双子の姉弟が送る!暗殺教室   作:コミ6目半

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第21課 湿気の時間

 私が洗い物を終え、自分の部屋に戻ると机の上に小包があった。

 

 「HAPPY BIRTHDAY ってこれ誰からだろう」

 

 裏を見るとBY HIRAGI とワープロで打ったと思われる文字が書いてあった。

 

 「柊季いつの間にこんなもの用意してたんだろう…」

 

 そう考えて思い出したのは、数日前、柊季に買い物に行かせようとして、素直に行った時だった。

 

 

 「あの時かな……」

 

 

 椿季はそんなことを考えながら包みを開けてみると中身を見てみると…

 

 

 「あーこれ!!」

 

 

 入っていたのはダーツの矢だった。この前の修学旅行で柊季が壊した後そのままだったので、私は柊季なりの罪滅ぼしだったのかななどと思いながら、それをしまった。

 

 

 

 

 帰ってきたらお礼言わなきゃなと思いながら、時計を見る家を出て1時間そろそろ帰ってきてもいい頃なんだけど…

 

 

 「遅い……」

 

 

 柊季が出て行ってから、2時間が経ち陽菜ちゃんのところに行って、陽菜ちゃんからプレゼントをもらって、帰ってくるにしてもちょっと遅すぎる。かといって電話するのもなんか違うし……

 

 そんなこんなで、私がもやもやする中ようやく玄関の扉が開いた。

 

 

 「ただいま」

 

 「もう、遅いよ、心配したじゃない」

 

 

 少し怒ってる感じで私が言った。

 

 

 「悪い、ちょっとトラブっちゃって」

 

 「トラブル?」

 

 「それが、その……」

 

 

 なんか柊季が決まりが悪そうな顔をしている……

 

 

 「ひ、陽菜乃が理事長のイタズラでさらわれて…」

 

 「なにーーー」

 

 

  私は思わず声を荒げた。さらわれた? 陽菜ちゃんが?それに今、陽菜乃って……

 

 

 「まあ、すぐに解放されたし、一応、家まで送ってきたけど…」

 

 「ああ、そう、それならいいけど、それより今、陽菜乃って…」

 

 「だって、倉橋がそう呼んで欲しいっていうからさ」

 

 

 恥ずかしそうに言う柊季に対して思わず言う。

 

 

 「倉橋、じゃなくて陽菜乃でしょ?」

 

 「からかうんじゃねー」

 

 

  我が弟、柊季は必死に平静を装っているが、はっきり言って、バレバレである。

 

 

 (へー、こんな表情するんだ、知らなかったなぁ)

 

 

  まあ聞くまでもないけどこの様子だと、柊季も陽菜ちゃんのことが好きなんだろうなと思いながらも私はこう聞いた。

 

 

 「でも下の名前で呼ぶの、いやじゃないんでしょ」

 

 

 柊季は少し考えてこう言った。

 

 

 「まあ、そうだけど」

 

 「ふーん」

 

 

  私はそう言って、それ以上追及するのはやめた。あまりいじってもかわいそうだし、

 

 

 「それはそうと、プレゼントありがとう。大切にするよ」

 

 「おう、あ、それともう一つ」

 

 「ん?なに?」

 

 「理事長が陽菜乃に母さんのこと話したらしい…」

 

これを聞いた私の表情はちょっと曇ったかもしれない

 

 

 「…………どれくらい話したの?」

 

 「ほんの少し、理事長と母さんの関係くらい」

 

 「…………そう、あまりみんなには知られたくはないんだけど」

 

 

  そう言って、私は黙って自室に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  次の日は雨だった。梅雨の時期はどうしてもジメジメするのであまり好きではない。それは俺らだけではないようで…

 

 「それではホームルームを始めます」

 

 「おい、なんだあれ、」

 

 「なんか大きいぞ」

 

 「うん…」

 

 

 クラスのみんながひそひそ話すのも当然で、先生の頭部は明らかに巨大化していた。

 

 この状態では授業にならないと判断したのだろうか、ホームルームの終了間際、律が聞いた。

 

 

 「先生、33%ほど巨大化した頭部についてご説明を」

 

 「あー、水分を吸ってふやけました」

 

 「生米みたいだな」

 

 

 岡島がツッコム。

 

 

 「先生、帽子が少し浮いてますけど」

 

 「よく気付いてくれました、椿季さん。先生遂に生えたんです。髪が」

 

 

 せんせーの頭にはついに髪が……ん?

 

 

 「それキノコだよ!」

 

 

 間違いなくそれ、シイタケだからね。髪じゃないよ。

 

 すると殺せんせーは頭に生えていたキノコを取り食べながらこう言った。

 

 

 「こういった湿気の多い日も恩恵はあるもんですね、皆さんも暗くならずに明るくじめじめ過ごしましょう」

 

 「「「「「はーい」」」」」

 

 

 まあ、雨だからって言ってくさっててもしょうがないか、と思い俺も気持ちを切り替えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

  結局、雨が止むことは無く放課後。俺は椿季や渚や杉野、茅野、岡野と帰っていた。

 

 

 

 「といっても、やっぱりあの環境はひどすぎるよな」

 

 「前の学校はもっと良かった?」

 

 「設備はよかったよ、一応名門私立だし。まあ設備だけだけど」

 

 「柊季はクラスのみんなとうまくやれなかったから…」

 

 「ああ……」

 

 

 椿季の説明に他のみんなが納得する。そんなに俺問題児っぽい?

