しがない男のしがない経験物語   作:サンダイオンっぽい人

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あ~非常に申し訳なく・・・・・


ふふふふ・・・新学年に慣れるのにここまで時間がかかるとは・・


現実逃避してきた

そして、翌日の放課後、宗次は町中に来ていた。部活仲間の誘いで一緒に夕飯を食べることになったのだ。無論、母親には既に連絡済みである。

 

だが、周りにその友人がいなかった。先ほどまでは隣にいて楽しく喋っていたのにも関わらず。それどころか周りに人っ子一人いなくなっていた。この現象はつい先日に経験したものだ。

 

宗次はため息をつきながら瞬時に鞄から拳銃を取り出し、一つは懐に、もう一つは構える。ところでこの拳銃、先日は説明していなかったが、種類はSIG SAUER P228と言われるものである。またの名をM11、日本のSAT等でも採用されている非常に有名な拳銃である。故に、紛争地帯でも比較的手に入りやすい代物であり、小柄な人向けでもあるため、今も昔も学生である宗次にはぴったりなのである。

 

 

「さて・・・前はすぐに出てきたが・・」

 

 

ふと気配を探ってみると、この付近ではなく少し離れた場所で二つの気配がぶつかってるのが分かった。

 

 

「今回は巻き込まれたといったところか・・・ん?」

 

 

先ほど感じた気配の中に一つ、普段ちょくちょく会う気配を感じた。

 

 

「これは・・・・なのはちゃんか?」

 

 

家族ぐるみで付き合いがある高町家の次女。宗次の妹である結衣の親友の一人だ。しかも、更に深く探ってみるとなのはの方が襲われているようだった。それを認識した瞬間、宗次はその場所に向けて走り出した。

 

宗次にとってなのはは妹も同然。その妹分が襲われているのとなると居ても立ってもいられない。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

その頃、なのはは突如襲ってきた赤いゴスロリを着た少女と空中戦を繰り広げていた。何でもない平凡な日々に突然襲った奇襲。同じ魔法を使うのは分かったが、何故襲って来たのかが分からない。

 

その理由が戦わずに済むのなら、話し合いで終わらせたい。

 

そんななのはの思いは向こうには伝わらず、相変わらず戦闘は続いていた。しかも、なのはが押される方であった。戦闘が始まった当初はほぼ互角であったが、なのはの砲撃によって少女の帽子が消し飛んだ瞬間、少女が激昂。なのはは名称を知らないが、カードリッジシステムを発動することにより強力な魔法を放った。

 

そのことによりなのははあっという間に劣勢に回ってしまった。だが、なのはは諦めていなかった。何事も絶対に諦めない。諦めなければ何とかなる。そのことをある兄妹から教わってる。

 

 

諦めなければ何とかなる

 

 

なのはの親友である上代結衣と、その兄、宗次が常日頃言ってる言葉だ。実際結衣が有言実行して小さいのから大きな困難をクリアしてるのを間近で見てるなのはも自然とそういう風に考えるように、そして実践するようになった。半年前に起こった事件もそのお陰で無事解決までにいたった。

 

 

「てやぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「絶対に、お話しするんだからっ!」

 

 

お話しするため。なんでこの少女がここまで危機迫った様子で襲ってくるのか知るため。そのためになのはは絶対に諦めずに戦い続ける。

 

 

「あうっ?!」

 

 

だが、人間というのは気持ちだけが先行して身体が追いつかない時がある。ましてやなのはは小学3年生。身体はまだまだ丈夫ではない。徐々に反応が遅れていき、しまいには少女の攻撃をまともに食らってしまった。

 

少女のロケットを使ったハンマーの攻撃をまともに食らったなのはは地面に激突し、何回かバウンドした後、近くの噴水に思いっきり叩きつけられ、その噴水を少し破壊したところで止まった。叩きつかられたなのはの状態は芳しくない。自分の愛機であるレイジングハートは破損し、バリアジャケットは吹き飛ばされている。満身創痍の状態だ。

 

少し荒くなっていた呼吸を整えると少女はなのはへと近づき、どこからともなく古びた本を取り出した。そして呟くようにその言葉を紡いだ。

 

 

「・・・・闇の書、蒐集」

 

 

すると、突如なのはの胸元から桜色の小さな光る球体が現れた。それの名はリンカーコア。魔力を生み出す源である。先日、シグナムが狙っていたものでもある。

 

