東方アリア伝   作:仙儒

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2話

短槍を構えて精神を沈ませる。

思い描くのは最強の一撃。青い兄貴を脳裏に浮かべる。

生前好きだった伝説の英雄。

その手から繰り出される投影はマッハ2で飛距離は40キロと馬鹿げている強椀の持ち主。

しかも本来の使い方は足での投影だそうだ。

それを対人戦闘で不利に成るので直した逸話が残っている。

魔力を強化に回す。自身の限界まで己を強化し、槍自身にも強化をかける。

槍の特徴は刺す事となぎ払う。この簡単な2動作しか無い。しかし、単純故に扱いが難しい。

だが扱いきれればどの近接武器よりもリーチの差で強力だと言われている。

因みに槍の長さはおおよそ90CM。

後は脳裏に映る兄貴の槍裁きを真似る。

突きを放つ時に魔力を槍の後ろから放出し、爆発的な瞬発力を得る。

その力を流さずに強化した腕力を使い一定の長さをした時に止める。

そのまま流してしまうと肘を痛めてしまうからだ。

後はひたすらに突きを繰り返す。重心移動にも気を使う。

この身は小さい故に出せる力が大人のそれよりも威力が無い。

槍は城を探索していた際にたまたま武器庫を見つけてこっそりパクッ、ゲフンゲフン。借りて持ち出して城の中庭で槍を振り回している。

近くには大きな噴水がある。この手の城には必ず噴水があるような気がするがそんな決まりでもあるのかね? まぁ、良いや。

取り敢えず一心不乱に槍を降り続ける。3つの封印を用いても尚、あり余る膨大なバカ魔力のなせる力技。神気もこの封印で大分押えられている。それでも魔力同様にあり余り、現在進行形で増えていると言う。

まぁ、比較対象居ないので何がどう多いかが全然わからないけど母さんにしっきーが言っていたので間違いは無いだろう。

槍先にも魔力を集中させる。これはドリルと同じ効果をなしている。一点突破型だ。

魔法の方も勉強しているが、私としては魔法よりも剣や槍の方がしっくりくる。

それは私が男だからだと思う。何か憧れるよね? そうでもない? さいですか。

無論弾幕を張る事も出来る。が、どうしても騎士何かに憧れがあるのだ。

母さん譲りなのか糸を使った攻撃も得意だ。

でも母さんには悪いが人形使いになる事はたぶん無い。無いのだけれど日に日に私の部屋に増え続ける人形達。ファンシーで可愛いものからマリオネット見たいな人形と幅広い種類があるので将来的には使わされる可能性が高い。

まぁ、基本親馬鹿なので無理強いはしないだろけど。

こうして武器を降り続けているのはしっきーにも母さんにも秘密だ。

ばれたらきっとやめさせられるのは目に見えている。

そう考えながらも手と足を動かすのはやめない。

ありとあらゆる状況を想像しながら跳ねたり槍で受け流したりの動作もする。

此処三年で大分槍にも慣れた。剣も同時進行でやっている。

最初に槍の動きに慣れてしまったせいか剣に慣れるのも時間がかかった。

剣も槍も訓練している騎士団をこっそり観察してその通りにやっている。

後は早口言葉の練習をしたりもしている。これは戦いを優位に進める為に高速詠唱をするのに役立つ。

まぁ、基本は身体強化と魔力放出による爆発的な威力の槍を叩き付けるだけだが。

覚えておいて損は無い。

そう言えば風の噂で魔界と別世界を繋ぐゲートが存在するらしく、そのゲートを超えての旅行と言うのが市民に流行っているらしい。

外の世界には大変興味があるな。

身分が身分なだけあっておいそれと外の世界に行く事は叶わないが何か嫌な予感がする。そのゲート関係で。胸騒ぎがするんだよね。

さて、それはさて置き・・・・・

 

「レイ、何の用?」

 

「やはりばれていましたか、流石はアリア様です」

 

物陰からタオルと飲み物を持った銀髪の女性が出て来る。

魔力や気配を消す事もしなていないくせに良く言うよ。

タオルを受け取りありがとうとお礼を言いながら汗を拭う。

やっている時は気がつかないけど結構汗をかいてるんだよね。

彼女の名はレインフォース。通称レイ。

色々あり私に仕えるアリア騎士団という私の親衛隊の団長をやっていて私の身の回りの世話をするメイドでもある女性だ。

とある事件をきっかけに出会った少女だった。

だったんだがぐんぐんと凄い勢いで背が伸びてあっちゅう間に私を追い越し大人の女性になった。

友が出来たと思っていたんだが今では歳の近い友達とは呼べないよな。

そう言えば知り合いが魅魔と言う悪霊に幽香姉さん位しかいない。

この人物達に会うにも生前の人見知りが発動して母さんの後ろから顔だけ出して見て居た。

それにニコニコしながらお菓子等をくれたのでいい人だと言う認識である。

魅魔としっきーは家の子の方が可愛い、嫌、家の方の子の方が可愛いと言いあいになって喧嘩に発展して辺り一体が焼け野原に成った事もあったりする。

後は人形のメディンスンである。彼女は人形故にか人形使いの子供である私を良く思って無いらしく、未だに出会いがしらに毒をはかれたりする。目が悲しい目をしていたので恐らく彼女は人間に捨てられたのだろう。

幽香姉さんは良くクッキーをくれる日傘をさした緑髪緑眼の優しいお姉さん的存在だ。趣味がガーデニングらしく花や植物の知識が凄い。花言葉なんかも色々教えて貰った。時々珍しい花の種をくれたりする。

幽香姉さんの所に行くと門番のエリーと言う大きな逆刃の鎌を持ちながら荒い息をしながら近寄ってくるのは怖い。まぁ、大抵襲いかかって来た瞬間にどこかからゴン太レーザーが通り過ぎたりするのがテンプレに成っている。

あの光線は何処から撃たれているのだろうか?

誰が撃っているんだろうか? 世の中は不思議でいっぱいである。

私は幽香ねえさんが大好きだ。おんぶや抱っこされると息が荒くなる。やっぱりちょっぴり不思議なお姉さんだ。

 

「アリア、貴方はこのままいけば絶対に良い娘に成るわ」

 

と両頬を手で押さえられながら言う。幽香お姉さんは時々眼が怖い。良い子と言う部分が違ったような気がするが褒められているので良い事なのだろう。

 

と、友好関係が狭いのが悩みだ。魔界で友達を作ろうにも皆権力目当てに近づいてくるか、私の立ち位置的に恐れおののく人が多い為に友達が居ないんだよな。

それに私自身の人見知りが激しいのがあいまって友と呼べる者がいない。

言っていて悲しくなったよ。

いっその事、ゲートの外に行ってしまおうか? なんて考えても見る。

駄目だ、母さんが許してくれないだろう。

一瞬希望を見出したかと思ったがすぐさま砕け散った。自分で上げておいて自分で落とすとか悲しすぎだろう。

しっきーあたりなら頑張れば許してくれるだろうけどな。

ただ、その条件に何をさせられるか解らないのが怖い所だ。

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