 

 そんな話をしながら歩いて行くと、見知った男が知らない女と歩いているのが見えた。

 

 

 「ねえ、あれ、前原君じゃない?」

 

 

 椿季が指差す。

 

 

 「一緒にいるのは?」

 

 「C組の土屋果穂」

 

 「相変わらず、お盛んだね彼は」

 

 「やっぱりモテるんだな、あいつ」

 

 

  そう言ってると何やら後ろで物音がした。

 

 

 「前原君、駅前で合い合い傘っと」

 

 「おい、ゴシップタコいつの間に後ろにいたんだ」

 

 「ヌルフフフ、これも先生の務めですよ、柊季君。クラス全員分の恋話をノンフィクションとして書くつもりなんですよ、ちなみに第一章は杉野君。神崎さんへの届かぬ思い」

 

 「何としても出版前に殺さなければ…」

 

 

 杉野が妙な殺気に満ちあふれている。まあ、がんばれ。

 

 

 「あ、大丈夫ですよ。柊季君。君の分もしっかりありますから、昨日、こうえn」

 

 

 俺は勢いよくナイフを投げた。

 

 

 「タコ、殺すべし、タコ、殺すべし、タコ、殺すべし……」

 

 「先生、柊季君機械みたいになってますけど……」

 

 「ヌルフフフ、その話はまた今度にしておきましょう」

 

 

 チッ、完全に遊んでやがる。このタコ。

 

 そんな話をしていると、俺らと同じ制服の連中が三人こちらに向かって歩いてきた。

 

 

 「おい、果穂何してんだ?」

 

 

 三人の男の中の一人がそう言う。

 

 

 「渚、あいつは?」

 

 「瀬尾君、生徒会の議長やってる」

 

 「へー」

 

 

 そんな話をしていると、瀬尾という生徒のほうに女が話に行き何やらもめてるっぽい。いわゆる修羅場だ。

 

 

 すると前原が言った。

 

 

 「なるほど新カレが忙しいから、俺もキープしとこうってこと、果穂」

 

 「果穂、おまえ」

 

 「違うって、そんなんじゃない」

 

 

 女のほうはだいぶ困ったような顔をして考えていたが、前原のほうを見るとその表情は一変した。

 

 

 「あのね、自分が悪いってわかってる?頭が悪くてE組に行っちゃった前原君」

 

 わお、逆切れかよ。

 

 「一緒の高校に進めなくなっちゃえば接点なくなるし、そうしたら私たち自然消滅しちゃうじゃん。だから私は新しい彼を作ったの。瀬尾君なら一緒の高校に行けるし。でも、E組落ちてショックかなと思ったから言わないどいてあげたけど、E組の頭じゃわかんないか」

 

 「お前自分のことを棚に上げて…」

 

 

 そうって詰め寄った前原を瀬尾は蹴り飛ばした。

 

 

 「わっかないかな、同じ高校に行かないんだから俺らお前に何したって後腐れなんかないんだぜ」

 

 

 そういって、瀬尾を含めた三人組はこの雨の中、前原を蹴り始めた。

 

 

 「あいつら」 「おい、おまえら」

 

 「やめなさい」

 

 

 俺と杉野が出て行こうとしたのを止めたのは…

 

 

 「り、理事長先生」

 

 

 先ほどまで蹴っていた本校舎三人組の顔は青ざめていた。

 

 

 「暴力はダメだよ。人の心を曇らせるからね」

 

 「は、はい」

 

 

 そういうと、三人組とも大人しく従った。

 

 すると今度は理事長が前原に駆け寄ってハンカチを差し出す。

 

 

 「ひどいことになる前で良かった、もしあのまま続けていたらこの学校にいられなくなってたところだったね君が」

 

 

 「君が?」

 

 

 俺は正直、理事長の言葉に耳を疑った。

 

  理事長はその言葉だけを残し、立ち去り、本校舎のやつらも前原に理不尽な罵詈雑言を浴びせながらその場を立ち去る。

 

 奴らが立ち去った後、渚、杉野がかけよった。

 

 

 「前原平気か?」

 

 「前原君」

 

 「おまえら、見てたのかよ」

 

 「まあな」

 

 

 そういって、俺は前原に傘を差してやった。

 

 

 「ったく。あの女とんでもねえビッチだな、いや、まあビッチはうちのクラスにもいるんだけど」

 

 

 そう言う杉野はなんだか気難しい顔をしていたが、

 

 

 「違うよ、杉野君。ビッチ先生はプロだから、ビッチすることに対して意味も場所もわかっているけど、彼女はそんなんじゃない。一緒にしたらビッチ先生がかわいそうだよ」

 

 「そうだな」

 

 

 俺は椿季の意見に同調する。

 

 

 「いや、それより、俺が怖いのはさっきの態度だよ」

 

 「態度?」

 

 「果歩、一瞬だけ罪悪感で言い訳モードに入ったけど、俺をE組として認識した瞬間攻撃モードに入った。人ってみんなああなのかな? 相手が弱いと見たら、俺も同じことをしちゃうのかな?」

 

 

 みんな重い空気で考える。このクラスにいれば誰でも一度はぶつかる壁なのだろう。

 

 「ならば、仕返しです!」

 

 「うわっ」

 

 

 ふとみて見ると先生の頭部朝の倍は膨らんでいた。

 

 

 「仕返しですか?」

  

 「そうです。椿季さん。理不尽な屈辱を受けたんです。力なきものは泣き寝入りするところですが、君たちには力がある、気付かれず、証拠も残さずターゲットをしとめる暗殺者の力が」

 

 「なるほど、目には目を歯には歯をってことですか」

 

 「そうです、柊季君」

 

 

 俺はにやにやと笑う。

 

 

 「ははは、何企んでるんだよ、柊季、殺せんせー」

 

 「屈辱には屈辱を、今日のお前と同じ目に合わせてやるんだよ、なぁ、みんな」

 

 

  前原は殺る気満々のみんなを見て苦笑いするしかなかったのだった。 

 

   

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