東方アリア伝   作:仙儒

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4話

ついに今まで鍛え上げて居た物を披露する日が来たらしい。

伝兵が凄い勢いでこの城の玉座の間へと転がり込んできた。

ゲートの向こうから人間が二人で攻めて来たと言う。

たかが人間二人にと笑う所だがそうはいかない。

伝兵がこうまであせって来はしないだろう。相当な強者と見て間違いないだろう。

しっきーが今まで見たこと無い真剣な顔で命令を繰り出している。

侵入者はゲートを通り、民間人も巻き込みながら此方に向かって突き進んでいるのだと言う。

民間人を巻き込むと言う事は軍も動き出すだろう。

それを先駆けに人魔戦争に成ったりとか洒落にならない。

武器庫にかけて行き、何時もの短槍手に持ち、大剣を背中に背負い、腰のホルスターに短剣を二振り。

軽い鎧を着込み城を後にする。

この鎧は軽装で必要最低限の部分を守るものだけ。この鎧はしっきーを通して民から貰った物だ。

頑丈さは折り紙つき。この事を考えると私が槍や剣を振っていたのはばれて居たのだろう。

後は服に強化をかける。

城を出て二対の白と黒の翼を展開して加速をかけてゲート付近へと急ぐ。

この翼は空を飛ぶための私のイメージを具現化させた物。別に翼が無くても飛べるが遅くヨロヨロした飛行に成ってしまうのだ。

 

 

ゲート付近に着いたら門番と二人の少女が戦っていた。

一人は紅白の奇抜な服装の巫女か? もう一人は白黒の魔法使いの典型的な格好をしていた。

紅白の巫女と思われる方に槍を構えて突撃する。

少女はそれに気がついたらしく御札や針で弾幕を放ってくる。

その全てをかいくぐり、何時ものように身体と槍に強化を極限まで強化して、更に槍の後ろの石突から魔力放出による二次加速をかけた最高の一撃を叩きこむ。

少女は御札を四方に展開して見えない壁に槍が当たり火花を散らす。

見たことが無い物だがこれはもしかすると結界か? 生前のオカルト知識から陰陽五行の事が頭をよぎる。巫女と言うからには余計にだ。

無理やり力で押して距離を取る。

 

「人間、何をしに此方の世界に参った」

 

問いかける。順番が逆なような気がするが交戦状況を一時的にでも止める事が先決なのでこうするしか無かったのだ。

和平の使者なら武器を持たないと言うが実際にそんな事は無い。最低限身を守る位の武器を持っている。

 

「そっちが先に手を出したんでしょうが!」

 

巫女は激昂して吠えた。それ以上は聞く耳持たんと言わんばかりに弾幕を放ってきた。

距離を詰めて槍を振るう、槍の柄と巫女の持つ玉串がぶつかり火花を散らす。

 

「先に手を出したとは?」

 

此処まで接近して問いかける。

 

「しらばっくれんじゃ無いわよ!」

 

両手で握って居た玉串を片手で押え、もう片方の手に御札を構えた。

瞬時に此方も片手を上げて魔力放出で無理やりなぎ払い御札から繰り出される膨大な力を防ぐためにシールドを張る。

 

「夢想封印!」

 

一撃、二撃、三撃と防ぐがシールドに罅が入る。

四撃目でわざとシールドに魔力を込め、暴走、爆発させることにより攻撃の威力を殺す。

成程、これは強い。私では勝てないかもしれない。

幸い勝つことが今回のキーでは無いのが救いかな?

彼女の激昂ぶりから一つの可能性を思い付く。確かゲートを超えて外の世界に行く事が流行っていた筈だ。その先でもしかしたら侵略行為をした奴らが居るのかも知れない。

と言うかした奴が居たのだろう。そうでなければこうも激昂する事は無いだろう。

風切り音がする。

直ぐに後ろに下がると星の形をした弾幕が通り過ぎた。

体をひねり、直撃コースのみ槍を振り回して弾く。

もう一人の典型的な魔法使いの白黒少女が攻撃をしてくる。

っち、一対一でも勝ち目が薄いのに二対一かよ。

地面には門番と思われる人物が倒れて居た。

胸が動いているので死んではいないだろう。そこら辺はわきまえているのか。

 

「戦い中に考え事か、余裕だな」

 

! そうだ忘れてた。何かを前に構える。魔法陣が展開される。

 

「マスタースパーク!!」

 

腰のホルスターにある二振りの短剣に魔力を込めて目の前に投げ出し、爆発させる。

それと同時に魔力放出をしながら後ろに加速し、爆発による二次加速をかける。

膨大な魔力で出来た砲撃が先程まで居た場所を飲み込んで行った。

砲撃型! しかもノーモーションでこれ程の威力に範囲。

マジかよ。口が引き攣る。

その砲撃の向こうから御札に針に色取り取りの弾幕が迫ってくる。

此方も弾幕を放って安全地帯を作る。

 

