どうも、射命丸文です!
みなさま、あけましておめでとうございます。昨年の幻想郷もいろいろありましたが今日、無事に第百三十一季を迎えることができました。
今年はどんな出来事が起こるのでしょうか、楽しみですね!(新聞のネタ的に)
さて、私は現在守矢神社にお邪魔しています。守矢神社が建つ前は我々山の妖怪だけで新年を迎える儀式をやっていましたが、今では守矢神社の方で行っています。
現在午前零時十分すぎ、参道から本殿にかけて妖怪たちがぞろぞろと集まっています。河童たちの屋台も活気があって繁盛しています。客引きの声があちこちで上がっています。三が日は稼ぎどきですからね、河童たちはみんな張り切っているようです。
それにしても今年は寒いですね。聞いた情報によると外の世界では記録的な暖冬になっているとのことです。幻想郷と外の世界では真逆の気候になることが多いのですが、そのせいでしょうか。今のところ雪は降ってはいませんが、さすがの私でもきついと思えるぐらい寒いです! コートとタイツを着用していますがそれでも凍えますね~……。
ではここで、守矢神社の方々にインタビューをしてみましょうか。あっ、ちょうど早苗さんがいました。すみませーん、「文々。新聞」の射命丸文ですけどー。
「ああ、文さん。あけましておめでとうございます」
あけましておめでとうございます。相変わらずの格好ですが寒くないですか?
「はいっ、信仰があれば火もまた涼し、その逆もまた然りです!」
よ、よくわかりました。ところで今年の抱負ですが、守矢神社の抱負は去年も一昨年もその前からもずっと「信仰を集める」だったので今年もそうだと思うのでもう聞きませんが、早苗さん自身の抱負はありますか?
「私のですか? そうですね……お酒に強くなること、かな?」
お酒ですか。確かに早苗さんは弱いですからね。
「うーん、酒の強さは遺伝で決まるんでどうしようもない面もあるんですが、せめてとっくり一本分ぐらいは飲めるようになりたいです」
私もですが、幻想郷は酒飲みばかりですからね。お付き合いでどうしても酒は必要になってきます。ですが無理はなさらないでくださいね。特に鬼に絡まれたら大変な目に遭うので……。
「鬼?」
いやいやこっちの話です。さて、幻想郷のみなさんに何かメッセージはありますか?
「はい。えー皆様、あけましておめでとうございます。『一年の計は元旦にあり』と申しますが、これから初日の出とともに幻想郷の今年の安寧と皆様のご多幸をお祈りしする神事を八坂神奈子様、洩矢諏訪子様とともに執り行わせて頂きます。お互い良い年にしていきましょう。今年もよろしくお願いいたします!」
はい、ありがとうございました! あっ、あれは……。
「おー、天狗のブン屋じゃないの。私にもしゃべらせなさいよ」
「私もー!」
「神奈子様諏訪子様!? お二人とも顔が真っ赤っ赤ですよ!?」
あやややや! 今の私は二柱に抱きつかれています! 新年早々すごいご神徳が頂けそうです!(うえっ、酒臭い!)
「天魔から酒の差し入れがあったからその場でついつい飲んじゃったわ」
「で、二人がかりで天魔に飲ませて潰しちゃったんだよねえ」
「何ですって!?」
天魔様を潰した!? あの御方は鬼並みに底なしのはずですが、なんてことを……。
「はっはっはっ、意外と大したことなかったねえ!」
「ちょっと、初日の出に神事をやるんですよ!? 天魔さんも出席するのに……」
「あー? まだ日の出まで時間があるでしょ。それまでに醒めるから大丈夫、らいじょーぶ!」
ろれつが回ってませんが、本当に大丈夫なんでしょうか。心配です!
「んー? 神奈子ぉ、こいつシラフだよね。飲ませちゃおっか」
「よーし、酒を持って来い!」
お、お気持ちはありがたいのですが、まだ取材の仕事があるので……。
「あんだってぇ? 私の酒が飲めないのか? オォーン!?」
あやややや! これはアルハラです! アルハラですよー!
