双子の姉弟が送る!暗殺教室   作:コミ6目半

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 今日は柊季と椿季の誕生日ということで更新します。

 今回は初の?サイドストーリー、19話20話の裏のお話です。

 かなり急ピッチで作ったのでかなり荒い部分も多いと思いますが楽しんでいただけたら幸いです。

 というわけで、柊季!椿季!誕生日おめでとう!!


番外編
第19.5課 面白さの時間


 6月7日。7月7日の七夕ならともかく普通の人にとっては何の変哲もない普通の日だ。

 

 

 それはここ銀杏学園でも同じで、生徒はいつもの放課後を過ごしていた。

 

 

 そしてここの理事長柊暦は午後のティータイムを楽しんでいた。 

 

 

 コンコン。

 

 

 

 誰かが理事長室の扉をたたく音がした。

 

 

 「どうぞ」

 

 「失礼します」

 

 

 そう言いながらこの学校の中等部の生徒会長、神宮寺きりんが部屋へと入ってくる。

 

 

 「ああ、きりんさん。生徒会のほうはどうですか?」

 

 「まあ、色々大変なことが多いです、新学期早々、訳の分からない転校をしていった生徒が2名ほどいましたし」

 

 「ふふ、でもあなたならうまく取りまとめてやっていけるでしょう」

 

 

 そう言って暦はにっこり笑うときりんは小さくため息をつき、持ってきていた封筒を渡す。

 

 

 「これは……」

 

 「頼まれていたものです」

 

 「随分早いですね」

 

 「仕事ですから」

 

 「大変結構です」

 

 

 暦はそう言うと封筒の中の書類に目を通し封筒にもう一度しまう。

 

 

 「理事長、一つだけ聞いていいでしょうか?」

 

 「いいですよ」

 

 「なんで私にこのことを調べさせたんですか」

 

 「気になっていたのでしょ、あなたも」

 

 「それは……まぁ……」

 

 

 きりんは暦のほうをじっと見つめたが、暦は屈託のない笑顔できりんを見ているだけだった。

 

 

 そして、彼女は小さくため息をつき言う。

 

 

 「何を考えているか知りませんけど、あなたの思う通りにすべて行くとは思わないでくださいよ」

 

 「もちろんです、そうでなくては面白くありませんから」

 

 

 コンコン

 

 

 きりんと暦がそんな話をしていると、再び理事長室の扉をたたく音がする。

 

 

 「誰か来たようなので、私はこれで失礼します、あと、あのことも何も解決してないってことを忘れないでくださいよ」

 

 「もちろんですよ、これからもよろしくお願いしますね。きりんさん」

 

 

 きりんは何も言わずただ一礼して理事長室を出て行った。

 

 

 するときりんと入れ替わりで鑑純一郎が入って来た。

 

 

 

 「時間どおりですね、鑑先生」

 

 「何が時間どおりだオプション付き!!余裕でサボってアキバに行こうとしたら、変則ツインテールに追いかけまわされたわ!!」

 

 「やはり、マキナちゃんに頼んだのは正解でしたね、おっと今は桃園先生と呼ぶのが適切でしょうか?」

 

 「どっちでもいいわ、そんなもん」

 

 

 純一郎はだるそうに来客用のソファーに座ると、懐から携帯ゲーム機を取り出していじり始める。

 

 

 「さっき、会長が出て行ったみたいだが」

 

 「ああ、ちょっと頼みごとがありまして」

 

 「頼み事ねぇ……まあ、どっちでもいいけど、それより何の用だよ」

 

 「鑑先生を呼んだのはあの二人のことです」

 

 「あの二人?ああ、柊季と姫か、あいつらがどうしたのか」

 

 「いえ、今日あたり様子を見に行ってみようかと」

 

 「お前、あの二人のこと結構気にしてるのな」

 

 「ええ、そうですね」

 

 

 そういうと、暦はすっと立ち上がり、窓を眺める。

 

 

 「あの子たちは私にとってちょっとだけ特別ですね」

 

 「お前がそんなこと言うなんて珍しいな」

 

 「ふふっ、鏡先生から見てあの二人はどうですか?」

 

 「あいつらねぇ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~2年前~

 

 

 

 

 「俺がこのクラスの担任と理科を受け持つことになった、鑑純一郎だ!よろしく」

 

 「「「よろしくおねがいします」」」

 

 「早速だが自己紹介を兼ねて、俺の作ったRPGをみんなでプレーすっぞ」

 

 「「「おーっ」」」

 

 

 純一郎のクラスの一番最初の授業ではRPGをすることがもはや恒例となりつつあった。

 

 

 

 (これやると本当クラス内の関係が一発でわかるよな)

 

 

 銀杏学園は小学校から大学まであるためこのうちの何割かは小学校から上がっていた顔見知りがいる人と顔見知りがいないながらも、友達を作るべくなんとおなく話しかけ一緒にやる。大きく分けるとこの二つだった。

 

 ある一名を除いては……

 

 

 

 

 

 

 

 「んじゃあ、今日はここまで」

 

 「起立、礼」

 

 

 日直が号令をかけると、純一郎は授業が終わってもパソコンをいじり続けていた一人の生徒に声をかけた。

 

 

 「まだやってるのか、お前」

 

 「はい」

 

 「ゲーム好きなのか?」

 

 「ええ、まあ、好きか嫌いかで言ったら」

 

 

 これが、純一郎と柊季の初めての会話だった。

 

 柊季は少し不愛想に言う。

 

 

 「どうだよくできてるだろそのゲーム」

 

 「これやっぱり先生が作ったんですか?」

 

 「まあな」

 