「ブレイジングスター!」

 

それに気を取られている間に砲撃を後ろに放って爆発的に加速した少女が箒の柄を此方に向けて突撃してくる。

反応に遅れてシールドを張ったせいかシールドの術式の展開が中途半端で破られて吹き飛ばされる。

地面に叩きつけられる。幸い直撃だけは免れた。

翼をはばたかせ上に飛翔する。その下を星の形をした弾幕が紙一重でかわす。

再度巫女に槍を構えて突撃する。巫女が結界を張る槍の先に魔力を集中させ、槍の後ろから魔力放出して結界ごと押し抜く。短槍の先が結界に少しだけ先端が入る。

そこから先端に集中させていた魔力を解き放つ。魔力による大爆発が起こる。余波で大きく後ろに吹き飛ばされる。

ッ痛!

右手の鉄鋼が砕け散り腕から血が滲んでいる。右手の魔力と神気封印のブレスレットも砕け散った。

爆発の煙を見ながら痛む右手を左手で押える。

辺り一帯が消し飛んでいた。それだけで先の一撃にどれだけの力が行使されたかが解る。

もし、これが通らなければ・・・・・・。

煙の向こうから人影が見える。

 

「もう少し頑張らないとかな」

 

少し奇抜な巫女服が少し破けている以外は外傷的な外傷がないのを見て内心マジかよと思う。

背中に強い衝撃を感じる。ぐううう!!

大剣に魔力を集中させ、大剣と服の間にシールドを張り、大剣を爆発させて背後からの一撃を相殺する。直撃してからの事と雑な魔力任せのシールドに大剣の爆発で背中にも傷が出来る。

痛い。

槍も無理な状態での攻撃で罅が入っている。

魔力の封印がとけた御蔭で傷の回復に魔力を回せる。槍にもリカバーをかける。

魔力で出来た糸を飛ばし白黒の少女の手足を絡め取り動きを止める。

糸を無理やり引きちぎろうとすればその手足が引きちぎれるだろう。

もう一人の巫女の方に向かずにその少女に近づき、首筋に軽く魔力を落とし、気絶させる。

地面に白黒の少女を寝かせて飛ぶ。相手は白黒の少女が近くに居たからかアクションを見せなかった。

 

「重ねて言います。何でこんな所に参られた」

 

そうすると

 

「あんた達が私の家を壊したからに決まってるじゃない!」

 

・・・・・・、それは此方が悪いな。しかし、だ。

 

「それに関しては謝罪します。しかし、同じ事をするのは如何なものですか」

 

それに「うっ」と聞こえたがそれでも玉串を構えて

 

「そっちが悪いのよ!」

 

そう言いながら攻撃してきた。

弾幕をかいくぐって槍を振るう。やはり空中だと地面がある時とは違うな。

あまり空中で槍を振るう事は無かったからな。

しかし、いきなり実践でここまで出来た私は良い方なのでは無いか?

そう思いながら玉串と槍の柄がぶつかり火花を散らす。

どうでも良いがその玉串は何で出来てんだ? 普通の玉串は火花何て散らさない。

横から膨大な魔力が近づいてくる。反射的に槍の力を抜いて槍を手放しそれによりバランスが崩れ此方に倒れ掛ってくる巫女を掴んで上に急上昇する。その場に残された槍は砲撃に飲み込まれて行った。

この魔力は・・・・・母さん! それにしっきーも来てるのか?

レイも居るのか!

驚いていたら巫女が思いっきり蹴りをかまして来た。

本当に人間か? と思う程の力。ってか確かに敵だけど助けた奴を思いっきり蹴飛ばすか、普通?

空中で体制を立て直す。

 

「アリア様!」

 

レイが近づいてきて支えてくれる。

支えられるほど重症でも無いのだけれど。

背中と右手の怪我を見てから目に見えて態度を変えた。

 

「き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!」

 

レイが激昂して砲撃をぶちかます。

母さんも私に近づいてきて治療魔法をかけた後、凄い剣幕で人形達を操り、しっきーも何も言わないがその体から魔力に神気が漏れている。

他にもアリア騎士団も居る。しっきーの騎士団も母さんの騎士団も居る。

流石にこれだと巫女が不利だろう。戦いは数と言うしそれにしっきーに母さんも加われば間違いなく殺される。元人間として殺傷は良くないと思うし、今回は私達側に非が有る。

レイと一緒に砲撃を撃つ母さんにしっきー。

 

巫女との間に割り込んで全力でガードする。

残り魔力全てと神気を全て費やす。

 

「母さん、しっきー、レイ。話し合いでの解決を・・・・」

 

そう言ったのが最後。

意識が飛んだ。

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