参謀役の大冒険   作:HNA

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第22幕

どもっ!浪笠刻誠っすよ!俺の次元の日本では全国的に連休です。なぜ突然そんな事を言うかって?どうにも、喫茶翠屋はこういった大きな連休があると、店を任せて旅行に出掛けるとか。

 

そんな訳で今現在俺は士郎さん運転の車に乗って熟睡しています。何故寝ているのにこんな感じにお話が出来るのかは・・・まあ魔法使いだからってことで。

 

目指しているのは結構人気の温泉施設。聞くと、高町家では毎年恒例の行事らしい。

 

因みに俺は温泉が大好きなのだ。いつも通り暇なお勤めを終わらせて翠屋でアルバイトもどきをさせてもらった後で士郎さんから声がかかりご一緒させてもらうことになったのだ。

 

メンバーは高町家は勿論、アリサちゃんとすずかちゃんに月村家の皆さんについでにヤタ。

 

折角此処まで温泉に浸かりにきたんだ。レイジングハートの魔法、『フライヤーフィン』と『ディバインバスター』は覚えたが、こちらでもジュエルシードを探すなんて無粋な事にはならないでくれよ?

 

なのはちゃんも今日明日はジュエルシードの事なんざ忘れて休みを満喫する様だ。たまには良いよな、こんなのも。

 

一同は早速の大本命、風呂に入る様だ。よし、俺も行こう!ってヤタ?

 

『なあ、俺も行っていいか?刻誠?』

 

『ああん?何言ってんだ、烏は風呂に入れねぇだろ?留守番してな。』

 

『ええ!?前の主人は入れてくれたぞ?』

 

『知った事か。ほら、待ってろ。』

 

『ったく、ああ、分かったよ。』

 

ヤタは飛び去り部屋へ戻ったが、なのはちゃんも風呂場に向かっていろその手には・・・ユーノが!!!

 

「って!まてまて!なのはちゃん!?何でユーノを抱えて行こうとしてんのさ!」

 

「え?だってユーノ君も一緒に入りたいかなぁって思って。」

 

「あのなぁ?なのは?俺もユーノ(は多分だが)も男の子なんだぜ?女の子がそんな簡単に肌を見せるものじゃないぜ?惚れたやつにやってやれよ、そうゆうのは。おらユーノ、行くぞ?」

 

士郎さんと恭也さんが物凄い勢いで首を縦に振っている。

 

「きゅっ!」

 

『た、助かったよ、刻誠。』

 

『ああ、そのまま入っていたらお前は世にも珍しいフェレット革になっていたぞ?』

 

『そ、それは、じょ、冗談だよね?」

 

『ははは!冗談だよ!・・・一割な。』

 

『え?』

 

♦♦♦♦

 

良いな、風呂は。風呂は命の洗濯とは誰かが言ったがまさにその通りだ。

 

「くぅうあ~。いいね~。」

 

「じじ臭いぞ、刻誠。」

 

「ん~?あ、恭也さん。そう言えば今までで恭也さんと一緒に風呂に入った事ってありませんでしたよね~?」

 

「まあ、そうだな。」

 

「こうやってお互いに話せるのも風呂の醍醐味ってやつですかねぇ?」

 

「ふっ、そうかもな。それじゃあ聞くが、最近、なのはと何をして居るんだ?それと、気を抜いていいぞ?疲れるだろ?」

 

「たっはは!恭也さん。あんた、士郎さんと同じこと言ってるな。親子って奴だな、やっぱり。」

 

「まあ、気付いた理由は戦った最中に漏れる気配だからな。父さんもそうだろうな、それで?」

 

「あ~、士郎さんにも言ったけど、暫らくしたら話せるよ。なのはちゃんには多少は危険があるかもだが俺が付いてるからまあ、怪我は絶対にさせねぇよ。士郎さんと閻魔様に誓ったからな。」

 

「それでももし、なのはに何かあったら・・・その時は、分かるよな?」

 

「ええ、分ってます、だからその殺気を仕舞ってくださいよ。チョット身体が疼いてクルじゃないっスカ。」

 

「ふふっ。戦闘狂め。」

 

「恭也さんも似たようなもんでしょう。俺はもう上がりますね~。」

 

「ああ、俺はもう少し入っているよ。」

 

「は~い」

 

丁度同時に風呂から出て来たお嬢様と合流し旅館を探索していると声がかかった。

 

「はあ~い、おチビちゃんたち。」

 

オレンジの髪の額に付いてるのは、宝石?

 

ふむ、何かしらの武道かスポーツをしているのが一目でわかる。多分ボクシングかな?完全には友好的じゃなさそうだな。

 

「ふむ、君かね、うちの子をあれしちゃってるのは、あんま賢そうでも強そうでもないし、ただのガキンチョに見えるんだけどなぁ。」

 

なのはちゃんに詰め寄って話している。困惑しているな、なのはちゃん。当然だと思うけど。

 

「「なのは(ちゃん)、知り合い(か)?」」

 

「う、ううん。」

 

「そうかい。で?どちらさん?」

 

・・・・・・

 

「あはははは!いや~ごめんごめん、人違いだったかなぁ?知ってる子によく似てたからさぁ。」

 

「ああ、なんだ、そうだったんですか。」

 

いや、そいつは嘘だな。視線で分かる。

 

『今のところは挨拶だけどね?』

 

念話?こいつも魔法使いか。

 

『忠告しとくよ?子供は良い子にしてお家で遊んでなさいね。おいたを過ぎるとガブッといくよ?』

 