 

「・・ぅ・・あぁ・・・・っ!」

 

 

そしてそのリンカーコアから徐々に光が闇の書の元へと流れ込んでいく。魔力が吸収されているのだ。その行為は途方もない痛みを伴う。それは前日シグナムが宗次に言った言葉。つまりなのははその途方もない痛みを感じているのだ。

 

 

(近くにいる奴らもシグナム達が足止めしてる。・・・無事に蒐集出来そうだな)

 

 

少女、ヴィータはこのまま無事に終わりそうだと、軽く息を吐き若干気を緩めた。

 

その瞬間、ヴィータに向かって一条の閃光が飛んできた。それに気が付いたヴィータの愛機、グラーフアイゼンは咄嗟に防御魔法を張るが、着弾した衝撃に耐えきれずに砕けてしまう。

 

だがその障壁のお蔭でヴィータは直撃を免れた。障壁が砕けた衝撃で少し吹き飛ばされたのだ。

 

 

「っ?!・・・・誰だっ?!」

 

 

ヴィータは咄嗟に考えを張り巡らす。

 

 

(シグナム達の流れ弾が飛んできた?いや、そんなはずはないっ!だって今の攻撃からは魔力を感じなかったっ!!)

 

 

そして、視線を閃光が飛んできた方向に向けて睨みつける。無論、蒐集は途中で終わってしまっている。

 

その方向には少年が一人立っており、銃をこちらに向けて構えていた。

 

 

「誰だ、はこちらのセリフだ。・・・そしてもう一つ・・」

 

 

その少年、宗次はヴィータを思いっきり睨みつけながら言った。

 

 

「貴様・・俺の妹分に何をしている・・・?」

 

「妹分・・・?こいつのことか・・?」

 

 

ヴィータはグラーフアイゼンを構えながらなのはのことを視線で示す。

 

 

「ああ、そうだ・・・・で、貴様は何者だ?シグナムの仲間か・・・?」

 

「お前っ!シグナムのことを知って・・・・っ!そうか、昨日シグナムが言ってたやつってお前のことかっ!」

 

 

昨日の夜、シグナムは怪我を負った状態で帰ってきた。しかも魔力を収拾できずに。仲間の中で一番強いと言っても過言ではないシグナムが何もできずに帰ってきたのだ。

 

慌てて問いただしてみると、その内容は驚きのものだった。魔法のまの字も知らない少年に一対一で負けたというのだ。最初は何の冗談かと思ったが、シグナムは特に勝負に関して冗談を言う性格ではないというのは周知の事実。つまりは、今ヴィータの目の前にいる少年、宗次は半端無く強いということだ。

 

 

「面白れぇ・・・・アタシの名前は鉄槌の騎士ヴィータだっ!シグナムに勝った実力を見せてもらうぜっ!」

 

「上代宗次・・・大切な妹分を襲った罪、償ってもらうぞ」

 

「やってみろっ!!」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「あれは・・・・上代っ!?」

 

「え・・・っ?」

 

 

その頃、上空ではシグナムと金色の少女、フェイト・テスタロッサが戦っていた。が、急にシグナムがあらぬ方向を見始めた。

 

釣られてフェイトもそちらを見ると、そこには横たわっているなのはの近くでゴスロリでハンマーを持った少女が銃を持った少年と戦っている様子だった。

 

 

「なのはっ!・・・それに・・あの人は、確か・・・」

 

 

その少年はフェイトも何度か見たことがあった。なのはから定期的に送られてきていたビデオメールにいたなのはの親友の兄だ。確か・・・名前は宗次。その人が何故戦っているのか、何故シグナムが知っているのか、そもそも何故ここにいるのかフェイトの頭は疑問だらけになった。

 

 

「くっ!ヴィータでもまずいかっ?!」

 

「え・・?」

 

 

シグナムの声に疑問で意識が跳んでいたのを慌てて引き戻すと、宗次が少女・・シグナム曰くヴィータを押している姿だった。

 

 

「そんな・・・なんで・・?」

 

 

ただの一般人であるはずの宗次がなのはに勝ったであろう魔導師と互角以上に戦えているのだろう?再び疑問が湧き上がる。

 

 

「ちぃっ・・・!」

 

「あ・・っ!」

 

 

