You must get over   作:ポリゴン

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久しぶりの投稿なので緊張してますが( `・∀・´)ノヨロシク

あと、あけおめ



「起こってから」の後悔

俺は「Fun'XS」というロックバンドのグループでヴォーカルをしていた。

……なぜ過去形になっているのかはこれから話そうと思う。

 

 

小さい頃から音楽は好きで、小学生のときにはピアノも習っていた。でも、この頃はまだ「遊び」という感じだった。

 

良い転機があったのは中学3年のときだ。友達の立花 創也から文化祭で発表するバンドのメンバーとして誘われた。確か理由は…「誰もヴォーカルしてくれないんだ!!」みたいな感じだったと思う。

 

俺はあまり深く考えずに引き受けた。創也が本当に困っているようにも見えたし、何よりもう一度、音楽をやるということに忘れかけていたワクワクがあったからだ。

 

 

それからは充実した毎日だった。もちろん学校でもみんなで集まって練習したし、家でもボイストレーニングをした。

初めは公務員である父がいい顔をしなかったが、学力は落とさなかったため、口出しはされずに済んだ。

 

そして、文化祭では自分のすべてを出し切れた。不思議と緊張感はなく、むしろ歌っているのを全校生に見てもらえて「気持ちいい」でいっぱいになっていた。

俺たちがステージから降りるとスーツ姿の女性が近づいてきて名刺を差し出してきた。

 

尾高 成花という女性だった。

 

何でも、俺と創也のことをスカウトしたいとのことで創也は「是非やらせてください!!」と成花さんの手を握っていた。…というかブン回していた。俺も「やります!!」と即答したかったが一つ問題があった。

 

父のことだ

 

父は銀行で働くTHE公務員であり、俺にも「安定」を求めていた。

案の定、話してみたら「不安定」と言われて猛反対され、怒鳴られた。それでも諦められなかった俺は反対を押し切り、成花さんのスカウトを受けた。

 

指定された日に事務所に行くと俺と創也以外に3人いた。オドオドしていると成花さんが来てグループ名が「Fun'XS」になったことが伝えられ、軽く自己紹介が行われた。

 

ヴォーカルが俺

ドラムが創也

ギターが相川 瀬奈(16)という女性

ベースが佐藤 広道(18)という男性

ギターorサックス&作曲が八重橋 透(19)という男性    だった

 

 

この5人がメンバーで、これからの仲間になる。そう考えただけでドキドキして胸が熱くなっていたことを今でも覚えている。

それからは死ぬほど努力した。歌い方もミックスボイスをはじめとして使えそうなものは何でも試し、練習した。

 

デビューしたのは俺が中学を卒業したときで、高校には行かなかった。本気で音楽をやろうと決めていたから。

しかし、父からは認めてもらえていなかった。でも、それでも良かった。音楽が好きでバンドをやっていたし、結果が出れば認めてくれると信じていた。

 

16歳の夏にチャンスが訪れた。

 

フェスに出て欲しいというオファーがあり、俺たちはそのフェスで成功を収めた。

CDも売れ始め、収入も生活ができるくらいになり、ようやく自分たちの音楽が世の中で認められたんだと嬉しかった。

 

父はそれでも認めてくれなかった。

 

色々なことを父から言われても我慢してきた俺はもう慣れていたが、その日は違った。

 

「そんなくだらないこと早く辞めなさい」

 

 

……父のこの言葉を聞いた瞬間に自分の中の何かがはじけて飛んで行った。

今までの努力を全て否定された気がして、父の胸ぐらを掴み大ゲンカをしてしまった。

 

父とはそれから口を聞かなくなった。

 

それからも俺は努力し続けて家に帰らないことも多くなった。

しかし、ようやく音楽活動に余裕が出てきた16歳の冬に悪い転機があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父が死んだ

 

 

 

 

「君のお父さんが務めていた銀行に強盗が入り立てこもったんだ。しかも犯人は残忍な性格で、立てこもってから30分が経過したときには2人の一般人が拳銃で撃たれていたらしい。40分が経過した頃に君のお父さんが強盗を抑え込もうとしていた。そのときに突入して警察が強盗を捕まえたが、君のお父さんは~」

 

 

 

という話を現場で指揮を執っていた絢瀬という刑事から聞いた。

絢瀬さんが話している途中だったが、俺は家に帰ってしまった。…何も考えられなかった。

 

父子家庭だったため、俺は1人になってしまった。

年は1人で越した。

音楽活動も停止した。

 

 

――――俺は今、父の書斎にいる

 

「…ここに入るのいつ以来なんだろう。」

 

独りごとをつぶやいてみるが、返事はない。知ってる。

俺は部屋の掃除をしようと周りを見渡してみる。すると、見慣れない段ボールの箱があった。

 

「何だこれ。」

 

父が死んでから一回も掃除をしていなかったためか、ほこりまみれになっている。そのほこりを手で払い落とすとそれが目に入ってしまい嫌な涙が出てくる。

涙を拭きながら箱を開けてみると中には……CD

「Fun`XS」のCDが入っていた。ファーストシングルから全てのCDが入っていた。

 

「………くだらないとか言っといて、俺のCD全部持ってるじゃん」

 

なんて言いながら苦笑してみたりする。はっ、俺の音楽が好きならそう言えばい…

俺の目からさっき拭いたはずの涙が出てくる。…あれ、おかしいな。拭いてるのにさっきのと違ってどんどん出てくる。

 

 

 

 

 

 

「………………どうして」

どうして?

「どうしてなんだよ!!!どうして死んだんだよ。」

本当は…本当は、もっと話したかった。ご飯も一緒に食べたかった。くだらないことで笑い合いたかった。……俺の音楽を「好きだ。」って言って欲しかった。

「戻ってきてくれよ!!」

戻らない

 

 

 

 

 

 

 

 

「…お父さん」

 

 

俺は――――――安達 海意《あだち かい》は目から溢れる「後悔」を止めることができない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?
ちなみに「Fun’XS」はファンクスと読みます。
アニメ本編の話に入るのは第三話からですが第二話も見てくださいね!
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