目を覚ますとここ二十年で見慣れた私の部屋の天井・・・・・では無く、お姫様ベッドの天井だ。
男の私が眠るにはちょっとファンシー過ぎるベッドだ。
半透明な淡いピンク色のレースの天幕が四方から垂れ下がっている。
上半身を起こすと体と右手には包帯が巻かれている。
ちょいと大げさすぎだろう。
「シャンハーイ?」
目を覚ました私を気にかけるように上海が声をかけて来る。
「大丈夫だよ」と言いながら上海の頭を苦笑いを浮かべながら撫でる。
上海は安心したように「シャンハーイ」と言った。
さて、起きあがろうか。
馬鹿みたいにでかいベッドの端まで行きベッドから足を下ろす。
このベッドの大きさがこの部屋の大きさが異常にでかいのでベッドが小さく見えるのが不思議。
体が小さいから余計にそう見えるのかも知れないが。
そんな事を思いつつ立ちあがろうとしてよろけて倒れてしまう。
その際にベッドの隣に置いてある小さな机(でいいのか?)の上にある花瓶を落としてしまう。
ガシャーン
って言う音を聞いてか扉が開いた。
入って来たのはレイだった。
「アリア様!」
そう声を荒げながら駆けよって来る。
ふらふらと立ち上がろうとする。
それをレイが支えてくれる。
そのまま抱き上げられ、ベッドに戻される。
「もう大丈夫だ」
そう言うが「アリア様の大丈夫はあてに成りません」と言われる。
「本当に大丈夫だ」
拗ねながら体を起こして言う。
「説得力がありません、現に今立てなかったではありませんか」
それを言われてしまうとうっと言葉に詰まってしまう。
確かに立ち上がれなかったがそれは急に立ち上がったからだろう。
本来私は低血圧なので朝には弱い。今が朝かは解らないが。目覚めたばかりだと言う状況は同じだ。
そう言えば戦いはどうなったのだろうか? 殺されるとか目覚めの悪いのはやめてくれよ。
それを聞いて見たらしっきーに巫女がなんかの条約を交わしたらしい。
何がどうなって、更に言えばどんな条約の内容なのかが知りたい。
その事を聞いて見たらスペルカードルールと言うあちらが出した決闘法を受け入れ、決闘の果てにしっきーが負けたのだと言う。
スペルカードルールがどんなものなのか知らないが一つの世界を零から作りだした創世神相手に勝つとかあの巫女は何者だ?
因みに条約の内容は不可侵条約。後、壊した巫女の家を建て直すことらしい。
まぁその程度なら大丈夫か。しっきーは怪我をしてないのか聞いて見た所、怪我はしては居ないとの事。一体どんな物なんだ? スペルカードルールは。
そう思って聞いて見たら自分の魔法や何かの術式をカードに刻み保存しておいて、それを使う時にはスペルカード発動宣言をしなければならないとの事だ。そう言えばカードは見て居ないが攻撃の度に技の名前と思われる物を叫んでいたな。通称弾幕ごっこと言うらしい。
後、必ず避けられる隙間を作る事に、決闘前にスペルカードの枚数を宣言する事と、相手を殺してはいけないとのことらしい。最後のはやる奴によっては守らないのでは無いのか?
それと負けた方はある程度相手の言う事を聞かねばならないらしい。
成程、それならば白黒の魔法使いの少女が何の予備動作や詠唱無しでのあの威力の砲撃にも納得がいく。どうでも良いが何か見たことがある弾幕を使うな~と思ったら魅魔の弟子らしい。
まぁ、人間と魔族の全面戦争だけは免れたようで安心する。
あいつは何者だったのだろうか?
