にメイドさん2人以上が待機していた。

如何見てもおばあさんに見えないこの人物。

終始私を眺めては顔を緩ませてニコニコしている自称おばあちゃんに母さん。

幸せそうに眺められていると此方も幸せな気分になり、ついつい笑顔を浮かべると2人して笑った笑ったとおおはしゃぎ。

これが私の母親と自称おばあちゃんか。それとなーく人となりは解った。

自称おばあちゃんは何時も目を覚ますと側に居るが仕事とかは無いのだろうか?

っと思っていたら金髪のメイドさんに「神綺様、いい加減溜まった仕事を片付けて下さい!」と言いながら引っ張られて行った。「夢子ちゃんあと少し、後少しだけ~~!」という声が木霊のように反響していた。自称おばあちゃんはしんきと言うらしい。

そう言えば自称おばあちゃんはサンタクロース見たいな恰好しているな。どうでも良いけど。

そんで私の母親はアリスと言うらしい。金髪のメイドさん(夢子って言ったっけ?)がそう呼んでいたのを聞いた事がある。

後は人形2体が母親の居ない時には必ず私の所にいる。

 

「シャンハーイ!」

 

「ホーライ」

 

何故か空を飛んでいるししゃべる。最初こそビビったが今では馴れた物だ。

そう言えばこの人形2体どう言う原理で動いたり飛んだりしているのだろうか?

世の中は不思議でいっぱいである。

後はおしめの取り換えとか黒歴史過ぎる。

見た目美人が「取り換えましょうねアリア様」と言いながら取りかえるのだ。

もうお嫁に・・・じゃなくてお婿に行けない。

しかし、男にアリアとはどうなのよ。もっと男にあった名前があるだろう。ティーダとかクラウドとかかっこいい名前が。個人的にルキウスも捨てがたい。

まぁ、良いや。どんなに頑張ってもしゃべれないしアリアと決まっちゃったみたいだし。

母親は美人なので母乳を飲む時についつい舌で転がしたり甘噛みしたりして甘い声を出させた記憶がある。その度に「もーう、アリアはHね」と言っていた。

最初は下心でやって居たが1歳になってからは何か上の歯茎と下の歯茎がむずがゆくなったからカミカミした。

母乳以外の時もベビーベッドの柵の角っこをカミカミしたり与えられた人形をカミカミしたり。

それぞれに違った感触が癖に成る。

赤ん坊が何でも物を口に入れるのはこれが理由なのでは無いだろうか。

自分の手も口に入れてカミカミ。兎に角むずがゆい。

暫くしてそれの原因が解った。前歯が生えて来たのだ。

それからは母乳をやめて離乳食に変わった。離乳食って味かなり薄いんだよね。

何か食べるのが嫌に成って来るんだよね。まぁ、お腹すいてるから食べるけどさ。

 

 

 

 

それから更に2年が経った頃、3歳になり、歩く事もしゃべる事も出来るようになってから、教育の一環なのか歌に楽器を習う事となった。

楽器はヴァイオリンを選んだ。歌の方は生前はちょっと音痴だったので大丈夫か? と思っていたが普通だった。ヴァイオリンのドレミファソラシドを覚えるのに苦労した。

因みに母さんはピアノだったらしい。

それと並行して読み書きも習った。英語のような、ロシア語のようなフランス語のようなドイツ語のような、スワヒリ語のような全てを足して5で割ったような字を覚えるのにかなり苦労した。

生前は英語でくじけて居たもんな。

転生して脳が幼いせいか何とかではあるが吸収してくれたので助かっている。

それでも皆話しているのは日本語何だよね。本当に世界は不思議で満ちている。

無論話しているからには日本語も教わったがこれに関しては生前大学生だったんですいすいできた。

どうしてこのような訳の分からない字を習わねばならないのかを聞いたところ、魔道書を読む上で欠かせない事だと言われた。魔道書と言うからには魔法が存在するのか?

