プロローグ4
どうも、浪笠刻誠だ。今俺たちは鬼が言うには閻魔堂とやらの前にいます。石の階段が続き、赤く大きな門があり、その向こうには門越しに見える程の高さの屋敷がそびえている。鬼は階段を上り切り、不思議そうに此方を見下ろしている。
「どうされましたか?早くお上がりください。」
い、いくしかない、か。カズは覚悟を決めたのか、階段を上っていく。よし、俺も腹を括ろう。一歩踏み出して階段を上る。
少し長い階段を上り、踊り場に居る鬼から距離を置きながら質問をする。
「なあ、鬼、いい加減に説明が欲しいところなんだが、一体どういった経緯を経てこうなったんだ?」
「・・・まあ、それくらいならいいでしょう、歩きながら話しましょう。」
事の発端は8代目閻魔が其方の時間で3日ほど前に体調を崩した所から始まります。彼はとても仕事熱心で、いい上司のような存在何です。そんな彼が突然倒れ、その1日は地獄中に動揺が走りました。地獄の機能が停止直前に陥る位にはね、その時にです。「落ち着くのだ!」と声が掛かりましてね、皆が声のする方を見ると、まだ幼い坊ちゃんがいたんです。坊ちゃんは9代目の閻魔なのです。「皆、落ち着いて仕事に戻るのだ!」まだ小さな体で言うんです。これは彼のカリスマ性を受け継いだのでしょう。坊ちゃんは「わしが今から閻魔代理をする。」と言い仕事を始めました。始めた頃は何の問題もありませんでしたがやはり子供の坊ちゃんには荷が重かったのです、どうか坊ちゃんを責めないで下さい。坊ちゃんは良くやってくれていました、どうか、どうか。
鬼はズビビッと鼻を鳴らし、目を一度拭いたところで他の扉よりも遥かに大きい扉があり、「着きましたね、此方です、どうぞ。」と目をぐしぐしと擦って何ともなかったかのようにその扉を開けた。
扉をくぐると広いホールになっており、正面には裁判所のような上から見下すような形である高い台座と椅子、そこに座っている5~6歳ぐらいの子供、台座の左側の壁には途轍もなく大きな扉、一体何が出入りするのやら、右には鏡、もしやあれが浄瑠璃鏡ってやつか!?
「坊ちゃん、浪笠刻誠と新木沢和也をお連れしました。」
丁寧な仕草で頭を下げる鬼を子供が一瞥し、「ご苦労、司命、」と言った。こいつ、しみょうって名前だったのか、ま、どうでもいいか。
「で、あんたが閻魔代理だって?早速だがこいつはどうゆうことだ?こいつらの頭なんだろ、話の経緯は聞いたが何故かまでは聞いてねぇ、ガキぃ、少し空気になって来たから言わせてもらうが、俺たちゃこれからどうなんだよ?」
カズは誰にでも強気に出ることが出来るからな、こういう時は心強いな。
答えは、
「うむ、それはわしがお前達の書類を燃やしてしまったからで、お前たちはこれからお前達が知っているかは分からんが、まあ簡単に言えば魂を洗って綺麗にして新しい世界に生まれ変わるのだ。時間が惜しいのだ、さっさといけ。」
つまり輪廻転生ってやつか?だが、
「おい、待てよ、生まれ変わる?元の世界に返せよ!」
そうだ、新しい命ではなく俺達が、俺たちのままで、元居たとこに戻りたい。
「無理だ、お前達の書類も現世の体も無くなっておるのだ。時間がないんだ。さあ、行け。摘み出すぞ。」
ガキは一度も俺たちに目もくれずに席を立ち去ろうする。
「待てよガキィ!」
「ええい、うるさい!時間がないんだ!連れていけ!」
すると、柱の影から赤、青、黄色の鬼が数人ずつ出てきて俺たちを囲んだ。
何時の間にか司命はいなくなり、ガキも左側のデカい扉を開いている、万事休す、、、、か、カズと背中越しに獄誠を構え、せめて、限界まで抵抗してから捕まろうと足を出したとき、
「バァカモンがーーーーー!!!!!」
ゴチイィ!!!!
な、なんだぁ!?ガ、ガキがぶっ飛んだぞ!
デカい扉が開き切り、出てきたのは目測5mほどの男の巨人、彼は左腕を振りぬいた姿勢で白い浴衣っぽい服を着て出てきた。
そして椅子にドカッと座り、此方を見て
「すまぬなぁ、お二方、このバカ息子がいらぬ心配をさせた。皆も下がって良い。」
転がっているガキをグワシッと掴みながら言った。
「ハッ、話の分かりそうなのが居るじゃねぇか。」
カズは汗を一筋垂らしながらも虚勢を張りながらも呟く。
「そうも力まなくとも良い、司録!司命!いるかぁ!」
「「はい、此方に。」」
あ、司命、出てきやがった、どこいってたんだ?ヤツをみると気まずそうに眼を逸らした。
「すまぬ、お二人が此処へ来たのはこやつの過失だ、許してやって欲しい。」
頭を下げ、申し訳なさそうにしている。
「なら閻魔!俺達は元の世界に戻れるのか?」
周りを囲んでいた鬼もいなくなったので一応構えを解き聞く。
「ああ、帰れる。こやつがその方法を知らぬだけなのだ。迷惑を掛けた詫びと迷惑料だ、此れを貰ってくれないか、おい、あれを持ってこい。」
閻魔の左右にいた鬼2人が箱状の何かを持って降りて来る。
司命が俺の方に来て「先ほどは済みません、坊ちゃんは普段は優しい良い子なのですが。」
と言いながら箱を差し出して来た。
中身は、、、コート、ブーツ、シャツ、ズボンに下着、手袋、マフラー、ネックウォーマーの黒一色の洋服、一番下にはまた黒一色の羽織に袴。
「それは先先代閻魔が作らせた、『儂の考えた最強の夏は涼しく冬は暖かい防弾防刃耐熱耐寒耐電退魔完全対応衣服』だ。」
なげーよ。一つおかしいやつあったぞ。貰えるなら貰うけど。裸だし着流しを着よう。
「それと、地獄側の過失で此処に来てしまた場合は被害者の願いを1つ叶えなければならない決まりがある。何かあるか?」
んー、ならそうだな、ならば
「「全知全能にしてくれ。」」
「や、それは無理だ、脳に全てを詰め込む過程で脳が潰れてしまう、廃人になってもいいならやってやるぞ。」
即答、ダメか、じゃあ
「「好きな能力ををノーリスクで造ることが出来る力と知識をくれ。」」
「お主らは世界最強でも目指しているのか?まあそれくらいなら良いが、そら。」
これは良いんだ。おお何か体を入ってくるような感覚が、、、収まった。
「もうよいな、起きろ!バカ息子!」
「ハッ!?父上!?もう体は何ともないので!?」
「これだけ休めば大丈夫じゃ、良くやってくれたな。後はお二方を元の世界にお戻しなければならない、これが術式だやれるな。」
「は、はい父上!」
ガキは台座から此方に飛び降りてきてブツブツ呟くと青白い靄みたいなのが出てきた。
「そこが現世の入り口だ、潜れば元の世界に帰れる。」
ガキが汗をダラダラと垂れ流しながら「は、早くしてくれぇ~。」
情けない声で言うので一言、「じゃ閻魔、あんがとな。」行くか。
俺とカズは同時に靄へ獄誠と獄也、服の入った箱を持って飛び込む。
「向こうで会おうぜ、コクセー!」
「ああ、向こうでな、カズ!」
靄が2つに別れ、意識を失い、地獄から消えた。
少し長くなりました。感想、お願いします。