 「ふーん、すごいですね」

 

 

 柊季は興味なさげにそういうだけでその後は黙々とレベルを上げていく。

 

 

 「なあ、お前、他にはどんなゲームやるんだ」

 

 「ポ〇モンとか、あとウロボロスとか」

 

 「なら、まず、ポ〇モンで俺と対戦しようぜ」

 

 「はっ?」

 

 「いいだろ?それとも負けるのが怖いのか?」

 

 

 純一郎がそういうと柊季は溜息をつき言う。

 

 

 「いいですよ、どうせ暇ですし」

 

 「よっしゃ!じゃあ、早速やろうぜ」

 

 

 結局、純一郎に乗せられ柊季と純一郎の対戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よし、これで10勝目」

 

 「……」

 

 

 柊季と純一郎の対戦の結果は10戦やって、純一郎の10勝、圧倒的な試合展開だった。

 

 

 「なあ、お前が本当に面白いって思うもんって何だ」

 

 「……」

 

 

 

 純一郎の言葉柊季は何も言わなかったが、純一郎は続ける。

 

 

 

 「お前のゲームプレーはテンプレートのものを使いまわしてるだけだし、どれだけ負けても眉一つ動かさない、俺にはお前がゲームを楽しんでるようには見えねーぜ」

 

 「………」

 

 「お前はただ自分がゲームをやって楽しんでいるように暗示しているだけなんじゃねーか?」

 

 

 すると、ここまで黙っていた柊季がゆっくり口を開く。

 

 

 「先生の話はここに入学する前に少し聞きました、YD(やりたいことしかできない病)とか言って自分のやりたいことをとことんやる人だって」

 

 「ああ」

 

 「先生みたいな天才はそれでいいのかもしれませんが、普通の人はそうはいかないですよ、やりたいことを前を向いて突っ走れるのは才能、俺みたいな人間にはそもそもやりたいこと面白いことを見つけることだって難しいんです」

 

 

 

 柊季は荷物をまとめて席を立つ。

 

 

 「やりたいことを見つけられない才能のない人間はテンプレートなことをして、それを楽しむように努力するのが一番なんです。それが一番成功しやすいですし、安全な道なんです。楽しいことやりたいことをやっていてうまくいく人間なんて少ししかいない。そして、俺は少なくと前者だと客観的に見て思います」

 

 「……」

 

 「だから、俺はテンプレートの道を歩きます。たとえそれが多少つまらなくても俺は納得してますから」

 

 

 この時の柊季は彼の中でこれ以上はないくらい簡潔した答えだったし、多くの人が納得する正論だと思っていた。

 

 「下校時刻なんで俺は帰ります、失礼します」

 

 

 そういって、柊季は教室を出ていこうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何もわかってないな、お前」

 

 「えっ?」

 

 

 教室を出ていこうとした柊季が立ち止まる。

 

 

 「何もわかってないって言ってんだよ」

 

 「だから何がですか」

 

 

 柊季は少しいらだったように言う。

 

 

 「テンプレの人生を歩めば安全?その中で面白いものを探す?そんなもん草生えるわw!それで成功してお前はどうしたいんだよ」

 

 「それは……」

 

 「よし決めた。お前、このクラスの学級委員長やれ」

 

 「はっ?それどういう……」

 

 「俺がこの一年お前のそのさび付いたようなつまんねぇ考え方じゃなくて、もっと面白いもんを見せてやる」

 

 

 そういう純一郎に対して柊季が言う。

 

 

 「先生、さっき俺の話聞いてました?俺は別に……」

 

 「おまえこそ、聞いてなかったのか?」

 

 「な、なにを……」

 

 

 純一郎はパソコンを開き何かをすさまじい速度で打ち込んだかと思うと柊季の顔を見てニヤリと笑った。

 

 

 

 

 

 「俺は鑑純一郎。今からお前の人生を最高にテンプレから外れた面白いシナリオに書き換えてやるぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 純一郎がそんなことを思い出していると暦が笑って言う。

 

 

 「柊季くんは鑑先生が受け持ってから、少しづつですが感情が表に出るようになりました」

 

 「そうか?結局一年で俺に行ったことは怠いだの余計なことをするなだの、文句ばっかりだったぜ」

 

 「ふふ、そう言いながらも、彼自身ちょっとちょっとづつ楽しんでいたじゃないですか」

 

 「さあ、どうだか、それに姫のほうは結局担任持ったことはなかったしな」

 

 「ええ、彼女は彼女でいくつか問題を抱えていますが、それはまず彼女で考えてほしいので」

 

 

 すると暦は立ち上がり、窓を見る。

 

 

 「あの二人には今の自分に必要なことは何かを考えてほしいそれには、時間と環境が大事です」

 

 「そしてお前が思いついたのがあそこにあの二人を送り込むことだったのか」

 

 「ええ、あの二人のためにも私の目標のためにもあそこに二人を送ることが適切だと判断しました」 

 

 「それで、送ってみてあの二人は変わったのか」

 

 

 そう言うと、暦はくすくす笑って、机の上の封筒を純一郎に渡した。

 

 

 そしてそれを純一郎はめんどくさそうに眺めていた。

 

 

 「へーっ、本職は流石だな」

 

 

 「まだまだ障害は多そうですが、それを含めて彼らには期待しているんですよ」

 

 

 そう言って、暦は理事長室を出て行って、玄関口に止めてあった車に乗り込んだ。

 

 

 「柊季君、椿季さん。この一年は貴方達の人生をより面白くするでしょうね」

 

 

 

 この数時間後、暦が一人で歩いていた倉橋に声をかけたのはまた別の話。

 

  

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