双子の姉弟が送る!暗殺教室   作:コミ6目半

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 遂に鷹岡編ですね…

 オリジナルを混ぜつつ3話構成です。

 今回は前編です!


第30課 同期の時間

 

 じりじりと暑さを増す7月、球技大会からしばらくたち、3年E組ではいつも通り体育で訓練が行われていた。

 

 その体育教師である。烏間惟臣は生徒のナイフを交わしながら言う。

 

 

 「視線を切らすな!次に標的がどう動くか予想しろ!全員が予想できればそれだけ奴の逃げ道を塞ぐことができる」

 

 「「「「「はい」」」」」

 

 

 クラスのみんなは返事をし、ナイフ術の授業を続ける。

 

 

 

 

 

 (訓練開始から四か月、「可能性」がありそうな生徒が増えてきた

 

 

 磯貝悠馬と前原陽人。運動神経がよく仲のいい二人のコンビネーションが光る。

 

 二人がかりなら俺に当てられるケースも増えてきた。

 

 

 

 コンビネーションで言うなら、嵯峨姉弟もまた絶妙だ。

 

 姉である椿季は、ナイフの扱いに非常に慣れていて、俺に当てた投剣だけでなく、普通にナイフを振らせてもクラス随一の成績だ。

 

 弟の柊季は俊敏な動きから手数が多く、また、射撃の成績が良い。遠近どちらでも使えるのは暗殺の幅が広がる。

 

 さらにお互いの性格をよくわかっているからか目線すら合わせることなく息があうところは、超人じみている。

 

 

 赤羽カルマ。のらりくらりとしているが、隙あれば俺に赤っ恥をかかせるべく常に何かをたくらんだ眼をしている。

 

 

 他に女子では、体操部でバク天などの意表をついた動きのできる岡野ひなた。

 

 男子並みのリーチや運動量を誇る片岡メグ、このあたりがアタッカーとしては非常に優秀である。

 

 

 ほかの生徒達も飛び抜けて優秀なものはいないが、全体的な技術は格段に向上しているな)

 

 

 

 

 烏間は磯貝前原コンビの相手が終わると次を呼んだ。

 

 

 「よしでは次!」

 

 「「はい!」」

 

 

 そういって、柊季と椿季のコンビが烏間の相手をしようとした時だった。

 

 烏間の背後に強烈な寒気に似た何かが走る。

 

 そして、烏間はとっさに振り払うが、意外なことにそれを喰らったのはただ近くで練習をしていた。潮田渚だった。

 

 一回転して転げとんだ渚に対して、烏間はすぐに駆け寄る。

 

 

 「すまん、強く防ぎ過ぎた、けがはないか?」

 

 「渚、大丈夫か?」

 

 「柊季君、大丈夫だよ。平気、平気」

 

 「ばっかでー、ちゃんと見てないからだ」

 

 杉野がそうからかうと、渚は苦笑いした。

 

 

 (確かに今殺気に似た何かを感じたんだが、気のせいか?)

 

  烏間がそんなことを考えていると。授業終了のチャイムが鳴った。

 

 

 「よし、今日の授業はここまで」

 

 「「「「「「ありがとうございました」」」」」」

 

 

 クラスのみんなはあいさつを皮切りに三々五々散らばる。

 

 すると倉橋が、烏間に話しかけた。

 

 

 「烏間先生、放課後みんなでお茶しようよ」

 

 「ああ、誘いは嬉しいんだが、この後防衛省からの連絡待ちでな、また頼む」

 

  

 烏間はそう言って倉橋の誘いを断って職員室へと戻っていく。

 

 

 「烏間先生は私生活でも隙なさそうだよな」

 

 「うん。なんか完璧って感じだな」

 

 

 前原と柊季がそんな話をしていると、矢田と倉橋が言う。

 

 

 「そういうよりは、烏間先生私たちとの間に距離を保っているというな感じがするんだけど」

 

 「厳しいけど優しくて、私たちのこと大切にしてくれてるけど、それってやっぱり、任務だからなのかな?」

 

 

 その疑問にクラスのみんなはそれぞれ考えていたが、殺せんせーがどこからかやってきて言う。

 

 

 「大丈夫ですよ皆さん、確かにあの人はせんせーの暗殺のために送り込まれた工作員ですが、彼にも素晴らしい教師の血が流れていますよ」

 

 「そうだよね」

 

 

 椿季がそう言って、小さくため息をついたときに、校舎から見知らぬ男が出てきたことにクラスのみんなが気付く。

 

 

 そのジャージ着たお腹周りはぽっちゃりしているものの、がっちりとした体格の男は俺らに向かって言った。

 

 

 「やぁ!3年E組のみんな!俺の名前は鷹岡 明。今日から烏間の補佐としてここで体育教師をすることとなった。よろしくな」

 

 