いきなり違う世界に繋がるゲートが出現してそこから悪魔達が出て来て此方で悪さをして帰って行くのだ。それまでは目を瞑っていたが、博霊神社を壊された事で怒りが爆発して雑魚を一掃しながらゲートを超えた時だった。
魔理沙に魅魔も一緒に来た。
ゲートを超えた先にていきなり横から攻撃を受けた時に目についた。
必要最低限の場所を守る鎧に身を包んみ、剣を幾つか持ち、槍を構えた少女だった。
最初はそうでも無かったのだが、妖怪特有の反射神経なのか弾幕が効かなかった。
そこでこいつが雑魚とは一線を越えた存在だと解った。
それに手を抜いて居ない私の本気にどんな時にも手加減をしない魔理沙と私を相手に対等に戦ったのだ。何かの加護を受けたとも思えない槍が私の結界を超えた事も驚きだ。
結界術には自信があったのだが、二重結界の一枚目の結界に槍の先が入り込んできた。
そこからの砲撃で今まで誰にも破られた事のない二重結界を突きぬけ、私の身を貫いた。この巫女服にもかなり頑丈な結界にそれを強化する術式が刻み込まれているのにそれを抜けて来たのだ。
無事だったのは私の能力の御蔭。能力が無ければさっきの攻撃で負けて居た。相手にも反動があったのか右手の鉄鋼が砕け散って血が滲んでいた。
その後、魔理沙と連携を取りながら攻めるが見事にかわされる。
攻防の中で何度も言葉をかけて来たが此方は怒り心頭で聞く耳を持たなかった。
謝罪と同時に咎める言葉を放つ少女。
そんな中、魔理沙が落とされた。
気絶した魔理沙を丁寧に地面に寝かせる行動を見て、言葉を聞く気に成った。
だが、もう拳を振り上げてしまったのだ。おいそれと引く訳にはいかない。私のプライドと博霊の名にかけて。何度目になるか解らない激突をした後、槍を捨てて体制を崩した私を抱きしめて上へと急上昇する。
何事だと思ったら先程いた空間にバカみたいな神気の砲撃が通り過ぎた。
敵である私を助けた? そう考えている内に後ろを取られた。
このまま避けたらこの助けてくれた人物に攻撃が当たる。
抱きついていた少女を突き放し蹴飛ばす事で二人して後方からの一撃を避ける。
砲撃が来た方を見る。
槍、剣を構え鎧に身を纏った軍隊が規則正しく足音をそろえながらやってくる。
流石にこの人数を相手にするのは無理だ。
更には膨大な神気を惜しげもなく体から発している2柱の人物がいる。
それに軍隊は軽く見積もっても万単位は居る。
そんな事を考えていると
「貴様ぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!」
そう執念にもにた声が発され結界を展開する。
魔理沙並の砲撃が集中する。結界に当たり大爆発を起こす。
その爆煙の中から飛び出し、拳で結界を殴りつけて来た。何度も。
それに耐えきるといきなり攻撃を仕掛けて居た女性はあっさり引いた。
直感が告げる。直感で二重結界を展開し、有りっ丈の霊力をつぎ込む。
神気の砲撃が四方八方から来る。
正念場か、そう思い唇を噛みしめる。
しかし、衝撃は来なかった。
いつの間にか私と交戦していた少女が私と少女を包み込むように丸い障壁を展開して攻撃を防いだ。
ただ、完全に防ぎきれなかったのか鎧に罅が入り、砕け散って血を流していた。
それに敵からの攻撃が止む。
「話し合いでの解決を・・・・・」
その言葉を言い残し少女は落ちて行った。
落ちて行った少女を拾ったのは先程私を殴ろうとしていた女性だった。
「アリア様!」
そんな中で、敵の大将だと思われる人物が口を開いた。
「アリアちゃんに免じて話くらいは聞いてあげる」
敵いをむき出しのまま聞いてくる。
家を壊されたこと、侵略行為を受けた為の防衛だと主張した。
相手は「そう」と言いながら目を瞑った。
「今回は私達に非があるみたいね、だから貴方の土俵で戦ってあげる」
結局戦いには成るのね。
まぁ、まどろっこしいのよりはこう言う方が私にあっている。
その後、合流した魅魔と力を合わせ、何とか勝ちを収める事が出来た。
その後相手も魅魔とは知り合いだったらしく、何とか話あいを進める事が出来た。
近々、博霊神社を直してくれる約束を取り付けた。
その間は私も魔界の城にお世話に成る事に成った。
世話に成っている間に、あれでは納得いかなかった兵達が一騎打ちを申し込んできたのをなぎ払って暇を潰す事に成っている。
それに、私に挑んできたあの少女の事も気に成る。
私が他人を此処まで気にするのは自分で言うのも何だが珍しい。
何故かは知らないがあって一度話をしたいと思っている自分が居る。
因みに魔理沙は大図書館の魔道書に夢中に成っている。魅魔はそんな魔理沙の付添。序に自分の魔法の研究もすると似たような事をしている。