そうこう考えている内にシグナムはフェイトを置いて、宗次たちの方へと飛んで行った。フェイトも慌ててそれを追うが、頭の中は相変わらず疑問で一杯になっていた。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「でやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

ヴィータがハンマーで殴りかかってくるのを宗次は体を半身にして避ける。そしてすぐさま回し蹴りを放つ。

 

だがそれは飛行魔法の応用なのかヴィータが急激に離れたことにより回避される。宗次はその勢いのまま一回転すると懐からもう一丁、銃を取出し二丁で連射する。

 

最初は命中力を上げるために一丁のみしか出していなかったが、今の回避行動を見て連射性を上げる方向に切り替えたようだ。

 

 

「ちぃっ!」

 

 

その連射を見たヴィータはかわすのは困難と思ったのか障壁を張ることで連射を防いだ。そして連射がやんだと思い障壁を解いた瞬間、ヴィータの目の前に宗次が現れた。しかも何故か高速回転している状態でだ。

 

 

「ゲキワザッ!!」

 

「なぁっ?!」

 

 

宗次は障壁が張られたのを認識した瞬間、一呼吸でヴィータに接近していたのだ。ヴィータはそのことを弾幕と煙で見えなかったため認識するのに時間がかかったのだ。

 

 

「狼狼蹴っ!」

 

 

そして宗次はその状態から延髄蹴りを放った。ゲキワザ狼狼蹴。獣拳戦隊ゲキレンジャーの一人、ゲキバイオレットが使用していた技だ。高速回転で威力を高めた右足で延髄蹴りを放つのでかなり強力だ。

 

 

「がは・・・っ!!」

 

 

そんな攻撃をヴィータはグラーフアイゼンが咄嗟に張ってくれた障壁によって再び直撃を免れる。しかしそれでも意識が吹き飛びそうなほどの威力を持っていた。そんな攻撃をヴィータは吹っ飛びながら頭を振ることで意識を覚醒させて耐えきった。そして反撃の体勢をすぐさま取ろうとする。

 

 

「ゲキワザッ!捻捻弾っ!!」

 

 

だが、宗次はそれを見越していたかのように追撃を放つ。捻捻弾。激気をドリルの弾丸状にし研鑽させて放つ技だ。威力もそうだが貫通力もかなりのものだ。しかもタイミングも絶妙だ。反撃をしようとしていたヴィータには咄嗟に防御出来ないタイミングだ。

 

 

(やられる・・・っ!)

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!紫電一閃っ!!」

 

 

そこに一筋の炎が叩き込まれる。それにより捻捻弾は切り裂かれ爆発した。そして一人の騎士がヴィータの隣に降り立つ。

 

 

「し、シグナムッ?!」

 

「ヴィータ、無事か?」

 

 

その騎士、シグナムは宗次がいたほうへ構えながら視線をヴィータに向ける。そこには目立った外傷は特には無いヴィータの姿があった。ただ、狼狼蹴を叩き込まれたせいか軽くふらついていた。

 

 

「すまねぇ・・助かった」

 

「説教は後だ。今は離脱が最優先だ。・・シャマル」

 

【ええ、分かったわ。転送開始っ!】

 

 

シグナムは爆煙が完全に晴れないのを確認すると、すぐさま離脱を決断した。これ以上戦うのは危険だと判断したのだ。そして結界の外にいる仲間の一人であるシャマルに念話を飛ばし、離脱を指示する。瞬間、シグナム達は翠色の光に包まれて姿を消した。

 

 

「・・・逃したか・・」

 

 

シグナム達が消えると同時に煙も晴れていき、宗次が姿を現した。周りの気配を探ってみるとヴィータとシグナムの気配はかなり遠くに行ったのか感知できなかった。

 

 

「ああ・・それで・・・」

 

 

だが、自分に近づいてくる気配を一つ感じ取ることが出来た。しかもすぐ近くに。というよりも今宗次の目の前に一人の少女が降り立つ。

 

その少女は宗次にとって見覚えのある少女だった。

 

 

「色々と説明してもらえるかな?テスタロッサちゃん」

 

 

その少女、フェイト・テスタロッサは少し困惑した表情で宗次を見ながらも深々と頷いた。





なんかこう・・・春ってお金が一番飛ぶ季節ですよね・・・服とか飲み会とかその他諸々・・・
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