 そう言うと、鷹岡は大量の荷物を地面におき、ブルーシートの上に広げ始めた。

 

 そこには某有名お菓子メーカーのエクレアやロールケーキなどのお菓子が並んでいた。

 

 

 「さあ、みんな食ってくれ、俺の財布を食うつもりでな」

 

 

 そう笑いながら、シートの上のお菓子を進勧める。すると中村や木村がそのお菓子に手を伸ばし殺せんせーもバカ食いしている。

 

 

 みんなが和気藹藹とお菓子を食べる中ケーキを食べながら、木村が言う。

 

 

 「鷹岡先生は烏間先生と同期なんすか?」

 

 「おう、空挺時代のな」

 

 「それにしてはずいぶん違いますね」

 

 「なんか近所の父ちゃんみたいですよ」

 

 「そうか?いいじゃねーか、父ちゃんで、同じ教室にいるなら俺らはみんな家族みたいなもんだろ」

 

 

 原さんのいうことに、鷹岡もそのように肯定した。

 

 

 そんなみんなを見ながらどこか心ここにあらずで椿季はボソッとつぶやいた。 

 

 

 「家族か……」

 

 「椿季…」

 

 「ねぇねぇ、嵯峨君たちははケーキ食べないの?」

 

 

 茅野がケーキを食べながらそう言ってきたが、柊季は断った。

 

 

 「わりーな、俺この後急ぎの用事があるんだ。ちょっと先帰るわ、あ、俺の分まで食べていいから」

 

 「嵯峨さんは?」

 

 「あ、え?ごめん、なんだっけ?」

 

 

 椿季は謝って聞き返す。

 

  

 「ケーキ好きでしょ?食べないの?」

 

 「あ、うん。今ちょっとダイエット中で…」

 

 「えー、嵯峨さん痩せてるから大丈夫だよ」

 

 「ううん。ほんと大丈夫だからごめんね」

 

 

 そう言って椿季は、逃げるように帰っていった。

 

 

 その様子を見ていた、矢田と倉橋は、

 

 

 「あの二人なんか様子がおかしかったけどなんかあったのかな……陽菜乃ちゃん。嵯峨君から何か聞いてない?」

 

 「ううん。何も聞いてない…」

 

 

 倉橋はそう言いながらも、内心では思う。

 

 

 (あの二人にとって家族っていうのは特別な意味を持っているからなんだろうな…)

 

 

 そう思いながらも、倉橋はただ二人を見送ることしかできないのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

  その日の夜の嵯峨家は、いつもと少し違った。

 

 

 「柊季ご飯作ったから食べちゃいなよ」

 

 「うん」

 

 

 そう言うものの、柊季はなかなか降りてこない。

 

 いつもなら一緒に食べるために待っているんだけど、今日の私はご飯のおかずをテーブルの上に並べ、自分の部屋に引き返す。

 

 

 そして今日の鷹岡先生の言葉や表情がわたしにはどうしても自分の中で引っかかっていた。

 

 

 (なんか嫌な予感がする…けど、柊季に頼むのはちょっと嫌だな…)

 

 

 私は少し悩んだけど、結局携帯電話である人へとコンタクトを試みた。

 

 

 「あ、もしもし、お久しぶりです。鑑先生」

 

 「あ、その声は姫か?」

 

 「その呼び方どうにかならないんですか」

 

 

 私はため息をつきながらも、話を先に進める。

 

 

 「調べてほしいことがるんです」

 

 「俺はお前の便利屋じゃねーぞ」

 

 「失礼を承知で頼んでるんですよ」

 

 「弟に頼めばいいだろ」

 

 「それができれば、先生に頼みません」

 

 「あー、面倒」

 

 「それで調べてほしいことっていうのはですね」

 

 「おい、俺はまだやるって一言も言ってないんだが」

 

 

 そう言う鑑先生を無視して、私は彼に鷹岡先生のことを調べてくれるように頼んだ。

 

 すると鑑先生は渋々承諾し、すこしすると鑑先生はため息をつき言った。

 

 

 「今回は調べてやったが、お前はそれでいいのか、姫」

 

 「何がですか?」

 

 「こいつの情報を見る限り、お前がやりたいことは予想着くから言ってんだよ」

 

 「……」

 

 「分かってるだろ、俺が何を言いたいのか」

 

 

 すると私は少し黙ってから言った。

 

 

 「先生もたまには先生らしいことを言うんですね」

 

 

 私が返した返事に鑑先生はもう一回小さくため息をつきこうとだけ言った。

 

 

 「好きにしろ」

 

 

 そういって先生は電話を切った。

 

 

 電話が終わった私の部屋には妙な静けさだけが残る。

 

(家族か……)

 

 

 そんなことを考えながら、私は自分の机の上にある家族の写真をただ、ぼーっと見つめていた。

 

 

 

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