オリジナルストーリー中編、
そして今日から試験、頑張ります…
6月7日。今日の嵯峨家は少し、にぎやかだ。
というのも椿季の提案で、今年はクラス皆に家に来てもらおうという大々的なものにしてしまったため、人数分の料理を用意したり、家を掃除したりしてなんだかんだで俺も手伝わされた。
ちなみに律の提案でこのことはクラスのLI〇Eに情報を流し、結局参加者は、女子は岡野、片岡、神崎、茅野、倉橋、中村、速水、不破、矢田。 男子は、カルマ、磯貝、木村、渚、杉野、菅谷、千葉、前原。 の計17人。まあ、モバイル律を入れて18人だ。
そして、殺せんせーも来ている。
「いやぁ、どれもおいしそうですねぇ」
「でしょ、腕によりをかけて作りました」
椿季は少し得意げだ。
まあ、結局誕生日パーティーといっても結局友達が家に来てだらだらおしゃべりしたりゲームしたり要するに友達の家に遊びに来るのと変わらない。
「んーこの、ビーフシチュー美味しい!」
「本当?よかった!どんどん食べて!」
「こっちのチャーハンも美味いぞ」
そう言って杉野は炒飯を多めに取った。すると、その後に磯貝や前原といった男子を中心に、チャーハンを取っていきあっという間に無くなった。
「本当だ。美味い」
「 ああ、本格的な味だ」
「本当嵯峨さんはなんでもできるな」
「えへへ、照れるなぁ、でも、みんな少し勘違いしてるよ」
「勘違い?」
クラスのみんなが疑問の表情を浮かべる中、椿季は笑っていった。
「今日の料理ってなんかおかしいと思わない?」
「おかしい?」
みんなは机の上の料理を見る、ビーフシチュー、チャーハン、ハンバーグ、エビチリ、ケーキ、杏仁豆腐、などなど一見なんの変哲もないようにクラスのみんなは見ている。
すると、殺せんせーが言った。
「たしかに、ここにある料理はどれも美味しく手の込んだ料理料理ですが、種類が実に偏っています、テーブルにおいてある左半分の料理はハンバーグやビーフシチューと言った洋食だけなのに対して、右半分はチャーハンや餃子など中華だけです。そしてここには逆に和食やイタリアンといったジャンルに分類される料理は1つもありませんね、普通こういう大勢のパーティーならではから揚げや取り分けられるパスタといった定番料理がここにはありません」
「別に、たまたまじゃないのかよ」
前原はそう言った。しかし、殺せんせーはニヤリとして
「そして、柊季くん。君はそのビーフシチュー以外に手をつけていない、それにもかかわらず君の服からはごま油の香りがします。ということは…」
クラスのみんながここでようやく気づく。
「ああ、そこにある中華は全部俺が作った」
「「「「「「なにーーーーー!!!」」」」」」
クラスのみんなが驚く。まあ、普段の態度からして料理をするイメージなど欠片もないのだからしょうがないといえばしょうがない。
「お前、料理できたのか?しかもこんなに本格的な…」
「俺は中華しか基本作らないから、基本椿季任せだ。だけど週2日くらいは俺も作る」
「へー、意外。キャラ的にニートみたいな生活を送ってると思った」
「何だと、片岡」
俺は片岡のほうをじっと見たが、渚なんかがまあまあ、となだめてくれた。
「それでね、今回料理を半分作ってもらって勝負したの、どっちの料理の方が人気があるか、 どれでも一品最初に完売の料理を作ったほうが勝ちってルールにしてね」
「なるほどな」
「じゃあ、勝負は」
「うん、柊季の勝ちだね」
クラスのみんなからおーっという驚きの声と、拍手が送られた。
俺はちょっと照れくさそうに頭を下げる。
「あーあ、負けちゃった。料理で柊季に負けるなんて、私もまだまだだな」
そう言って、椿季は大げさに肩を落とし、ガックシといった感じをとる。
「そうがっくりすることないよ、嵯峨さん。嵯峨さんの料理もとってもおいしかったよ」
「そうだよ、本当においしかったんだから」
椿季を片岡と矢田が慰める。
「ありがとう。二人とも」
すると椿季は今度はテーブルの上を見て、こうつぶやいた。
「まあ、罰ゲームの皿洗いはいつものことだし、いいっていえばいいんだけどねぇ」
「なぁ、おまえ、それは」
パッと周りを見るとみんなの目線が痛い。というか「え、これおまえ全部、嵯峨さんに任せる気?」って目線でもうみんなが語ってるよ?
まあ、もともとそのつもりではあったのだが俺は小さくため息をついて
「まあ、皿洗いはやっぱり俺も手伝うわ、さすがにこれだけの量を椿季1人に押し付けるのは気が引けるからな」
「ありがとう、さっすが柊季だね」
こいつ、計画的だな…
「じゃあ、勝ったからかわりにこれをあげる」
「ん?なんだこれ?」
椿季からされたのは直方体の箱だった。
「プレゼントだよ、誕生日だもん」
「去年までは、こんなの無かったぞ」
「だって、渚君や杉野君が柊季にプレゼント渡してるのに私が上げないんじゃ不公平でしょ」
そういって、椿季はもう一度「はい」と手渡すのでもらうことにした。
「よしじゃあ、みんな次はゲームでもやらない?柊季の部屋にあるはずだから…」
「いいね、やろう。やろう。」
茅野やほかのみんなも賛同した。
「ああ、それならさっき俺が柊季の部屋がさ入れしたときに持ってきておいたよ、はい、嵯峨さん」
「ありがとう、カルマ君」
「おい、人の部屋で何勝手なことやってるんだ、お前」
そういって、カルマに俺は文句を言う。まったく、人の部屋に勝手に入るとは何事だ。
「でも嵯峨の部屋、機械ばっかで何も出てこなくてつまんなかったね?面白いもんどこに隠してんのよ」
中村、お前もか、
そんなこんなで、色々言いたいことはあったが、この後もクラスのみんなは夜遅くまで家で遊んで帰っていった。
そしてみんなが帰った後、私達に残されたのは、大量の洗い物だった。
「結構、量があるな」
「でもみんな残さず食べてくれたからうれしいよ」
そんな話をしながら私達二人はてきぱき洗い物を進める。
「あと、向こうの机に置いてあるグラスを持ってきてくれる?」
「はいよ」
そういって、柊はグラスをお盆にのせて運ぼうとしたときに、机の下に何か落ちていることに気付いた。
「ん?、こんなところに携帯が落ちてる」
「ん?どれどれ?」
それを柊季はそれを私に見せた、これって、
「それ、たぶん陽菜ちゃんの携帯電話だね」
「倉橋の?」
「うん。悪いけど柊季。届けに行ってあげてくれない?」
「倉橋の家にか?」
「そりゃあ、そうでしょ」
そう言うと柊季は陽菜ちゃんの携帯を持って、駆け足で家を出て行った。
「それにしても、陽菜ちゃん。携帯わざと忘れてったのかな?」
ビッチ先生あたりの入知恵かな?と思い、私は洗い物をまた始めるのだった。