そう聞いたら魔族なのだから当たり前だと言われた。

身分が下なのか解らないが目に見えて態度には出さなかったが明らかに笑われている事が解った。

それからは魔界史と言う物を習った。

・・・・・ああ、魔族と言われた時から解って居たさ。人間界では無い事は。

で、だ。

一番大事なのは魔界と言う世界を零から作りだしたのがおばあちゃんだと言う事が解った。

嘘だろう、あんな天然でのほほ~んとした人が創世神とかマジねーわ。

それで私の母親はその女神の実の娘だと言う事が教科書に載って居た。

その娘の子供で男である私は皇太子と言う事だ。

マジかよ。世界の統治とか元一般人には荷が重すぎる。

不幸中の幸いか、私の思っていたような悪魔のイメージとは異なるようで騒乱や戦が渦巻く世界では無い事が救いだった。

悪魔と言うからには力がある物が頭角を現し、力により支配しているのだと思ったが違うらしい。

ちゃんと魔王がいて、爵位があり、それなりに統治されているらしい。

いきなり死亡フラグかと思ってびくびくしてたのが馬鹿みたいじゃないか。

また、魔族と言われているがカテゴリー的には妖怪に部類されるらしい。

更に創世神の直系の血族だけあって神にも部類されているらしい。

悪魔に神とか対極の存在じゃ無いのかよとか色々思う処はあるが目を瞑ろう。

話をまとめると魔族であるから魔力を持ち、妖怪でもあるから妖力なる物を持ち、神でもあるから神気と言う神のみが使える気が私には備わっているらしい。

良く分からないが魔界神の直系だけあって魔力の量は半端じゃないらしい。また、神気に恵まれているせいか妖力が少ないと言われたが基本的には全てどの気でも同じ現象を起こせるとの事なので何の問題も無いだろう。ただ、神気だけはその質が他のどの気よりも一線を凌駕した存在故にあまり使わぬ様にと言われた。魔法を使おうとて、その身に余る膨大な魔力を扱えきれずに城の一部を破壊してしまったことがある。その時はしっきーと母さんが頑張ったらしく、以後魔力を封印するブレスレットを両手につけてリボンも頭に付けられた。

ブレスレットまでは解る、が何故三つ目の封印を何故リボンにした。

それを問いただしたところ可愛いからと即答された。

確かに顔は母さんそっくりで女顔と言う自覚はあったさ。だがこの身は男である。その事について講義したが母さんかしっきーの用意したゴスロリちっくな物とスカートと言う究極の2択を迫られ泣く泣くリボンを了承した。

因みにしっきーはおばあちゃん事、魔界の創世神様の事だ。流石に見た目がかなり若いのでおばあちゃんと呼ぶのは躊躇いがあってしっきーと呼ぶ事にした。

本人もそれについては納得しているのか普通に返事をしてくれる。

前にバアバと言ったら落ち込んだので・・・・・。自分では自分の事おばあちゃんと言うけど言われると結構来る物があるらしい。女性は複雑だ。

後、公的な場所で一応丁寧に接したりすると他人行儀は嫌~何て言いながら抱きついてくる。

嫌、一応たて前と言う物があるだろう。こんなんじゃ下の者に示しがつかないっつーの。

それを言ったら「まだ小さいんだからそんな難しい事しなくてもいいの」と言われ、その後め! と言われた。いや、中身は大人なんですけどね。

そんな事は言えないので口にはしないが。

 

っと行けない。身につけている懐中時計を確認する。物思いにふけって居たら結構な時間だ。

今日は私の10歳の誕生パーティーがこの城で行われるのだった。

いや~、濃い10年間だったな。驚きのオンパレードだったよ。

それにしてもパーティーか、あまり行きたくはないんだよな。

貴族達が私に挨拶に来て家の娘をどうですかな? とかどうにかして権力欲しさに同い年位の娘を紹介されるだけだし。それに生前もそうであったが人付合いと言うのは得意では無いのだ。

紳士的に断り続けてはいるが、こうも続くとな。めげそうだよ。本当に。

とは言え表向きは私の誕生を祝ってくれてるので無下にも出来ない。

それに母さんは親馬鹿に部類される人物だ。結婚はおろか、女友達にもアリアの何なのと言ってくる人なのだ。結婚は無理だろう。結婚をするのならまずは母さんの首を縦に振らせる所から始めないと。

それでもしつこく許嫁をしようとしてる奴が多い。

はぁー、今日も母さんの暴走を抑えながら過ごさなきゃいけないのか。

パーティー中止に成らないかな。

城壁の上から賑わう城下町を眺めながら思う。

城下町も私の誕生を祝ってくれているのかお祭り騒ぎだ。

有り難いのだが優鬱だよ。

そう思いながら城壁を後にする。そう言えば城壁へと続く道と自分の部屋の場所にと大図書館位しかこの城の中を知らないな。

まぁ、うろついて居れば誰かが見つけて連れてってくれるだろう。




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