参謀役の大冒険   作:HNA

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第19幕

どうも、浪笠刻誠さ。はあ、高町家の人間は皆、世話を焼くのが好きなのかな?人柄も良いし喫茶店の評判もいい。そのうえ赤の他人の俺を飯風呂洗濯を付けて泊めてくれた。

 

彼等は本当に性質の悪い人たらしだ。恩義を感じさせることをしているのに全く気にしない。広いんだ、器が。魅了されるんだ。そしてこの人達と付き合えることがとても楽しく思える。この人たちになら何処にでも付いて行きたいと思わせる。何があっても彼らに手を伸ばしたくなるんだ。

 

なのはちゃんはユーノの回復が終わった後の予定の話しを遮り自分も協力するようだ。自分の危険も承知の上で。その理由が「もう知り合ったし話を聞いたからほっとけないから」なんだぜ?更に近所の心配だって当たり前の様にする。本当に無自覚に相手を自分のペースに持っていく。惹きつける。

 

このカズとはまた違うカリスマ性。思えばカズとの付き合いの始まりもこんな感じだったかな。もう俺の相棒スキルは呪いレベルだぜ。彼等と居ると心が震える。退屈もしない。付いていくしかないぜ?俺?

 

すると一瞬だけ町の雰囲気が変わり嫌な気配が俺を包む。

 

ジュエルシードが発動したらしい。本当に・・・退屈しない。

 

『俺も協力するぜ。なのは。』

 

♦♦♦♦

 

俺は屋上から重力を操り飛び降り一人と一匹と合流した。階段を駆け上り本堂に辿り着く。そこには目が四つの黒い大型犬もどきと倒れている女性。

 

「現地生物を取り込んでいる。」

 

「どうなるの?」

 

「実体がある分手強くなってる!」

 

此方にきずいたらしい犬もどきが走ってくる。なのはちゃんとユーノはレイジングハートがどうこう。対応が遅いな!素人どもが!

 

「どけ!これは秘密な、なのは!」

 

グロック19とSIG P226を構え両手足を打ち抜いた。空中で体制の崩れた犬もどきを飛び掛かって来ると勘違いしたのか咄嗟に目を閉じていたなのはの手の中から桃色の光が漏れだす。

 

「レイジング、ハート?」

 

「Standbyready. Set up」

 

次の瞬間には杖状のレイジングハートを持っているなのはだがただ呆然とそこに突っ立て居るだけ。だが、杖を構え目を閉じ何かを念じるような仕草をすると聖祥の制服に似た白色が目立つ衣装に変わる。ふむ、あれはバリアジャケットと言うのか。

 

ユーノが何か言ってるが気は抜けない。

 

まだ倒れ伏している犬もどきに封印を掛ける。額に浮かぶ数字は16、光が犬もどきを縛り発光からすぐに消滅した。掲げたレイジングハートに吸い込まれてなのはちゃんはため息を一つ。

 

「これで、いいかな?」

 

「うん、この上なく。」

 

その後直ぐに空がオレンジ色に染まりどうやらジュエルシードを取り込んだらしい犬の飼い主は目を覚まして首を捻りながら帰っていった。

 

「お疲れ様、かな?」

 

「「ああ。(そうだね。)」」

 

 

俺となのはちゃんが魔法に出会ってこれが最初の事件。俺は信じていないが、これが彼女の運命の始まりって奴だったんだろうな。

 

この世界に俺の本物の過去を知っているものは居ない。高町家の皆さんは良くしてくれるが堂々と繋がっているといえる絆はこっちにはない。知り合いはいない、原作の記憶も何故か消えた。だが、この子の傍に居られるならば、この子が闇夜の空の星の様に輝き、その闇を照らしてくれるのならば、更にその輝きを際立たせてあげたい。そして俺が涙を見せるわけにはいけないと思える。何かあったら支えてやるさ。障害が有れば叩き潰してやるさ。だから・・・

 

俺も階段を降り始める。彼女は踊り場で此方を不思議そうに見上げて、どうやら俺を待ってくれているらしい。待たせるわけにはいかないな。じきに暗くなる。その前に彼女を送っておこう。

 

 

 

 

その前に、一瞬でいい。始まりのこの景色を、この景色を目に焼き付けさせてくれないか。

 

 

 

 

 

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