それだけ言うとサッサと行ったが、厄介事の予感が・・・

 

『なのは、刻誠。』

 

『うん。』『ああ、魔法使いだろうな。それも敵対した、な。』

 

それからはさっきの女性には会わずに時間が経ちお嬢様達は眠りについた。ん?念話?なのはちゃんか。

 

『刻誠君、ユーノ君。起きてる?』

 

『ああ、起きてるぜ?如何した?』

 

『昼間の人、あの子の関係者かな?』

 

『多分。』

 

『いや、ほとんどそうだと言ってもいいぜ?』

 

『え、何で?』

 

『何故って、そりゃあ、念話を使ったから魔法使いなのは分かったろ?そしてあの女性はなのはちゃんだけを指して言っていたし、うちの子って言っていたからな。ほぼ当たっているだろ?』

 

『そっか、なのは、刻誠。やっぱり僕は、一人で、『それ以上言ったら怒るよ。』

 

 

・・・自分が好きでやってる・・・か。そう言い切れる人間はそういないんじゃないか?

 

『もう休んだ方が良いと思うぜ。何もないに越したことはないが、休める時に休んでおいた方が良い。』

 

『うん』

 

♦♦♦♦

 

 

はっ!?大きな魔力!?ジュエルシード!?

 

こっそりと急いで旅館を抜け出し着流しを纏い、感覚でだがジュエルシードの方向へと走る。なのはちゃんはレイジングハートを起動させたが目の前の森から青い光が輝いた。遅かったか?

 

開けた場所に出るとそこには昼間の女性と金色少女が。

 

分かってはいたがやはり友好的ではないな、と言うより完全に敵対的。

 

彼女が目を見開くとなんと彼女は狼に変身した!?ウェアウルフ!?狼女!?なんてこった!銀かニンニクか杭を持って来れば!今日は丁度満月だし!

 

「やっぱり、あの子の使い魔だ!」

 

なんと!それは凄いな!狼女を使い魔にしているなんて!なんて子なのだ金色少女!

 

俺はポーカーフェイスで聞いてるが内心驚きまくっている。

 

が、

 

どうやら使い魔とは魔法使いの魔力から作られるとか。何だ。本物じゃないのか。あいつらは条件ではやり辛い相手だからな。

 

来るか!

 

撃ち落とすかと思ったがユーノとヤタがなのはと俺の肩から飛び降りて薄い緑色と黒色の障壁を展開して狼女を防いだ。

 

「なのは!刻誠!あの子をお願い!」「向こうはまかせるぞ、刻誠。」

 

「させると、思っているのかい!?」

 

「止めて見せるさ!ふっ!」

 

おお!ユーノとヤタと狼女が消えた!どうなってんだ!?

 

「結界、強制転移魔法。良い使い魔を持っている。」

 

「ユーノ君は使い魔って奴じゃないよ。私の大切な友達!。」

 

暫らくにらみ合いが続き彼女が話し始めた。

 

「で、どうするの?」

 

「話し合いでどうにかできるって事、無い?」

 

なのはちゃんは返すが、それは

 

「甘いな、なのは。俺たちはジュエルシードが欲しい。向こうも同じならば完全に敵同士だ。話し合いで解決できれば武器は要らない。」

 

「そう、言葉だけじゃ、伝わらない!」

 

彼女はいきなりなのはの背後に回り込んで鎌を振るうがなのはは少しばかり反応が遅い。

 

「なあ、銃弾と剣戟の嵐の中を散歩した事はあるか!?」

 

獄誠を出して迎え撃つ。斧でもいけるのな、それは!

 

ガキッン!

 

「邪魔!」

 

「生憎だがなのはには傷一つつけさせんよ!」

 

鎌を払い胴を狙うがバックステップで躱され、間合いを詰めて追撃するがやはりなのはに向かう。

 

「賭けて、それぞれのジュエルシードを一つずつ。」

 

「ハッ!面白い!俺も一口乗せてくれよ!」

 

俺も『フライヤーフィン』で飛ぶが初の飛行なので追いつけず、なのはに並ぶのが精一杯だった。

 

彼女はなのはを飛び越しやや上方向に滞空し魔法を使い、なのはもディバインバスターで対抗。互角の様だがなのはが出力を上げて彼女を飲み込んだように見えたが寸前の所で上空へ回避からの急降下、だがなのははまだ気づいていない!

 

咄嗟に獄誠を戻してバタフライナイフで鎌の柄を受け、SIGで彼女に銃口を合わせるが逸れて肩へ。対して彼女の金色の刃はなのはの首筋で寸止めされている。

 

「チッ!・・・負けたか。・・・レイジングハート。」

 

「・・・putout」

 

「レイジングハート!何を!」

 

「はあ、俺達は賭けに負けた、諦めろ。なのは。」

 

「きっと主人思いの良い子なんだね、帰ろう、アルフ。」

 

彼女はマントを翻して去ろうとする。

 

「待って!」

 

何を言うんだ?なのは。

 

「できるなら、私たちの前にもう現れないで、もし次は会ったら、今度は止められないかも知れない。」

 

「名前、名前を教えて!貴方の名前は!?」

 

「・・・フェイト、フェイトテスタロッサ。」

 

「わたしは・・・」

 

なのはも名乗ろうとしたがその前に金色少女改めフェイトは去った。

 

俺たちに残されたのは敗北の悔しさと戦闘後の静かな余韻だけだった。

 

 

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