「あっ、神奈子様! 足元に十円札がありますよ!」
「えっ?」
離してくれた! 今がチャンスです! 文字通り飛ぶように逃げます! みなさまお邪魔しましたー! 早苗さんありがとー! 今年も良い一年でありますように!
「こらー! 待てブン屋ー! かえせもどせー!」
「戻らなきゃ祟るぞー!」
「文さん、今年もよろしくお願いしまーす!」
◆
はーい、あけおめことよろー! 姫海棠はたてでーす!
私は現在博麗神社にいますが……参拝客は見事に妖怪ばかり! 人間の姿は一人も見当たりませーん!
屋台は出ていますが、みんな妖怪が運営しているのばかりですね。幻想郷名物、ヤツメウナギ蒲焼きの屋台の姿も見えます。ですがお客様は全員妖怪です。身の危険を犯してまで食べに来る人間はいないでしょう!
どこもかしこも妖怪だらけで……おや? いや、一人だけ人間がいました! 魔理沙さーん!
「お? お前誰だっけ?」
やだなー、私ですよ。「花果子念報」の姫海棠はたてですよ!
「ああ思い出した。文じゃない方の烏天狗だな」
どういう覚え方してるんですか……ってそんな話はさておき、あけましておめでとうございます。博麗神社は相変わらずの惨状、もとい賑わいを見せていますがどう思われますか?
「いいんじゃねえの? 普段は宴会と大晦日、三が日ぐらいしか集まる機会がないんだしさ。霊夢のやつはふてくされてたがな」
そんな中、魔理沙さんは人間を代表して参拝してあげているんですね。麗しき友情です!
「んな大層なもんじゃないがな」
さて、魔理沙さんの今年の抱負はなんでしょうか?
「不老不死だぜ!」
ふ、不老不死ですか?
「やっぱ魔法使いたるもの、不老不死にならなきゃな!」
まあ、頑張ってください。結構ハードルが高い抱負ですが……。
「そういうお前の抱負は何だよ?」
私ですか? そりゃあ「打倒、射命丸文!」ですよ。新聞ランキングで「文々。新聞」を抜いてみせます! そのためにネタをどんどんくださいね!
「私よりもあいつの方がネタになるぜ」
おっ、その「あいつ」がちょうど来ましたね。霊夢さーん! 「花果子念報」の姫海棠はたてでーす!
「あぁん!?」
霊夢さーん、新年早々怖い顔しないでくださいよー。
「妖怪ばっかでどうやって笑顔になれってのよ!」
まあまあ、お土産を持ってきたので機嫌を直してください。
「なにこれ、お酒?」
そうです。妖怪の山で作られた高級酒『九天の滝』です。本来は山の外へ持ち出し禁止なのですが、霊夢さんに特別に差し上げちゃいます! 何と言っても幻想郷を守る「博麗の巫女」ですからね!
「そ、そこまで言われたらねえ……ありがたく頂いておくわ」
「これ、文が見てたら『博麗の巫女、記者との癒着発覚!』って記事を書くだろうなー」
ああ、あいつは今別の場所に取材に行ってるんで心配ないです。さて霊夢さん、機嫌を直したところで今年の意気込みを聞かせてください!
「これは毎年のことだけど。人間に迷惑をかける妖怪はビシバシ退治していくからね! そして人間の参拝客を増やす! 今年の目標は五千人よ!」
「あまりハードルを上げると苦しくなるぜ?」
「う、うるさいわね!」
不老不死よりは現実的な目標でしょう。今年の博麗神社も目が離せませんね!
「さて、あんたにもらった酒で早速一杯やろうかしら。魔理沙、ヤツメウナギの蒲焼き買ってきて」
「何だ、私が奢るのか?」
「賽銭がわりよ」
「しょうがねえな。ほたての分も買うのか?」
はたてです、は・た・て!
「ははは! わかってるって」
もー。ま、私は残念ながらまだ取材するところがあるので遠慮しておきます。
「そうかい。金が浮いてよかったぜ」
「じゃあね。そうだ、文に伝えといて。新聞を勝手に置いてくなって」
はーい、しっかりと伝えておきまーす!
この話を書いた時にはすでに三が日を過ぎていました……